アレッタとレーベンは姉妹車で、それぞれナッツRV、東和モータース販売の、トヨタカムロードをベース車にするキャブ・コンバージョン キャンピングカー。
東和モータース販売はナッツRVが製作するモデルを自社ブランドとして販売しているため、多くのモデルが「姉妹車」関係にある。例えば、クレアとヴォーン、ジープニーとモビー、フォルトナとスペランツァ540、ゼニアとスペランツァ600の各シリーズがそのような関係にある。
東和モータース販売のモデルはヴォーンではクレアに対してかなり個性を出していたが、最近のモデルシリーズでは、ほとんど差が無い。アレッタとレーベンも同様で、自宅に近い販売店、家具色、(あるいは値引き)で選択しても問題ないだろう。
アレッタとレーベンの位置付けは、「コンパクトな高級モデル」。即ちクレア/ヴォーンのサイズダウン版、ジープニー/モビーの上級版と言ったところだ。全長と全幅を5x2mに収めることにより、一般的な駐車枠に収め、自宅のカーポートにも入るサイズとした。
このマーケットの存在はキャンパー厚木のパピィシリーズで照明され、ジープニー / モビーも続いたが、これらはクレソンジャーニーのサイズダウン版という位置づけだったため、その高級バージョンとしてアレッタ
/ レーベンが企画された。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
トヨタカムロードをベース車にする全長5mを切るキャブコンキャンピングカー。5mを切るモデルは一般的に5m超のモデルよりグレード感が落ちるが、アレッタ
/ レーベンでは上位モデルのグレード感を継承している。
3種類のレイアウトが選択でき、いずれも対座ダイネットとバンクベッドを持つ。またアレッタTypeX / レーベンRWBを除き、多目的ルームを持ち温水シャワーも設置できる。
電装系はディープサイクルバッテリーのEVO LiteとリチウムイオンバッテリーのHyper EVOⅢを選択できる。コンパクトなキャブコンが欲しいが、高級感を求めるユーザー向け。
アピールポイント
・一般的な5x2mの駐車枠に収まる車体サイズ
・アルミコンポジットパネルやHyper EVOⅢなど上位モデルと同等の装備
・両開き冷蔵庫を標準装備
・温水シャワーを装備可能(OP:アレッタ TypeX / レーベンRWBを除く)
・家庭用セパレートエアコンを標準装備
・ウッドスプリングを採用したベッド(アレッタ TypeRE / レーベンDCを除く)
ベース車とエクステリア
アレッタTypeWのエクステリア
ベース車はトヨタカムロード。ガソリンとディーゼルが選択できるが、ガソリン車はEVO LITE仕様の2WDのみ。ディーゼル車は2WDと4WDが選択できる。また、ガソリン車は標準トレッドで後輪は小径ダブルタイヤとなる。ディーゼル車はワイドトレッドで後輪は同径ダブルタイヤ。
シェルは全車のサイドとリアパネルにアルミコンポジットパネルを採用。軽量化と高断熱性を確保している。
インテリア
レーベンRWBのインテリア
家具色は2種類から選択できる。クレア系でもなくジープニー系でもない新しい感じのインテリアだ。オーバーヘッド収納の扉は、クレア / ヴォーンでは前面に張り出す曲面だったが、ジープニー
/ モビーから内側に凹んだ局面になった。アレッタ / レーベンでも内側に湾曲したスタイルになっている。
レイアウト
3種類のレイアウトを選択できる。アレッタ TypeW / レーベンR2Bは後部に横置き2段ベッド、アレッタ TypeX / レーベンRWBは多目的ルームは無く、後部に横置きダブルベッド、アレッタ
TypeRE / レーベンDCはリアエントランスのレイアウトを持つ。
後部2段ベッドは最も一般的なレイアウトで、対座ダイネット、ギャレー、常設ベッド、多目的ルームの全てを持つ。アレッタ TypeX / レーベンRWBは多目的ルームは不要だが広いベッドが欲しいというユーザー向け。リアエントランスは常設ベッドは無いが広いキングサイズベッドと両側の大きなアクリル2重窓が魅力のレイアウトだ。
乗車人数はいずれも7名(2WD)/6名(4WD)、就寝人数はいずれも5名となっている。
ダイネット
アレッタTypeWのダイネット
アレッタ TypeW / レーベンR2Bと、アレッタ TypeX / レーベンRWBは前部に対座ダイネットを持つ。エントランス横には横座りの単座シートも用意されている。更にエントランス部にマットをはめ込むと、もう1名が座ることができる。
レーベンDCのダイネット
リアエントランスのアレッタ TypeRE / レーベンDCでは、4名対座+ベンチシートの広いダイネットが広がる。エントランスが前部に無く、両側に大きなアクリル2重窓があるので、開放的なダイネットとなっている。
ベッド
アレッタTypeWの後部横置き2段ベッド
アレッタ TypeW / レーベンR2Bの後部横置き2段ベッドの大きさは、1806x860(最大)/740(最小)mm。ちなみにジープニーTypeW
/ モビーR2Bの同ベッドは上下段とも1806x820(最大)/720mmだ。
足元は多目的ルームがあるため多少狭くなっている。上下段ともウッドスプリングを採用している。
レーベンRWBの後部ダブルベッド
アレッタ TypeX / レーベンRWBの後部横置きダブルベッドは、1805x1260mmの大きさ。1260mmの幅は、家庭用ではセミダブルベッドの幅(1200mm)より広い。これもウッドスプリングを採用している。
レーベンDCのダイネットベッド
アレッタ TypeRE / レーベンDCのダイネット展開ベッドは1850x1806mmの大きさ。家庭用のキングサイズベッドの幅(1800mm)以上の広大なベッドとなる。
バンクベッドは全て共通
バンクベッドはどのレイアウトも同じで、1806(車幅方向)x1800(奥行き)mmの大きさ。家庭用のキングサイズベッドの幅に相当する。ちなみにジープニー
/ モビーのバンクベッドは1806x1790mmで、アレッタ / レーベンよりも狭い。
アレッタTypeXのダイネットベッド
アレッタ TypeW / レーベンR2Bと、アレッタ TypeX / レーベンRWBでは対座ダイネットを展開すると1810x900mmのベッドになる。家庭用のシングルベッドの幅(970mm)より多少狭いが、一人就寝には十分な大きさだ。
ギャレー
レーベンRWBのギャレー
アレッタ TypeW / レーベンR2Bと、アレッタ TypeX / レーベンRWBのギャレーは左サイド中央に設置される。キャビネットの天板にはシンクとフォーセットが設置されているが、常設コンロは無い。クレア
/ ヴォーンと同じレベルであれば常設2口コンロは欲しかったところだ。
ギャレーキャビネットには跳ね上げ式の調理台も用意されているので、カセットコンロを置いても調理スペースは確保される。
シンクの下の給排水タンクと収納
シンクの下には各19Lの給排水タンクが収納されている。オプションの温水シャワーを付けた場合は、45Lの給排水タンクと22Lのボイラーが追加される。もちろんギャレーでも温水が使えるので寒い日の洗い物が快適にできる。
ギャレーキャビネットには引き出し収納が設置されている。カトラリーや食器を収納しておくのに便利だ。
レーベンDCのギャレー
アレッタTypeREとレーベンDCのギャレーは最後部に設置される。こちらの調理面は狭いように見えるが、エントランス横のキャビネットの天板が超入り面として使える。
冷蔵庫/電子レンジ
70L両開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は70L両開き式が標準装備される。両開きなので、ダイネット側からでもベッド側からでも扉を開けることができる。リアエントランスでは車外から冷蔵庫にアクセスしやすい。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。その横には収納も用意されており、調理用具や食器を収納しておける。
多目的ルーム
レーベンDCの多目的ルーム
アレッタTypeX、レーベンRWBを除き、多目的ルームが設置される。オプションが無い場合はがらんとしたスペースとなっている。外部ドアから濡れたスキーウエアなどを直接積み込むことができる。
カセットトイレ、ポータブルトイレ、ラップ式トイレ「Loo Seal(ルーシール)」をオプションで設置できる。ルーシールを設置する場合は100Vコンセントも設置される。また、小型ベンチレーターもオプションで設置可能だ。
収納
アレッタのオーバーヘッド収納
アレッタ TypeW / レーベンR2BとアレッタTypeREとレーベンDCでは、ダイネット上部にオーバーヘッド収納が設置されている。
レーベンRWBのベッドルームのオーバーヘッド収納
アレッタTypeX、レーベンRWBではベッドルーム上部両側にオーバーヘッド収納が設置される。
シューズボックス
エントランス横にはシューズボックスを設置。比較的大きなシューズボックスなのでファミリー分のシューズを収納できるだろう。
アレッタTypeXの外部収納
アレッタTypeX / レーベンRWBでは、後部のダブルベッドの下が大きな外部収納になっている。3方向からアクセスできるので、荷物を出し入れしやすい。アレッタTypeW
/ レーベンR2Bでは、ベッドボードを取り外すと、時短者のような背の高い荷物を積み込むことができる。
アレッタTypeRE / レーベンDCでは、後部にベッドが無いため、大きな外部収納は期待できない。ボディ左サイドにベンチシート下に当たるスペースが外部収納となっている。
空調
家庭用セパレートクーラーを標準装備
家庭用セパレートクーラーが標準装備される。センターエントランスモデルではエントランス上部に、リアエントランスモデルでは最後部のギャレー上部に設置される。室外機はボディ左側後部に設置されている。
暖房用にはFFヒーターが標準装備される。また、マックスファンベンチレーターも全車に標準装備される。
テレビ/ナビ
19型のテレビがオプションで設置できる。ナビもオプションで用意されているが、好みの機種を持ち込むこともできる。
電装系
電装系は、300AhのディープサイクルバッテリーのEVO LITEと、4800WhのリチウムイオンバッテリーのHyper EVO IIIの2種類を選択できる。家庭用エアコンが標準装備されているので、できればリチウムイオンバッテリーを選択したい。
その他の電装系では、走行充電、外部100V電源入力とチャージャー、2000W正弦波インバーター(Hyper EVO IIIモデル)、1500W正弦波インバーター(EVO
LITEモデル)、280Wソーラーパネルが標準装備される。
Hyper EVO IIIの特徴は、走行充電でも急速充電が可能で、フルチャージできること。一般的な走行充電では、限られたオルタネーターの能力のためメインバッテリーへの充電が優先され、サブバッテリーは思うように充電されない。
Hyper EVO IIIは同社独自の開発で、これを解消している。また、EVO LITEも急速充電機能を備えているが、急速充電に関してはバッテリーの性質上、リチウムイオンバッテリーの方が有利だ。
価格(2024年9月現在:千円台切り上げ:税込)
価格は全てのレイアウト共通で、EVO LITEモデルは、ガソリン2WDは950万円~、ディーゼル2WDは1031万円~、ディーゼル4WDは1055万円~となっている。(ナビ関連は除く)
また、Hyper EVO IIIモデルは、ガソリン仕様は無く、ディーゼル2WDは1144万円~、ディーゼル4WDは1168万円~となっている。
他モデル
2x5mの駐車枠に収まるカムロードキャブコンとしては、キャンパー厚木のパピィ480(863万円~)、パピィフルハウス(877万円~)、グランドパピィ(873万円~)、バンテックのコルドバンクス(981万円~)、コルドリーブス(981万円~)、アネックスのリバティ50DB(860万円~)、AtoZのアンソニー(790万円~)、アンソニーLE(823万円~)、アンソニーライト(735万円~)などがある。(いずれもガソリン2WD:コルドシリーズはディーゼル)
このうち、コルドバンクスとリバティ50DB、アンソニーは、アレッタTypeW/レーベンR2Bと同じレイアウト、コルドリーブス、アンソニーLEは、アレッタTypeRE/レーベンDCと同じリアエントランスのレイアウトとなっている。
まとめ
上記の通り江の島は今までにないコンセプトのキャブコンと言える。想定されるシチュエーションは、サーファー仲間数人がサーフボードを積み込んでサーフィンを楽しみ、夜はダイネットで宴会、あるいは自転車を積み込んだファミリー(あるいは2人)が遠出のサイクリング、と言ったところだろうか。
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