KAGAYAKI(カガヤキ)はNTB(日本特殊ボディー)が製作する、いすゞトラヴィオをベース車にするキャブコンバージョンキャンピングカー。
同社は埼玉県越谷市に本拠を置くビルダーで、主にいすゞビーカムやトラヴィオをベース車にしたキャブコンをラインアップしているのが特徴。セキソーボディやAtoZ、キャンパー鹿児島、ロータスRV販売にOEMモデルを提供していることでも知られている。
同社はいすゞとの協業が長く、KAGAYAKIもいち早くトラヴィオをベース車にして開発されたモデルのひとつ。トラヴィオベースのモデルの中では最も一般的な後部横置き2段ベッドのレイアウトを採用したモデルでもある。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
いすゞトラヴィオをベース車にしたキャブコンキャンピングカー。全長は5mを切り、一般的な5x2mの駐車枠に収まる。また、トラヴィオは3.5t以下のため普通免許でも運転できるディーゼル車ということで、準中型免許が必要なカムロードベースと差別化を図っている。
後部に横置き2段ベッドを持つ最も一般的なレイアウトを採用。多目的ルームも用意されている。5000Whのリチウムイオンバッテリーを標準装備し、標準装備の家庭用エアコンを実用的に使うことができる。
アピールポイント
・先進のいすゞトラヴィオをベース車に使用
・5x2mの駐車枠に収まる全長と全幅
・後部に横置き2段ベッドの効率的なレイアウト
・多目的ルームも設置
・家庭用エアコンを標準装備
・大容量5000Whのリチウムイオンバッテリーを標準装備
ベース車とエクステリア
KAGAYAKIのエクステリア
ベース車はいすゞトラヴィオ。2024年に発表された新しいキャブコン用のベース車で、普通免許で運転できるのが特徴。ディーゼル2WDのみで4WDは無い。
このベース車にFRP製のシェルを架装。一般的な5x2mの駐車枠に収まるボディサイズとしている。
レイアウト
KAGAYAKIのレイアウト
前部にダイネット、中央にギャレーと多目的ルーム。後部に横置き2段ベッドのレイアウト。このクラスのキャブコンでは最も一般的なレイアウトで、横置き2段ベッドにより効率的なレイアウトとなっている。
乗車定員は7名。フロントシートに3名とダイネットに4名が乗車できる。ただし、フロントシートの真ん中の補助シートと2列目の後ろ向きシートは長距離で乗車するのは現実的ではない。
就寝定員は、後部の2段ベッドで2名、バンクベッドで2名、ダイネットベッドで2名で計6名となっている。
インテリア
KAGAYAKIのインテリア
比較的濃い目の木目の家具と、ダークブラウンのシートの組み合わせ。ギャレーキャビネットの天板も黒く、全体的に落ち着いたカラーリングになっている。インテリアカラーのバリエーションは、現在のところ発表されていない。
照明は現代のモデルらしく、間接光を使用したお洒落なもの。夜間はムーディーで落ち着いた雰囲気を演出する。
ダイネット
KAGAYAKIのダイネット
後ろ向きの2列目シートと前向きの3列目シートにそれぞれ2名が着座でき、4名でテーブルを囲める。テーブルは”非常に広い”わけではないが、ファミリーで食事をすることはできるだろう。
ベッド
ベッドは、後部の横置き2段ベッド、バンクベッド、ダイネットを展開したダイネットベッドの3か所。
後部の2段ベッド
後部の横置き2段ベッドは、上下段とも長さ 1820mm、幅 750mmの大きさ。家庭用のシングルベッドの幅(1000mm)には遠く及ばないが、キャンピングカーの2段ベッドでは平均的な大きさだ。
上段には収納、下段にはアクリル2重窓がある。上段には窓が無いので車外の様子を見ることはできない。ただしその分収納が設置されており、寝具などを収納するのに便利だ。
読書灯は頭と足元の両方に設置されている。クルマの傾きによりどちらを頭にして横になっても読書灯があるのは便利だ。
バンクベッド
バンクベッドは引き出してセットし、長さ 1980mm、幅 1650mmの大きさ。家庭用ではクィーンサイズベッドの幅以上で、大人がゆったり就寝できる。両側にアクリル2重窓と読書灯、および収納がある。
ダイネットベッド
ダイネットを展開したダイネットベッドは、長さ 1810mm、幅 1300mmの大きさ。家庭用ではセミダブルベッドの幅(1200mm)以上の広さがある。他モデルでは、ダイネットベッドは1名分の幅が一般的だが、KAGAYAKIでは2名が就寝できる。
ギャレー
ギャレーキャビネット
ギャレーキャビネットは大きく、天板も広い。ブラックの天板は重厚感があり、汚れが目立たないのはメリットかもしれない。
天板にはシンクとフォーセットが設置されているが、コンロは常設ではなく、カセットコンロをセットして使用する必要がある。ただし、このクラスでは常設コンロを持っていないモデルの方が多いのも事実だ。
各20Lの給排水タンク
シンクの下には各20Lの給排水タンクが収納されている。いろいろな設備の配置は難しい面もあるが、この位置では、しかも20Lの重さのタンクを出し入れするのはかなり面倒だ。例えば、ボディに扉を付けて車外から直接出し入れできると良かったかもしれない。
ギャレーキャビネットの引き出し収納
ギャレーキャビネットには引き出し収納が設置されている。カトラリーや食器などを収納しておくのに大変便利だ。
ギャレー上部の収納
ギャレー上部にも収納が用意されている。食器や調理用具などを収納しておくのに便利だろう。
冷蔵庫/電子レンジ
85L横開き式冷蔵庫が標準装備される
85Lの横開き式冷蔵庫を標準装備。20Lの冷凍室も備えており、製氷はもちろん冷凍食品の保管にも余裕を持って対応できる。設置位置はエントランス横となっており、車内外のどちらからでもアクセスしやすく、使い勝手の良さも魅力だ。
電子レンジも標準装備される
家庭用100V仕様の電子レンジを標準装備。クルマ旅において、コンビニで購入した食品の温めや冷凍食品の調理は欠かせないシーンのひとつであり、標準装備されている点は実用性の面でも大きな魅力といえる。
多目的ルーム
ポータブルトイレが標準装備の多目的ルーム
多目的ルームは、ラップ式トイレやポータブルトイレを設置することでトイレルームとしても活用可能。床面には防水パンが備えられているが排水口は設けられていない。また、FFヒーターの吹き出し口や温水シャワーといった装備がオプション設定されていない点は、他モデルと比較するとやや物足りなさを感じる部分といえる。
多目的ルーム内の収納
多目的ルームには専用の収納スペースが設けられており、タオルやトイレットペーパーなどの備品をすっきりと収めておくことができる。トイレルームとして使用する際にも使い勝手がよく、実用性の高い装備といえる。
収納
ダイネット上部のオーバーヘッド収納
ダイネット上部右側にはオーバーヘッド収納を装備。高さと奥行きにゆとりがあり、十分な収納容量を確保している。クルマ旅で必要な小物などを効率よく収めることができ、車内が荷物で煩雑になるのを防ぐことができる。
シューズボックス
エントランス横にはシューズボックスを装備。ファミリー分の靴をしっかりと収納でき、乗り降りの際も足元が散らかることなく、すっきりとしたエントランス空間を維持できる。
空調
家庭用エアコンを標準装備
家庭用エアコンを標準装備し、室内機はエントランス上部に設置されるレイアウトを採用。さらにFFヒーターも標準装備されており、季節を問わず快適な室内環境を確保できる。一方で、マックスファンベンチレーターはオプション設定となっている。
テレビ/ナビ
19型のテレビモニターがオプションで用意されている。またナビはオプション設定されていないが、好みのものを設置することができるだろう。
電装系
大容量5000Whのリチウムイオンバッテリーを標準装備し、電力残量を気にすることなくエアコンや電子レンジといった高消費電力機器の使用が可能。さらに、走行充電や外部100V電源入力&チャージャー、3000W正弦波インバーターも標準装備されており、電装システムは非常に充実している。
加えて、780Wのソーラーシステムはオプションで搭載可能。発電量にも余裕があり、大容量バッテリーを効率よく充電できる点も魅力といえる。
価格(2026年3月現在:千円台切り上げ:税込)
ディーゼル2WDのみ選択可能で1270万円~となっている。
標準装備が充実しているので、付けておきたい必需オプションは無いが、マックスファンとソーラーシステムは付けておくことをお勧めする。(ナビ関連は除く)
他モデル
トラヴィオベースでKAGAYAKIと同様のレイアウトを採用しつつ、全長5m未満に収まるモデルは現時点では見当たらない。一方、カムロードベースに目を向けると、バンテックのコルドバンクス(1234万円~:ディーゼル2WD リチウムイオンバッテリー仕様)や、ナッツRVのジープニーTypeW(986万円~:同 リチウムイオンバッテリーはOP)、アネックスのリバティ50DB(1364万円~:ディーゼル2WD リチウムイオンバッテリー仕様)といったモデルが対抗車種として挙げられる。
両モデルともディーゼル2WDと4WDが選択できるが、準中型免許が必要になる場合がある。ジープニーは普通免許で乗れるガソリン2WDも選択できる。また両モデルとも、オプションで温水シャワーを設置可能。コルドバンクスは2口常設コンロも標準装備だ。
こうした中でKAGAYAKIの優位性は、やはりベース車にあるといえる。最新のトラヴィオは各種運転支援システムを備え、安全性と快適性の両面で進化しており、普通免許で運転できる点も大きな強みだ。さらに、トラヴィオベースでこのレイアウトを採用するモデルが他に存在しないという点も、現時点における明確なアドバンテージとなっている。
まとめ
KAGAYAKIは、先進性の高いトラヴィオをベース車に採用し、最もオーソドックスで使い勝手に優れたレイアウトを取り入れたモデルだ。4WDにこだわらず、このレイアウトを好むユーザーにとっては、有力な選択肢のひとつとして検討する価値があるだろう。
NTBのモデルらしく全体の完成度は高く安心感がある一方で、温水シャワーや常設コンロといった装備の選択肢が用意されていれば、さらに上級志向のニーズにも応えられたはずだ。また、多目的ルームにFFヒーターの吹き出し口が設けられていない点や、給排水タンクの取り扱いにやや手間がかかる点は、小さな部分ながら惜しまれるポイントといえる。
とはいえ、普通免許で運転可能なサイズ感と優れた取り回しは大きな魅力であり、実用性の高さは見逃せない。最終的には実車を確認し、試乗を通じて他モデルと比較検討することをおすすめしたい。
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