レジストロ・クコはMYSミスティックが製作する、キャンピングトレーラー。牽引免許なしで牽ける。同社はトラックキャンパーで有名な数少ないビルダーで、軽キャンピングカーからキャブコンまでもラインアップするが、レジストロ・クコは同社初のトラベルトレーラーとなる。
コンセプト:アルミパネルを使用した軽量設計で750Kg以下の車重のため、牽引免許なしで牽くことができる。エントリートレーラーとして最適な1台。
ギャレーをはじめ、冷蔵庫や電子レンジ、小型クーラーを設置できるなど、従来の国産トレーラーには無かった「居住型」トレーラー。
なお、軽自動車でも引くことができるイメージがあるが、現実的には少なくともコンパクトカー以上が望まれる。平地なら軽自動車でも引くことはできるだろうが、実際には荷物で重量が重くなり、また様々な道路条件がある。特に下り坂では、慎重な運転が必要だ。
山小屋風のインテリア
エクステリア:同社モデルに共通する波型のアルミパネルを採用。軽量化かつ強度に貢献している。フロントは独特の逆傾斜があり、同社の他のモデル同様、デザイン的にもユニークな要素を取り入れている。
なお、装備を多く選択する場合は、オプションの強化フレームが必要。またカラーは6色から選べる。丸窓はオプション。
インテリア:レジストロおよびレジストロ・アウルに共通する、山小屋風インテリアを踏襲。家具は濃い木目調の配色で、個性的ながらも高級感がある落ち着いた室内になっている。
レイアウト:フロント左サイドにエントランスがあり、前部にギャレーコンソール、後部はコの字型ダイネットに充てられている。ユーティリティールームは無いが、その分ダイネットが広く取られている。
就寝は3名だが、ヘッド車でも就寝できるならトレーラーで団欒し、就寝時は分かれて寝ると言う使い方ができる。ヘッド車はベッドだけあればよい。
ダイネット:両側にロングシートを配置、最後部にもシートを置きコの字型ダイネットを形成する。6~7名がゆったり着座してテーブルを囲める。テーブルも標準装備される。
ダイネットを展開したベッド
ベッド:ダイネットを展開してベッドにすると、大人3名が就寝できる広いベッドになる。ベッド展開はシートバックをロングシートの間に埋めるだけなので、比較的簡単にできる。
ギャレー:前部にギャレーコンソールを備え、ここにシンクが埋め込まれている。このシンクは、オプションで1口コンロ一体型に変更できる。ポータブルカセットコンロのようにいちいちセットする必要がないので便利。
ギャレーコンソールの下には各12Lの給排水タンクが収納されている。
フロントのギャレーコンソール
冷蔵庫/電子レンジ:49L横開き式冷蔵庫がオプションで用意されており、シンクの下にビルトインされる。なお、14Lのポータブル冷蔵庫もオプション設置されており、選択できる。
電子レンジは、12V仕様のWaveBoxがオプションで設置できる。
収納:フロント上部にオーバーヘッド収納(オプション)、ギャレーコンソールに引き出し収納、シート下の収納が用意されており、食器や小物、大きめのバッグなどを収納することができる。
シート下の収納にはシートクッションを上げて上からアクセスすることができるが、オプションで横からアクセスする扉も付けられる。
前部にオーバーヘッド収納(OP)が設置できる
空調:暖房は灯油式のFFヒーターがオプションで装備できる。また冷房は、オプションで小型クーラー(100V分離型:定格580W-冷房能力1500W:税別165,000円)を設置できる。更に、ベンチレーターもオプションとなっている。
電装系:105Ahのサブバッテリーが1個標準装備される。走行充電設備もオプション。また、外部100V入力と、これによるサブバッテリー充電はオプション。インバーターは2000Wのものがオプション設定されている。
またリチウムイオンバッテリーが100Ah1個、あるいは2個から選択できる。更に80Wソーラーシステムとのセットも用意されている。自宅の駐車場に100V電源が無い場合はソーラーシステムを装備しておくことをお勧めする。また上記クーラーを設置して実用的に使うなら、できればリチウムイオンバッテリーをお勧めする。
価格:レジストロ・クコには下の3種類のパッケージが用意されている。
スタンダードパッケージ:価格:218万円~(税別)
バリューパッケージ:価格:240万円~(同)
リミテッドパッケージ:価格:268万円~(同)
スタンダードパッケージには105Ahサブバッテリー、ダイネットソファ、ベッド、ステンレスシンク、小型カセットコンロなどが装備される。
バリューパッケージには、スタンダードパッケージに加え、FFヒーターや外部電源、オーバーヘッド収納が装備されるので、できればここまでは欲しいところ。
リミテッドパッケージは、更に冷蔵庫やシンク、2000Wインバーター、小型クーラーなどが付く。
なお、オプションは単体でも選択できる。
他車:国産でけん引免許のいらないトラベルトレーラーは、
コロ:バンショップミカミ(160万円:税別)
幌馬車くん:stage21(99万円~:ベースモデル 税別)
ワンカーゴ オートワン(189万円~:税別)
輸入モデルでは、
シルバーシリーズ:Silver(262万円~:税別)
アルバシリーズ:Caravelair(205万円~:税別)
エメロードシリーズ:Trigano(288万円~:税別)
AVIVAシリーズ:Adoria Mobil (210万円~:税別)
エースワンシリーズ:Ace Caravans(160万円~:税別)
シルバー、アルバ、エメロードは、インディアナRV、AVIVAはデルタリンク、エースワンはフジカーズジャパンが扱っている。
総じて輸入モデルでは小型でもコンロ、シンク付きギャレーやトイレルームが装備された「居住型」なのに対し、上記の国産トレーラーはレジストロ・クコを¥除いて簡易的な装備になっている。もちろん価格も全く異なる。
まとめ:レジストロ・クコは、ギャレーや冷蔵庫が装備でき、国産モデルとしては「居住型」のトラベルトレーラーだ。コロもギャレーや冷蔵庫が装備されているが、レジストロ・クコは上級感がある。
ただし、レジストロ・クコの価格帯になると輸入モデルと同じレンジになる。もっともインテリアや装備の志向が全く異なるユーザーがターゲットなので、競合しないのかもしれないが。
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