レガードNEO+は、L.T.キャンパーズが製作する、カムロードをベース車にしたキャブコンキャンピングカー。

同社は、他ビルダーのモデルを扱っているが、自社モデルとしてレガードネオプラスを扱っている。レガードは横浜モーターセールスが製作しているが、L.T.キャンパーズはこれにプルダウンベッドやエアロパーツ、家庭用エアコンやリチウムイオンバッテリーを標準装備して販売している。


（記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。）


概要

カムロードをベース車にする5mを超える車長のキャブコン。ホイールベースを延長し、徹底した低重心化で走行安定性を図っている。、またた、バンクを無くした流麗なフォルムは、空気抵抗を軽減し、安定した走りに貢献している。

レイアウトは前部に広いダイネットを持ち、上部にはプルダウンベッドを設置。後部には横置き2段ベッドを配置する。サニタリールームにはトイレはもちろん、温水シャワーも装備されている。

空調は家庭用エアコンとリチウムイオンバッテリーを標準装備。FFヒーターも標準装備され、クルマ旅に必要なほぼすべての要素を標準装備している。


アピールポイント

・ロングホイールベースと低重心化で安定した走行
・バンクを無くした流麗なフォルム
・家庭用エアコンとリチウムイオンバッテリーを標準装備
・後部ベッドを跳ね上げて自転車も積める大きな外部収納に


ベース車とエクステリア

　レガード NEO+のエクステリア

ベース車はトヨタ カムロード ワイドトレッドダブルタイヤ。レガード NEO+ではシャシーを延長して、ホイールベースを205mm長くしているほか、FRP一体成型モノコックフロアユニットを採用して剛性を得ている。徹底した低重心化を図っているのも大きな特徴だ。

　延長されたシャシーとFRPモノコックフロアーユニット

これにより、カムロードキャブコンの（というより、キャンピングカー全ての）課題である走行性能と安定性の向上を実現している。全長は5,350mmで、多くのカムロードキャブコンが5100～5200mmであるのに比べ長いため、余裕のある車内空間を実現している。

バンクを排した流麗なフォルムもレガードNEO+の特徴。空気抵抗を減らし、安定した走りに貢献する。


インテリア

　レガードNEO+のインテリア

特別に豪華なインテリアと言うわけではないが、そつなくまとめられている。照明も間接光を採用しているが、特別に凝ったものではない。

インテリアカラーは選択できるようで、上の写真のような明るい配色や、ビデオにあるようなシックなインテリアカラーも選択できるようだ。どの程度の選択肢があるかは不明。


レイアウト

前部にダイネット、中央にギャレーとサニタリールーム、後部に横置き常設2段ベッドの構成。シャシーを延長し、全長も他のカムロードキャブコンに比べ長いため、全ての要素が無理なく配置されている。


ダイネット

　広いラウンジダイネット

ダイネットは4名対座とラウンジシートがドッキングした広いスペース。両側に大きなアクリル2重窓があり、開放的で明るいダイネットだ。まるでリアエントランスのダイネットのようで、長期旅でもストレスが溜まることは無い。

対座シートとラウンジシートの間にある小さなシートは折り畳めるようになっており、運転席、助手席から後部への移動がスムースにできる。テーブルも大きく、ファミリーでのクルマ旅にも余裕で使用できる。


ベッド

ベッドは、後部の常設横置き2段ベッド、プルダウンベッド、ダイネット展開ベッドの3か所が用意されている。

　常設横置き2段ベッド

まず、常設横置き2段ベッドは、上段が1800x800mm、下段が1800x850mmの大きさ。不思議なことに、長さが1800mmちょうどしかない。そこで車幅を確認すると2000mmとなっている。

他の多くのカムロードキャブコンは2100mm前後の車幅がありため、ベッド長も1900mm前後ある。即ち、レガードNEO+は車幅が狭いためベッド長が短いのだ。レガードNEO+は全長が長く車幅が狭い、スリムな形状のモデルなのだ。

ただし、車幅が狭いのは悪いことではない。キャブの幅との差が小さく、他モデルと比べて運転時に車幅に関する違和感は少ないだろう。

　プルダウンベッド

二つ目のベッドは、前部に設置されているプルダウンベッド。バンクを無くしているのでバンクベッドの代わりにプルダウンベッドが設置されている。ベッドの大きさは、1970x1360mm。家庭用ではレギュラーダブルベッドの幅（1400mm）に近い。

バンクを無くして流麗なフォルムを得たが、失ったものもある。それは収納機能。バンクベッドは使用しない場合収納として使えるが、プルダウンベッドではそれができない。寝具をそのままにしておくこともできない。

　ダイネットベッド

3つ目はダイネットを展開してできるダイネットベッドで、大きさは1900x1040mm。家庭用ではシングルベッドの幅（970mm）より多少広い幅に過ぎない。大きなダイネットなので意外な気がするが、実質的には1名分のシングルベッドと考えた方がよさそうだ。


ギャレー

　ギャレーセクション

ギャレーキャビネットにはシンクがビルトインされているが、残念ながらコンロはカセットコンロを使用するごとにセットする必要がある。この車格のキャブコンなら、コンロは常設にして欲しいところだ。

　シンクの下の引出し収納

ギャレーキャビネットには引き出し収納が用意されており、食器や調理用具を収納しておける。ギャレー上部には収納が無いので、ギャレーまわりの収納はこれだけだ。

　ギャレー上部のレンジフード

ギャレー上部にはレンジフードが標準装備される。照明が付いているので、調理する手元を照らしてくれる。


冷蔵庫/電子レンジ

　88L横開き式冷蔵庫が標準装備される

冷蔵庫は88L横開き式が標準装備される。もちろん冷凍室が付いているので、冷凍食品の保冷や製氷ができる。

　電子レンジはオプション

家庭用の100V仕様の電子レンジはオプションで設置できる。ちょっとした温めものや冷凍食品の調理に重宝するので、クルマ旅では是非設置したい。1500W正弦波インバーターも標準装備されるので、外部電源のないところでも電子レンジを使うことができる。


サニタリールーム

　専用の手洗いと温水シャワーが標準装備される

専用の手洗いと温水シャワーが標準装備されている。トイレは、カセットトイレ、ラップポン、ポータブルトイレを選択できるため、オプションになっている。カセットトイレを選択した場合は、首振り式のトイレが設置される。

温水シャワーは22Lのボイラーで湯を作る。走行時に加熱する熱交換と、電気（AC）ヒーターで加熱する。オプションで、シャワーを車外で使うことができる窓を設置できる。給水タンクは60L、排水タンクは50Lが設置されている。

FFヒーターの吹き出し口が用意されているかは確認できなかったので、確認でき次第記事を更新します。

　鏡とスライド扉付きの小物収納

サニタリールームには、鏡とスライド扉付きの小物収納が用意されている。専用のベンチレーターもある。


収納

　ダイネット上にオーバーヘッド収納が設置される

まず、ダイネットの上部にオーバーヘッド収納が設置されているが、オーバーヘッド収納はこれだけ。プルダウンベッドの横にスライド扉式の収納が並んでいるが、プルダウンベッドを格納している状態では使いにくい。

　上段ベッドの収納

上段ベッドの上にも収納が用意されている。向かって左側の収納は奥行きを狭くして、頭を打たないよう配慮されている。

　床下収納

床下収納が幾つか設けられている。それぞれは大きくないが、小物の収納に便利だ。

　ベッド下の外部収納

後部ベッド下は大きな外部収納になっており、左側と後部からアクセスできる。ベッドボードを外してしまうと、自転車等の背の高いものも積み込むことができる。左側の扉は大きく開口するので積み込みやすい。

　右側後部の収納

外部収納は他にもあり、右側後部には小ぶりな収納が用意されている。汚れたものや濡れたもの等の収納に便利だ。


空調

　家庭用エアコンを標準装備

冷房は家庭用エアコンが標準装備される。室内機はエントランスの上部に設置される。室外機はエントランスの前方下部に設置されるので、配管は最短になっている。


テレビ/ナビ

24インチのテレビモニターがオプション設定されている。設置位置は不明。


電装系

428Ahのリチウムイオンバッテリーと走行充電、外部100V電源入力と充電機能、1500W正弦波インバーターを標準装備。230Wソーラーシステムはオプションで取り付けることができる。

428Ahのリチウムイオンバッテリーは、エアコンの日中の消費電力を500Wとしても単純計算で9時間程度は持つことになる。実際にはその他の電気製品があったり、外気温によって変わるが、電気の心配なしにエアコンを使うことができる。


価格（2023年7月現在：千円台切り上げ：税込）

同社のウェブサイトに価格が表示されていないので、現時点の価格は不明だが、2023年7月の展示会では、2WDで1265万円～、4WDで1296万円～とされていた。

標準装備が充実しているので付けておきたい必需装備は無いが、できればソーラーシステム（277,200円）と電子レンジ（47,520円）は付けておきたい。

トイレはカセットトイレ（204,600円）、ラップル（185,130円）、ポータブルトイレ（17,700円）が選択できる。

必要に応じてサイドオーニング（241,560円）、24インチテレビ（91,080円）等も選択できる。


他モデル

レガードNEO+を走りの面から評価する場合、直接競合するカムロードベースのモデルはない。卓越した走行性能と安定性が期待できる。

ただし装備面で比較するなら、レガードNEO+と同等以上のカムロードキャブコンは多く存在する。アネックスのリバティ52SP（1254万円～）、ダイレクトカーズのトリップⅡプレミアムメガ（1285万円～）、バンテックのジル520（1102万円～）は、家庭用エアコン（あるいは車載用クーラー）、リチウムイオンバッテリー、温水シャワーまで標準装備されている。

安定した走行性能と充実した装備の両方を求めるなら、デュカトベースの輸入モデルという選択肢もある。例えば、バンコンだがアドリアモービルのツインプラス 600SPB FAMILY（1342万円～）がある。


まとめ

レガードNEO+はカムロードキャブコンながら、低重心と走りに重点を置いた希少な存在のキャブコンだ。カムロードベースで走行性能を重視するなら、これ一択と言っても良いほどのモデルと言える。

一方装備に関しては、収納の少なさが残念なところ。自転車も積めるような大きな外部収納は利点だが、オーバーヘッド収納をはじめとした車内の収納は少ない。ギャレーのコンロも、この車格なら常設コンロが欲しいところだ。

しかし、広いダイネットや、十分な幅を持つリア2段ベッド、温水シャワーまで使えるサニタリールームは、快適なクルマ旅を約束する。


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