ミチクサはダイレクトカーズが製作する、日産キャラバン標準ボディをベース車にしたバン・コンバージョンキャンピングカー。
同社は三重県鈴鹿市、神奈川県厚木市、福岡県飯塚市に直営のショールームを構え、カムロードベースのキャブコンからタウンエースやNV200バネットベースのコンパクトバンコン、軽キャブコンまで広いラインアップを揃える総合ビルダー。
ミチクサは同社初のキャラバンベースのバンコンで、タウンエースベースのスープやNV200バネットベースのリトリートNV200 Ⅱなど、ハイエース以外のコンパクトバンコンも着々と充実しつつある。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
日産キャラバン標準ボディグランドプレミアムGXをベース車にしたバンコンキャンピングカー。2列目と3列目にマルチモードシート(REVOシート)を備え、4名が前向き乗車、2~3名が就寝できる。2名対座とベンチシートの広いダイネットがあり、大勢での団欒も可能。
お洒落なカフェを思わせる洗練されたインテリアが特徴で、32型の大画面テレビも標準装備され、上質で贅沢な時間を過ごすことができる。
前部にある広いギャレーキャビネットには冷蔵庫と電子レンジが標準で装備されており、旅先での保冷や調理もできる。車載用セパレートクーラーと400Ahの大容量リチウムイオンバッテリーで、真夏でも電気の心配なく快適な室内を実現できる。
アピールポイント
・地下駐車場にも入っていけるキャラバン標準ボディをベース車に使用
・ベース車は最高グレードのグランドプレミアムGX
・2列目に単座のマルチモードシートを設置で計4名が前向き乗車できる
・2名対座とベンチシートの広いダイネット
・冷蔵庫と電子レンジを標準装備
・車載用セパレートクーラーを標準装備
・400Ahの大容量リチウムイオンバッテリーを標準装備
ベース車とエクステリア
キャラバン銀河のエクステリア
ベース車は日産キャラバン標準ボディ。グレードは最上級のGRAND プレミアム GXだ。運転席周りの装備やグレード感は乗用車やミニバンに負けておらず、ファーストカーとしても十分に満足感が得られる。
ボディ外側への架装は無いので、見た目はノーマルのキャラバンと変わりない。標準ルーフなので全高は1990mmに抑えられており、一般的な高さ制限のあるパーキング(2100mm)にも駐車することができる。
ガソリン2WD、ディーゼル2WDと4WDが選択可能だ。なお、4WDはハイエースがフルタイムなのに対し、キャラバンはパートタイムとなっており、スイッチで切り替える。
インテリア
ミチクサのインテリア
インテリアはミチクサの大きなアピールポイントのひとつだろう。お洒落なカフェを思わせるような家具とシートの配色は、大人の空間をイメージしている。無粋なエアコンの室外機を目立たなくしているのもそのこだわりの一貫だろう。
同社はリトリートシリーズに代表されるようにリアルウッドをテーマにしたインテリアを得意としているが、ミチクサでは更に洗練度が増している、32型の大画面テレビもインテリアのひとつとして存在感がある。
レイアウト
4名が前向き乗車できる
前部にギャレー、後部に2名対座のダイネットとベンチシートのレイアウト。実はこのレイアウトはレクビィのソランや、ベンチシート部を2段ベッドにしたOMCのナロー銀河やキャラバン ゼロで採用されている人気のレイアウトだ。
ただし、ミチクサでは対座ダイネット部とベンチシートの位置が入れ替わっているのが特徴。そのようにした理由は不明だが、エントランスから室内を見渡すと、2列目の単座シートが無い分広く見える。
また、3列目の単座シートもマルチモードシートを採用しているのも特徴的だ。他車のように固定シートにした方がコスト的に有利と思われるが、これにより、リクライニングが可能で、2列目度同じ快適性が得られる。特にドライブ時は有用だろう。
さらにベンチシートには乗車できないのもユニーク。従って、乗車定員は運転席、助手席、2列目、3列目のシートで計4名となる。乗車するならしっかりした前向きシートでというコンセプトだ。
ダイネット
2名対座のダイネット
2列目の単座シートを後ろ向きにすると、3列目の固定シートとで2名の対座ダイネットになる。ベンチシートもあるので、大勢でテーブルを囲むこともできる。
興味深いのは後部両側の窓が全て窓埋めされている点。ダイネットに座って外の景色を眺めるという想定ではないようだ。しかしそれがために大画面テレビを実現できているという面もあり、新たな車内での過ごし方を提案しているともいえる。
ベッド
ベッドモード
シートを全てフラットにすると、1900x1500mmのベッドになる。1500mmは家庭用ではレギュラーサイズのダブルベッドの幅より広く、クィーンサイズに迫る幅だ。ただし、前部はキャビネットがあるので多少狭くなっている。このため、就寝定員は2名となっている。
なお、ベッドメークはベンチシートの下部をスライドして拡張し、その上にシートバックを移動する(動画はこちら)。2列目と3列目のマルチモードはフラットにする必要があるが、単座なので比較的楽に行える。
ギャレー
ギャレーセクション
前部のがyれーキャビネットは左右いっぱいに広がる大きなもの。ギャレーキャビネットの前はエントランススペースなので広く、天板も広いので調理もしやすい。ただし、ルーフは高くないので立って調理するのは無理だ。
エントランス側にはシンクとフォーセットが設置されており、車外からでも手を洗うことができる。
シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各12Lの給排水タンクが収納されている。車外から直接タンクを出し入れできるので大変便利だ。
天板の中央は跳ね上げられる
ギャレーキャビネットの中央は跳ね上げられるようになっており、運転席、助手席から後部への移動がしやすくなっている。
冷蔵庫/電子レンジ
40L上開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は40L上開き式が標準装備される。この冷蔵庫は-15℃~5℃の冷凍・冷蔵機能があるが、同時にはできない。即ち、製氷しながら飲み物を冷やすということはできない。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジがギャレーキャビネットに標準装備される。1500W正弦波インバーターも標準装備なので、外部電源が無いところでも電子レンジを使用できる。
多目的ルーム
ミチクサに多目的ルームは無い。緊急用にポータブルトイレを乗せておくことはできないことは無いが、このモデルのコンセプトやユーザー層から考えると、そのようなケースは少ないだろう。
収納
コンパクトなベース車ゆえ収納スペースは多くないが、ベッドの下や最後部が収納スペースになる。
ヘッド下収納
ベッドの項で触れたとおり、ベンチシートの台座を引き出してベッドメークするが、その場合、通路部が収納スペースとして使用できる。
最後部のラゲッジスペース
3列目シートの後ろにスペースを取ってあり、ここはラゲッジスペースとして使用できる。3列目シートのシートバックを立てれば、背の高い荷物も積み込むことができる。
空調
車載用クーラーを標準装備
12Vで動作する車載用クーラーが標準装備される。室内機はボードで隠されており、インテリアへの調和を図っている。暖房はFFヒーターがオプションで用意されており、選択するとベンチシートの下に設置される。ベンチレーターのオプション設定は無い。
テレビ/ナビ
32型の大画面テレビが標準装備される。同社はキャブコンのトリップシリーズなどにも32型のテレビを採用しているが、ミチクサにも大画面テレビを導入した。これも同社のこだわりだ。
ナビはオプション設定されているが、好みの機種を設置することもできるだろう。
電装系
標準で400Ahの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載。このクラスのバンコンでは最も大容量のリチウムイオンバッテリー搭載車のひとつだ。これはクーラーはもちろん、大型のテレビモニターを装備していることとも関係していると思われる。
その他の電装系では、走行充電、外部100V電源入力とチャージャー、1500W正弦波インバーターが標準装備される。ソーラーシステムのオプションはオプションリストに無いが、設置することは可能だろう。
価格(2025年11月現在:千円台切り上げ:税込)
ガソリン2WDは638万円~、ディーゼル2WDは718万円~、ディーゼル4WDは748万円~となっている。
付けておきたい必需オプションは、FFヒーター(308,000円)が挙げられる。(ナビ関連は除く)
他モデル
最もレイアウトが近いモデルは、ハイエースベースだが、レクビィのソラン(786万円~)だろう。このモデルも2名対座ダイネットとベンチシートのレイアウトだがコンセプトは少し異なる。
ソランのインテリアも洗練されたものだが、こちらはカジュアルな高級感を持っている。3列目シートには乗車できないので3名が前向き乗車で、ベッドは全体的に1830x1500mmで3名が就寝できるので、ファミリーにも対応する。
もう一つはOMCのナロー銀河(624万円~)とキャラバン ゼロ(692万円~)が挙げられる。これらはベンチシートの代わりに縦置き2段ベッドを持ち、やはり3名が就寝できる。常設ベッドを持ち実用性を重視したモデルだ。
まとめ
ミチクサのコンセプトは、ベース車から室内空間まで一貫した“高級感”と“大人のためのインテリア”で構成されている。キャンピングカーでは室内にばかり目が向きがちだが、ミチクサは最上級グレードであるグランドプレミアムGXを採用し、運転席までもグレード感を感じる点が大きな特徴だ。
インテリアは、ファミリー向けの賑やかな空間ではなく、大人2名(あるいは1名)が静かに、そして豊かに時間を楽しめるよう設計されている。32型の大画面テレビも、その上質な体験を支えるアイテムのひとつだ。
完成度の高いモデルだが、あえて短所を挙げると収納が多くない点がある。ただし、このモデルは大量の荷物を積んで長期旅に出るためのものではなく、ドライブ先で遊んだ後に車内で落ち着いた時間を過ごす──そんな使い方に最適化されているため、大きなネガティブにはならないだろう。
ひょっとしたら、自宅のカーポートに置いて“セカンドリビング”として使う、というのも良いアイデアかもしれない。
関連記事






