UTONE500(ウトネ500)はアネックスが製作する、トヨタハイエースワイドロングミドルルーフをベース車にするバンコンバージョンキャンピングカー。ウトネ500ERはポップアップルーフを架装したバージョンのモデルネーム。
同社は徳島県吉野川市を本拠にするビルダーで、リバティシリーズのカムロードキャブコンからリコルソやウィズのハイエースベースのバンコン、NV200キャラバンベースのカヌレ、そしてニューモデルのアルテなど、広いラインアップを展開している。
ウトネシリーズにはこのウトネ500の他、キャラバン標準幅スーパーロングをベース車にしたウトネ300、NV200バネットベースのウトネ200がラインアップされている。
ウトネシリーズはかつて同社が打ち出したRIWの、車外と車内をシームレスの空間として使うというコンセプトを継承している。更にコンテナボックスによる収納を新しい提案としている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ハイエースワイドロングバンをベース車にしたバンコンキャンピングカー。ノーマルルーフバージョンとポップアップルーフバージョンを選択できる。更にそれぞれ、車載用クーラーを標準装備した「クーラーパッケージ」、加えて200Ahリチウムイオンバッテリーを追加した「クーラーパッケージプラス」、そして「標準(エアコンレス)」が選択できる。
ダイネットを展開したベッドに加え、子供用上段ベッドが設置できるため、ノーマルルーフバージョンでもファミリーで車中泊が可能。ポップアップルーフバージョンでは更に大人2名が就寝できる。
オプションで床材にヒッコリーのリアルウッドを選択でき、土足で車内に入ることも想定している。これにより、車内と車外をシームレスに行き来して、車内で調理したり休憩したりすることができる。
2025年モデルでは車載用セパレートクーラーと200Ahのリチウムイオンバッテリーを選択することができるようになった。
アピールポイント
・ポップアップルーフも選択でき、ストレスの少ない車内
・ヒッコリーのリアルウッド床材を選択可能
・上段ベッドにより、ノーマルルーフバージョンでもファミリーで車中泊が可能
・ポップアップルーフバージョンでは、大人4名、子供3名が就寝可能
・車載用セパレートクーラーを選択可能
・200Ahリチウムイオンバッテリーを選択可能
・常設コンロを標準装備
・40L上開き式冷蔵庫を標準装備
ベース車とエクステリア
ウトネ500ERのエクステリア(カラーはオプション)
ベース車はトヨタハイエースワイドロングワゴンGL。ノーマルルーフとポップアップルーフが選択でき、それぞれガソリン2WDと4WDが選択できる。
ノーマルルーフバージョンの全高は2105mmなので、よくある2100mmの高さ制限の駐車場に駐車することができるが、ポップアップルーフバージョンの全高は2130mmなので入ることはできない。
ボディカラーはソリッドグレー、カーキー、グリーンが選択でき、ツートーンカラーも選択できる。上の写真はカーキー。
リアゲートのアクリル2重窓(OP)
オプションでリアゲートのウインドウをアクリル2重窓に変更できる。これにより、リアゲートを開けなくても換気ができるようになる。アクリルウインドウユニットには網戸とシェードが組み込まれており、瞬時にプライバシーが確保できる。
レイアウト
ウトネ500のレイアウト
2列目と3列目にバタフライシートを設置。2列目を前向きにすると、6名が前向き乗車できる。また、2列目シートを後ろ向きにすると、3列目シートとで対座ダイネットになる。2列目シートを前向きにしたまま運転席、助手席のシートバックを前に倒すとフロントダイネットになる。ドライブ途中の休憩時に簡易的に対座ダイネットにしたい場合などに活用できる。
シートを全てフラットにすると2名が就寝できる。上段ベッドは子供3名が就寝でき、ノーマルルーフでもファミリーで就寝できる。更にポップアップルーフバージョンでは大人2名が追加で就寝できる。
2脚のバタフライシートは畳んで後ろに移動すると、前部に大きな自由空間ができ、前に移動すると、後部は大きな荷室になる。
インテリア
リアルウッドの床(OP)
ウトネシリーズの大きな特徴は、床にヒッコリーのリアルウッドを張り巡らした床だろう。これはオプションではあるが、独特の質感と、土足でも乗り込めるラフなイメージを持つ。
キャビネットはアルミフレームを採用したハードな印象で、アウトドアアクティビティに似合ったインテリアになっている。キャビネットやテーブルトップには、断面の美しい、北海道産の白樺の間伐材を使用した合板を採用。あえて断面を見せることにより、北欧の家具によくみられる素材の美しさを生かしたテイストに仕上げている。
有孔ボード(OP)
後部の窓にはオプションで有孔ボードを取り付けることができる。収納のひとつとして、あるいは車内のインテリアとして使用することができる。
ダイネット
対座ダイネット
2列目シートを後ろ向きにすると、3列目シートとで4名が対座できるダイネットになる。シートはスライドレールに乗っているため、最適な位置にすることができる。また、2列目シートを前向きにしたまま、運転席、助手席のシートバックを前に倒して後ろ向きのシートにすることができる。ドライブの途中での休憩時など2列目シートを後ろ向きにすることなくダイネットモードにして寛ぐことができる。
ベッド
ダイネットベッド
シートを全てフラットにすると、1900x1200mmのベッドになる。1200mmの幅は、家庭用ではセミダブルベッドに相当し、2名が就寝できる。
上段ベッド
上段ベッドは標準装備のベッドボード4枚を並べてセットする。ベッドサイズは1670x1630mmで、身長方向に1800mmを満たしていないため、子供用ベッドにカウントされ、ここでは子供3名が就寝できる。
ルーフベッド
ウトネ500ERではポップアップルーフを上げるとルーフベッドが使用できる。ここでも大人2名が就寝できる。
ギャレー
ギャレーセクション
ギャレーはダイネットサイドにあり、シンクとフォーセット、そして1口ながら常設コンロが標準装備されている。常設コンロがあると、いちいちカセットコンロをセットする必要が無いので大変便利だ。
給排水タンク
シンクの下には各10Lの給排水タンクが収納されているが、これらは右サイドのスライドドアを開けると車外から直接出し入れできる。
冷蔵庫/電子レンジ
冷蔵庫は40L上開き式が標準装備される。(写真はギャレーの項参照)ギャレーキャビネットのシンクの横に設置されており、蓋を閉じると、上部は調理台として使用できる。
多目的ルーム
ウトネ500に多目的ルームは無いが、緊急用にポータブルトイレを積んでおくことは可能だ。
収納
後部の収納
ウトネシリーズの収納の特徴は、コンテナボックスを活用した収納方法にある。規格サイズのコンテナボックスに合わせて作成した収納ラックに効率よく収納することができる。キャンプ用具などを分類してコンテナボックスに収納しておくことができる。
コンテナボックス
コンテナボックス自体は市販品だが、この中に納まる鋳物のベースと木製の蓋、そしてUTONEのロゴを配したセットがオプションとして設定されている。収納だけでなく、テーブルやベンチとしても使用できる。
左サイドの収納
左サイドの細長いベンチシートの下は収納になっている。シートクッションを持ち上げてアクセスする必要があるため使い勝手は良くないが、それなりの収納力がある。
広い荷室
バタフライシートを畳んで前にまとめると、後部は広いラゲッジスペースになる。自転車等の大きな荷物も積み込むことができる。
空調
車載用セパレートクーラー(OP)
2025年モデルから車載用セパレートクーラー搭載モデルが選択できるようになった。クーラーが搭載されているクーラーパッケージ仕様と、クーラーに加えと200Ahリチウムイオンバッテリーも搭載されているクーラーパッケージプラス仕様、そしてクーラーレスの標準仕様が選択できる。
暖房はFFヒーターがオプションで設置できる。マックスファンベンチレーターもオプションで用意されている、ただしERバージョンには設置できない。
テレビ/ナビ
テレビやナビと特にオプション設定されていないが、好みのものを取り付けることができるだろう。
電装系
標準仕様とクーラーパッケージ仕様では、80AhのAGMバッテリーが1個標準装備される。AGMバッテリーは鉛バッテリーの中では高性能だが、クーラーを設置する場合は200Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備のクーラーパッケージプラス仕様を選択することをお勧めする。
その他の電装系では走行充電が標準装備の他、外部電源入力とチャージャー、正弦波インバーター(ディープサイクルバッテリー用は400W、リチウムイオンバッテリー用は1500W)、250Wソーラーシステムがオプションで設置できる。
価格(2026年1月現在:千円台切り上げ:税込)
2WDでは、最も安価なノーマルルーフ標準仕様ガソリン2WDは658万円~、もっとも高価なポップアップルーフクーラーパッケージプラス仕様ディーゼル2WDは894万円~となっている。4WDはガソリンのみで、ノーマルルーフ標準仕様ガソリン4WDが689万円~、最も高価なポップアップルーフクーラーパッケージプラス仕様ガソリン4WDが874万円~となっている。
リチウムイオンバッテリー仕様の場合付けておきたい必需オプションは、1500W正弦波インバーター(181,500円)、FFヒーター(231,000円)が挙げられる。できれば250Wソーラーシステム(198,000円)も付けておきたい。(ナビ関連は除く)
オプションリストはこちら。
他モデル
ウトネ500/ERと直接競合するモデルは、今のところ無い。例えばレクビィのオーバーランダーW A/C仕様(647万円~:家庭用エアコンと150Ahリチウムイオンバッテリー含む)は、アウトドア向けでノーマルルーフでもファミリーで車中泊できるモデルだが、コンセプトは異なる。
ホワイトハウスのコンパス(764万円~:ポップアップルーフ仕様ガソリン4WD)はポップアップルーフ仕様も選択でき、全部で5名が就寝できる。
まとめ
ウトネ500/ERは比較的ニッチなユーザー層をターゲットにしているので万人に向いているモデルではないが、キャンピングカーでアウトドアアクティビティを楽しみたいユーザーには適したモデルと言える。
特に小さい子供がいるファミリーならノーマルルーフでも車中泊できるので、ファミリーカーとして購入するのも良いアイデアだ。万一の災害時でもシェルターとして使用できるだろう。
日常用途としては少しボディサイズが大きいと感じるかもしれないが、一応5x2mの一般的な駐車枠に収まる。クーラーとリチウムイオンバッテリーも選択できるようになったので、選択肢としての可能性が高まったと言える。
短所を上げると、アクセスしやすい適当な収納が少ないことが挙げられるが、クルマ旅を想定しているクルマではないので、大きな短所ではないだろう。
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