スイングN4.7はRVビックフットが製作する、ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車に使用した、バン・コンバージョンキャンピングカー。標準ボディハイルーフでも製作できる。同社はハイエースやNV350キャラバンをベース車にしたバンコンやキャブコンを手掛けているが、このスイングN4.7は二人旅を想定したモデル。なお、スイングには2列目にマルチモードシートを採用したスイングL4.7や、スイングLのレイアウトでハイルーフ車を使ったスイングH4.7も選択できる。
コンセプトは、取り回しが良いコンパクトな車体ながら広い室内空間を持つハイエース標準ボディ標準ルーフをベースにした二人旅仕様車。冷蔵庫や電子レンジが標準装備されており長期旅にも対応できる。
エクステリアには架装しておらず、外観は通常のハイエースと変わらない。従って、日常使用にも違和感なく使用できる。また、標準ボディ標準ルーフなので、コインパーキングの駐車枠にも駐車でき、かつ高さ制限のある駐車場にも入れる場合が多い。ベース車はGLパッケージキャンパー特装車を使用している。

オフホワイトで統一されたインテリア
インテリアは同社のACSシリーズのような、ホワイトを基調にしたインテリアを採用。非日常的でお洒落な室内を作っている。
レイアウトは、前部にソファダイネット、後部にギャレーを配置。前向き着座できるのは運転席、助手席のみ。ダイネットソファにも着座すると計6名でドライブできるが、横置きシートは長距離ドライブには向かない。就寝人数も2名なので、二人旅に適したレイアウトになっている。二人旅に割り切ったレイアウトなので、前後の移動もスムースで広々感もある。
ダイネットは、3人掛けソファと単座シートが向かい合っており、計4名がテーブルを囲める。このダイネットは足を投げ出して寛ぐといった想定はされていないので、寛ぐ場合は、ベッド状態にするのが良いかもしれない。なお、標準ルーフ車の場合は室内高が低く、長時間過ごすにはそれなりに圧迫感がある。スイングN4.7では標準ボディハイルーフも選択できるので、長期旅やダイネットで過ごす時間が長い場合、あるいはギャレーで調理をすることが多い場合は、ハイルーフの選択がベターだろう。

ダイネットを展開したベッド
ベッドは、ダイネットを展開してセットする。ソファダイネットなので、ソファ間を背もたれで埋める作業が必要だが、マルチモードシートに比べれば楽。もっとも、常にベッド状態にするユーザーも多いと思われる。
後部両側に収納家具があるが、この部分はベッドに含まれないので、車幅いっぱいに使ったベッドが作れる。
なお、オプションで子供用ベッドボードも用意されている。ただし、前述のように、前向き着座シートが無いので、子供連れの長距離ドライブには向かない。

大きめのシンクと電子レンジがビルトインされたギャレー
ギャレーは、最後部に収納家具が対面しておかれており、左側にシンクが埋め込まれている。下には各10Lの給排水タンクが収納されている。また電子レンジが標準装備されている他、対面には49Lの冷蔵庫も標準装備される。ただし、電子レンジは外部100V電源がある場合のみ使用できる。外部電源が無い場合でも電子レンジが使いたい場合はオプションのインバーターを設置する必要がある。コンロはカセット式ポータブルコンロをセットして使うことになるが、調理面も広く取られている。調理が実用的にできるので、長期旅にも十分対応できる。

ギャレーコンソールやシート下には収納スペースが用意されている
収納は、後部に収納家具が用意されており、冷蔵庫の隣の収納スペースに食器や小型のフライパンなどが収納できる。ただしカトラリーの専用収納も欲しいところだ。なお、ハイルーフ車の場合は、オーバーヘッド収納を設置することもできる。
空調は、FFヒーターがオプション設定されている。秋口や春先でも寒い日があるので、是非付けておきたい装備だ。ベンチレーターや冷房ソリューションは設定されていない。
電装系は、105Ahのサブバッテリーが1個標準装備されるが、オプションでバッテリーの追加も可能。走行充電と外部100V電源入力は標準装備されるが、外部電源による充電機能はオプション。また、1500Wインバーターもオプション。電子レンジが標準装備されているので、インバーターも標準装備して欲しいところだ。

ハイエース標準ボディハイルーフも選べる
価格は376万円(2WD/6AT:税別)。ハイエース標準ボディベースでは安価なモデルなら300万円を切るものもあるが、冷蔵庫や電子レンジが標準装備されていることから考えると、平均的な価格と言える。一般的には標準ボディでは2列目にマルチモードシートを持つモデルが圧倒的に多い。これはファミリーでも使えるように汎用性を考慮した結果だが、そのため前後の動線が遮られたり、ベッド展開が複雑になってしまう。同社は多くのバンコンをラインアップしているが、二人旅仕様が多く用意されているのも特徴。二人旅で使うなら、二人旅に割り切ったレイアウトの方が使いやすい。その意味では貴重な存在と言える。