キャラバンZERO(キャラバンゼロ)は、OMC(オーエムシー)が製作する、日産キャラバン標準ボディ標準ルーフをベース車にしたバンコンバージョンキャンピングカー。
同社は主にハイエースをベース車にするバンコンモデルをラインアップしているが、最近のハイエースの供給の問題があり、日産キャラバンバージョンもラインアップに追加している。最近では、キャラバン銀河も発売した。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
日産キャラバン標準ボディ標準ルーフをベース車にしたバンコンモデル。クルマ旅の用途に加え、災害時のシェルターとしても使用できることがコンセプトになっている。
そのため、高さ制限のあるパーキングにも駐車できるような機動性、3名が就寝できるベッド、車内での食材の補完と調理ができるギャレー、暑さや寒さから身を守るクーラーやFFヒーターも装備できる。
アピールポイント
・キャラバン標準ボディ標準ルーフがベース車で運転しやすい
・高さ制限のある駐車場にも駐車可能
・常設2段ベッド
・3名が前向き乗車可能
・3名が就寝可能
・横開き式冷蔵庫、電子レンジ標準装備
・クーラー、FFヒーター、リチウムイオンバッテリーを搭載可能(OP)
ベース車とエクステリア
キャラバンZEROのエクステリア
ベース車は日産キャラバン標準ボディ標準ルーフグランドプレミアムGX。上級グレードなので、カラードバンパーやメッキグリル、UVカット断熱プライバシーガラス
サイドターンランプ付電動格納式リモコンドアミラー、ヒーター付ドアミラー、インテリジェント アラウンドビューモニターなどが標準装備される。
また、インテリジェント エマージェンシーブレーキ、運転席/助手席エアバッグ、踏み間違い衝突防止アシスト、標識検知機能などの安全装置も標準装備される。ボディ外側への架装はほとんど無いので、見た目は普通のキャラバンと変わりはない。
インテリア
キャラバンZEROのインテリア
展示車は下の写真のようなインテリアカラーで、比較的オーソドックスな選択だったが、家具色やシート色の選択は可能だ。照明は、スポットライトのみで、シンプルな照明となっている。
レイアウト
レイアウト
ハイエースベースのZEROのレイアウトを踏襲しており、縦置き2段ベッドと2名対座ダイネット、最後部に多目的ルームの構成。2列目に単座のマルチモードシートを設置し、前向きにすると、全部で4名が前向き乗車できる。(ロングシートにも2名乗車できるので、乗車定員は6名。)
このレイアウトは”通常は2名で使用しているが、ファミリーでも乗車する”といった場合に有用なレイアウトとして柔軟性がある。
このレイアウトの特長は、常設ベッドがあり、就寝前にベッド展開をする必要が無いこと。2列目シートを前向きにすると、もう1名が前向き乗車でき、また、3名が就寝できるので、3名までのファミリーにも対応できる。
一方、短所としては、オーバーヘッド収納が十分に設置できないため、収納が少ない車内になってしまうこと。2段ベッドの圧迫感があり車内が狭く見えることも短所ではある。
ダイネット
2名対座のダイネット
2列目の単座シートを後ろ向きにすると、3列目の固定シートとで2名の対座ダイネットになる。
2段ベッドはロングシートになる
さらに、上段ベッドを下段ベッドの背もたれにすると、下段ベッドがロングシートになり、2名が座れる。従って4名でテーブルを囲むことができる。ゲストがあった場合などにも対応できる。
ベッド
ベッド
縦置き2段ベッドは、上段が1850x650mm、下段は1850x700mmの大きさ。家庭用シングルベッドの幅(1000mm)と比べると狭い幅だが、キャンピングカーとしては一般的な大きさだ。
2名対座ダイネットも展開すると、1850x500mmのベッドになる。さすがにこれでは寝返りも打てないので、簡易用ベッド的な位置付けとなる。
ギャレー
ギャレーキャビネット
ギャレーは後部の多目的ルーム内にある。ただしここはドアではなくカーテンで仕切られており、完全な個室ではない。カーテンを開けると、前部との動線が繋がる。
ギャレーキャビネットの天板にはシンクとフォーセットがあり、シンクに蓋をするとフラットなカウンターとして使用できる。コンロは常設ではないので、ポータブルコンロやIHコンロをセットする必要がある。
シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各13Lの給排水タンクが収納されている。リアゲートを開けて車外から直接タンクを出し入れできるので大変便利だ。
冷蔵庫/電子レンジ
40L横開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は40L横開き式が標準装備される。冷凍室もあるので、製氷や冷凍食品の保冷と、飲み物や食品の保冷が同時にできる。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。インバーターはオプションなので、外部電源が無いところで電子レンジを使いたい場合は、オプションの1500W正弦波インバーターを設置する必要がある。
多目的ルーム
ポータブルトイレが標準装備の多目的ルーム
最後部の多目的ルームはドアではなく、カーテンで仕切られているため、完全な個室ではない。ギャレーの項でも書いたが、ここにはシンクや冷蔵庫、電子レンジも設置されている。
一方、ポータブルトイレも標準装備されており、トイレルームとして使用できるようにもなっている。キッチンとトイレが同じスペースにあることに抵抗感があるかもしれないが、災害時の緊急用と考えると良いだろう。
収納
標準ルーフ(ロールーフ)のため、オーバーヘッド収納は設置されていない。ギャレーキャビネットの収納を除いては、ベッド下と3列目シート下の収納が実質的な収納スペースとなる。
ヘッド下収納
下段ベッド下は収納になっており、ベッドボードを持ち上げて上部からアクセスすることができる。重いベッドマットを持ち上げる必要があり、アクセス性が良いとは言えない。
3列目シート下の収納
3列目シート下も収納スペースになっているが、上の写真のようにオプションのFFヒーターを選択するとここに設置される。もちろん空気の流れを阻害したり、FFヒーターを覆ってしまうような荷物は収納できいない。
空調
ギャレー上部に設置されたクーラー(OP)
車載用セパレートクーラーがオプションで用意されており、選択するとギャレーキャビネットの上部に室内機が設置される。
室外機
室外機は家庭用エアコンのそれに比べてかなり小型なため、スペアタイヤがあったスペースにすっきり設置されている。もちろん外気と繋がってるので、水や泥、埃などがどの程度侵入するのか確認する必要がある。
なお、クーラーはセットオプションになっており、クーラー本体の他、200Ahリチウムイオンバッテリー、1500W正弦波インバーター、バッテリー残量計、外部充電器などが含まれている。
暖房はFFヒーターがオプションで設置できる。ルーフベンチレーターはオプションに設定されていないが、取り付けることはできるだろう。
テレビ/ナビ
テレビモニターのオプションは用意されていないが、これも設置は可能だろう。ナビはオプションで用意されているが、もちろん好みのナビを取り付けることは可能だ。
電装系
標準では、105Ahのディープサイクルバッテリーが1個と走行充電、それに外部100V電源入力とチャージャーが装備されている。 リチウムイオンバッテリーはクーラーセットとして200Ahがオプションで用意されている。
また、350Wと1500W正弦波インバーターもオプション。215Wソーラーシステムもオプションで設置できる。
価格(2025年8月現在:千円台切り上げ:税込)
ガソリン2WDは665万円~、ディーゼル2WDは734万円~、ディーゼル4WDは766万円~となっている。
付けておきたい必需オプションは、FFヒーター(308,000円)が挙げられる。(ナビ関連は除く)また、クーラーセット(1,155,000円)は高額ではあるが付けておきたい。1500W正弦波インバーターはクーラーセットに含まれる。
さらに、ソーラーシステム(165,000円)を付けておくと災害時に自己発電ができるほか、自然に充電されているので大変便利だ。
他モデル
キャラバンやハイエースの標準ボディ標準ルーフを使用したモデルは多々あるが、縦置き2段ベッドを持つモデルは多くない。キャラバンZEROやハイエースベースのZEROを検討する場合、比較するモデルはやはりOMCのナロー銀河ではないだろうか。
ナロー銀河は、ハイエース標準ボディハイルーフをベース車にしており、どちらかというとクルマ旅に向いている。
もう1台、参考のために挙げておくと、レクビィのソランとソランハイルーフがある。ソランは標準ボディ標準ルーフ、ソランハイルーフは標準ボディハイルーフだ。これらは同じような2名対座ダイネットを持つが、2段ベッドではなく、ベンチシートになっている。
従って、ソランでは就寝前にベッド展開が必要になる。しかし、車内の広々感は2段ベッドよりベンチシートの方が優れている。ソランやソランハイルーフは多目的ルームを持たないが、クルマ旅がメインなら、ナロー銀河やソラン/ソランハイルーフも検討する価値があるだろう。
まとめ
キャラバンZEROはキャンプやクルマ旅など通常のキャンピングカーの用途に加え、災害時のシェルターの役割も持たせているため、コンパクトなボディに多くの要素を詰め込んでいる。
そのため、居住性は多少犠牲になっている面もある。クルマ旅などで居住性を優先する場合は、ナロー銀河やソランハイルーフを選択することをお勧めする。圧迫感が少ないこともあるが、オーバーヘッド収納が設置できるからだ。
一方、日常用途がメインなら、収納もそれほど必要なく、キャラバンZEROほどの装備も必要ない。即ち、キャラバンZEROの充実した装備は、災害時のシェルターとして使用する場合に威力を発揮する。キャンピングカーを災害時のシェルターとしても考えているユーザーには、キャラバンZEROは最適のモデルだ。
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