コルドバンクスはバンテックが製作する、トヨタカムロードをベース車にしたキャブコンキャンピングカー。
同社はカムロードをベース車にするキャブコンを中心にラインアップする、キャブコン専門ビルダー。全長が5mを超すモデル群はジル、5mを切るモデル群はコルドの各シリーズで知られている。
一方、新しいラインアップとしてアストラーレシリーズを展開。2021年にアストラーレCC1(現在はビーナスのサブネームが付く)を発表したのに続き、2024年にGX4、2025年にCH1マーズ、トリアス480、NSビアートを追加した。
コルドバンクスはコルドリーブスとともに全長5mを切るカムロードキャブコンの代表的な存在で、ロングセラーモデルとして君臨している。
2025年7月に2026年モデルが発表された。2026年モデルの変更点は以下の通り。
・ボディサイドのデカールが角度によって色が変わる特別カラー「オーロラ」を採用
・「インスペクションハッチ(⽔タンクのメンテナンス性アップ)」が標準装備となった
・「清⽔タンク T コネクター(ポリタンクとの接続が容易になるコネクター)」が標準装備となった
・USB タイプ A 充電ポートからタイプ C 充電ポートへ変更になり充電速度が向上
・ボイラーはILiSリチウムイオンバッテリーシステムで使⽤可能になった・クッションフロアを従来品よりキズに強いものに変更
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。動画及び写真の車体は2025年モデルです。)
概要
トヨタカムロードをベース車にする、全長5mを切るキャブコンで、カムロードキャブコンでは最も一般的なレイアウトを採用している。二人旅はもちろん、ファミリーでの長期旅にも対応する。
スペース効率の良い、後部横置き2段ベッドのレイアウトにより、多目的ルームも設置されている。更に多目的ルームはトイレルームとして使用できるほか、温水シャワーも設置可能。
家庭用エアコンやFFヒーターが標準装備され、同社独自の大容量リチウムイオンバッテリーシステム「ILiS」もオプションで設置できる。
2025年1月に発表された2026年モデルでは、給水タンクのメンテナンスが用意になる「インスペクションハッチ」やリチウムイオンバッテリーでボイラーを運転できるようになるなどの機能が追加されている。
アピールポイント
・全長5mを切り、5x2mの駐車枠に収まるボディサイズ
・万一の場合でも衝撃を緩和するCSボディ
・スペース効率の良いレイアウトで、ファミリーでのクルマ旅にも対応
・常設2口コンロがあるギャレー
・清水用と生活水用を別々のタンクで用意。蛇口も別に設置。
・温水シャワーまで装備できる多目的ルーム
・家庭用エアコンとFFヒーターを標準装備
・6000Whの大容量リチウムイオンバッテリーシステム「ILiS]を搭載可能
ベース車とエクステリア
コルドバンクスのエクステリア
ベース車はトヨタカムロード、ワイドトレッドダブルタイヤ。ディーゼル2WDと4WDが選択できる。これにFRP一体成型のシェルを架装。シェルは同社独自の「CSボディ」で、万一の場合でも衝撃を拡散して乗員を守るとされている。
2026年モデルでは、ボディサイドのデカールが変更されているが、見る角度によって⾊が変わる特別カラー「オーロラ」が採用されている。
インテリア
ダークブラウンのインテリア
インテリアは比較的オーソドックスで、意識的に現代的なお洒落感を出しているところは見当たらない。ルーフはシンプルだし照明も間接照明などは採用されていない。ただし高級感が無いわけではなく、家具やシートはしっかりした作りになっている。
家具色はライトブラウンとダークブラウンの2色から選択できる。
レイアウト
コルドバンクスのレイアウト
前部に対座ダイネット、中央にギャレーと多目的ルーム、後部に横置き2段ベッドの構成。これはカムロードキャブコンでは最も一般的なレイアウトだ。特に全長が5mを切るという制約の中で、対座ダイネットと多目的ルームを共存させるためには、横置き2段ベッドは有用だ。
乗車定員は、ダイネットに4名と運転席と助手席で計6名。2WDでは運転席と助手席の間に補助シートがあるので7名となっている。就寝人数は、2段ベッド、バンクベッドに2名、ダイネットベッドに1名で、計大人5名となっている。
ダイネット
ダイネット
ダイネットには4名が対座できる。エントランスステップ部分に補助マットをはめ込むと、更に多くの人数でテーブルを囲むことができる。ゲストを招いての談笑も可能だ。テーブルは大きく、食事もゆったりとることができる。
ダイネットサイドには大きなアクリル2重窓があり、明るいダイネットになっている。窓ユニットには網戸とシェードが組み込まれている。
ベッド
上段ベッド
後部の2段ベッドは、上下段とも、1860x730mmの大きさ。全長5m、全幅2mを超えるジル520のベッドサイズは上段が1910x755mm、下段が1910x800mmの大きさなので、これに比べるともちろん狭いが、極端に差があるわけではない。十分に許容範囲だろう。
バンクベッド
バンクベッドは引き出してセットする。ベッドサイズは1870x1870mmで正方形の大きさ。即ち、縦方向でも横方向でも就寝できる。これは傾斜がある駐車場で車中泊する場合、頭の方向を選択できるので便利だ。
1870mmの幅は、家庭等のキングサイズベッドの幅(1800mm)以上なので、2名ならゆったり就寝できる。高さも十分あるので、圧迫感を感じることもないだろう。
ダイネットベッド
ダイネットベッドは、1900x930mmの大きさ。930mmの幅は家庭用のシングルベッドの幅(1000mm)には及ばないが、大人が1名無理なく就寝できる。身長方向も十分だ。ベッド展開は、テーブルを押し下げ、背もたれを移動するだけなので、比較的楽にセットできる。
ギャレー
常設2口コンロがあるギャレー
コルドバンクスのギャレーは、他モデルに比べて2ランクほど上だ。まず、常設2口コンロが装備されている。このクラスのキャブコンでは常設コンロを持つモデルは少ない。調理をするユーザーには、大きなアドバンテージだ。
もう1点は、生活水は51Lと清水は20Lのタンクが別々に用意されており、蛇口も清水用と生活水用が別に設置されている。ここまで気が配られているギャレーは他社のモデルには無い。なお、2026年モデルでは、タンクのメンテナンスが容易になる「インスペクションハッチ」が採用されている。
跳ね上げ式の調理台
ギャレーキャビネットには跳ね上げ式の調理台が用意されており、広い調理スペースが得られるので、本格的な料理でも調理しやすい。
ギャレーキャビネットの収納
ギャレーキャビネットには多くの収納が用意されている。上記の写真の左側も収納になっており、多くの食器や調理用具を収納しておける。これは素晴らしいことだが、欲を言えば引き出し式収納の方が使いやすかったかもしれないし、カトラリー用の浅い引き出し収納も欲しいところだ。
ギャレーキャビネット上部の収納
ギャレーキャビネットの上部にもオーバーヘッド収納が設置されている。ここにも食器や調理用具、食材などを収納しておける。
冷蔵庫/電子レンジ
85L横開き式冷蔵庫(OP)
冷蔵庫は85L横開き式がオプションで設置できる。設置位置は、エントランスの近くなので、車外から直接アクセスでき、購入したものを入れる場合や、車外から飲み物を取り出すといった場合に使いやすい。
電子レンジもオプション
家庭用の100V仕様の電子レンジがオプションで設置できる。インバーターは標準装備されるので、外部電源が無いところでも使用できる。
なお冷蔵庫はもちろんのこと、電子レンジもクルマ旅にはほぼ必需装備だ。コルドシリーズではこれらは以前からオプションだが、このクラスのモデルには標準装備が望ましい。
多目的ルーム
多目的ルーム
多目的ルームにはオプションで温水シャワーを設置することができる。室内は防水処理がされており、床には排水口も設けられている。ポータブルトイレやラップ式トイレを置いてトイレルームにすることも可能だ。
湯はエンジンの熱交換のボイラーで沸かすが、2026年モデルでは、大容量リチウムイオンバッテリーシステム「IRiS」の電気で沸かす方法も追加された。
FFヒーターの吹き出し口もあるので、トイレやシャワー時に寒い思いをすることは無い。車外からのアクセス用に大きなドアも設けられており、車外から直接濡れたものなどを積み込むこともできる。
多目的ルームの角と収納
多目的ルームにはアクリル2重窓と棚収納が設置されている。タオルやトイレットペーパなどを収納しておくのに便利だろう。
収納
ダイネット上のオーバーヘッド収納
収納は各所に用意されているが、主なものは、まずダイネット上部の収納がある。オーバーヘッド収納の形状は各ビルダーの考えで、湾曲したものやスリムなものなど様々なものがあるが、コルドバンクスでは容量を大きくできる箱型になっている。
ベッド下の外部収納
後部2段ベッドの下には大きな外部収納が用意されている。左右と後部からアクセスできるので、小物を取り出す場合に大変便利だ。特筆できるのは、ベッドボードを全て取り外すと大きな収納になることで、自転車等の大きなものも積み込むことができる。
大きな後部収納
これはコルドバンクスのコンセプトのひとつで、後部は2段ベッドという固定観念にとらわれず、大きな外部収納としても使うという考え方だ。二人で使用する場合などは広いバンクベッドで就寝し、後部は広い収納として使うことができる。
空調
家庭用エアコンを標準装備
家庭用エアコンとFFヒーター、それにマックスファンベンチレーターが標準装備される。家庭用エアコンの室内機は、エントランスの上部に設置される。
エアコンの室外機
エアコンの室外機は、車体後部右側に設置される。室外機の取り付け位置もビルダーの考え方により異なるが、バンテックではベッド下の外部収納のアクセスを阻害しないよう下部に設置している。水や泥跳ねの影響をできるだけ受けないように、外部収納のドアを無くしても上部に設置する方が良いと考えているビルダーもある。
テレビ/ナビ
テレビ本体やナビ本体はオプションリストに無いが、テレビアームやアンテナなどはオプションで用意されている。本体はユーザーの好みのものを調達して付けてもらうことができるだろう。
電装系
「ILiS」リチウムイオンバッテリーシステム(写真はZILノーブル)
標準では100Ahのディープサイクルバッテリーが3個装備される。その他には、走行充電、外部100V電源入力とチャージャー、1500W正弦波インバーターが標準装備される。
オプションで6000Wh(約500Ah)の大容量のリチウムイオンバッテリーシステム「ILiS」の搭載も可能。走行充電や3000Wの正弦波インバーターもシステムに含まれている。480Wのソーラーシステムもオプションで搭載できる。
価格(2025年8月現在:千円台切り上げ:税込)
2026年モデルの暫定価格は、ディーゼル2WDは1058万円~、4WDは1076万円~。ILiS搭載モデルは、2WDは1157万円~、4WDは1175万円~となっている。家庭用エアコンが標準装備されているので、できるだけILiSバージョンを選択したい。
付けておきたい必需オプションは、83L冷蔵庫(181,500円)、電子レンジ(49,500円)、480Wソーラーシステム(638,000円)が挙げられる。(ナビ関連は除く)
他モデル
5mの駐車枠に収まるカムロードキャブコンは、できるだけ5x2mに近づけたボディサイズのモデル群と、更に全長を短くしたモデル群に分類される。コルドバンクスは前者のグループに属する。後者は比較的価格を抑えたモデルが多い。
全車のグループで、コルドバンクスと同じレイアウトを持つモデルには、アネックスのリバティ50DB PowerPlus4800(1194万円~:4990x1950mm)AtoZのアンソニー(812万円~:4980x1910mm)、ナッツRVのジープニーTypeW(892万円~:4990x1960mm)、クレア5.0ハイパーエボリューションTypeW(1291万円~:4990x2080mm)、クレソンジャーニーTypeWエボライトLi(1059万円~:4990x2080mm)、stage21のリゾートデュオ オハナプロⅡ(800万円~4960x1870mm)等がある。
このうち、車幅が2mを切るのはジープニーとリバティ50DB、リゾートデュオ オハナプロⅡ、温水シャワーまで搭載できるモデルはジープニーTypeWのみとなる。
まとめ
コルドバンクスはロングセラーモデルであり、カムロードキャブコンを代表するモデルのひとつだ。長年にわたり蓄積されてきたノウハウが生かされた、「ザ・キャブコン」ともいえる存在になっている。
しかし、相次いで発表されるニューモデルも、現代のユーザーの嗜好に合わせたインテリアでマーケットに受け入れられている。バンテック自身もそのようなトレンドを感じ、「アストラーレ」シリーズを立ち上げている。
そのような中にあって、コルドバンクスは5mを切るカムロードキャブコンのカテゴリーの頂点に居ながらも、ややレガシーを感じさせるところもある。例えば、シンプルなルーフや照明は、1000万円以上するモデルとしてはやや物足りないだろう。
また、以前から変わらず続く冷蔵庫や電子レンジがオプションというのも、このクラスのモデルに相応しくない。折角先進のILiSを開発し電装系は先端を行っているので、全体的なイメージのアップグレードが必要かもしれない。
そうは言っても、一般的な駐車枠に収まるサイズで温水シャワーまで搭載できるフル装備のモデルは貴重だ。クルマ旅を目的にキャブコンを考えているユーザーには落とせない選択肢だ。
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