ラクーンⅡ Type"D"はオートショップアズマが製作する、ダイハツハイゼットトラックをベース車に使用した軽キャブコンキャンピングカー。軽キャンピングカーだが、シェルを拡張しており、普通車8ナンバー枠になる。同社には軽8ナンバー枠に収まるモデル、K-ai(ケーアイ)(記事はこちら)もある。なお、Type"D"はダイハツハイゼットトラックをベースにしたモデルで、マツダ スクラム、あるいはスズキ キャリーをベース車にする「ラ・クーンⅡ」も選択できる。また、従来モデルの「ラ・クーン」もType"D"を含め選択できる。
コンセプト:軽キャンパーながら広い室内を持つ二人旅用軽キャブコン。税金と動力性能の面では不利になるが、軽キャンパーながら広い室内が特長。二人での長距離旅にもストレスが少ない。
リアベッドタイプのインテリア
レイアウト:ダイネットとギャレーコンソールの組み合わせだが、ダイネットはリアベッドタイプとベンチタイプの2種類から選べる。リアベッドタイプは、対座ダイネットスタイルで、3列目シートを子供用ベッドにしておけることからリアベッドタイプとされている。ベンチタイプは対座ダイネットの代わりにロングソファを備えたモデル。どちらのタイプもダイネットをベッドに展開して大人2名が就寝できるほか、バンクベッドで子供2名が就寝できる。
エクステリア:軽トラックのベース車に、ベース車の車幅より広いシェルが架装されている。キャブ部に比べ後部が広いので、車幅には慣れるまで多少注意が必要だ。また、バンクを持ち、天井高は十分高い。従って、K-aiのようにポップアップルーフを設ける必要もない。常に断熱されたシェルなので、快適性も高いのが長所。
インテリア:展示車には木の感覚を生かした家具と、濃いブラウン系のシートが使われていたが、幾つか選択できる。家具のつくりやシートの縫製もしっかりしており、高級感もある。室内の広さと高さも十分で、軽キャンパーとは思えない作りに仕上がっている。
ベンチタイプのダイネット
ダイネット:ソファタイプと対座タイプが選択できる。ファミリーで使うなら前向き着座ができるほか、4名でテーブルを囲める対座タイプが良いだろう。どちらのタイプもテーブルは十分大きく、食事をする場合、食器を余裕で置くことができる。ダイネットで足を伸ばして寛ぐ場合は、二人の場合もファミリーの場合も、ベッド状態にしてリラックスすると良いだろう。
ダイネットを展開したベッド
ベッド:メインベッドはダイネットを展開してフラットにする。対座タイプより、ソファタイプの方が展開は楽だ。展開してできたダイネットベッドは幅広シェルのおかげで家庭用のクイーンサイズほどもあるので、大人2名がゆったり就寝できる。バンクベッドもあり、ここでは子供2名が就寝できる。二人旅で使用する場合は、オプションの延長ベッドマットを使うと、上下で一人ずつ就寝できる。ポップアップルーフではないので、寝具もそのまま置いておけるし、ポップアップルーフのように寒い思いをすることはない。
子供2名が就寝できるバンクベッド
ギャレー:標準で装備されているが、埋め込まれているシンクはかなりコンパクト。シャワーフォーセットもあるので食器を洗うことができるが、小さめの食器に限られる。特にロングソファタイプのレイアウトでは、ダイネットテーブルがシンクの前に固定されるので少し使いにくい。
冷蔵庫は、ポータブル冷蔵庫を持ち込むことになる。ギャレーの後部下に設置スペースが設けられている。電子レンジのオプション設定は無い。
ベンチタイプのギャレー
収納:3面にオーバーヘッド収納が設置されている。特別に大きいというわけではないが、十分に実用的だ。また、一部シート下も収納スペースになっており、大きめのバッグなどはここに収納できる。車内スペースが限られる軽キャンパーでは、収納スペースが豊富でないとすぐに煩雑になってしまう。その意味でもラ・クーンⅡの収納は有用だ。
空調:ベンチレーターとFFヒーターがオプション設定されている。密閉性が高いシェルなのでベンチレーターは標準で欲しいところだ。またFFヒーターも必需性が高く、装備しておきたいオプションだ。なお、冷房のソリューションは用意されていない。
電装系:105Ahのサブバッテリーが1個と走行充電が標準装備される。また外部100V入力も標準装備されるが、外部電源でサブバッテリーを充電するチャージャーはオプション。長期旅が多い場合は、これも装備しておきたい。
価格:ラ・クーンⅡType”D"は、どちらのダイネットタイプも330万円~(2WD 4AT:税別)。ワイドシェルを持ち普通車8ナンバーの軽キャブコンは非常に数が少なく、他にはマックレーのディアラジュニア(記事はこちら)があるのみ。こちらも300万円前後とあまり変わりはない。また、軽8ナンバーのK-aiは263万円~(同)で、他社のポップアップモデルも300万円を切る価格帯なので、ワイドシェルモデルは多少高価な印象があるが、その分広い室内が手に入る。断熱性の高さも魅力だ。