レジストロ アウル:MYSミスティック


レジストロ アウルMYSミスティックが製作する、タウンエーストラックをベース車にしたキャブコンキャンピングカー。

同社はトラックキャンパーで有名なビルダーだが、アンセイエのようなカムロードベースのキャブコンからミニポップ ビーのような軽キャンパーまでラインアップしている。

レジストロアウルは、軽キャンパーのレジストロより余裕のあるライトキャブコンを望むユーザー向けで、レジストロでは実現できない多目的ルームや家庭用エアコンの装備を実現している。

(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)


コンセプト

トヨタタウンエーストラックをベース車にしたライトキャブコン。リアエントランスを採用し、前部に広いダイネットを持つ。対座ダイネットの他、横座り対座のロングシートスタイルも選択できる。

同社レジストロシリーズに共通する独特の外観と選択できるボディカラー、そして山小屋風のインテリアが特徴。

常設ベッドは持たないが、準常設のバンクベッドとダイネットベッドを持ち、二人旅にもファミリーにも対応する。

多目的ルームも配置し、トイレルームとしても使用できる。また、家庭用エアコンとリチウムイオンバッテリーで実用的な冷房が可能となった。


アピールポイント

・独自のクラシカルなアルミシェルによるユニークな外観
・選べる8色のボディカラー
・前向き対座スタイルとベンチシート対座スタイルのダイネットを選択できる
・山小屋風のインテリア
・均一な高さのバンクベッド
・トイレルームとして使用できる多目的ルーム
・家庭用エアコンとリチウムイオンバッテリー搭載可能


エクステリア

 レジストロ・アウルのエクステリア

ベース車はトヨタタウンエーストラック。グレードはDXが標準となる。これに同社独自のアルミベースシェルを架装している。キャブ部の幅が1,675mmなのに対し、シェルの幅は1,910mmなので片側が12cm程度広くなる。しかし、全体的にノアクラスのミニバンと同程度の大きさ(全長はノアより短いが全幅はノアより広い)で、運転はそれほど難しくない。

なお、Xエディションは115,000円程度高価になるが、パワードアロック、パワーウインドウ、ワイヤレスドアリモートコントロールロック、電動リモコンドアミラー、ドアトリム、セミファブリックのシート表皮になる。

外観上の特徴は、同社のキャブコンに共通する波状のシェルデザインと大きなバンクだ。バンクレスのスマートなデザインがはやりだが、それとは真逆のデザインながら、かわいらしく個性的なデザインだ。

また、ボディカラーを8色から選択することができる。


インテリア

 ガラスウインドウを選択することもできる

レジストロやレジストロ クコと同様、レジストロシリーズに共通する「山小屋風」デザインを取り入れたインテリアを採用。ただしこれはリアルウッドではなく、壁紙となっている。

ウインドウはアクリル2重窓を採用しており、断熱性を確保している。なお、上の写真の展示車のようにガラスウインドウを選択することもできる。


レイアウト

リアエントランスのレイアウトを採用している。このレイアウトは常設ベッドは持たないが、前部に広いダイネットを持つことができるのが特徴だ。レジストロ アウルでは、バンクベッドを簡単に引き出してベッドセットでき、また寝具もそのままにしておけるので、準常設ベッドと言っても良いだろう。

ダイネットは前向き着座タイプと、横座り対座タイプが選択できる。前向き対座のダイネットでは計4名が前向き乗車できるので、ファミリーにも対応する。もちろんダイネットは展開して広いベッドになる。こちらは多少ベッド展開に手間がかかるが、広いベッドになる。

運転席、助手席から後部への移動は、背の高いシートバックで邪魔されることなく、どちらのスタイルでも問題なくできる。雨の日も車外に出ることなく、前後の移動ができる。

ギャレーはリアエントランスレイアウトの定石通り、最後部に配置されている。また、多目的ルームもあり、コンパクトな車体ながら上級キャブコンと同じ要素を持っている。


ダイネット

 横座り対座のダイネット

ダイネットは、前述のように横座り対座と前向き対座が選択できる。横座り対座のダイネットはロングシートが向かい合う形でコの字型のシート配置になっている。このスタイルは大勢で座れるが、ドライブ時は横座りなので、3名以上のロングドライブには向かない。

 前向き対座のダイネット

前向き対座スタイルは計4名が前向き乗車できるので、ファミリーでの使用に向いている。前向きシートには二人分の3点式シートベルトが備わっている。

フロントシートのすぐ後ろにあるシートは、2列目シートとで対座ダイネットを形成する簡易シート。また、単座の横座りシートには横座りで乗車できる。


ベッド

 引き出してセットするバンクベッド

ベッドはバンクベッドとダイネット展開ベッドで計4名が就寝できる。バンクベッドは引き出すと1800x1770mmの大きさになる。これは家庭用ではほぼキングサイズ(1800mm)の幅に相当する。

なおバンクベッドの天井高が前後共に高いので、どちらを頭にして就寝しても良い。これは前後で傾きのあるパーキングで就寝する場合、非常に助かる。頭を低い方に向けて就寝するのは避けた方が良いので、状況に応じて寝る方向を選ぶことができるのだ。

 ダイネットを展開したベッド

また、ダイネットベッドはダイネットを展開すると、1850x1770mmの大きさになる。これもやはりほぼキングサイズの幅を持つが、身長方向が50mmだけバンクベッドより長い。

ただし、助手席側にはキャビネットがあるため、足元は狭くなる。実際には1850mmの長さがあるのは右側の1250mmで、従って家庭用ではセミダブル(1200mm)の幅に相当する。


ギャレー

 前面が広く取られたギャレーセクション

ギャレーは最後部に位置する。リアエントランスの場合、ギャレーの奥行きが非常に薄いモデルもあるが、レジストロ アウルのギャレーは、エントランス近くは薄いが、内部にかけて広くなっており、シンクも実用的な大きさだ。

ただし、コンロはポータブルカセットコンロを使用の度にセットする必要がある。コンロを置くと、調理スペースはほとんどなくなってしまうが、エントランスを挟んで反対側のキャビネットの上部も使えるので、調理の時に活用できる。

シンクの下には、各19Lの給排水タンクが収納されている。19Lタンクは満水ではかなり重くなるので、あまり水を使わないなら10L程度のタンクにして、余ったスペースは収納にするということも考えられる。

なお、シェル後部に扉が無いので、車外から直接給排水タンクを出し入れすることはできない。ただ、エアコンを装備した場合は、室外機が設置されるので、不可能だ。

ギャレーコンソールには引き出し収納を含め豊富に収納が用意されているので、食器やカトラリーなどを収納しておくことができる。


冷蔵庫/電子レンジ

 49L冷蔵庫が標準装備される

冷蔵庫は49L横開き式のものが、エントランス左側のキャビネットに標準でビルトインされている。車内からも車外からも、中のものを取り出すことができるので便利な位置だ。もちろん製氷と冷蔵が同時にできる。

 電子レンジはオプションで装備できる

電子レンジは冷蔵庫が収納されたキャビネットの上部に、収納ラックとともにオプションで設置できる。電子レンジのデザインもレジストロアウルのインテリアにマッチし、違和感がない。

ただしインバーターもオプションなので、電子レンジを装備する場合は忘れず1500W以上のインバーターを装備しておくと、外部電源が無い場所でもサブバッテリーで使用できる。


多目的ルーム

 ポータブルトイレを置いた多目的ルーム

レジストロ アウルはコンパクトなボディながら、しっかり多目的ルームも装備しており、ポータブルトイレを置いてトイレルームにすることもできる。外部から直接荷物を入れられる扉もあり、ポータブルトイレの処理もここから可能だ。

カセットトイレのオプション設定はされていないが、設置は可能だろう。なお、ベンチレーターやFFヒーターの吹き出し口は装備されていなかったが、必要に応じて設置できるだろう。


収納

 ギャレー上右側のオーバーヘッド収納

ギャレー上右側にオーバーヘッド収納が設置されている。また、先述のようにギャレーコンソールにも収納があるので、食器や食料品など、床近くに置きたくないものを収納しておける。

 扉付きのシート下収納

また、シート下も収納になっており、大きめのバッグ等を収納できる。ここには扉も付いており、横からもアクセスできる。その他、エントランス右側にはシューズボックスがある。

 右側の外部収納

また、車外にも小さな外部収納が用意されている。このような収納はペットのウンチや汚れ物を収納しておくのに便利だ。


空調

 家庭用エアコンがオプション設定されている

レジストロ アウルにも、いよいよ家庭用エアコンが搭載された。「快適OPパック」という名称でFFヒーターとセット(447,000円)で提供される。

また後述するが、「システムパック(リチウムイオンバッテリー)」という名称で、200Ahリチウムイオンバッテリー他が用意されている。(594,000円)。

 エアコンの室外機

合わせて1,041,000円と非常に高額で、車両本体と合わせると593万円になるが、これで1年中快適な旅ができる。なお、エアコンの室外機は最後部に取り付けられる。

なお、「レジストロ アウル リチウムエディション」(5,598,000円)が用意されており、300Ahのリチウムイオンバッテリーと外部電源取入口、走行充電、12Vソケット、100Vコンセント口、ソーラーパネル120W、2000W正弦波インバーターが標準装備される。

これにはエアコンは含まれなく、「快適OPパック」(447,000円)でFFヒーター、家庭用クーラーを付けると、合わせて605万円となる。計算上では12万円で3個目の100Ahのリチウムイオンバッテリーが付くので、お得感がある。

ベンチレーターはファンタスティックファンが標準装備される。またオプションでMAXXファンにアップグレードできる。


テレビ/ナビ

ナビは「お出掛け安心パック」というオプションが用意されており、メモリーナビ、バックカメラ、ETC、サテライトスピーカーが含まれる。テレビはオプション設定されていないが、取り付けは可能だろう。


電装系

 リチウムイオンバッテリー(OP)を搭載できる

標準では105Ahのディープサイクルバッテリーが1個と走行充電が標準装備される。また外部100V電源入力は標準装備されるが、充電機能はオプション。また2000W正弦波インバーター、120Wソーラーパネルがオプションで用意されている。

なお、「電力安心パック」オプション(594,000円)にはトリプルバッテリー、ソーラーパネル、2000Wインバーター、外部電源による充電機能が含まれる。更に「システムパック(リチウムイオンバッテリー)」オプションには、200Aリチウムイオンバッテリー、専用充電器、残量計、専用走行充電器、温度センサー、ソーラーパネル、2000Wインバーターが含まれる。


価格(2021年11月現在:千円台切り上げ:税込)

DVグレード2WD/4ATで488万円~。4WDは514万円~となっている。

付けておきたいオプションは、外部電源による充電機能(69,300円)、FFヒーター(価格不明)、2000W正弦波インバーター(101,200円)が挙げられる。

予算に余裕があれば、前述のように、「快適OPパック」(447,000円)でFFヒーターと家庭用エアコン、また「システムパック(リチウムイオンバッテリー)」(594,000円)で、200Ahリチウムイオンバッテリー他を装備したい。


他モデル

タウンエーストラックをベース車にしたキャブコンで多目的ルームを持つモデルは、オートショップ アズマの「フィール」(494万円~:5MT)、かーいんてりあ高橋の「ネオ・ユーロ」(490万円~:4AT)、セキソーボディの「トム23」(501万円~:Xエディション2WD)がある。

このうち、ネオ・ユーロを除いてクーラーが搭載できるが、いずれもウインドウエアコンや一体型ポータブルクーラーで、レジストロ・アウルのような家庭用エアコンではない。

なお、レジストロ・アウルには一体型の小型クーラー(261,800円)も用意されているが、やはり家庭用エアコンの方が効率が良く、冷えも良い。


まとめ

レジストロ アウルを含むタウンエースベースのキャブコンは、多目的ルームを持つことができる最もコンパクトなカテゴリーだ。軽キャブコンはこれ以上にコンパクトだが、多目的ルームのスペースは取れない。

タコスのベリー(691万円~)のようなハイエース標準ボディをベース車にしたキャブコン(特集はこちら)もコンパクトで、動力性能はタウンエースに勝る。運転席周りのグレード感も上だ。ただし、価格的にはかなり高価になってしまう。

タウンエースベースでレジストロ アウルを選択する理由は、やはりその外観とインテリアの要素が大きいだろう。ただし、ユニークな外観は、目立つことを嫌うユーザーは選択しないかもしれない。

しかしそうでなければ、レジストロ アウルは良い選択肢だ。特にバンクベッドの天井が均一に高いのは様々なメリットがある。また、マルチモードシートが選べてファミリーに対応できることや、家庭用エアコンが選択できるのも優位点だ。


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レジストロ

ライトキャブコン特集

レジストロ・クコ

     

モデル レジストロ アウル
ビルダー MYSミスティック
ナンバー区分 8
乗車人数 6
前向き乗車人数 2(4:前向きシートタイプ)
就寝人数 5
エクステリア  
ベース車 タウンエースDX
シェル アルミパネル
サイドオーニング OP
足回り -
エントランス リア
アクリルウインドウ
サンルーフ -
レイアウト  
ダイネット形態 横座り対座(前後対座もあり)
マルチモードシート -/○(前後対座モデル)
ベッド
ダイネットベッド
バンクベッド
ダイネットベッドサイズ(mm) 1850x1770
バンクベッドサイズ(mm) 1800x1770
ギャレー  
コンロ
シンク
給水タンク ○(19L)
排水タンク ○(19L)
冷蔵庫 ○(49L横開き式)
電子レンジ OP
多目的ルーム  
有無
カセットトイレ OP?
ポータブルトイレ OP
防水処理 -
温水シャワー -
瞬間湯沸かし -
専用手洗い -
空調  
ベンチレーター ○(ファンタスティックファン)
OP(MAXXファン)
FFヒーター OP
家庭用エアコン OP
床暖房 -
電装系  
サブバッテリー ○(105Ah x1)
バッテリー増設 OP(トリプル)
リチウムイオンバッテリー OP(200Ah)
走行充電システム
外部100V入力/充電 ○/OP
インバーター OP(2000W正弦波)
ソーラーシステム OP(?W)
発電機 -
ナビ/テレビ  
ナビシステム OP
テレビ OP(?型)
サイズ  
全長(mm) 4,680(エアコン装着時4,990)
全幅(mm) 1,910
全高(mm) 2,610
価格 (税込)  
2WD/4AT 488万円~
4WD/4AT 514万円~

2021年11月現在  (○は標準装備/OPはオプション)
価格は千円台切り上げ(税込)

動画はこちら

2021.11.27