スウィングN4.7はRVビックフットが製作する、ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
同社はセミフルコン、バスコン、キャブコン、そしてバンコンまで、幅広いカテゴリーをカバーする総合ビルダー。スウィングN4.7は同社のラインアップの中では最もコンパクトなモデルになるが、これらラインアップのクオリティを受け継いでいる。
なお、ここで紹介しているのはハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にしているが、同じレイアウトで標準ボディハイルーフのベース車も選択できる。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にしたバンコンキャンピングカー。ノアとほぼ同じ全長と全幅で運転しやすく、通勤や買い物など日常用途にも使用できる。
後部に前向きシートは持たないので二人旅に向いたレイアウトと言えるが、乗車人数は6名なので、多人数での移動も可能。白で統一されたインテリアが特徴。
横開き式冷蔵庫と電子レンジが標準装備され、長期旅にも対応できる。最新のモデルではスポットクーラーがオプション設定された。
アピールポイント
・コンパクトで運転しやすいボディサイズ
・標準ルーフで車高が低く、高さ制限のある駐車場にも入れる
・優雅なラウンジソファのダイネット
・白でコーディネートされたお洒落な室内
・横開き式冷蔵庫と電子レンジが標準装備
・スポットクーラーをオプション設定
ベース車とエクステリア
スウィングN4.7のエクステリア
ベース車はハイエース標準ボディ標準ルーフで、GLパッケージが標準となる。ボディ外側への架装は無く、外観はノーマルのハイエースと変わらないので、通勤や買い物に違和感なく使用できる。また、ノアやヴォクシーと全長、全幅がほぼ同じで運転しやすい。
なお、TSS(自動ブレーキシステム)は標準装備されるが、助手席エアバッグはオプションとなっている。またキャンピングカー特別仕様として、スーパーGL同等のシートとセンターコンソールや右後部のガラスウインドウが装備できる。
なお、ハイエース標準ボディハイルーフでの製作も可能なようだ。ハイルーフにすると室内高が高くなり、圧迫感が緩和される。ただし、高さに注意しながら運転する必要があり、高さ制限のある駐車場には入れないことが多い。
インテリア
白でコーディネートされたインテリア
同社のモデルは白でコーディネートされたインテリアが特徴で、このスウィングN4.7も例に漏れない。レザー調のシートはダイネットというよりは、リビングという方が当てはまるかもしれない。
インテリアカラーの変更が可能かは不明だが、現在同社のラインアップされているモデルは全て同じトーンのインテリアなので難しいかもしれない
レイアウト
後部から見たレイアウト
前部にダイネット、後部両側にギャレーキャビネットを配置する。ダイネットシートに4名と運転席、助手席で計6名が乗車できる。また、ベッドモードにすると大人が2名就寝できる。
このレイアウトの特徴は、ソファスタイルのダイネットを採用したことにより、前後の動線が確保され、車内で移動しやすいこと。
また、開放的な室内になっており、長時間室内にいても閉塞感がなく、疲れがたまり難い。ハイルーフを選択すると、天井高による圧迫感も緩和される。
なお、2列目にマルチモードシートを配置するレイアウトも製作できるようなので、後部に前向きシートが欲しい場合は、同社にお聞きいただきたい。
ダイネット
ソファスタイルのダイネット
ロングシートと単座シートによる、ソファスタイルのダイネットが採用されている。テーブルも大きく、2名で食事するには十分な大きさだ。
ベッド
2名が就寝できるベッドモード
ダイネットを展開すると1800x1500mmのベッドモードになる。1500mmの幅は家庭用ベッドではダブルサイズ(1400mm幅)とクイーンサイズ(1600mm)の中間に相当し、2名ならゆったり就寝できる。
またオプションのエクステンションマットを使用すると、身長方向も2100mmまで延長できる。ベッド展開はテーブルを下げ、この上にベッドマットを乗せ、後部もシートバックを移動するだけで完成する。
なお、写真は無いが、オプションのチャイルドベッドを追加すると、子供が2名就寝できる。
ギャレー
後部左側のギャレーキャビネット
ギャレーは後部両側にあるキャビネットのうち左側のキャビネットにシンクがビルトインされている。ギャレーキャビネットの天板は広く、ポータブルカセットコンロを置いても十分調理面が取れる。
シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各10Lの給排水タンクが収納されている。リアゲートを開けると、車外から直接アクセスできる。
冷蔵庫/電子レンジ
49L横開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は49L横開き式が標準装備されており、これもリアゲートを開けると、車外から直接飲み物などを取り出すことができる。食料品を買ってきて冷蔵庫に入れるというシーンでも便利だ。
もちろん冷凍室と冷蔵室が分かれており、飲み物を冷蔵しながら冷凍食品を保存したり製氷したりできる。
電子レンジも標準装備される
電子レンジも、家庭用の100V仕様のものが標準装備される。これも左側のキャビネットにすっきり収納される。ただし、1500W正弦波インバーターはオプションなので、外部100V電源が取れないところでも電子レンジを使いたい場合は、インバーターを装備する必要がある。
多目的ルーム
スウィングN4.7には多目的ルームは無いが、ポータブルトイレを積んでおくことはできる。ただし、ギャレーの前くらいしか置くところは無く、常に目に触れるのであまり現実的ではないだろう。
収納
標準ルーフベースではオーバーヘッド収納を設置することは難しいと思われるが、ハイルーフでは可能性がある。ただし、ハイルーフバージョンについては情報が無く、実際に設置できるかは不明。以下は標準ルーフとハイルーフ共通の収納。
ベンチシート下の収納スペース
ベンチシート下は収納スペースになっており、上の写真のように横の扉からアクセスすることができる。また、シートクッションを持ち上げると、上からのアクセスも可能だ。
後部右側のキャビネットの収納スペース
後部右側のキャビネットにも大きな収納スペースがある。オプションのスポットクーラーを選択すると、ここに設置される。
ギャレー前の床下収納
ギャレー前には床下収納が設置できる(OP)。これは本来、8ナンバー取得のためのギャレー前の高さを確保するためのものだったが、2022年のキャンピングカー要件の変更で、床下収納は不要になった。しかし本当の意味の床下収納としてオプション設定されている。
空調
スポットクーラーが収納できる
暖房はFFヒーターがオプションで設置できる。また冷房はスポットクーラーが、オプションで用意されている。スポットクーラーは後部右側の収納スペースに収納される。またマックスファンベンチレーターもオプションとなっている。
スポットクーラーは排熱ダクトと排水管が車外につながっており、本格的な冷房ができる。
テレビ/ナビ
10.2型のフリップダウンモニター
10.2型のフリップダウンモニターがオプションで設置できる。またナビも同社指定のものがオプションで用意されている。
電装系
標準では105Ahのディープサイクルバッテリー1個と走行充電が標準装備される。また外部100V電源入力が標準装備される。またサブバッテリーの増設もオプションで可能だ。
サブバッテリーは高性能の100Ahイナダバッテリーも選択できる。また、1500E正弦波インバーター、185Wのソーラーシステム(最大2枚)もオプションで設置できる。
価格(2022年10月現在:千円台切り上げ:税込)
標準ルーフガソリン2WD/6ATが465万円~、ディーゼル2WD/6ATは529万円~、ディーゼル4WD/6ATは561万円~となっている。また、ハイルーフは、ガソリン2WD/6ATが471万円~、ディーゼル2WD/6ATは534万円~、ディーゼル4WD/6ATは567万円~。
付けておきたい必需オプションは、外部電源い夜充電機能(46,750円)、1500W正弦波インバーター(154,000円)、FFヒーター(198,000円)、助手席エアバッグ(16,500円)が挙げられる。(ナビ連動は除く)
また、予算に余裕があればスポットクーラー(159,500円)、185W x2ソーラーシステム(350,900円)があり、クーラーを設置する場合はイナダバッテリー2個に変更(16,000円)することをお勧めする。
他モデル
ハイエース標準ボディ標準ルーフで二人旅向けのレイアウトを持つモデルは多く存在するが、クーラーが設置できるのは、スウィングN4.7の他にはキャンピングカー長野のスペースキャンパーCOOLs(618万円~クーラー標準装備:2021年4月)しかない。
またハイルーフでは、二人旅向けのレイアウトを持つモデルはこれも多数あるが、エアコンが装備できるモデルに限ると、OMCのナロー銀河(544万円~)、リンエイプロダクトのバカンチェスプルマンD(価格不明)、レクビィのプラスLV/LV+1(531万円~)が挙げられる。(いずれもガソリン2WD/6AT)
まとめ
スウィングN4.7の標準ルーフは、コンパクトで車高も低いため、日常用途でもアクティブに使用できる。後部に前向きシートは無いが6名が乗車できるので、近隣の移動でも活用できる。
しかし、ギャレーはもちろん、横開き式冷蔵庫、電子レンジ、クーラーまで装備できるので、クルマ旅にも十分使えるモデルだ。チャイルドベッドのオプションも用意されているので、ファミリーでの車中泊にも対応できる。
であれば、ハイルーフバージョンも是非見てみたいが、展示会ではいつも標準ルーフバージョンが展示されている。ハイルーフバージョンにオーバーヘッド収納が付けば、かなり魅力的なクルマ旅モデルになるだろう。
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