スウィングW4.7はRVビックフットのバンコンキャンピングカー。
ハイエース標準ボディをベース車にし、これに独自のハイルーフを架装している。
スタイリングは独特のもので、大きなハイルーフが目を引く。
目立つスタイリングを好まないユーザーにはお勧めできないが、そうでないなら、運転しやすく、かつ広い室内を実現する理想的なパッケージングだ。
運転しやすく、高い天井高を実現するなら、標準ボディにポップアップルーフの組み合わせも有力な候補だが、架装ハイルーフも大きなメリットがある。
それは、いちいちルーフの上げ下げをしなくても良いということ以外にも、断熱の面からも有利だ。
高いFRPルーフは、直射日光下でも車内は比較的影響を受け難く、過ごしやすい。
さて、このボディは同社のACS A-roomと共通だ。
ACS A-roomは同社のACSシリーズの一環で、太陽光発電による電力自給がコンセプトのモデル。
310Wの太陽光パネルを搭載し、家庭用エアコンも装備している。
レイアウトも独特で、後部に広い縦置きハイマウント常設ダブルベッドを装備する二人仕様となっている。
ただし、ベッドにウエイトを置いた分、ダイネットはかなり制約されていた。
スウィングW4.7は、外観こそ同じながら、コンセプトもレイアウトも異なり、ACSシリーズには属していない。
構成も、ダイネットを展開するフロアベッドとルーフベッドを使って4名が就寝できるファミリー仕様となっている。
スウィングW4.7のレイアウトは前部にダイネット、後部にギャレーを配し、ダイネットはロングソファと単座シートでテーブルを囲むタイプ。
ファミリー向けとする場合、FASPやREVOシートのような前向き着座ができるシートを採用する場合が多いが、スウィングW4.7ではそうはなっておらず、前向き着座はできない。
長距離をドライブする場合は、やはり前向きシートが楽だし安全面でも理想的だ。
では二人で使用する場合はどうだろうか?
ルーフベッドで2人で就寝すれば、ダイネットを片付け、ベッド展開しなくても良い。
前向き着座の必要性もないので、むしろロングソファダイネットのほうが使いやすい。
ただし、スウィングW4.7のルーフベッドは子供用とされており、サイズ的に許容できる場合のみ、この使い方ができる。
その意味では、残念なところではある。
最後部には両側にコンソールがあり、右側がギャレーになっている。
ギャレーコンソールにはシンクがビルトインされており、下には各10リッターの給排水タンクが収納されている。
また、49リッターの冷蔵庫も標準で組み込まれている。
左側のコンソールには電子レンジが、これも標準装備されており、充実した装備のギャレーになっている。
ギャレーには跳ね上げ式の調理台も用意されており、車内での調理も十分可能だ。
ただし、これは後部のハッチが開いていないと使用できない。
収納は、ギャレーコンソール周りに、大小の収納スペースが豊富にあり、食材や食器などの収納は問題ないだろう。
シート下も収納スペースとして用意されており、大きめのバッグなども収納できる。
コンパクトなモデルでは収納スペースが不足して、荷物が煩雑になる事が多いが、スウィングW4.7ではそのようなことはないだろう。
空調は、FFヒーターがオプション設定されるが、家庭用エアコンの設定はない。
ACS A-roomには家庭用エアコンが装備されているが、やはりスウィングW4.7には難しいようだ。
電装系は105Ahのサブバッテリーが1個標準装備され、追加バッテリーがオプションで用意されている。
また、1500Wインバーターもオプション。
電子レンジが標準装備されているので、これらのオプションを装備しておけば、外部電源が得られない場所でも電子レンジが使える。
スウィングW4.7は、標準ボディの採用により、取り回しがしやすく、ミニバンから乗り換えても運転に不安を抱くことはないだろう。
スーパーなどの駐車場にも、難なく駐めることができる。
ただし、高さには常に気を付けて運転する必要がある。
コンパクトで室内も広く、ファミリーでの車中泊に適したモデルだが、1点、前向き着座ができないことは考慮しておく必要があるだろう。
横座りでも大きな問題はないが、長距離を移動する場合は、やはり前向き着座がベターだ。