バロッコ Tパッケージは、フィールドライフが製作する、ダイハツハイゼットトラックをベース車にした軽キャブコン。
同社は、群馬県渋川市を拠点とし、セミフルコンのシリウスと、バロッコをはじめとする軽キャンパーを製作するユニークなビルダー。バロッコは2012年からラインアップに加わった同社を代表する軽キャブコンで、完成度の高さには定評がある。
2020年に「バロッコKパッケージ」を発売したが、バロッコTパッケージではクーラーとリチウムイオンバッテリーが搭載されたコンプリートバージョンとなっている。なお、従来の「バロッコ」も選択できる。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ダイハツハイゼットトラックをベース車にした軽8ナンバーの軽キャブコン。車載用クーラーやリチウムイオンバッテリーを搭載でき、暑い夏場にも対応できるようになった。
同社独自のハイドロバックパネルのシェルを架装し、ポップアップルーフを装備した外観や、L字型のダイネットのレイアウトは変わらないが、車載用クーラー、300Ahリチウムイオンバッテリー、200Wソーラーシステムを標準装備している。
また、インテリアもTパッケージ専用仕様となっており、バロッコの最上位モデルと位置付けられている。
アピールポイント
・高断熱、高耐久のハイドロバックパネルを使用したシェル
・高耐水性のルーフテント
・5種類のボディカラーを選択可能
・Tパッケージ専用のモケット&レザーのシート地
・車外から出し入れできる給排水タンク用ドア
・車載用セパレートクーラーを標準装備
・300Ahリチウムイオンバッテリーを標準装備
・200Wソーラーシステムを標準装備
ベース車とエクステリア
バロッコ Tパッケージのエクステリア
ベース車はダイハツハイゼットトラック。エクストラグレードなので、ボディ同色バンパーやプライバシーガラス、運転席、助手席パワーウインドウなどが標準装備される。もちろんスマートアシストなどの安全装備も標準だ(車両緒元はこちら)。
これにFRPパネルベースのシェルを架装している。このパネルは同社オリジナルで「ハイドロバックパネル」と名付けられており、高断熱性と高耐久性を兼ね備えている。
シェルにはポップアップルーフが装備されており、高耐水圧性に優れたテント地が採用されている。即ち、少々の雨でもルーフベッドで就寝することができる。ただ風雨を伴う荒天ではやはりルーフを上げることは避けた方が良いだろう。
テント地は耐水性には優れているが、防寒対策は特に取られていない。キルティング素材などの内張りがオプションであると良いのだが。
ベース車は2WDと4WDが選択できるが、それぞれ5MTとCVTが選択できるため、選択肢は4種類となっている。強化スタビライザーや強化増しリーフなど足回りのオプションも用意されている。(価格表はこちら)
インテリア
バロッコTパッケージのインテリア
Tパッケージには専用のモケット&レザーのシート地が採用されている。運転席、助手席も同様の柄のシートカバーが標準装備され、ドアのアームレストにも同様の生地が使われている。高級感のあるシャギーカーペットも標準装備だ。
なお、バロッコKパッケージで採用されたブラウンのシート地とダークブラウンの家具色も選択できる。
レイアウト
バロッコのレイアウト
レイアウトは一般のバロッコと同様で、L字型のダイネットシートとギャレーキャビネットの組み合わせ。2列目にマルチモードシートがあるタイプではないので、前後の移動がスムースで、車内が広く見えるのが特長。マルチモードシートではないのでベッド展開も楽だ。
短所としては、前向き乗車が運転席と助手席の2名に限られること。横座りのベンチシートに2名乗車できるが、長距離移動には安全面と乗り心地からお勧めできない。長距離をドライブするクルマ旅のような使い方では、1名または2名での使用が理想的だ。
ダイネット
L字型のダイネット
ダイネットのテーブルはスライドして位置を変更できる。上の写真のようにすれば対座スタイルになるし、ベンチシートの中央に設置すれば、サイドテーブルとして使用できる。
ベッド
ダイネットベッド
ダイネットを展開したベッドは、1810x1030mmの大きさ。1030mmは家庭用ではシングルベッドの幅(1000mm)より多少広い程度。2名で就寝できる仕様ではあるが、窮屈感は否めない。
ルーフベッド
ルーフベッドは2100x1120mmの大きさ。こちらはダイネットベッドより多少広いが、それでも家庭用のダブルベッドの幅(1200mm)には届かない。しかし、長さは十分で、長身のユーザーでも足がつかえることは無いだろう。
ギャレー
広いギャレー
ギャレーはベンチシートと向き合う位置に設置されており、広い天板にはシンクとフォーセットが設置されている。オプションで引き出して車外で使えるシャワーフォーセットに変更できる。
車外から出し入れできる給排水タンク
シンクの下には各13Lの給排水タンクが収納されている。出し入れはボディサイドの扉を開けて、車外から直接出し入れできるので大変便利だ(写真は収納の項を参照)。車内からもアクセスできるようになっているが、これはホースやポンプをセットしやすいようにするためと思われる。
跳ね上げ式の調理台
ギャレーキャビネットには跳ね上げ式のテーブルが用意されており、調理面を延長できる。これにより広い調理台にコンロやまな板を置いて調理することができる。
ギャレー上部のオーバーヘッド収納
ギャレー上部には2連のオーバーヘッド収納が設置されており、食器や調理用具を収納しておくことができる。
冷蔵庫/電子レンジ
16L引き出し式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は16L引出し式が標準装備される。ベンチシートの下にすっきりと収納されている。
ギャレー横の収納
ギャレーの横には大きな収納スペースが用意されている。ここはバロッコではポータブル冷蔵庫を置くためのスペースだが、Tパッケージでは広い天板が付いている。ここは自分の使い勝手に応じて扉付きの収納にするなど形状を変更することもできるだろう。
なおこの収納の底板は外すことができ、下の外部収納にアクセスできるようになっている。いちいち車外に出ることなく外部収納にアクセスすることができるので大変便利だ。
オプションには無いが、電子レンジを置くことも可能と思われる。電子レンジはクルマ旅ではほぼ必需装備なので、そのような用途を考えている場合は、変更すると良いだろう。
収納
一般的に軽キャンパーは収納が少ないケースが多いが、バロックの場合はかなり充実した収納が用意されている。特に、ポップアップルーフが付いたモデルではオーバーヘッド収納が設置されているものは少ないので、バロッコのそれは特筆される。
後部右側のオーバーヘッド収納
ギャレー上部にオーバーヘッド収納が設置されているが、反対側の右側後部にもオーバーヘッド収納が設置されている。また後部には棚収納が設置されている。
ベンチシート下の引き出し収納
ベンチシート下には冷蔵庫と並んで引き出し収納が用意されている。ベンチシート下の収納には、シートマットを持ち上げて上からアクセスするモデルが多いが、バロッコの場合は大変使いやすい。
エントランス横のシューズボックス
エントランス横には大きなシューズボックスが置かれている。1名や2名で使用する場合は大きすぎるほどだ。もちろんその他の収納に使用しても良いだろう。引き出し収納などに変更してもらうこともできるだろう。
外部収納
給排水タンクを車外から直接取りだすことができるが、隣に外部収納スペースも用意されている。ちょっとしたアウトドア用具やペットのリードなどを収納しておくのに便利だろう。
空調
車載用セパレートクーラーを標準装備
バロッコTパッケージには車載用セパレートクーラー(One Cool 21 )が標準装備される。300Ahのリチウムイオンバッテリーも標準装備なので、実用的な使用が可能だ。設置位置は助手席のすぐ後ろ。あまり見ない設置位置だが、後部へ冷気が効率的に流れるように考慮されている。
テレビ/ナビ
19型のテレビがオプションで用意されている。ギャレー前の窓を無くし、ここに壁掛けでテレビを設置する。オプションには150Wのインバーターも含まれる。ベンチシートに座って観るにはちょうど良い位置だ。
電装系
Tパッケージでは300Ahのリチウムイオンバッテリーと200Wのソーラーシステムも標準装備され、強力な電装システムとなっている。その他の電装系では、CTEK走行充電、外部100V電源入力とチャージャーが標準装備される。
インバーターはテレビオプションに含まれるもの以外はオプション設定されていない。テレビは不要だがサブバッテリーから100Vコンセントを使いたいといった場合には、別途インバーターを付けると良いだろう。
価格(2025年10月現在:千円台切り上げ:税込)
2WD/5MTは574万円~、2WD/CVTは584万円~、4WD/5MTは589万円~、4WD/CVTは599万円~となっている。標準仕様の「バロッコ」の4WD/CVTの価格は419万円~なので、Tパッケージは180万円高価ということになる。
付けておきたい必需オプションは、FFヒーター(286,000円)、インバーター(オプション設定なし:使用家電製品により容量が異なる)(ナビ関連は除く)
他モデル
ポップアップルーフ付きの軽8ナンバーキャブコンは、MYSミスティックのミニポップフライヤー、インディアナRVのインディ727、その姉妹車のナッツRVのシーバスと東和モータース販売のバディ108、オートショップアズマのケーアイ、新相武のモーニングワン キャンパージャスト、ダイレクトカーズのアマホⅢ、バンショップミカミのテントむしSタイプなどがある。
まとめ
バロッコ Tパッケージは、冷蔵庫、電子レンジ(改造必要)などの装備や、クーラー、300Ahリチウムイオンバッテリー、200Wソーラーシステムといった強力な電装系で、クルマ旅にも対応できる充実した装備が強みだ。
もともと完成度の高いモデルなので、クーラーや電装系が充実したTパッケージはほぼ完成版といった位置付けとなる。
短所を見つけるのは難しいが、アクリル2重窓が細長いのが気になる。断熱性は高まるが、パノラミックな風景を楽しむにはもう少し大きい方が良いだろう。また、ギャレー横の収納は、最初から電子レンジをすっきり収納できる形状であればよかったのではないだろうか。
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