温水シャワーが装備できるキャンピングカー特集


温水シャワーは不要?

キャンピングカーに温水シャワーは不要という意見は、少なくない。理由は簡単で、それほど使わないと思われるのにコストがかかる。また、給水、排水、掃除などの手間が大変、と言ったところが主な理由だ。

更に、日本には温泉施設や入浴施設が多くあり、入浴には困らないというのも大きな理由のひとつと思われる。確かに、道の駅に併設されている温泉施設もあるし、シャワールームが使えるキャンプ場もある。

しかし、数日間のクルマ旅では温泉めぐりを除き、毎日温泉施設を探すのは面倒だし、入浴した後、目的地までまた運転するのは億劫だ。できれば、入浴後すぐに冷たいビールを飲みたい。また、毎日の入浴にかかる費用もバカにならない。

キャンピングカーに温水シャワーが付いていれば、このような問題を解決することができる。ただ、標準装備で付いていれば悩むことはないのだが、オプションだと悩ましい問題ではある。しかし、一旦使い慣れてしまうと、もう手放せないというユーザーも多くおられる。

お湯が使えて嬉しいのはシャワーだけではない。 ギャレーでお湯が出れば、食器を洗う場合も冷たい思いをすることはない。寒い季節だと、実に幸せな気分になるものだ。

状況にもよるが、災害時にも役に立つかもしれない。入浴はもちろん、温水シャワーも使えない場合は、離れた地域で水とガソリンを調達できれば、キャンピングカーで温水シャワーを使える。

給水と排水はどこでする?

キャンピングカーで温水シャワーを使う場合、一人あたり20L程度の水が必要になる。ファミリーの場合だと60~80Lの水が必要になる。更に、排水はその辺の側溝に流すわけにはいかない。側溝は雨水用であって汚水用ではないからだ。

給水と排水は、ガソリンを入れる時にガソリンスタンドでお願いすると良いだろう。ガソリンスタンドには洗車場の排水溝があるからだ。筆者は断られたことはないが、万一断られたら別のスタンドに行けばよい。なお、セルフでなない有人のガソリンスタンドの方がスムースに話が運ぶ。

ガソリンスタンドの水は地域によって井戸水の場合があるので、ガソリンを入れる前に確認すると良いだろう。シャワー用の水なので井戸水でも問題ないが、食器を洗う水と兼用の場合は避けた方が良いかもしれない。


給湯方法の種類

燃料ボイラー方式

多くの輸入モデルが採用しているのが、トルマ社のCombiというボイラー。これは、ガソリンや軽油、あるいはガスをボイラー内で燃焼し、水を通してお湯にする方式。多くの場合10L程度の容量で高温(60℃くらい)の湯にし、水と混合して使用する。

高温の湯と言っても10L程度しかないので、一度に使用できるのは2名程度となる。従って、2名以上なら沸かし直す必要がある。水の温度にもよるが、通常15~20分程度と言われている。

熱交換方式

エンジンの熱を利用する方式。エンジンに通っているクーラント液を熱交換器に遠し、水を加熱する。本来捨ててしまう熱を利用するので、燃料費はかからない。貯湯式なら、走っている間にタンク内の水が湯になっている。

国産のモデルでは、この熱交換方式を採用しているモデルが多いようだ。ただし、これも20L程度の貯湯タンクの場合は、やはり水と混合して使用するので、一度に使用できる人数には限りがある。

走行中に60L程度のタンク内の水を全て40℃程度の湯にしてしまう方法もある。これなら連続してシャワーを使用できるが、それなりの距離を走行する必要がある。

瞬間湯沸かし方式

カセットガスのボイラーの中を水を通し、瞬間的に湯にする方式。瞬間湯沸かしなので、水がある限り連続して使用できる。ダイレクトカーズのトリップやNINJAで採用されている。

市販のポータブル温水シャワーセット

多くの場合、カセットガスボンベを接続して瞬間的に給湯する。コストが安価で手軽に搭載できるため、小型のバンコンにも搭載できる。車外で使用するのも可能だが、車内で使用する場合は、防水処理されたスペースが必要になる。

電熱器

電気ヒーターで湯にする方式で、熱帯魚のヒーターと原理は同じ。ただしサブバッテリーで給電すると消耗が激しく現実的ではない。外部電源が取れる場合は可能だが、湯になるまで時間がかかる。電熱器は瞬間湯沸かし方式と併用される場合が多い。

では、以下に温水シャワーが使えるモデルをピックアップする。


ジルシリーズ:バンテック

 ジル ノーブル

バンテックは老舗キャブコン専門ビルダーで、ジルシリーズは全長5mを超える同社のフラグシップモデル。ジルジル520ジルノーブルの3モデルが選択でき、いずれも温水シャワーを標準装備する。

ジルはリアエントランス、ジル520は後部に横置き2段ベッド、ジルノーブルは後部に横置きダブルベッドのレイアウト。いずれもクラシカルながら高級感のあるインテリアが特徴。

 ジル520のサニタリールーム

サニタリールームのインテリアは特に高級感があり、温水シャワー、カセットトイレ、専用手洗いが標準装備される。温水は22Lの熱交換器で約60℃の湯を作り、55Lの生活用給水タンクの水と混合し、適温にして使用する。排水タンクは70L。

価格は、ジルが1136万円~。家庭用エアコンを標準装備する。同社のILiSリチウムイオンバッテリーシステムはオプション。

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クレア/スティングシリーズ:ナッツRV / ヴォーン エクスクルーシブシリーズ:東和モータース販売

 クレアとスティング

ナッツRVはセミフルコンから軽キャンパーまでラインアップする総合ビルダー。同社のカムロードベースのキャブコンは、クレアとスティング、クレソンジャーニー、ジープニーの各シリーズに分類される。

クレアとスティングは、上級モデルに位置付けられており、全長が5mを超えるクレア/スティング5.3シリーズと、クレア/スティング5.0シリーズに分けられる。クレアとスティングの違いはバンク形状。スティングは低くスマートなバンクを持つ。

 クレア5.3Wの多目的ルーム

同社のキャブコンの温水シャワーは、全てオプションとなっている。上位モデルのクレア/スティングでも個室はサニタリールームではなく、多目的ルームの位置付け。温水シャワーやトイレは設置できるが、専用の手洗いはなく、がらんとしたシンプルな構成だ。

温水装置は、22Lの熱交換器(ラジエーターボイラー)を採用。約60℃の湯を貯湯しておき、使用時は60Lの給水タンクの水と混合して適温にする。排水タンクは60L。標準では給排水タンクは各19Lとなっている。

東和モータース販売ヴォーンシリーズは、クレアシリーズの姉妹車。ヴォーンにはリアエントランスレイアウトがあるなど、一部異なるところがあるが、温水システムに関しては共通となっている。

価格は、クレア5.3Wが1126万円~。家庭用エアコンを標準装備する。リチウムイオンバッテリーはオプション。

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トリップシリーズ:ダイレクトカーズ

 トリップブラックエディション

ダイレクトカーズは、軽キャブコンからカムロードキャブコン、ハイエースベースのキャブコンまでラインアップする総合ビルダー。多くのハイエースバンコンをラインアップするが、2019年にハイエースベースのキャブコンのモビリティホーム、2020年にカムロードベースのトリップを発売以来、急速にカムロードキャブコンのラインアップを拡充した。

 トリップログベースプレミアムエディションのサニタリールーム

トリップシリーズと、2024年に発表されたNINJAにはサニタリールームが標準装備され、温水シャワーと専用手洗いが標準装備される。

同社の温水システムの特長は、瞬間湯沸かし。カセットガスのボイラーで瞬間湯沸かしし、そのまま給湯する。給水タンクの水(100L)が無くなるまで連続して使用できる。

価格はトリップが1265万円~。車載用セパレートクーラーとリチウムイオンバッテリーを標準装備する。

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ニンジャ:ダイレクトカーズ

 ニンジャ

ダイレクトカーズの全長5mを超えるモデルはトリップシリーズで、これらはすべて同じ形のシェルを使っていたが、2024年ジャパンキャンピングカーショーで、新し形状のシェルを架装したニンジャを発表した。

トリップのずんぐりした形状のバンクと異なり、スマートなバンクだ。エントランスも、同社の5mを超えるモデルとしては初めてリアエントランスを採用した。

 ニンジャのサニタリールーム

温水シャワーに関してはトリップと同様に標準装備され、温水システムも同様に瞬間湯沸かしが採用されている。サニタリールームのインテリアもトリップシリーズとは異なったテイストになっている。

価格は、1298万円~。家庭用セパレートクーラーと400Ahリチウムイオンバッテリーを標準装備する。

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リバティ52シリーズ:アネックス

 リバティ52DB Lodge

アネックスは5mを超えるカムロードキャブコンからコンパクトバンコンまでラインアップする総合ビルダー。リバティシリーズは同社のフラグシップで、現行のカムロードベースのリバティ52シリーズは2018年に発表された

2024年にはリバティ52DB/SP Lodgeリバティ52DBiを発表。ラインアップを強化している。リバティシリーズは発表当初からスタイリッシュなエクステリアと輸入モデルを思わせるような洗練されたインテリアで一躍人気モデルになった。

 リバティ52DB Lodgeのサニタリールーム

サニタリールームのインテリアも同様に洗練されたもので、温水シャワーは標準装備されている。リバティシリーズの温水システムは床暖房と連携したもので、国産の高性能熱交換器を採用し、連続給湯が可能な同社独特の技術が使われている。

価格は、リバティ52DBが1328万円~。家庭用エアコンと5760Whリチウムイオンバッテリーを標準装備する。

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レガード ネオプラス:L.Tキャンパース

 レガードネオプラス

L.Tキャンパースは各社のキャンピングカーの販売を行っているが、レガードネオプラスは、ヨコハマモーターセールスが製作するレガードネオをアレンジした唯一のオリジナルモデル。

レガードの基本設計は、シャシーを205mm延長することによりホイールベースを長くし、更にFRPモノコックフロアによる低重心設計を採用するなど、走行性能にこだわった作り。カムロードキャブコンとしては卓越した走行安定性を誇っている。

 レガードネオプラスのサニタリールーム

サニタリールームには温水シャワーを標準で装備。専用の手洗いも装備されている。温水システムは、22Lの熱交換式ボイラーを採用。高温の湯を水と混合し、適温にして使用する。

価格は不明。家庭用エアコンを標準装備する。リチウムイオンバッテリーのオプション設定は無い。

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ACE-G:AtoZ

 ACE-G

AtoZは軽キャブコンから5mを超えるカムロードキャブコンまでラインアップする総合ビルダー。従来より5mを切る全長のカムロードキャブコンであるアンソニーシリーズがフラグシップだったが、2024年に新たにACEシリーズを発表。ACE-Gはその中でカムロードをベース車にする5mを超える全長で、新たな同社のフラグシップモデルとなった。

ACE-Gの特長は、ダイネット部がせり出して広くなるスライドアウト機構。北米モデルではよく見られる機能だが、国産モデルではダイレクトカーズのトリップ ログベース プレミアムと並んで初となる。

 ACE-Gのサニタリールーム

サニタリールームには、トルマの温水システムを採用している。10Lの高温の湯と水を混合して使用する。

価格は1067万円~。家庭用エアコンを標準装備。リチウムイオンバッテリーはオプションで選択できる。

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ヨセミテ:ファンルーチェ

 ヨセミテ

ファンルーチェはハイエース標準ボディをベース車にするウラル エイジアから、5mを越す全長のヨセミテまでラインアップするキャブコン専門ビルダー。ハイエースベースのキャブコンを製作している数少ないビルダーのひとつでもある。

ヨセミテは同社のフラグシップモデルで、2021年に参考出品され、その後製品化された。突出した機能や装備は特に無いが、家庭用エアコンやリチウムイオンバッテリーなどが標準装備されるが比較的低価格なのが特長。

 ヨセミテのサニタリールーム

サニタリールームには、温水シャワーが標準装備される。温水装置はトルマの軽油仕様のボイラーを採用。10Lの高温の湯を、水と混合し適温にして使用する。

価格は1108万円~。家庭用エアコンと300Ahリチウムイオンバッテリーを標準装備する。

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ジープニーシリーズ:ナッツRV / モビーシリーズ:東和モータース販売

 ジープニー

ナッツRVは先に書いたように、軽バンコンからセミフルコンまでラインアップする総合ビルダだが、車幅が2mを切るモデルが無かった。そこで2023年に投入されたのがジープニーシリーズだ。2024年にはリアエントランスレイアウトも追加された。

ジープニーの特徴は2mを切る車幅そのもので、全長が5mを切るが、車幅は2mを超えるクレソンジャーニーシリーズと選択できるようになった。

 ジープニーの多目的ルーム

全長5mを切るキャブコンで温水シャワーが装備できるモデル自体が少ないが、ジープニーはその一つで、オプションで設置できる。専用の手洗いなどが最初から設置されているサニタリールームではなく、がらんどうの多目的ルームの位置付けとなる。

なお、東和モータース販売モビーシリーズは、ジープニーシリーズの姉妹車で、レイアウト、装備とも全く同様となっている。

価格は802万円~。家庭用エアコンを標準装備。リチウムイオンバッテリーはオプションとなっているが、ハイパーエボリューション仕様を選択すると標準装備される。

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クレソンジャーニーシリーズ:ナッツRV / ヴォーンシリーズ: 東和モータース販売

 クレソンジャニーType R

クレソンジャーニーシリーズは全長5mを切る車長で、同社の普及モデルの位置付けだったが、ジープニーシリーズの追加で、5mを切るモデルは2択となった。

車幅は2mを超えるが、駐車環境などが許される場合は、より広い室内が得られる。特にリアベッドの長さ(車幅方向)は、ジープニーが1807mmに対してクレソンジャニーは1930mmが確保されている。

 クレソンジャニーType Rの多目的ルーム

温水シャワーはジープニーと同様で、オプションで設置できる。シャワールームは多目的ルームを使用するが、専用の手洗いなどは無い。

価格は、848万円~。家庭用エアコンとリチウムイオンバッテリーはオプション。エビライト仕様を選択すると家庭用エアコンが、エボライトLi仕様を選択すると、家庭用エアコンと計400Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される。

 ⇨ クレソンジャニーの詳しい記事はこちら


コルドシリーズ:バンテック

 コルドバンクス

コルドシリーズは、同社の全長5mを切るカムローキャブコン。現在はコルドバンクスとリアエントランスのコルドリーブスの2モデルがラインアップされている。車幅はいずれも2mを切る。

コルドバンクスは後部に横置き2段ベッドを持つ標準的なレイアウトで絵、車体サイズも手ごろで5mを切るキャブコンではスタンダード的な存在。コルドリーブスはリアエントランスで前部に広いダイネットを持つ。

 コルドバンクスの多目的ルーム

多目的ルームにはちょっとしたカウンターが付いており、ここにシャワーフォーセットが設置される。温水設備は、22Lのエンジン熱交換式ボイラーがオプションで搭載でき、約60℃の湯を51Lの生活水タンクの水と混合して適温にする。排水タンクは70L。

価格は959万円~。家庭用エアコンが標準装備され、標準では105Ahのディープサイクルバッテリーが3個搭載されるが、同社のリチウムイオンバッテリーシステムILiS 4KWhを搭載したバージョンも選択できる。

 ⇨ コルドバンクスの詳しい記事はこちら
 ⇨ コルドリーブスの詳しい記事はこちら


ボレロ V-MAX:RVトラスト

 ボレロV-MAX

RVトラストはハイエースをベース車にしたキャブコン3モデルと、ハイエーススーパーロングをベース車にしたバンコンを1モデルラインアップするビルダー。

ボレロ V-MAXは同社のフラグシップモデルで、ハイエースワイドワゴンをベース車にした5mを超える車長を持つモデル。高級感のあるインテリアを持ち、家庭用エアコンや400Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備するなど、全てが揃った二人旅向けのハイエンドモデルとなっている。

 ボレロV-MAXのサニタリールーム

サニタリールームには、温水シャワーの他、カセットトイレと専用の手洗いが標準装備される。シャワー時には手洗いは邪魔にならないように跳ね上げて収納することができる。

価格は、1672万円~。家庭用エアコンと400Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備。

 ⇨ ボレロV-MAXの詳しい記事はこちら


カントリークラブ/ファイブスターセプト: レクビィ

 カントリークラブ

レクビィはハイエースを中心に多数のバンコンモデルを製作する、老舗のバンコン専門ビルダー。バンコンに本格的な温水シャワーを設置できる唯一のビルダーでもあり、そのインテリアには定評がある。

カントリークラブファイブスターセプトは、ハイエーススーパーロングをベース車にするプレミアムクラスのバンコンモデルで、家庭用エアコンやリチウムイオンバッテリーなど、充実した装備を誇る。ファイブスターセプトはファミリーに向けたレイアウトとなっている。

 カントリークラブのサニタリールーム

サニタリールームには冷水シャワーが標準装備されるが、オプションの温水装置(140.800円)を設置することで、温水シャワーが可能になる。専用の手洗いも設置されている。温水は19Lのタンクにエンジンの熱交換で高温(約60℃)の温水を貯湯し、水と混合して使用する。

価格は801万円~。標準仕様には家庭用エアコンは付かず、200Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備する。A/C仕様を選択すると、家庭用エアコンと300AQhリチウムイオンバッテリーが標準装備される。

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イゾラ: レクビィ

レクビィはハイエースベースのモデルが多数ラインアップされているが、その他のベース車のモデルも製作している。イゾラもその一つで、キャラバン標準ボディスーパーロングがベース車に採用されている。

同社にはハイエースをベース車にし、充実装備のソランシリーズがあるが、トイレルームが無く、これを望む声があった。イゾラは、そのような需要に対応するモデルで、2024年にリニューアルされた。

 イゾラのサニタリールーム

イゾラのサニタリールームはカントリークラブ同様最後部にFRPの防水ルームがあり、標準では冷水のシャワーが可能。温水システムをオプション(162,800円)で装備できる。温水システムも同様の熱交換式で、専用の手洗いも装備される。

価格は895万円~。 家庭用エアコンと300Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備する。

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バース:OMC

OMCはハイエースを中心にバンコンを製作するバンコン専門ビルダーで、スーパーロングの銀河や標準ボディハイルーフのナロー銀河で有名。しかし今まで温水シャワーを搭載できるモデルは無かったが、2024年にバースを発表した。

バースは後部に、車載用クーラー、リチウムイオンバッテリーなど充実した装備を持つモデルで、ギャレーは最後部に設置される。最後部はギャレーを含めて個室になり、ここにオプションで温水シャワー設備を設置できるのが特徴。

 バースのシャワールーム

この室内にカーテンで囲まれたスペースを作り、シャワーを使うことができる。オプション(495,000円)の温水システムは市販のポータブル温水器を使用しており、カセットガスで給湯する。簡易的なシステムだがコストを抑えられるのが特長となっている。

価格は643万円~。 車載用セパレートクーラーと20Ahのリチウムイオンバッテリーはオプションで設置できる。

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JP STAR TREASURE 1:ムーンスターエキスポート

ムーンスターエキスポートは現在軽キャブコンのJP Star Happy1+と、このJP Star Treasure1の2モデルだけを製作しているが、洗練されたエクステリアと、充実した装備が特長。特にJP Star Treasure1は、タウンエースベースのキャブコンで唯一温水が使えるモデルだ。

JP Star Treasure1は、タウンエースをベース車にしたキャブコンで、LタイプとMタイプがある。どちらも温水装置を標準装備するが、タイプMはサニタリールームを持ち、温水シャワーも標準装備される。

 Treasure1のサニタリールーム

JP Star Treasure1 Mタイプのサニタリールームには、温水シャワーの他専用の手洗いも設置されている。温水システムはべバストのFFヒーターを兼用したもので、10L程度の湯を貯湯しておき、水と混合して適温にして使用する。

価格は630万円~。 車載用セパレートクーラーと400Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備されます。

 ⇨ JP Star Treasure1の詳しい記事はこちら


ダヴィンチ5.4/6.0:トイファクトリー

 ダヴィンチ ルッソ

トイファクトリーはハイエースを中心にしたバンコン専門ビルダーで、バーデンをはじめ多くのバンコンモデルをラインアップしている。フィアットのデュカトが国内に正式輸入されたのを受け、2023年にはデュカトをベース車にしたバンコンモデルを複数発表した。

ダヴィンチはその中で唯一温水シャワーを搭載したモデル。多くの欧州モデルと同様のレイアウトを採用し、インテリアデザインも凝ったものとなっている。2024年にはインテリアをアップグレードしたダヴィンチ ルッソも発表された。

 ダヴィンチルッソのサニタリールーム

サニタリールームも洗練されたデザインで、温水シャワーを標準装備。専用の手洗いも設置されている。FFヒーターを兼ねたボイラーで給湯される。

価格は5.4が1430万円~、6.0が1474万円~。 ルーフエアコンか家庭用エアコンと150Ahリチウムイオンバッテリーはオプションで設置できる。

 ⇨ ダヴィンチの詳しい記事はこちら
 ⇨ ダヴィンチルッソの詳しい記事はこちら


フォルトナ/ゼニア:ナッツRV / スペランツァシリーズ:東和モータース販売

ナッツRV東和モータース販売は、正式輸入されるデュカトをベース車にしたバンコンを2023年に発表した。スペランツァ540はフォルトナの姉妹車。同2社は2024年には少し長いL3H2ボディを採用したゼニアと姉妹車のスペランツァ600を発表した。

フォルトナにはMタイプとCタイプがあり、多目的ルームはMタイプに与えられている。またゼニアにはTタイプ、Lタイプ、TLタイプがあり、多目的ルームはTタイプとLタイプに設置されている。スペランツァは540Cと540Mがあり、多目的ルームは540Mに、スペランツァ600には600TIと600TMがあり、多目的ルームは600TMに設置される。

 ゼニアLの多目的ルーム

フォルトナ、ゼニア、スペランツァの多目的ルームはどれも同じで、標準では何もない個室になっている。オプションで温水シャワーを設置でき、温水システムはカセットガスのボイラーを採用している。

価格はフォルトナが1030万円~、ゼニアが1375万円~。 家庭用エアコンと200Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される。スペランツァの価格はフォルトナ、ゼニアと同じ。

 ⇨ フォルトナの詳しい記事はこちら
 ⇨ ゼニアの詳しい記事はこちら


ヴェローナ / トリノ:ホワイトハウス

ホワイトハウスは乗用車やミニバンベースのキャンピングカーや、ハイエースベースのバンコン、そして2023年から正式輸入されたフィアットデュカトをベース車にしたバンコンを製作するバンコン専門ビルダー。

ヴェローナトリノはL3H2のデュカトをベース車にするバンコンで、ヴェローナは2列目に2人掛けの一体型シートと2段ベッド、トリノは2名分のセパレート単座シートとダイネット展開ベッドを持つ。

 ヴェローナのサニタリールーム

サニタリールームはどちらも温水シャワーが標準装備される。跳ね上げ式の手洗いも設置されている。温水システムはトルマの10Lの軽油式ボイラーを採用。高温の湯と水を混合し、適温にして使用する。

価格はヴェローナ、トリノとも1497万円~。 車載用セパレートクーラーと計300Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される。

 ⇨ ヴェローナの詳しい記事はこちら


輸入モデル

日本には欧州製のモデルを中心に、多くのモデルが輸入されている。欧州モデルではアドリアモービルデスレフサンライトサンリビングハイマーローラーチームホビー等のブランドが知られている。

輸されている欧州モデルはキャブコンやバンコンを問わず、洗練されたインテリアが特徴。サニタリールームも同様に、凝ったものが多い。例えばアドリアモービルのツインでは、トイレルームの壁が回転するとシャワールームになるといった仕掛けがある。

 ツインスプリーム600SPBGBのサニタリールーム

温水システムは、多くの場合トルマやべバストのボイラーが使用されているが、これらはFFヒーターも兼ねている。欧州車ではプロパンガスボンベを積んでいることが多く、ガス方式のボイラーも良く使われている。10L程度の高温の湯を貯湯しておき、水と混合して使用する。

価格は、ツインプラス540が1298万円~、クリフアドベンチャーエディション540は1210万円~。家庭用エアコンとリチウムイオンバッテリーはオプションで日本で取り付ける。

 ⇨ Twin Plus(ツイン プラス) 540SPの詳しい記事はこちら


まとめ

残念ながら、国産モデルで温水シャワーが使えるモデルは少ない。また標準装備されていても使わないといったユーザーも少なくない。しかし最近では高級キャブコンを中心に、お洒落なサニタリールームを持つモデルが増えてきた。

これは、移動型が中心の日本のマーケットだが、水や電気が自由に使えるキャンプ場やRVパークなどで滞在型のユースケースが増えてきたのかもしれない。また、比較的低価格で高性能な熱交換器が開発され、すでに搭載されているのもプラスの要因だ。

今後インフラが整ってくれば、温水シャワーの使い勝手も良くなると思われるが、現在でも、冒頭に書いたように、ガソリンスタンドをうまく使えば毎日温水シャワーを使える。温水シャワーがあれば、もう、温泉施設を探し求める必要なない。



動画はこちら

2024.6.28