WAC4.7はRVビックフットが製作する、ハイエース標準ボディをベースにしたバン・コンバージョンキャンピングカー。大きなFRP製ハイルーフを架装しているのが特徴。同社は、同じハイルーフを持つACS A-roomとSwing W4.7もラインアップしており、WAC4.7は、同社のハイエース標準ボディベースのスーパーハイルーフで第3段となる。
最初に発売されたACS A-roomは、縦置きハイマウントベッドを持ち、ルーフベッドを持たないふたり旅仕様。また、Swing W4.7はルーフベッドを持ち、前部にソファダイネット兼ベッド、後部にギャレーを持つファミリー向けレイアウトとなっている。
WAC4.7のレイアウト
一方、このWAC4.7は前部にギャレー、後部にコの字型ロングソファダイネットを持つ。また、ルーフベッドも装備しており、ダイネットを展開したルーフベッドと合わせて、Swing
W4.7同様、大人2名+子供2名が就寝できるレイアウトを持つ。やはりファミリー向けと位置づけられているが、Swing W4.7とはダイネットとギャレーの前後関係が入れ替わった形だ。
また、Swing W4.7は家庭用エアコンを装備しないが、WAC4.7は装備している。その意味では、ACS A-roomのファミリー仕様バージョンという位置付けとも言える。
なお、WAC4.7の後部対座ソファダイネットは前向き着座できないので、3名以上の場合は、長時間のドライブや長期間のクルマ旅には適さない。どちらかと言うと、1~2泊の車中泊を伴う、近場のドライブに限られるだろう。
もちろん、ふたり旅で使用する場合は、全く問題ない。広いダイネットで、ゆったり寛げるし、フロアベッドとルーフベッドで別々に就寝すれば、余裕のスペースで就寝できるだろう。むしろふたり旅のほうが向いているかもしれない。
WAC4.7のルーフベッド
後部のダイネットはシンプルな二の字型ロングソファ対座で4名でも十分ゆったりしている。ファミリーで使用するといっても、殆どの場合大人2名と子供1~2名といったところだろうから、十分な広さだ。
このタイプのダイネットのベッド展開は至って簡単で、テーブルを外し、背もたれを中央に移動するだけで良い。しかし、これも面倒だという向きは、常にベッド状態にしておき、折りたたみテーブルを置いてちゃぶ台スタイルにするとよいだろう。
さて、WAC4.7のもう一つの特長は、家庭用エアコンを標準装備していること。室内機は、ハイルーフ前方に据え付けられている。ただ、一つ問題なのは、ルーフベッドをセットした場合、冷気が下段に来ないことだ。
フロント上部に設置されたエアコン
なお、室外機はギャレーの奥に収納されており、ボディの右サイドにはエアコンの排気口が開けられている。ただ、うまく処理されているので、違和感は全く無い。
電装系は、105Ahのサブバッテリーが2個標準装備される。オプションで更に2個追加できるので、エアコンは比較的実用的な時間使える。ただ、サブバッテリー4個ともなるとかなり重く、スペースも取るので、リチウムイオンバッテリーにするのが理想的だろう。オプション設定されるのが望まれる。
ギャレーは前部にあり、エントランスに対面しているので、ギャレー前は広くなっており、調理も無理なくできる。ギャレーコンソールにはシンクがビルトインされているが、その横には標準装備の電子レンジが置かれている。残念ながらコンロを置くスペースはない。調理は電子レンジで行い、火を使う調理は想定していないようだ。
なお、上開き式冷蔵庫はオプションとなる。冷蔵庫はほぼ必需品なので、これは標準装備にして欲しいところだ。
WAC4.7のギャレーコンソール
シンクの下には各10リッターの給排水タンクが収納されているが、直前がエントランスなので、給排水タンクの出し入れは比較的楽に行える。これはフロントギャレーのメリットだ。
収納はダイネットソファの下がメインの収納スペースになるが、それ以上大きな荷物の収納スペースはない。自分の旅行スタイルを想定して、人数分のバッグを収納できるか確認するのが良いだろう。
オーバーヘッド収納は用意されているが、奥行きが浅く、あまり多くのものは収納できない。また、ギャレーコンソールにも、給排水タンク収納部以外は収納スペースはないので、食器の収納に悩むかもしれない。
WAC4.7は、白で統一された非日常的なインテリアで、おしゃれな室内を演出している。その意味では、生活臭漂う車内での過ごし方より、優雅に過ごすほうが似合っているだろう。即ち、荷物を満載にして、車内で食事をするような長期旅行ではなく、休日に車中泊を伴う、ちょっとした遠出ドライブといった使い方だ。
なお、その場合でも、サブバッテリーはフルに積んでおくのが良いだろう。それにより、夏場の稼働率が大きく違ってくる。
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