DN-75はダイレクトカーズが製作する、トヨタカムロードをベース車にする、全長5mを切るキャブコンバージョンキャンピングカー。
同社は、三重県鈴鹿市、神奈川県厚木市、福岡県飯塚市に直営店を持つビルダーで、カムロードベースのキャブコンをはじめ、ハイエースベースやキャラバンベースのバンコンから軽キャンパーまで総合的にラインアップしている。
DN-75は2026年のジャパンキャンピングカーショーで発表されたニューモデル。発表時は「KATANA」の車名で発表されたが、のちに「DN-75
」が正式名称とされた。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
トヨタ・カムロードをベースにした全長5m未満のキャブコンモデル。テーマは「Adventure in Desert Nomad」で、“どこにいても空間の質を落とさない”というコンセプトのもと開発された。
オーバーランダー的なエクステリアと、豪華で洗練されたインテリアを併せ持つモデルで、従来のキャブコンとは一線を画す存在感を持つ1台となっている。なお、モデルの性格上、ベース車はディーゼル4WDのみとなっている。
アピールポイント
・オーバーランダー的なエクステリア
・耐久性に優れたラプター塗装が標準仕様
・大きな後部の観音開き開口部
・リアエントランスで広いダイネット
・曲線を生かした洗練されたインテリア
・取り外して車外で使える常設コンロ
・2台の50L冷蔵庫を標準装備
・家庭用エアコンを標準装備
・300Ahリチウムイオンバッテリーを標準装備
ベース車とエクステリア
DN-75のエクステリア
ベース車はトヨタカムロード。クルマの性格上ディーゼル4WDのみ選択できる。
これにアルミパネルのシェルを架装。サンドベージュのラプター塗装により傷や飛び石に強い仕上がりが特徴。直線的で箱型のシェル形状により、アウトドアを意識したデザインとなっている。
シェルには縞鋼板や外部積載用プレートが装備され、オフロードでの使用も想定。リアには観音開きドアを採用し、車外から直接荷物の積み下ろしができる。
インパクトの強いエクステリアで目を引くが、実用性と耐久性を兼ね備えた仕上げになっている。
レイアウト
リアエントランスのレイアウト
リアエントランスを採用し、前部に広いダイネットを配置している。 フロント側にはバンクベッドを備え、さらにベンチシート上部には跳ね上げの上段ベッドも用意されており、大人4名と子供2名の就寝にも対応する。
後部にはギャレーとカウンターキャビネットがあり調理も可能。多くのリアエントランスモデルと異なり、多目的ルームはない。乗車定員はダイネットに4名とフロントシートに3名で計7名となっている。
インテリア
間接光を使用した照明
外観のハードなイメージとは対照的に、曲線を取り入れた家具デザインと間接照明により、洗練されたラグジュアリーな空間に仕上げられている。 ダウンライトと間接光で、豪華な夜のインテリアをを演出。
家具やシートの仕上げも高級感があり、オーバーヘッド収納は取っ手を廃したすっきりとしたデザインを採用。軽く押すことで開閉できる。
ダイネット
広いダイネット
リアエントランスの特徴でもある広いダイネットを採用。4名対座のシートとベンチシートの構成で7名程度でテーブルを囲むことができる。3列目の前向きシートは座面をスライドしてリクライニングすることができる。
ベッド
ベッドはダイネットを展開するダイネットベッド、バンクベッド、そして跳ね上げ式のシングル上段ベッドの3か所に用意されている。
ダイネットベッド
まず、ダイネットを展開したベッドは、長さ最大2000mm(対座部は1850mm)、幅 1710mmの大きさ。家庭用ではほぼキングサイズベッドの幅で、3名が就寝可能。ベッド展開は、背もたれを移動するだけなので比較的楽に作業できる。
バンクベッド
バンクベッドは、1700x1190mmの大きさ。身長方向が1800mmに達していないので子供用にカウントされる。走行時は手前を跳ね上げておくことにより、荷物が落下しないようになっている。
上段ベッド
さらに、ベンチシートの上部には跳ね上げ式のシングルベッドが設置されている。ベッドサイズは、2000x710mm。ゲストがあった時の追加ベッドとしても有用だ。
ギャレー
ギャレーセクション
ギャレーはエントランスの横に横向きに設置されている。ギャレーキャビネットの天板にはシンクとフォーセット、それに常設1口コンロが設置されており、大変便利だ。このコンロは折り畳みの足が付いており、取り外して車外などで使用することができる。
シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各20Lの給排水タンクが収納されている。車外から直接タンクを出し入れするのは難しいが、エントランスに近いし大きなリアの開口部もあるので、出し入れはそれほど苦労しないだろう。
冷蔵庫/電子レンジ
50L横開き式冷蔵庫が2台標準装備される
例は今まで見たことが無いが、確かに100Lの大型冷蔵庫を設置するより自由度が高い。コンビニやスーパーが近くにない環境で過ごすことを想定した結果で、多くの食材や冷凍食品を保冷しておける。
ギャレー上部には電子レンジも標準装備される。
多目的ルーム
リアエントランスのレイアウトでは珍しく多目的ルームは配置されていない。
収納
オーバーヘッド収納収納
ダイネット左側にはオーバーヘッド収納が設置されている。高さ、奥行きがあり、大きな容量だ。扉には取っ手が無く、プッシュすることにより開けることができる。
ベンチシート下の収納
ベンチシート下は収納になっている。アクセスするにはシート上部を持ち上げる必要があるので使いやすいわけではないが、頻繁に使わないものなどの収納スペースとして有用だ。
後部の積載スペース
最後部、エントランス周りには荷物を置けるスペースがある。後部の観音開きの開口部から大きな荷物を積み込むことができる。
外部収納
外部収納というほど大きなものではないが、汚れたものや車内に持ち込めないものを収納するのに便利だ。
空調
家庭用エアコンを標準装備
家庭用エアコンが標準装備され、室内機はエントランスの対面に設置される。室外機は車体右側後部に設置される。FFヒーターとベンチレーターも標準装備される。
テレビ/ナビ
32型テレビを標準装備
同社のトリップシリーズキャブコンでおなじみの、バンクベッドエンドを持ち上げると32型の大画面テレビが出現する。ナビはナビ本体やドライブレコーダーがセットになったナビオプションを選択すると設置される。
電装系
標準では、400Ahのリチウムイオンバッテリー、走行充電、外部100V電源入力とチャージャー、2000Wインバーターが装備される。リチウムイオンバッテリーは400Ahが増設可能で、計800Ahを搭載可能。オプションで200Ahのソーラーシステムも用意されている。
価格(2026年3月現在:千円台切り上げ:税込)
ディーゼル4WDのみ選択可能で、1398万円~となっている。
標準装備が充実しているので、付けておきたい必需オプションは無いが、できれば200Wソーラーシステムを付けておくと常に充電されている。(ナビ関連は除く)
他モデル
オフロード嗜好のキャブコンとしては、トラヴィオベースではあるが、NTB(日本特殊ボディー)のエクスペディションストライカーもと、このOEMモデルのロータスRV販売のオルカが思い当たる。
ただ、これら2モデルのベース車であるトラヴィオはディーゼル2WDしか選択できないので、オフロードモデルとしてはDN-75の方が本格的ではある。
また、キャブコンカテゴリーではないが、バンテックのアストラーレGX4やダイレクトカーズのBR-75シリーズもオフロード志向という意味では方向性は似ている。
また、これら2モデルのように、エクステリアがオフロード的なモデルはインテリアもそうである場合が多いが、DN-75はインテリアはラグジュアリーな仕上がりになっている。その意味でも、DN-75は新しいカテゴリーのモデルとも言える。
まとめ
DN-75は、従来のキャブコンの枠を超えた「オーバーランダー×ラグジュアリー」という新しい方向性を提示したモデルだ。ハードなエクステリアと高級感のあるソフトなインテリア、そして大勢で過ごせる快適な車内を実現している。
オフロード嗜好のモデルとして完成度の高い1台だが、あえて懸案点を探すと、右サイドに窓が無いことが挙げられる。シングルベッドを下せば窓があるが、ダイネット状態では右側の様子が全く分からない。
折角のリアエントランスレイアウトなので、右側にも大きな窓が欲しいと思うユーザーもいると思われるが、この跳ね上げ式ベッドはオプションにして、右側の窓がある仕様も選択で切ればさらに良かったかもしれない。
しかしDN-75は一般的なファミリー向けキャブコンとは異なり、精悍な外観とラグジュアリーな室内を求めるユーザーには見逃せない1台といえるだろう。
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