リバティ52DB Lodge（ロッジ）は、アネックスが製作する、トヨタカムロードをベース車にした5mを超えるフルサイズキャブコンキャンピングカー。
同社は徳島県吉野川市に本拠を置くビルダーで、リバティブランドを持つカムロードベースのキャブコンから、リコルソやウィズといったハイエースベースバンコン、そしてNV200バネットベースのカヌレや、新しいバンコンのラインアップ「UTONE（ウトネ）」シリーズなどをラインアップしている。
リバティ52DB Lodge（ロッジ）は、大ヒットしたリバティ52DBをベースに、ロッジ風のインテリアを施した特別バージョン。52DBと52SPを合わせて30台の限定販売となっている。関東エリアではキャンピングカープラザ東京がアネックスモデル全般を扱っている。
（記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。）
概要
トヨタカムロードワイドトレッドをベース車にする5m超のフルサイズキャブコン。FRP一体成型によるスタイリッシュなシェルと豪華なインテリアが好評で大ヒットしたリバティ52DBをベースにし、ロッジをイメージしたインテリアにしている。
機能や装備はリバティ52Dを踏襲しているが、家具色やシート地を変更することにより、標準仕様のリバティ52シリーズとは違った寛ぎ感を与えてくれる。もちろん従来の先進的なダイネットや床暖房、洗練されたギャレーや瞬間湯沸かしができるシャワーが標準装備のサニタリールームなどはそのまま継承されている。
リバティ52DBは後部に横置き2段ベッド、リバティ52SPは横置きダブルベッドのレイアウトを持つ。
アピールポイント
・5m超のフルサイズキャブコン
・ロッジ風のインテリアを持つ特別仕様
・外観もロッジ専用色を採用
・スタイリッシュな外観
・独自システムによる床暖房を標準装備
・家庭用エアコンと480Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備
・瞬間湯沸かしの温水シャワーを標準装備
・常設二口コンロを持つギャレー
・サンルーフを装備可能（OP）
ベース車とエクステリア
リバティ52DB Lodgeのエクステリア
ベース車はトヨタカムロードワイドトレッド。これにFRP一体成型のシェルを架装している。シェルは一体成型のメリットを生かしたスタイリッシュな形状で、リバティ52シリーズの特徴になっている。
リバティ52DB Lodgeでは塗装を変更し、あえて「レトロ」な感じを打ち出している。また、Lodgeのロゴも効果的に配置されており、特別仕様車をアピールしている。
インテリア
リバティ52DB Lodgeのインテリア
リバティ52DB Lodgeでは、やはりインテリアが最も大きな注目点になるが、まさにロッジの名前のごとく、ウッディな室内を演出している。シート地はレザー調で汚れに強く、ペットがいるユーザーも安心してペットを遊ばせることができる。
インテリアライト
リバティ52シリーズでは特に照明がお洒落であることが好評だが、これは変更なく、お洒落で高級感のある間接光とスポットライトは、ロッジ仕様でも効果的にインテリアを引き立てている。照明はきめ細やかな調光も可能で、シーンに応じて明るさを変更できる。
レイアウト
リバティ52DB Lodgeのレイアウト
リバティ52DB Lodgeのレイアウトは、従来のリバティ52DBと変わりなく、前部に対座ダイネット、中央にギャレーとサニタリールーム、後部に横置き2段ベッドの構成。これはカムロードキャブコンでは最も一般的なレイアウトで、スペース効率が良いのが特徴だ。
ダイネット
5名がテーブルを囲めるダイネット
2列目の後ろ向きのシートと、3列目の前向きシートとで、5名でテーブルを囲める対座ダイネットを形成する。ビデオにあるようにテーブルは縦位置、横位置、高さを自由に設定できる。
更に3列目シートは、座面を前にスライドすることにより簡易的なリクライニングが可能なうえ、角度調整が可能なひじ掛けも用意されている。これらもロングドライブの多いキャンピングカーでは重要な機能だ。
ベッド
ベッドは後部の常設横置き2段ベッド、バンクベッド、ダイネットを展開するベッドの3か所にあり、計5名が就寝できる。
後部2段ベッドのウッドスプリング
まず、後部の常設横置き2段ベッドは、上下段とも1920ｘ850mmの大きさ。家庭用ではセミシングルの幅に相当する。下段ベッドにはウッドスプリングが採用されており、快適な寝心地が期待できる。
バンクベッド
次にバンクベッドは1940ｘ1740mmの大きさ。1740mmは家庭用のキングサイズベッドの幅（1800mm）に迫る大きさだ。ここでは2名が就寝できるとしている。
バンクベッドで秀逸なのは、引き出すだけでセットできるのだが、再度のガイドラインに沿ってキャスターが動くこと。従って抵抗が少なく、軽い力で引き出すことができる。更にベッドマットは自動的に展開される。戻すときも同様だ。
バンクベッドにはオプションでサンルーフ（オプション名：スカイビュールーフウインドウ）が装備できるのも嬉しいポイント。星空を見ながら就寝できるのに加え、覗かれる心配なく換気できるのも便利な点だ。
ダイネットベッド
3つ目はダイネットを展開して作るダイネットベッド。大きさは1800ｘ900mmで、家庭用ではシングルベッドの大きさに近く、1名が就寝できる。ベッド展開も簡単で、テーブルを押し下げてマットを敷くだけ。展開が面倒なイメージがあるダイネットベッドだが、これなら手軽にベッド展開できる。
ギャレー
常設2口コンロがあるギャレー
リバティ52シリーズでは常設2口コンロが設置されているのが特徴で、豪華なギャレーだ。国産キャブコンではなぜかいちいちカセットコンロをセットしなくてはならないギャレーのモデルが目立つが、調理をするユーザーには非常に不便だ。
長期旅を想定したモデルでは（キャブコンはほとんどそうだと思われるが）少なくとも1口の常設コンロは欲しいところだ。リバティ52シリーズでは2口コンロなので、大変便利なのは言うまでもない。
また、ギャレーでお湯が使えるのも嬉しい装備だ。瞬間湯沸かしについては後述するが、もちろんギャレーでもすぐにお湯が使える。
ギャレーキャビネットの引き出し収納
車内で食事をすることが前提のキャンピングカーでは、食器の収納は必須条件だ。更に調理をするユーザーなら調理用具を収納しておくスペースも必要になる。リバティ52DBではギャレーキャビネットはほぼ全て引き出し収納になっており、大きな収納スペースが用意されている。
ギャレー上部の収納
ギャレー上部と電子レンジの上部にはオーバーヘッド収納が用意されており、ここにも食器や調理用具を収納しておくことができる。また、ギャレーキャビネットには跳ね上げ式の調理台も用意されており、調理スペースを拡張することができる。
冷蔵庫/電子レンジ
85L横開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫はギャレーの隣に設置された収納ラックに、85L横開き式が標準装備される。もちろん冷凍室も付いているので、製氷や冷凍と冷蔵が同時にできる。当たり前のようだが、クルマ旅では極めて重要なポイントだ。なお、冷蔵庫の下にも引き出し収納が用意されている。
電子レンジも標準装備される
冷蔵庫の上には家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。ちょっとした温めものや冷凍食品の調理に重宝する。1500W正弦波インバーターも標準装備されるので、外部電源のないところでも電子レンジを使うことができる。
サニタリールーム
温水シャワーも標準装備のサニタリールーム
リバティ52DB（とLodge）で多くの人が歓声を上げるのがサニタリールームだ。ホテルのようなという形容詞が相応しい、洗練されたインテリアのサニタリールームで、カセットトイレ、温水シャワー、専用手洗いが標準装備される。
最近キャンピングカーでもよく見るようになったラップ式トイレが希望の場合はトイレレス仕様にして、電源コンセントも含めラップトイレを設置することができる。
特筆できるのは、連続して温水を使える瞬間湯沸かしシステム。ビデオの中でも詳しく説明されているが、温められたクーラント液がヒートエクスチェンジャーで水を加熱する。日本製のコンパクトなヒートエクスチェンジャーの採用により、高効率な給湯が可能になっている。給水タンクと排水タンクは各80L。
なお、このシステムは床暖房にも使用されているため、夏でも床暖房をONにする必要があるのかと言う疑問を持つユーザーもおられるかもしれないが、もちろんそんなことは無い。夏は温水シャワーや水栓でのみ使用できる。
収納
ダイネット上部のオーバーヘッド収納
ダイネット上部にもオーバーヘッド収納が設置されている。向かって左側はエアコンの室内機をカバーしている。
エントランス横引出しの収納
エントランス横にも引き出し収納が用意されている。もちろん何を収納しても良いのだが、場所的にはシューズボックスとして使うケースが多いかもしれない。
ベッド下の外部収納
後部ベッド下は大きな外部収納になっている。左側と後部にバゲッジドアが付いているが、右側はエアコンの室外機が設置されているためドアは無い。キャンプ用具などを車外から積み込むことができる。
防水処理された外部収納
車体後部左右には防水処理された外部収納があり、濡れたものや汚れ物を収納しておくことができる。左側の収納には排水タンクのバルブが設置されている。車外に出ていないので手が汚れることは無い。
空調
家庭用エアコンを標準装備
暖房はFFヒーターが標準装備され、冷房は家庭用エアコンが標準装備される。室内機はダイネットの上部にあるが、オーバーヘッド収納と同色の扉でカバーされており、すぐには気が付かない。
扉は開くことができるので、フィルターの掃除などは問題なくできる。
テレビ/ナビ
24型のテレビはオプションで設置できる
24型のテレビがオプションで設置できる。設置場所は写真の位置で、角度が変えられるステーも付属する。ナビは、展示車にはサイバーナビが付いていたが、好みのものを取り付けることができるだろう。
電装系
480Ahのリチウムイオンバッテリー、走行充電、外部電源入力とチャージャー、1500W正弦波インバーター、250Wソーラーシステムを標準装備している。サブバッテリーはリン酸鉄ではなく三元系を採用しているが、ビデオでも語られているように、その安全性については十分確保されているようだ。（同社のウェブサイトでの説明はこちら）
価格（2024年3月現在：千円台切り上げ：税込）
リバティ52DB Lodgeの車両本体価格は、4WDのみが選択可能で、1381万円～となっている。ほとんどが標準装備なので、付けておきたい必需装備は無いが、予算が許せばサンルーフ（253,000円）を付けておくと良いだろう。（ナビ関連は除く）
通常仕様のリバティ52DB 4WDの価格が1353万円～なので、差額は28万円ということになる。ロッジ仕様はいわゆるお買い得モデルではないので、装備が多くついていてるわけではない。標準装備は通常仕様と同じなので、差額はインテリアとエクステリアのプレミアムバリューということになる。
他モデル
5m超のフルサイズキャブコンは各社から多数発売されているが、例えばナッツRVのクレア5.3WハイパーエボリューションIII4WD（1292万円～）に温水シャワーを付けると1353万円～）となる。クレアのリチウムイオンバッテリーは600Ahと大きいが、床暖房や瞬間湯沸かしは付いていない。
もう1台、やはり同じレイアウトを持つ、ダイレクトカーズのトリップⅡプレミアムメガ4WD（1345万円～）を挙げておこう。このモデルにはカセットガスによる瞬間湯沸かし機能があり、400Ahのリチウムイオンバッテリー、車載用セパレートクーラー、32型テレビ、計465Wソーラーシステム、148L冷蔵庫、サンルーフなどが標準装備で、先進性の高いモデルだ。
まとめ
リバティ52DBは2018年に発表され、その斬新でスタイリッシュなエクステリアと、輸入モデルに匹敵する洗練されたインテリアで、それまでキャブコンのトップ2だったナッツとバンテックに割って入った。
その先進性は今でも変わらず、ダイレクトカーズのトリップシリーズのような先進のモデルとともにキャブコンの新興勢力の代表格となっている。
リバティ52DB Lodgeは、そのリバティ52DBをベース車とする派生モデルだが、機能や装備の追加や変更はなく、エクステリア、インテリアを変更した、プレミアムモデルだ。差額の約30万円をこのプレミアムに払うかどうかは個人の考えによるが、他にないリバティ52を所有する満足感は高いだろう。
関連記事
UTONE500 |
UTONE200 |
リバティ52シリーズ（2023年モデル） |
