ミニポップビー(MioniPop Bee)はMYSミスティックが製作する軽キャブコン。ホンダ アクティ、スズキ キャリイ、ダイハツ ハイゼットの荷台にシェルを乗せた形だが、シェルは固定されていて積み下ろしはできない。
ちなみに同社の「ミニポップ」は、積み下ろしができるタイプで、これはトラックキャンパー(トラキャン)に分類される。ミニポップビーはシェルが固定されている他、キャブとシェルが貫通しており、行き来ができる。また、ミニポップでは走行中シェルに乗車できないので乗車定員は2名だが、ミニポップビーではシェル部に2名が着座でき、4名の乗車定員となる。

ミニポップビーの室内
コンセプト:トラックキャンパーのシェルを固定することにより、軽キャブコン登録で乗車定員を4名にし、ファミリーにも対応できるようにした軽8ナンバーモデル。全体が持ち上がるエレベーションルーフの採用で、停泊時は高い天井高と広いバンクベッドを実現する。
エクステリア:見た目は軽トラックキャンパーに見えるが、シェルは固定され、そのためキャブとシェルの行き来が可能となっている。また、ルーフ全体がポップアップするエレベーションルーフを採用、停泊時には高い室内高で、圧迫感が少ない。

ルーフを下ろすと高さ制限のある駐車場にも入れる(写真:MYSミスティック)
一方、ルーフを下ろすと車高は低くなり、立体駐車場や地下駐車場など車高制限のある駐車場にも難なく入ることができる。

サイドゲートは車外のテーブルになる
サイドゲートを開けるとこれがサイドオープンテーブルになり、車外で食事をしたり、コーヒータイムやアルコールタイムを楽しむことができる。サイドオーニングもオプションで用意されているので、日差しや雨を避けることもできる。
インテリア:特別に高級感は無いが、木目の家具とシート地はうまくマッチしており、高い天井高と相まって居心地の良い室内となっている。足元も窮屈感は無く、またバンクベッドは引き出さない状態でもそれなりの広さがあるので、一人で寝転がって読書をしたりもできる。
インテリアカラーに関して、同社のサイトに説明は無いが、シルバーバージョンなどが紹介されており、幾つか選択できると思われる。

マルチモードシートレイアウトも選択できる(写真:MYSミスティック)
レイアウト:通常は横座りシートが二の字型にされるダイネットと、後部にコンパクトなギャレーが配置される。オプションで、横座りシートに代え、マルチモードシートを設置することもでき、最大4名が前向き着座してドライブできる。

横座り対座のダイネット
ダイネット:横座りロングシートの二の字型ダイネットで、4名ならゆったり対座できる。テーブルも大きく、食事もできる。
記述は無いが、恐らくテーブルを立てたままでのベッド展開もでき、ちゃぶ台スタイルのダイネットも可能と思われる。

横座りダイネットを展開したベッド(写真:MYSミスティック)
ベッド:横座りシートでは、シートバックで中央を埋めるだけなので、簡単にベッド展開できる。ベッドサイズは不明だが、大人が2名就寝できる。

大人が2名就寝できるバンクベッド(写真:MYSミスティック)
バンクベッドは引き出すと1900x1380mmの大きさ。家庭用のダブルベッドに近い大きさで、ここでも大人が2名就寝できる。バンクベッドの高さは十分高く、就寝時に圧迫感を感じることはないだろう。
ギャレー:後部右側にコンパクトなギャレーが配置されている。ポータブルカセットガスコンロが付属しており、跳ね上げ式調理台も付いているので、簡単な調理も可能だ。ギャレーコンソールの下には各16Lの給排水タンクが収納されている。

跳ね上げ式調理台を持つギャレー
冷蔵庫/電子レンジ:冷蔵庫はポータブル冷蔵庫がオプション設定されているが、設置場所は特に用意されていない。また電子レンジはオプション設定されていない。

右前方のシート下収納スペース
収納:シート下がメインかつ唯一の収納スペースとなっている。分割され、幾つかあるので、収納力は高い 。ただし、マルチモードシートのレイアウトでは収納スペースはロングシート程はとれない。

スポットクーラーの室内側(下が吸い込み口、右上のダクトが吹き出し口)
空調:FFヒーターがオプション設定されている。また、ベンチレーターもオプション。冷房に関しては、スポットクーラーがオプション設置されている。これは一体型のもので100V電源で動作する。ただし、家庭用エアコンのように「キンキンに冷える」ものではないようだ。
700Wということだが、温度によって消費電力が低下するかは不明。常に700Wならば、200Ahのディープサイクルサブバッテリーなら2時間程度動作すると思われるが、実用的に使うならリチウムイオンバッテリーが理想的だろう。もちろんインバーターも必要になる。

スポットクーラーの排気口
テレビ/ナビ:ナビはオプション。テレビは特にオプション設定されていない。
電装系:105Ahのディープサイクルバッテリーが1個標準装備される。2個目のバッテリー増設はオプション。走行充電が標準装備されるが、外部電源入力や外部電源でのサブバッテリー充電はオプションとなっている。
また、40Wのソーラーシステムがオプション設定されている。

ロングシート左前方には電装系を収納
価格:ダイハツハイゼットベース、2WD/5MTで279万円~(税別)、2WD/4ATで288万円~(同)。一般的に選択されるであろうメッキグリルやカラードバックミラー、パワーウインドウなどが付くエクストラグレードは2WD/4ATで337万円~(同)。
装備しておきたいオプションは、FFヒーター(228,470円)、2000Wインバーター ( 66,000円)、外部電源入力(13,200円)、外部電での充電機能(82,500円)が挙げられる。上記だけで40万円程度(税別)を追加費用として見ておく必要がある。
他車:軽キャブコンは多々あるが、ミニポップビーのようなトラックキャンパースタイルのキャブコンは他にない。価格面では、他の軽キャブコンは300万円台がほとんど(軽キャブコン特集 ~10モデルを徹底比較を参照)であることを考えると、ミニポップビーは安価な方に入る。

まとめ:一見、軽トラックに見えてしまうことへの好き嫌いがあるかもしれないが、他の軽キャブコンと比較すると、内部は圧倒的に広い。特にエレベーションルーフによる開放感は抜群で、バンクベッドの広さは特筆される。
冷蔵庫や電子レンジの設定が無いので、長期旅などでこのような装備を必要とするユーザーには物足りないかもしれない。軽8ナンバー枠ではなく小型車8ナンバー枠になるが、長期旅なら同社のレジストロのほうがお勧めだ。
ミニポップビーにもレジストロにも一体型クーラーがオプション設定されているのは、同社の軽キャブコンの大きなアドバンテージとなっている。
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