ウィズはアネックスが製作する、ハイエース標準ボディハイルーフをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
同社は、徳島県吉野川市に本拠を置くビルダーで、NV200バネットやハイエースベースのバンコンからリバティ52シリーズのカムロードベースのキャブコンまでラインアップする総合ビルダー。
ウィズはハイエース標準ボディハイルーフをベース車にしたバンコンで、同社のコンパクトバンコンの中核に位置している。2024年モデルでは、新たに家庭用セパレートエアコン搭載モデルが設置された。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ハイエース標準ボディハイルーフをベース車にした、二人旅を想定したバンコンキャンピングカー。お洒落で高品質な同社のインテリアを踏襲しており、優雅な二人旅を演出する。2023年に、家庭用一体型ポータブルクーラーを搭載したモデルを発表。2024年に、家庭用セパレートエアコンを搭載したモデルを発表した。
前部にギャレー、後部にL字型のシートの広いダイネットを配置。冷蔵庫、電子レンジ、家庭用エアコンを装備でき、優雅な二人旅が楽しめる。
アピールポイント
・運転しやすいコンパクトなボディと圧迫感の少ない高い天井高
・お洒落で高品質なインテリア
・マルチモードシートを持たない、二人旅専用のレイアウト
・家庭用セパレートエアコンを設置可能
・200Ahリチウムイオンバッテリーを搭載可能
・スカイルーフウインドウを標準装備
・充実した標準装備の電装系
ベース車とエクステリア
ウィズのエクステリア
ベース車はハイエース標準ボディハイルーフ。キャンパー特設車を使用しているため、ボディ同色バンパーや電動格納式ドアミラー、TSS(Toyota Safety Sense)などが標準装備される。
2WDはガソリン、4WDはディーゼルが選択できる。
外観上の特徴は、オプションのリアゲートのアクリル2重窓と標準装備のスカイルーフウインドウ。リアゲートのアクリル2重窓はリアゲートを開かなくても換気ができるので便利だ。スカイルーフウインドウはこのクラスのモデルでは他に類を見ない。
インテリア
ウィズのインテリア
同社のモデルのインテリアはお洒落で高品質で定評があるが、ウィズも洗練されたインテリアが特長。インテリアカラーは明るい標準色に加え、アーバンカントリーやブラックラインと言った選択肢が用意されている。
レイアウト
ウィズのレイアウト
前部にギャレーを配置、後部にL字型のシートを配置したダイネットの構成。前向きに乗車できるシートは運転席、助手席の2名なので、二人旅に適したレイアウトとなっている。ただし、ベンチシートにも3名が乗車できるので、乗車定員は5名。
ダイネット
L字型シート配置のダイネット
L字型に配置されたベンチシートのダイネットとなっている。テーブルは二人が食事するには十分な大きさで、右サイドのキャビネットに固定され、1本足で支えられている。キャビネットのレールで、多少位置調整ができる。
このテーブルは足の長さを2段階にすることができ、短くするとベッドモードでもテーブルを立てることができ、ちゃぶ台スタイルのダイネットにもなる。
ベッド
レギュラーダブルベッド幅のベッドモード
ベッド展開はテーブルを跳ね上げてロックし、背もたれを中央に移動するだけなので、就寝前に大した労力はいらない。ベッドサイズは1900x1400mmで、家庭用ではレギュラーのダブルベッドの幅と同じ。身長方向も1900mmなので、長身のユーザーでも窮屈感はないだろう。
リクライニングモード
特筆できるのは、最後部のベッドマットが多段階でリクライニングできること。ベッドモードでリクライニングすると、足を投げ出して寛ぐことができる。運転席の後ろにプルダウンモニターを設置すると、楽な姿勢でテレビを観ることができる。
ギャレー
豊富な収納があるギャレーキャビネット
前部のギャレーキャビネットには丸形シンクとシャワーフォーセットが用意されている。シャワーフォーセットは引き出して車外でも使用できる。調理スペースにはカセットコンロを置いて調理することができる。
ギャレーキャビネットには大容量の引き出し収納が用意されている。多くの食器や調理用具を収納しておくことができる。向かって右側には縦長の引出し式スパイスラックもある。
シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各10Lの給排水タンクを収納。車外から直接出し入れできるので、大変便利だ。
冷蔵庫/電子レンジ
30L引き出し式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は30L引き出し式を標準装備。位置的にはエントランスの横にあり、車内からはもちろん、車外からも直接冷たい飲み物を取り出せる。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。1500W正弦波インバーターも標準装備されるので、外部電源が無いところでも電子レンジを使用できる。クルマ旅ではなくシティユースでも電子レンジでちょっとしたあたためものをするシチュエーションは多い。
多目的ルーム
ウィズには多目的ルームは無いが、ポータブルトイレを後部に乗せておくことはできる。ただ、このモデルの性格上、小さな子供が乗るケースはあまり無いと思われるので、重要性は低いだろう。
収納
右最ぢの大きなオーバーヘッド収納
右サイドに大きなオーバーヘッド収納が設置される。大型なので容量も大きい。高い位置の収納には、食器やタオル、衣類、食料品など、清潔に収納したいものを収納しておける。
左サイドの網の収納
左サイドにはメッシュ地の収納が設けられている。両側のベルトを調整して、容量を調整することができる。こちら側にも扉付きの収納が欲しいところではあるが、圧迫感を避ける目的があるのかもしれない。
前部の収納棚
フロントの上部にもオーバーヘッド収納が用意されている。寝具の収納などに便利だろう。
空調
家庭用セパレートエアコンを設置できる
2024年モデルでは新たに家庭用セパレートエアコンを搭載できるようになった。具体的にはウィズホームエアコンモデルとして、200Ahのリチウムイオンバッテリーとリチウムイオンバッテリー対応のチャージャーとともにセットになっている。
なお、2023年に発売された、家庭用一体型ポータブルエアコンを搭載したウィズスポットエアコンモデルも引き続き販売される。こちらはリチウムイオンバッテリーはオプションになっており、標準装備のAGMバッテリーでも短時間の使用を可能としている。
暖房は高地対応型のFFヒーターが標準装備される。また、マックスファンベンチレーターも標準装備となっている。
テレビ/ナビ
テレビは特にオプションリストに載っていないが、設置することは可能だろう。フリップダウンモニターならスペース効率も良い。ナビもオプションリストに無いが、好みのものが取り付けられるだろう。
電装系
標準ではサブバッテリーは75AhのAGMバッテリーが1個、走行充電、外部100V電源入力、1500W正弦波インバーターが装備される。80Wのソーラーシステム標準装備される。
サブバッテリーは先述のように、ホームエアコンモデルではエアコンとセットオプションになっている。なお、オプションで最大400Ahまで増設できる。エアコンを搭載しない場合は標準のAGMバッテリーで十分だろう。
価格(2024年7月現在:千円台切り上げ:税込)
エアコンを搭載しない標準仕様の価格は、ガソリン2WDは574万円~、ディーゼル4WDは662万円~となっている。ホームエアコンモデルは913,000円追加なので、それぞれ665万円と753万円~となる。
標準装備が充実しているため、それ以外の付けておきたい必需オプションは特に無い。(ナビ関連は除く)
他モデル
ハイエース標準ボディハイルーフをベース車にし、エアコンが搭載できるモデルをピックアップすると、レクビィのソランハイルーフ(792万円~)、同プラスLV/LV+1(767万円~)、OMCのナロー銀河(576万円~)が挙げられる。(何れもエアコン+リチウムイオンバッテリー搭載時の価格)
まとめ
上
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