LIVANO(リヴァーノ)はキャンパー厚木が製作する、トヨタカムロードをベース車にした全長5mを切るキャブコンキャンピングカー。
同社は車名の通り、神奈川県厚木市に拠点を置くビルダーで、2020年に発表したパピィ480は、現在のショートカムロードキャブコンの草分けとなった。現在、多くのキャブコンビルダーが全長4800mm前後のショートカムロードキャブコンを発売しているが、パピィシリーズの1740の車幅を持つモデルは現れていない。
カムロードキャブコンのマーケットを大きく分けると、全長5m超のグループ(フルサイズ)、できるだけ5mに近づけたグループ(レギュラーサイズ)、できるだけ小型化を目指したグループ(ショート)に分けられる。
リヴァーノはレギュラーサイズのグループに属するモデルで、同社が、パピィシリーズのコンセプトを外れ、新たなマーケットに参入した。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
トヨタカムロードをベース車にするキャブコンで、5x2mの一般的な駐車枠に収まる車体サイズ。これにFRP一体成型のシェルを架装している。レイアウトはカムロードキャブコンでは最も一般的なもので、対座ダイネット、ギャレー、多目的ルーム、横置き2段ベッドを持つ。
家庭用エアコンやリチウムイオンバッテリーはもちろん、800Wの大容量ソーラーシステムまで標準装備。多目的ルームでは温水シャワーまでもオプションで設置できる。安全性の高い個体リチウムイオンバッテリー(正確には準個体)を採用しているのも特徴だ。
アピールポイント
・5x2mに収まる最大サイズ
・最も一般的な後部横置き2段ベッドのレイアウト
・引き出し式ステップで、ラダーなしでバンクベッドに昇降可能
・家庭用エアコンを標準装備
・計416Ah相当の個体リチウムイオンバッテリーを標準装備
・計800Wのソーラーシステムを標準装備
・温水シャワー(OP:ギャレーのみも可 )
ベース車とエクステリア
リヴァーノのエクステリア
ベース車はトヨタカムロード。ガソリンとディーゼルが選択できる。ガソリンは2WDのみ、ディーゼルは2WDと4WDが選択できる。なお、ガソリン2WDは標準トレッド/小径ダブルタイヤ、ディーゼル2WDはワイドトレッド/同径ダブルタイヤだが、ディーゼル4WDは標準トレッド/同径ダブルタイヤとワイドトレッド/同径ダブルタイヤが選択できる。
ディーゼル4WDの標準トレッドはワイドトレッドに比べ13万円ほど安価。標準トレッドを選択する理由は価格面もあるが、雪国などでのわだちを走行することが多い場合は適している。(上の写真はワイドトレッド/同径ダブルタイヤ)
このベース車にFRP一体成型のシェルを架装している。シャルの窓は全てアクリル2重窓で断熱効果も高い。
レイアウト
リヴァーノのレイアウト
前部に対座ダイネット、中央にギャレーと多目的ルーム、後部に横置き2段ベッドのカムロードキャブジョンでは最も一般的なレイアウトを採用している。キャブ上にはバンクベッドもあり、就寝定員は7名。乗車定員も7名となっている。
インテリア
リヴァーノのインテリア
明るい木目の家具とホワイト系の壁とシートの組み合わせで、明るい漢字のインテリアを採用。オーソドックスだが飽きの来ないインテリアだ。
照明は間接光とスポットライトを中心としたお洒落な印象で、多目的ルームなど一部を除いて、全ての照明が調光できる。後部ベッドとバンクベッドの読書灯も調光が可能で、常夜灯も用意されている。
ダイネット
4名対座のダイネット
前部には4名が対座できるダイネットがあり、移動時も乗車できる。テーブルは広く、4名で食事することも可能だ。2列目と3列目シートは固定で姿勢の自由度は低いが、3列目シートにランバーサポートが付いているのは嬉しい。
このランバーサポートはパピィ480にも採用されているが、ベッド展開時には折り返してシートバックがフラットになる。簡単な仕掛けながら素晴らしいアイデアだ。シートはフェイクレザーへの変更もオプションで用意されている。
ベッド
後部の2段ベッド
後部の横置き2段ベッドは上下段とも1850x750mmの大きさ。他モデルでは多目的ルームのため足元が狭くなっているものもあるが、リヴァーノは足元まで同じ幅を確保している。
両段にアクリル2重窓と読書灯、常夜灯、USB電源が用意されている。さらに両段にFFヒーターの吹き出し口が設置されているのは特筆される。冬場の車中泊ではありがたい装備だ。
バンクベッド
バンクベッドは両側の跳ね上げ式ベッドボードを降ろして展開するのが特徴。引き出し式などの場合、バンクベッドへの昇降はラダーを使うのが一般的だが、ラダーの収納場所や取り扱いが面倒な事がある。
リヴァーノでは両側跳ね上げ式と引き出し式のステップにより、ラダー不要でバンクベッドへの昇降を可能にした。(動画はこちら)これにより上の写真のようなツインベッドモードも可能で、左右とも1900x730mmの大きさ。
中央にベッドマットをはめ込むと1900x1850mmの大きさになり、これは家庭用ではキングサイズベッドの幅(1800mm)以上だ。バンクベッドにも左右に読書灯、常夜灯、USB電源コネクタが用意されている。アクリル2重窓は右側のみ標準装備、左側はオプションで設置できる。ただし、この場合はサイドオーニングは付けられない。
ダイネットベッド
ダイネットを展開したベッドは、1900x1050mmの大きさ。2名が就寝できる。オプションの追加マットを通路部に設置すると、1900x1300mmの大きさになる。これは家庭用ではセミダブルベッド以上の幅で、2名がゆったりと就寝できる。
ギャレー
ギャレーセクション
黒いギャレーキャビネットはインテリアのアクセントにもなっている。天板にはシンクと鶴首のフォーセットが設置される。フォーセットはギャレー内に格納されるので、シンクのガラス蓋を閉じると、天板全体がカウンターになる。
20Lの給排水タンクは車外から出し入れが可能だが、オプションで温水セット(ギャレーのみ)を付けることもできる。オプションで温水が使えるのもハイグレードな設定だ。
ただし、パピィ480にあったような、常設コンロは廃止されているのは残念なところだ。温水まで設置できるモデルなので、常設2口コンロがあればそれに相応しいグレード感が出ただろう。
ギャレーキャビネットの収納
ギャレーキャビネットには引き出し収納が2段と、その下に観音開きの収納が用意されている。
跳ね上げ式の調理台
跳ね上げ式の調理台も用意されている。旅先での調理も余裕で行うことができる。
冷蔵庫/電子レンジ
65L横開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は65L横開き式が標準装備される。冷凍室もあるので、製氷や冷凍食品の保冷と、飲み物や食品の保冷が同時にできる。両開きなら車外からもアクセスできるのでより便利だったかもしれない。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。2000Wのインバーターも標準装備なので、外部電源が無いところでも電子レンジを使用できる。なお、電子レンジが標準装備なのでキャンピングカー要件を満たすため、カセットガスコンロはオプションになっている。
多目的ルーム
多目的ルーム
多目的ルームは防水処理がされており、排水口も設置されている。オプションのポータブルトイレやラップ式トイレを設置してトイレルームにすることも可能。カセットトイレもオプション設定されている。
リヴァーノは温水シャワーもオプションで設置できる。このオプションを選択した場合は、2列目シートの下に95Lの給水タンクと電気温水器、および換気扇が設置される。湯は電気で沸かすが、6Lの湯を60℃まで加熱して水と混合して使用する。外気温にもよるが、30分程度を要するとのこと。
最近ではコンパクトで高効率なヒートエクスチェンジャーも発売されているので、熱交換方式が主流となっている。電気で湯を沸かすのは電力を消費するため、サブバッテリーを使うのは躊躇する。従って、外部電源が取れるところでの使用が想定される。
多目的ルームには車外からアクセスするためのドアがオプションで設置できる。
収納
ギャレーキャビネット以外の収納では、ダイネット上部のオーバーヘッド収納、ダイネットの床収納、冷蔵庫上部の引き出し収納、シューズボックス、 後部ベッド下収納、外部収納があり、充実した収納となっている。
ダイネット上のオーバーヘッド収納
ダイネット上のオーバーヘッド収納は2連の扉で仕切られており、いずれも大きな収納力がある。
ダイネットの床下収納
ダイネットの床は多少高くなっており、その段差を利用した収納が用意されている。高さはあまり無いが、小物や書類のようなものを収納しておけるだろう。
冷蔵庫上部の引き出し収納
冷蔵庫上部にも引き出し収納が用意されている。
シューズボックス
エントランス横にはシューズボックスも用意されている。靴の高さに合わせて2段にするとより多くの靴を収納できるかもしれない。
後部ベッド下の収納(下段を跳ね上げた状態)
後部のベッドの下は大きなトランクになっている。左サイドと後部からアクセスできる。後部ドアはオプションで大型に変更可能。サイクルキャリアを付ける場合は標準の小型のドアのままとなる。
下段ベッドを跳ね上げてロックすると、更に高さのある収納になり、左サイドの縦長のドアから小型の自転車等を積み込むことができる。
外部収納
ボディ後部左サイドには外部収納が設置されている。水洗いできるので濡れたものや汚れたものを収納しておくのに便利だ。
空調
家庭用エアコン
家庭用エアコンが標準装備される。室内機はエントランスの上部に設置される。室外機は、ボディ後部右サイドに設置される。
ダイネットの床の温風の吹き出し口
暖房にはFFヒーターが標準装備される。温風の吹き出し口はダイネットの床、多目的ルーム、後部上下段ベッドに設置されている。特にダイネットの床には2か所の細長い吹き出し口が設置されており、床暖房のような温かさがある。この吹き出し口は、横のレバーで開閉できる。
テレビ/ナビ
24型のテレビがオプションで用意されている。設置位置は冷蔵庫のキャビネットの上部にアームで取り付けられる。ナビはパイオニア製を中心にオプションで用意されている。もちろん好みのナビを取り付けることは可能だ。
電装系
3列目シート下の電装系
標準で、104Ah x4個=416Ahの個体リチウムイオンバッテリーが搭載される。これは現在まだ製品化されていない全個体ではなく準個体というべきもので同社がいち早く採用したもの。、安全性に優れるとされている。
その他の電装系では、昇圧式走行充電、外部100V電源入力とチャージャー、2000W正弦波インバーター、そして800Wの大容量ソーラーシステムが標準装備される。電装系は強力かつフル装備だ。
価格(2025年12月現在:千円台切り上げ:税込)
ガソリン2WDは1111万円~、ディーゼル2WDは1224万円~、ディーゼル4WDは標準トレッドが1234万円~、ワイドトレッドが1247万円~となっている。
標準装備が充実しているので、付けておきたい必需オプションは無い(ナビ関連は除く)。オプションの価格表はこちら。
他モデル
5mを切るレギュラーサイズカムロードキャブコンのマーケットは激戦区だ。その中でもリヴァーノと同様のレイアウトを持つモデルをピックアップすると、アネックスのリバティ50DB(1102万円~)、ナッツRVのジープニーTypeW(813万円~)とクレア5.0TypeW(1148万円~)、東和モータース販売のモビーType R2B(813万円~)、バンテックのコルドバンクス(889万円~)、stage21のリゾートデュオオハナプロⅡ(800万円~)、MYSミスティックのレジストロトゥカノ(900万円~)、AtoZのアンソニー(812万円~)等がある。
まとめ
下の比較表を見るとジープニー(あるいは姉妹車のモビー)が安価に見えるが、リヴァーノと同じ装備にすると価格はあまり変わらない。また、リヴァーノではリチウムイオンバッテリーの容量やソーラーシステムの容量が他モデルより大きく、その分アドバンテージがある。
また、リヴァーノのインテリアは間接照明を使っており、グレード感も高い。温水シャワーまで装備できるのも、このクラスではリヴァーノの他にはジープニー/モビーとコルドバンクスだけだ。
更に、後部ベッドのウッドスプリングやFFヒーターの吹き出し口、ダイネットの床下暖房やランバーサポート、ラダー不要のバンクベッドなど、有用なアイデアも多数採用されている。
このように比較すると、リヴァーノの優位性が見えてくる。しかし、そのように詳細に比較しないと優位性が見えてこないようにも思える。例えば、コルドバンクスのような常設コンロがあるだけでもワングレード上の高級感を出せるのではないかと思える。
しかし、パピィシリーズから飛躍する第1弾として意欲作であることには間違いない。フルサイズでは大きすぎるがショートでは心もとないというユーザーには最適な選択肢のひとつと言える。
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