クリフ601は、サンライトが製作するフィアット デュカトベースの欧州バンコンモデル。 日本へは東和モータース販売が輸入販売している。
サンライトはデスレフのグループカンパニーで、デスレフとは別に比較的安価な価格帯のラインナップを用意している。
クリフは2018年から導入された同社のバンコンモデルのラインナップ名。
欧州ではクリフ540、600、601、640の4モデルが存在しているが、日本へは全長5410mmの540と5,990mmの601の2モデルが輸入されている。
エンジンは130HPの2287cc直列4気筒コモンレール式インタークーラー付ターボディーゼルだが、150HPにアップグレードする事もできる。
どちらも、全長が6mを切るので日本国内でも比較的運転しやすい。 また、ベース車のデュカト自体の室内高が十分あるので、大人が立っても頭が天井につくことは無い。
クリフ601のレイアウトの特徴は後部のベッドが二段ダブルベッドになっているところで、バンコンモデルながらファミリーにも対応する。
全体的なレイアウトは、前部にダイネット、後部にベッドルーム、中央にサニタリールームとギャレーを配置する。
ダイネットのソファーは、欧州車によく見られるスタイルで、運転席と助手席が回転して後ろ向きになり、2列目シートと テーブルを挟んで対座できる。
ダイネットの上部には大きなサンルーフがあり、明るいダイネットを演出している。
後部のベッドは、上下段とも 1,850x 1,430mmで、各段に大人2名が就寝できる。またダイネットも展開すると子供一名用のベッドになるので、計5名が就寝できる。
ギャレーはエントランスの横にあり、二口コンロとシンクが独立してビルトインされている。跳ね上げ式の調理台もあるので、余裕をもって料理も楽しむことができる。
ギャレーの横には、90リッターの1way冷蔵庫がビルトインされている。
なお、電子レンジのオプション設定は無い。
ギャレーコンソールには、大小の引き出しが用意されており、小さな食器などを収納できる。
サニタリールームには、カセットトイレと温水シャワーが標準装備されており、 ガスボイラーTruma Combi 4で湯を沸かし水と混合して使用する。
なお、Truma Combi 4はFF ヒーターとしても機能する。
冷房に関してはオプション設定が記載されていないが、ルーフエアコンを取り付けることは可能だろう。ただし、外部電源でのみの運転となり、外部電源の容量にも注意する必要がある。バッテリーでも運転できる家庭用エアコンの取り付けは難しいだろう。
収納は、ダイネット上のオーバーヘッド収納や、シートの下や冷蔵庫の下など、豊富に用意されている。また、ベッドの下には、大きな収納庫が用意されている。
サニタリールーム横にはクローゼットも装備されている他、運転席、助手席の上にも収納が用意されている。
電装系は、ディープサイクルバッテリーが1個標準装備されているが、追加バッテリーのオプションも用意されている。 このクラスのモデルであれば少なくとも2個装備するのがよいだろう。
なお、外部 100V電源入力は標準装備されているが、インバーターは1500Wと3000Wがオプションとなっている。 電子レンジやエアコンのオプション設定がないため、大容量インバーターの必要はないかもしれない。
クリフ601は欧州車らしく、洗練されたインテリアデザインが魅力。 大きなサンルーフ、機能的なキッチン、大型冷蔵庫、洗練されたサニタリールームなどが標準装備されており、しかも価格的にはデスレフモデルに比べお買い得感が高い。
ただし、欧州車のバンコンはどれもそうだが、家庭用エアコンや発電機の搭載は難しく、快適な 室内を自立型で確立するのは難しい。 外部電源などのインフラが整っており、気候もそれほど暑くない欧州であれば
問題ないが、インフラが整っておらず、気候も高温多湿な日本では、やはり家庭用エアコンの装備は欲しいところだ。
車両本体価格738万円というのは、国産のキャブコンや高級バンコンにも対抗できる価格で、かつ欧州車の持つインテリアや装備を考えるとかなり魅力的ではある。しかし、家庭用エアコンのソリューションが無いのは弱点でもある。
逆に言えば、エアコンを装備しなくても良いなら、かなり魅力的なモデルと言える。