PONITO（ポニト）はRVランドが製作する、ダイハツハイゼットトラックをベース車にした普通車8ナンバー登録の軽キャブコン。

同社は、茨城県常総市を本拠地にするビルダーで、他社モデルや輸入モデルを含め多くのブランドのモデルを扱っているが、バスコンのランドホームコースターからハイエースベースのバンコンのリノプレミアムなど、自社ブランドのモデルも製作している。

また、2023年には正規輸入されたフィアットデュカトをベース車にしたランドワゴンタイムレストラベルやルームも発売した。ポニトは2024年のジャパンキャンピングカーショーで発表された、同社では初の軽キャブコンとなる。


（記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。）


概要

ダイハツハイゼットトラックをベース車にした軽キャブコン。バンクを無くしたスマートなスタイリングとツートーンカラーの愛らしいカラーリングが特徴。L字型のソファダイネットを持ち、二人旅やひとり旅に適したレイアウトとなっている。

引き出し式冷蔵庫や電子レンジが標準装備され、また車載用クーラーも設置できるので快適なクルマ旅も可能となっている。


アピールポイント

・バンクを無くしたスマートで愛らしい外観
・普通車8ナンバー登録で広い室内
・アルミコンポジットパネルのシェルで軽量化
・冷蔵庫と電子レンジを標準装備
・車載用クーラーを搭載可能（OP）


ベース車とエクステリア

　ポニトのエクステリア

ベース車はダイハツハイゼットトラック。　これにアルミコンポジットパネルのシェルを架装している。アルミコンポジットパネルにより、軽量化を実現している。

シェルの幅がベース車の幅より広いため、登録は普通車8ナンバーとなる。折角軽トラックをベース車にしながら、税金が高くなる普通車8ナンバーにするのは効率が悪いように見えるが、軽キャブコンながら広い室内は魅力だ。

価格的にはタウンエースベースのキャブコンより安価なので、このカテゴリーの存在価値は十分あり、事実一定数のモデルが存在している。2024年にはこのポニトの他、AtoZのACE-C/CBもこのカテゴリーのニューモデルとして追加された。

ただし、シェルが重くなることによる走行性能の悪化は免れない。積載物も多くなる傾向にあるため、その影響はそれなりにあるだろう。ポニトの場合は、アルミベースのシェルを採用することにより、車体の軽量化を図っている。


インテリア

　ポニトのインテリア

ナチュラルトーンの家具とホワイト系の壁で、明るくカジュアルな室内になっている。車両サイズは全く異なるが、同社のデュカトベースのバンコンのルームにも似たテイストのインテリアだ。

　ポニトの照明

ルーフの処理も美しく、照明は凝った間接光などは無いが、スポットライトが効果的に使われている。全体的に、居心地の良いインテリアだ。


レイアウト

　ポニトのレイアウト

軽キャブコンでは比較的一般的なベンチシートとギャレーキャビネットのレイアウトを採用。シェル部に前向きのシートが無いので、後部まで動線が続き、スムースに移動ができる。

前向きシートは運転席と助手席のみなので、長距離を走るクルマ旅などでは2名、あるいは1名での使用に適している。なお、ベンチシートにも乗車できるので、乗車定員は5名となっている。


ダイネット

　ベンチタイプのダイネット

右サイドにベンチシートが設置されており、ギャレーキャビネットのテーブルとでダイネットを形作る。テーブルはギャレーキャビネットに引っ掛けるタイプで、食事をするには十分大きくないが、コーヒーなどの飲み物を置くには便利だろう。


ベッド

　ダイネットベッド

ダイネットを展開すると2080x1200mmのダイネットベッドになる。1200mmの幅は、家庭用ではセミダブルベッドに相当するので、2名が辛うじて就寝できる。身長方向は十分な長さがあるので、長身のユーザーでも窮屈感は無い。

　バンクベッドベッド

バンクベッドは跳ね上げ式を採用しており、展開したときのベッドサイズは1510x1450mm。身長方向が1800mmに達していないので子供用ベッドとカウントされる。

ただ、レイアウトから見ても子供が乗車して車中泊をすることはあまり無いと思われるので、バンクベッドは主に収納として使用されるのかもしれない。跳ね上げ式なので走行中に荷物が落下する心配もない。


ギャレー

　美しいギャレーセクション

大きなギャレーキャビネットが左サイドに設置されており、ギャレーの前に立って調理できる。キャビネットにはシンクとフォーセットが設置されており、フォーセットはシャワータイプで引き伸ばしたりはできないが、背が高く使いやすい。下には各13Lの給排水タンクが収納されている。

ギャレー正面には大きなアクリル2重窓があるほか、上部にはスポットライトが設置されており、明るいギャレーとなっている。有孔ボードが設置されているので、調理用具などを引っかけて整理しておけるのも便利だ。


冷蔵庫/電子レンジ

　30L引出し式冷蔵庫が標準装備される

冷蔵庫は30L引出し式が標準装備される。冷蔵庫がスマートに標準装備されているのはメリットではあるが、他のモデルで横開き式冷蔵庫が搭載できる例もあるので、冷凍と冷蔵が同時にできる横開き式が搭載できればなお良かったのだが。

　電子レンジも標準装備される

家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。クルマ旅では、ちょっとした温めものや冷凍食品の調理に重宝する。1500W正弦波インバーターも標準装備されるので、外部電源のないところでも電子レンジを使うことができる。


収納

　オーバーヘッド収納が設置される

軽キャンパーでも普通車8ナンバーのキャブコンであれば、充実した収納が期待できる。ポニトもオーバーヘッド収納が豊富に設置されており、車内が煩雑になるのを防いでいる。

　外部収納

後部には外部収納が設けられており、キャンプ用品などを車外から積み込むことができる。このスペースは最後部のベンチシート下のスペースで、車内からもアクセスできる。

　ベッド下のスペース

ベッドモードにするとベッドの下が大きな収納スペースとして使える。就寝時はバッグなどの荷物を収納しておくと、ベッドを広く使うことができる。


空調

暖房はFFヒーターがオプションで用意されている。またベンチレーターもオプションで設置できる。冷房に関しては、展示車には設置されていなかったが、車載用クーラー（12V）がオプションで用意されている。

車載用クーラーは基本的には外部電源で動作する想定だが、ポータブル電源での給電も可能とのこと。この場合、ポータブル電源はクーラー専用となり、それ用のコンセントも用意されるそうだ。


テレビ/ナビ

テレビやナビは特にオプション設定は無いようだが、好みのものを搭載できるだろう。


電装系

標準では、50Ahのディープサイクルバッテリーを2個、走行充電、外部100V電源入力と充電機能、1500W正弦波インバーターが搭載される。ソーラーシステムについては情報が無いが、必要に応じて搭載できるだろう。

なお、サブバッテリーは古河電池製のものを使用しており、ディープサイクルバッテリーながら高い性能を持っていると謳っている。リチウムイオンバッテリーはオプション設定していない。


価格（2024年3月現在：千円台切り上げ：税込）

同社のホームページにポニトの情報が無いので、現在の価格は不明だが、2024年2月のジャパンキャンピングカーショーでは4WD CVTで車両本体価格は498万円とされていた。

付けておきたい必需オプションは、FFヒーター（価格不明）が挙げられる。


他モデル

軽トラックをベース車にするキャブコンには軽8ナンバーと普通車8ナンバー登録が存在するが、普通車8ナンバー登録のモデルは、AtoZのACE-C/CB、キャンピングカーOZのカノア、ムーンスターエキスポートのJP Star Mappy 1+、マックレーのディアラジュニア、オートショップアズマのラ・クーンとラ・クーンII、MYSミスティックのレジストロなどがある。

このうちラ・クーンは対座ダイネットのレイアウトも選択できる。ACE-CBはバックエントランスのため、レイアウトは異なる。ディアラジュニアは独自のtレイアウトとなるが、その他のモデルはポニトと同様のレイアウトを持つ。


まとめ

ポニトはアルミコンポジットパネルで軽量化を図るという他のモデルにない特徴がある。特に車重が重くなりがちなこのカテゴリーにおいては効果的だ。更にクーラー、冷蔵庫、電子レンジが搭載でき、快適で便利なクルマ旅が実現できる。

ただ、価格的には他モデルと比べるとかなり高価だ。アルミパネルのシェルや冷蔵庫と電子レンジが標準装備というアドバンテージはあるが、例えばカノアとは100万円程度高価だし、Happy 1+とは140万円程度高価だ。

ポニトは外観から、かわいらしく気軽に乗れるベーシックモデルのようなイメージがあるが、実はアルミシェルを持ち、冷蔵庫や電子レンジを標準装備するハイグレードモデルだ。

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