レジストロ トゥカノはMYSミスティックが製作する、トヨタカムロードをベース車にしたキャブコンキャンピングカー。

同社は、山梨県韮崎市に本拠を置くビルダーで、トラックキャンパーでは特に知られているが、トラックキャンパーの他にもカムロードベースのキャブコンや軽トラックベースの軽キャブコン、あるいはハイエースベースのバンコンもラインアップしている。

同社は以前から、カムロードベースのキャブコンとして全長5mを超えるフルサイズの「アンセイエ」をラインアップしているが、「レジストロ トゥカノ」は、全長5mを切るカムロードキャブコンとなっている。

外観はアンセイエを小さくしたイメージだが、「アンセイエ・ジュニア」などではなく、「レジストロ」を冠に付けた理由は、「レジストロ アウル」のベース車であるトヨタ タウンエーストラックが生産終了になったため、レジストロ アウルの後継的な役割もあったためと思われる。

同時に、現在各ビルダーから続々と投入されている、全長5mを「大幅に」切るカムロードキャブコンのマーケットにも対応する。


（記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。）


概要

トヨタカムロードをベース車にする全長5mを切るキャブコンキャンピングカー。レジストロ アウルの後継的な意味合いもあり、リアエントランスのレイアウトを採用している。車幅も2mを切るため、一般的な5x2mの駐車枠にも収まる。

同社のモデルに共通する特徴的なレトロ感のあるエクステリアと山小屋風のインテリアが特徴。リアエントランスの特長を生かし、広いダイネットと両側の大きなアクリル2重窓が明るい室内にしている。

ルーフクーラー（家庭用エアコンはOP）と300Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備。冷蔵庫や電子レンジ、FFヒーター、240Wソーラーシステムまでも標準装備し、長期のクルマ旅にも対応できる。


アピールポイント

・全長5mを切るコンパクトで取り回しの良いボディサイズ
・特徴的なエクステリアとログハウス風インテリア
・広いダイネットを持つリアエントランスレイアウト
・横開き式冷蔵庫、電子レンジ、FFヒーター、ベンチレーター（マックスファンはOP）を標準装備
・ルーフクーラー（家庭用エアコンはOP）、300Ahリチウムイオンバッテリーを標準装備。


ベース車とエクステリア

　レジストロ トゥカノのエクステリア

ベース車はトヨタカムロード。標準トレッド、後輪は小径ダブルタイヤとなっている。エンジンとミッションは、ガソリンの2WDのみとなっている。

このベース車に横波型のアルミパネルのシェルを架装。このエクステリアデザインは同社のモデルに共通している。エントランスステップは手動式が標準装備されるが、オプションで電動式に変更することも可能。

ボディカラーはオプションで選択でき、多数のカラーから選択可能。標準色は白一色になる。


インテリア

　レジストロ トゥカノのインテリア

濃い木目の家具色と、オレンジ色のシート、ログハウス風の壁紙で同社独特の室内空間を作り出している。照明は、メインライトとスポットライトを配している。


レイアウト

リアエントランスに忠実なレイアウトで、前部に広いダイネット、後部にギャレーと多目的ルームを配置する。　常設ベッドは無いが、広いダイネットをベッド展開するとキングサイズのベッドになる。またバンクベッドもあり、二人旅ならダイネットを展開することなく就寝できる。


ダイネット

　広いダイネット

ダイネットには、4名対座のシートとサイドベンチシートがあり、大勢でテーブルを囲むことができる。二人旅でも広いダイネットはストレスが溜まりにくく、長期旅でも快適に暮らせる。

ダイネットに4名、運転席、助手席と、その間の補助席に1名乗車できるので、計7名が乗車定員となっている。


ベッド

ベッドはダイネットを展開するダイネットベッドと、バンクベッドの2箇所がある。　それぞれ3名が就寝できるので、就寝定員は6名となっている。

　ダイネットベッド

ダイネットを展開すると、1800x1790mmのベッドになる。1790mmの幅は、家庭用ではキングサイズベッドの幅（1800mm）に近い。ただし身長方向は1800mmなので、長身のユーザーは実際に横になって確認することをお勧めする。

　バンクベッド

引き出してセットするバンクベッドは2000x1780mmの大きさ。1780mmの幅は同じくキングサイズベッドの幅に近く、2名ならゆったり就寝できる。身長方向も2000mmあるので、長身のユーザーも足がつかえることはないだろう。


ギャレー

　ギャレーセクション

最後部に設置されたギャレーキャビネットの天板には、大き目のシンクとフォーセットが設置されている。深いシンクなので大きめの食器も洗いやすい。フォーセットは固定だが、オプションでシャワーフォーセットに変更でき、引き伸ばして車外で使うことができる。

　ギャレーキャビネットの収納

ギャレーキャビネットには扉付きの収納と引き出し収納が用意されている。また、ギャレー上部にもオーバーヘッド収納が設置されており、食器や調理用具などを収納しておける。収納箇所が多く非常に便利だ。

　各19Lの給排水タンク

各19Lの給排水タンクは、リアの外部収納内に収納されており、車外から直接出し入れできる。収納スペースも広く取られているので、キャリーカートを一緒に収納しておくと、給排水タンクの持ち運びが楽になる。


冷蔵庫/電子レンジ

　49L横開き式冷蔵庫が標準装備される

冷蔵庫は49L横開き式冷蔵庫が標準装備される。横開き式なので冷凍室もあり、製氷や冷凍食品の保冷も可能で、クルマ旅には重宝する。もちろん飲み物や食品のの保冷も同時にできる。

　電子レンジも標準装備される

家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。これもクルマ旅にはほぼ必需装備で、手軽に食事を用意することができる。電子レンジの下には引き出し収納が付いている。


多目的ルーム

　多目的ルーム

ギャレーの横には多目的ルームが配置されている。ポータブルトイレやラップ式トイレを置いてトイレルームとして使用することもできる。ただし、防水処理はされていない。温水シャワーのオプション設定もない。

多目的ルーム内には収納も用意されており、タオルやトイレットペーパーなどを収納するのに便利だ。また、車外へのドアも付いているので、車外から直接荷物を積み込むこともできる。


収納

レジストロ トゥカノの収納は充実しており、先のギャレー周りの収納の他にも、オーバーヘッド収納、マガジンラック、シート下の収納、シューズボックス、外部収納が用意されている。

　ダイネット両側にオーバーヘッド収納が設置される

外ネット上部両側にオーバーヘッド収納が設置されている。大きな収納力がある。

　マガジンラック

3列目シートの後部にも収納が用意されている。マガジンラックとして使えそうだ。

　シート下の収納

2列目シートやベンチシートの下は大きな収納になっている。扉が付いているので、座面を持ち上げる必要が無く使いやすい。ベンチシート下の収納は外部からもアクセスできる。


空調

　ルーフクーラーを標準装備

冷房は12Vで駆動するルーフクーラーが標準装備される。オプションで家庭用エアコンも選択できる。暖房はFFヒーターが標準装備され、ベンチレーターも標準装備されるが、マックスファンへの変更はオプションとなっている。


テレビ/ナビ

19インチのテレビモニターがオプション設定されている。ナビはパイオニア製がオプション設定されているが、好みのものを取り付けることができるだろう。


電装系

300Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備されるが、オプションで428Ahにアップグレードすることも可能。300Ahあればほとんどの場合問題ないが、特に真夏の昼間にクーラーを長時間使ったり、電子レンジやIHコンロを使うといった場合はアップグレードしておくと安心だ。

その他の電装系では、走行充電、外部100V電源入力とチャージャー、2000W正弦波インバーター、240Wソーラーシステムも標準装備される。　電装系の標準装備は充実している。


価格（2025年3月現在：千円台切り上げ：税込）

ガソリン 2WD/6ATのみが選択でき、価格は869万円～。付けておきたい必需装備は、標準装備が充実しているため、特に無い（ナビ関連は除く）。


他モデル

5mを切るカムロードキャブコンは多数あるが、リアエントランスのモデルは多くない。ナッツRVのアレッタTypeRE（950万円～）、アレッタと姉妹モデルの東和モータース販売のレーベンDC（950万円～）、ナッツRVのジープニーTypeRE（813万円～）と姉妹車の東和モータース販売のモビーDC（813万円～）、キャンパー厚木のグランドパピィSG（994万円～）がある。（いずれもガソリン2WD）

これらは全て家庭用エアコンを標準装備するが、リチウムイオンバッテリーはオプション。（アレッタとレーベンのハイパーエボリューションモデルは標準）


まとめ

レジストロ トゥカノは、いろいろな意味でユニークなモデルだ。一つはエクステリアデザイン。スクエアでクラシカルなデザインは好き嫌いが分かれるところだろう。即ち、気に入ったユーザーは他に選択肢はない。

次に全長。全長4900mmは、5mを切るが最大限大きくしたいカテゴリーなら4990mmとなるし、最近各社から発売されている極短モデルのカテゴリーなら4800mm台が主流だ。4900mmと言うのは、中途半端ではるが、両方のメリットを持っているともいえる。

最後に価格。例えばジープニーはリチウムイオンバッテリー、FFヒーター、280Wクラスソーラーシステムはオプションだが、これらを追加すると100万円程度価格が高くなる。即ち、レジストロ トゥカノはかなりお買い得な価格設定がされている。

数少ないウィークポイントの一つを挙げておくと、ガソリン2WDしか選べないこと。4WDが欲しいユーザーは多くいると思われるが、残念ながら選択できない。

しかし、レジストロ トゥカノは、一般的なパーキングに収まり、二人旅でもファミリーでも使え、長期のクルマ旅にも対応でき、充実した装備を持つモデルだ。エクステリアデザインやインテリアが気に入ったら、お買い得なモデルと言える。



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