C BUS(シーバス)はナッツRVが製作する、ダイハツ ハイゼットトラックをベース車にする、軽キャブコンキャンピングカー。なお、Buddy108(バディ108)はシーバスの姉妹車で東和モータース販売が販売する。
東和モータース販売は従来よりインディアナRVのインディ727の姉妹車、インディ108を販売していたが、その販売が終了するに伴い、後継としてBuddy108をラインアップに加えた。
ナッツRVは、従来より軽バンコンのスピナをラインアップしているが、C BUSの追加により軽キャブコンのカテゴリーにも進出する。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ダイハツハイゼットトラックをベース車にする軽バンコン。アルミコンポジットパネルの高断熱コンポジットパネルを使ったシェルにはポップアップルーフを架装する。
レイアウトはType SとType Lがあり、Type Sは2列目にマルチモードシートを設置、Type LはL字型のベンチシート配置となっている。
C BUSにはノーマル仕様とEVO仕様があり、EVO仕様には車載用クーラーと300Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される。
なお、C BUSの取扱店舗はナッツ金沢、ナッツ松山、カーショップスリーセブンの3店舗に限られる。
アピールポイント
・ポップアップルーフで高い天井高
・高断熱アルミコンポジットパネルで軽量化
・2種類のレイアウトを選択できる
・2種類のグレードを選択可能
・EVO仕様にはクーラーとリチウムイオンバッテリーを標準装備
ベース車とエクステリア

Buddy108のエクステリア
ベース車はダイハツハイゼットトラック。グレードはスタンダードとエクストラを選択できる(EVO仕様はエクストラのみ選択可能)。2WDと4WD、4ATと5MTも選択できる。
全車に衝突回避支援ブレーキ機能をはじめとする安全機能を標準装備。カラードバンパー、電動格納式ドアミラー(エクストラのみ)、サイドアンダーミラー付ドアミラー(助手席側)、ヘッドランプ自動消灯システム、マルチリフレクターハロゲンヘッドランプ(マニュアルレベリング機能・オートライト付)も装備される。
このベース車に、高断熱アルミコンポジットパネルを架装。全車にポップアップルーフも設置される。ポップアップルーフを閉じた状態では、車高が1,960mmとなり、高さ制限のある駐車場にも駐車できる。
窓は全てアクリル2重窓になっており、オプションで運転席側後部にアクリル2重窓を追加できる。エントランスにはインディ108と同様の丸窓があるが、後部にあった丸窓は四角い窓に変更されている。
後部にオプションでバゲッジドアを追加することができ、車外から直接荷物を積み込むことができる。シェルの塗装はオプションとなっている。
インテリア

C BUS Type Sのインテリア
展示車のシートカラーは上の写真のようなものだったが、C BUSのカタログやウェブサイトではベージュ系の明るい色調になっている。Buddy108も含め、購入時にはご確認いただきたい。
レイアウト

Buddy108 Type Lのレイアウト
レイアウトはType SとType Lの2種類がある。Type Sは2列目にマルチモードシート(FASPシート)を持ち、運転席、助手席を含めて計4名が前向き乗車できる。後ろ向きにすると、4名が対座できるダイネットになる。
Type LはL字型のベンチシート構成で、2名は横座りで乗車となる。このレイアウトの特長は、動線が通って前後の移動が楽なことと、ベンチシートの下に大きな収納が設置できること。
Type Lはどちらかというと二人や一人での使用に向いており、Type Sは4名での移動やベビーシートを設置したい場合に適している。
ダイネット
上記のようにType Sでは対座スタイル、Type LではL字型のダイネットになる。 寛ぐという観点からでは、Type Sがマルチモードシートなので背もたれが高くリクライニングできるという点で優っているかもしれないが、どちらもベッドモードにした方が寛げるだろう。
ベッド
ベッドはダイネットを展開するダイネットベッドと、ポップアップルーフを上げてできるルーフベッドの2箇所がある。

ダイネットベッド
ダイネットベッドは、1820x995mmの大きさ。995mmの幅は、家庭用ではほぼシングルベッドの幅に相当する。従って大人1名と子供1名、あるいは、子供2名の就寝が可能。

Buddy108のルーフベッド
ポップアップルーフを上げベッドボードを並べると、2400x1170mmのベッドになる。1170mmの幅は、家庭用ではほぼセミダブルベッドの幅(1200mm)に相当する。従って、大人2名が就寝できる。
ポップアップルーフのルーフベッドで就寝する場合は、注意する点がいくつかある。一つは風雨が強い場合はルーフを上げられないので、全員がダイネットベッドで就寝しなければならないが、無理な場合はホテルなど代替手段が必要となる。
もう一つは寒さ。テント地1枚なので、十分な防寒対策をして就寝する必要がある。暑さ対策も同様。
ギャレー

C BUSのギャレーキャビネット
ギャレーキャビネットは左サイドに設置されており、エントランス横から後部までつながった大き目のキャビネットになっている。
天板にはシンクとシャワーフォーセットがあり、シャワーフォーセットは引き出して車外で使用できる。
天板は広く調理面もあるので、ポータブルカセットコンロを置いて調理することも可能だ。

シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各13Lの給排水タンクが収納されている。エントランス横に扉があるので、車外から直接タンクを出し入れすることができる。
冷蔵庫/電子レンジ
C BUSには冷蔵庫も電子レンジもオプション設定されていない。大変割り切った設定で、これらの装備を必要としないユーザーにはすっきりして良いが、必要なユーザーには問題となる。
冷蔵庫が必要な場合は、ポータブル冷蔵庫を別途用意して積み込むしかないだろう。いずれにせよ、クルマ旅には適していないかもしれない。
収納

右サイドのオーバーヘッド収納
右サイドと前部にオーバーヘッド収納が設置されている。ポップアップルーフ車の場合高さがあまりとれないので、オーバーヘッド収納が設置されていないケースが多いが、C
BUSとBuddy108では設置されているのは特筆できる。
オーバーヘッド収納の高さはあまり無いが、広く設置されているので実用性は十分にある。

Type Lのベンチシート下の引出し収納
特に秀逸なのがType Lのシート下収納。引き出し式になっていて非常に使いやすい。多くのモデルでシート下収納が採用されているが、シート座を持ち上げなければならず非常に使い難い。このような機能が多くのモデルに採用されることを期待したい。
空調

ギャレー上部に設置された車載用エアコン(OP)
12Vで動作する車載用クーラーがEVO仕様に標準装備される。EVO仕様には300Ahのリチウムイオンバッテリーも標準装備されるので、実用的にクーラーを使用できる。
テレビ/ナビ
テレビのオプションは設定されていないが、狭い車内なので、固定式のテレビは必ずしも最良の手段ではないかもしれない。タブレットなどでテレビを観ることも可能なので、その方が車内を広く使えるだろう。
ナビはオプションで用意されているが、好みのものを持ち込んで取り付けてもらうことも可能だ。
電装系
EVO仕様には300AhのリチウムイオンバッテリーとEVOLUTION急速充電システム(走行充電)が標準装備される。ノーマル仕様には115Ahのディープサイクルバッテリーと走行充電が標準装備される。
その他の電装系では、外部100V電源入力は標準装備されるがチャージャーはオプションとなる。また、1500W正弦波インバーターはEVO仕様のみ、400W正弦波インバーターはノーマル仕様のみオプション設定されている。
ソーラーシステムはオプションリストに無いが、設置できないことは無いだろう。必要な場合はビルダーに問い合わせいただきたい。
価格(2025年6月現在:千円台切り上げ:税込)
最も安価なスタンダードグレード 2WD 5MT ノーマル仕様は、Type S、Type Lとも378万円~、最も高価なエクストラグレード 4WD
CVT EVO仕様は544万円~となっている。
他モデル
軽トラックをベース車にしたポップアップルーフ付きキャブコンでクーラーが装備できるのは、新相武のモーニングワン キャンパージャスト(価格不明)、stage21のリゾートデュオ バンビーノ プロ(510万円)、ダイレクトカーズのAMAHOシリーズ(375万円~:スタンダード 4WD CVT)、バンショップミカミのテントむしシリーズ(432万円~:エクストラ 4WD CVT)、フィールドライフのバロッコ(419万円~:エクストラ 4WD CVT)がある。
まとめ
C BUSとBuddy108は、アルミベースのシェルで軽量化を図ったり、強力な電装系を搭載したり、作りの良いインテリアで、このクラスとしては高級感も持ち合わせた完成度の高いモデルだ。オーバーヘッド収納やType
Lのシート下引き出し収納も優れている。
しかし、冷蔵庫も電子レンジも用意されていない点を考えると、クルマ旅には適していない。むしろ、キャンプ場やイベントや登山などで前泊するような用途に向いているだろう。
その意味では、ギャレーはもっとコンパクトにしてベッドを広く取った方が良かったかもしれない。そうすれば、ダイネットベッドで大人2名が就寝でき、ルーフベッドで子供2名が就寝するとファミリーで車中泊が快適にできるだろう。
関連記事