Brugge(ブルージュ)は、トイファクトリーが製作する、正規輸入のフィアットデュカトをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
同社はハイエースをベース車にするバンコンを中心にラインアップを展開しているが、フィアットデュカトが日本に正式に輸入され、これをベース車に使用した初のモデルを2023年に発表以来、多くのデュカトベースのバンコンを世に送り出している。
2023年のダヴィンチ、ユーロバーデン、オリジン、ダヴィンチ・ルッソ、バンライフに続き、2025年のジャパンキャンピングカーショーでジョイア、そして2025年7月の東京キャンピングカーショーでこのブルージュを発表。豊富なラインアップを擁している。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
正規輸入のフィアットデュカトをベース車にしたバンコンキャンピングカー。L3H2という、2番目に大きな車体を選択、ゆとりのある室内スペースを持つ。
ダヴィンチはどちらかというと二人旅を想定したハイエンドモデル(ポップアップルーフで計4名就寝可能)、ジョイアはファミリー向けだが多目的ルームを持たないレイアウトだった。ブルージュは多目的ルームを持ち、5名が前向き乗車でき、4名が常設ベッドで就寝できるという、ファミリーでのクルマ旅を真正面から想定したレイアウトを持つ。
車載用セパレートクーラーとリチウムイオンバッテリーをオプションで搭載できるため、年間を通して快適な室内を期待できる。
アピールポイント
・デュカトL3H2のゆとりある室内スペース
・正規輸入のデュカトを使用しているため、左エントランス
・回転するフロントシートを利用した対座ダイネット
・後部の常設2段ダブルベッド
・車載用クーラーを設置可能(OP)
・最大300Ahのリチウムイオンバッテリーを搭載可能(OP)
ベース車とエクステリア
ブルージュのエクステリア
ベース車は正規輸入されるフィアットデュカトのL3H2サイズ。6m近い全長で余裕のある室内スペースを持つ。デュカトは、架装前はキャブ部以外は窓が無く、ビルダーで開ける必要がある。
ブルージュでは、スライドドア、ダイネットサイド、そして後部の観音開きの左右ドアにアクリル2重窓を架装しているが、ベッドルームのボディサイドには窓が無い。
デュカトは2025年初頭にマイナーチェンジされた。フロントグリルのデザインが変更になったほか、360度センサーで安全性が高まったほか、MULTIJET3エンジンのターボチャージャーの新設計と、8速に変更されたトランスミッションでCO2の排出量が削減された。
正規輸入のデュカトのエンジンは、全て2.2Lディーゼルインタークーラー付 ターボでトルクは180hpのハイグレードのものが使用されている。なお、デュカトは2WDのみで4WDは存在しない。
インテリア
ブルージュのインテリア
全体的にホワイト系の色使いで、明るい室内になっている。同社のモデルらしく、洗練されたインテリアは高級感も伴っている。その中でルーフのみ濃紺が使われ、間接光とスポットライトで美しい夜のインテリアを実現している。
レイアウト
ブルージュのレイアウト
前部に対座ダイネット、中央にギャレーと多目的ルーム、後部に横置き2段ダブルベッドの構成。2列目に3名掛けの固定シート(REVO1200mm幅)を設置し、フロントシートと合わせて5名が前向き乗車できる。
後部の2段ダブルベッドは各段に2名が就寝できるので、計4名が就寝定員となる。デュカトでおなじみの回転するフロントシートで、スペース効率の良いレイアウトとなっている。
ダイネット
5名対座のダイネット
フロントシートが回転することにより、2列目の前向き固定シートとで5名が対座できるダイネットになる。テーブルは5名分の食器を乗せるには少し狭いが、軽食や飲み物程度なら問題ないだろう
ただし、フロントシートが回転して対座できるのは良いが、2列目シートとの高さが揃っておらず、フロントシートの方が高くなっている。テーブルの高さは2列目シートに合わせてあるようだ。
ベッド
後部の横置き2段ダブルベッド
4名が就寝できる手段として、ブルージュでは後部に常設2段ダブルベッドを採用した。上段は 1,930x1,600/1,300mm、下段は1,790x1,600/1,390mmの大きさ。幅は広いところと狭いところがあり、広いところは1600mm、狭いところは1300mmだ。
1600mmは家庭用ではクィーンサイズベッドに相当するが、1300mmはレギュラーダブルベッドより狭い。なお、下段ベッドの身長方向は1790mmとなっているが、厳密には1800mm確保されていないと大人用ベッドにはカウントされない
ギャレー
ギャレーセクション
左サイド中央にはギャレーキャビネットが設置されている。天板にはシンクとフォーセットがあり、調理スペースも広く取られている。ここにカセットコンロを置いて調理することができる。
ただし、1000万円をはるかに超えるこのクラスのモデルとしては、やはり常設コンロが欲しいところだ。調理するユーザーが少ないという理由かもしれないが、それならマイナスオプションという方法もある。
ギャレーの対面はスチールボードが張り付けてあるので、ここに磁石のフックなどを自由に設置することができる。これは良いアイデアで、大変便利だ。ギャレーキャビネットには引き出し収納も用意されている。カトラリーや小さな食器を収納しておくのに便利だ。
シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各13Lの給排水タンクが収納されている。エントランスの横にあるので、車外から直接タンクを出し入れすることができる。しかしこれらも、同じ理由で固定タンクが望まれる。
冷蔵庫/電子レンジ
70L両開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は70L両開き式が標準装備される。両開き式なので、ダイネット側からもベッド側からも扉を開けることができる。冷凍室もあるので、製氷や冷凍食品の保冷と、飲み物や食品の保冷が同時にできる。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。ギャレー上部にすっきりと収納されており、使いやすい位置でもある。なお、電子レンジが標準装備されているので、これで8ナンバー登録要件を満たしているため、ポータブルコンロは標準装備されていない。
多目的ルーム
ラップ式トイレが標準装備の多目的ルーム
多目的ルームには最新式のラップ式トイレ「クレサナ」が標準装備されている。FFヒーターの温風吹き出し口も用意されているので、トイレで寒い思いをすることは無い。
照明付き換気扇(OP)
多目的ルームにはオプションで照明付きの換気扇が設置できる。トイレが標準装備なので、照明と換気扇はほぼ必需装備と思われるが、標準装備出ない理由が見当たらない。ルーム内には鏡が設置されており、観音開きの鏡を開けると収納が用意されている。
収納
オーバーヘッド収納
オーバーヘッド収納がダイネット上部、ギャレー上部、ベッドルーム左側上部に設置されている。奥が深く大容量なので収納力も十分だ。ダイネット上部とベッドルーム右側には棚収納も用意されている。
後部のベッド下収納
後部のベッドの下は大きな収納スペースになっている。右側にはキャビネットも用意されており、小さな荷物を分けて収納しておくことができる。
空調
フロント上部に設置された家庭用エアコン(OP)
家庭用エアコンがクールコンプシステムと称してオプションで用意されており、選択するとフロント上部に室内機が設置される。冷気が通路に沿って後部までストレートに届くので理想的な位置だ。
テレビ/ナビ
19インチテレビ(OP)
19型のテレビモニターがオプションで用意されている。設置位置は上の写真のようにダイネットサイドに設置されるが、窓の景色をスポイルしてしまっているのは残念なところだ。ナビは純正のものが標準装備される。
電装系
標準では、95Ahのディープサイクルバッテリーが2個と走行充電、外部100V電源入力とチャージャー、1500W正弦波インバーターが装備されている。
リチウムイオンバッテリーは300Ah相当がオプションで用意されている。240Wソーラーシステムもオプションで設置できる。
価格(2025年7月現在:千円台切り上げ:税込)
ディーゼル2WDのみが選択でき、1474万円~。
付けておきたい必需オプションは、家庭用エアコン(588,500円)、300Ahリチウムイオンバッテリー(792,000円)、マックスファンベンチレーター(153,700円)、多目的ルームのライト付きベンチレーター(123,200円)、が挙げられる。(ナビ関連は除く)また、できればソーラーシステムも付けておきたい。
他モデル
デュカトベースでファミリーのクルマ旅に適したモデル(4名以上前向き乗車、4名以上常設ベッド、冷蔵庫、電子レンジ、トイレルーム、クーラー、リチウムイオンバッテリー搭載可能)をピックアップすると、正規輸入車ベースでは、ナッツRVのフォルトナTypeM(L2H2:1030万円~:オプションの上段ベッド必要)と、姉妹車の東和モータース販売のスペランツァ 540M(同1027万円~)が挙げられる。
輸入車ベースでは、アドリアモービルのツイン PLUS 600SPB Family、サンライトのクリフ601、そしてローラーチームのリビングストーン5(1351万円~)がある。
まとめ
ブルージュは、L3H2の余裕あるベース車に、ファミリーでのクルマ旅に最適な装備をほぼ全て装備できる希少なモデルと言える。唯一温水シャワーは装備できないが、そこまで必要というユーザーはフォルトナ(L2H2だが)かリビングストーン5のような輸入車ベースのモデルを選択することになる。
ただし、L3H2で1500万円に近い価格のモデルとしては、必需機能でオプションになっているものが多いように思われる。家庭用エアコンとリチウムイオンバッテリーをはじめ、マックスファンベンチレーターや、トイレルームの照明兼ベンチレーターまでオプションとなっている。
また、ギャレーに常設コンロが無いのも、このクラスのモデルとしては貧弱に見える。更に、温水シャワーもフォルトナのようにオプションで良いので可能性を残してほしかったところだ。
しかし、ファミリーでのクルマ旅に最適なモデルとして、必要な装備がほぼ全て搭載でき、洗練されたインテリアと高品質な作りバランスの取れたモデルと言える。
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