ヨセミテはファンルーチェが製作する、トヨタカムロードをベース車にしたキャブコンキャンピングカー。
ファンルーチェは会社名ではなく、株式会社キャンピングカーランドのキャンピングカー事業部名。同社は愛知県日進市に本拠を置き、ハイエースベースやカムロードベースのキャブコンを専門にラインアップしている。
現行のヨセミテは2021年2月にプロトタイプが発表され、その後発売されたモデル。同社のカムロードベースのキャブコンは、全長が5mを切るイグアスがあるが、5m超のモデルが無かったため、ここを埋めるべくラインアップに追加された。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
カムロードをベース車にする、全長5m超のキャブコンキャンピングカー。FRPパネルのシェルを架装し、張り出しが無くスマートなバンク形状が特徴。
レイアウトは前部に対座ダイネット、後部に横置きハイマウントダブルベッドを配置。サニタリールームも設置されており、温水シャワーが標準装備されているのが特徴。
家庭用エアコン、FFヒーターと300Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備し、オールシーズンで快適なクルマ旅が楽しめる。
アピールポイント
・5m超の余裕のある室内
・張り出しが無くスマートなバンク形状
・後部の広いダブルベッド
・温水シャワーが標準装備のサニタリールーム
・家庭用セパレートエアコンを標準装備
・300Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備
・245Wソーラーシステムを含み、その他の電装系も標準装備
ベース車とエクステリア

ヨセミテのエクステリア
ベース車はトヨタカムロード。ディーゼル2WDと4WDが選択できる。ミッションは6AT、リアは全車ダブルタイヤだ。
これにFRPパネルベースのシェルを架装。シェル部のウインドウは全てアクリル2重窓となっている。エクステリアデザインでは、バンクの張り出しが無いスマートな形状のバンクが特徴となっている。サイドオーニングがオプションで取り付けられる。
インテリア

ヨセミテのインテリア
明るいトーンの木目の家具とグレーとベージュのツートーンのシート地の無見合わせ。特別に高級感は感じられないが、比較的シンプルなインテリアの部類に入る。

ヨセミテの照明
照明はスポットライトとルーフに一部間接光を採用しているが、やはりシンプルな照明だ。
レイアウト
前部に対座ダイネット、中央にギャレーとサニタリールーム、後部に横置きハイマウントダブルベッドの構成。5mを超える全長なので、ダブルベッドを採用してもサニタリールームが確保できている。
乗車人数は、フロントシートに2名と、3列目シートに前向きに2名で、計4名。2WDはフロントシートの中央の補助席にもう1名乗車できる。就寝は、後部のベッドに2名とバンクベッドに1名の計3名となっている。
ダイネット

ダイネット
後ろ向きの2列目シートに3名、3列目に2名で5名程度でテーブルを囲むことができる。テーブルは比較的大きく、4名分の食器が置けるだろう。ダイネットの横には大きなアクリル2重窓があり、パノラミックな風景が楽しめる。
アクリル2重窓は跳ね上げて開くことができ、網戸とシェードが格納されているので、スライドしてすぐにモードを変更できる。
ベッド

バンクベッド
バンクベッドは1,850x950mmの大きさ。950mmは家庭用のシングルベッドと同等で、従って1名のみ就寝できる。バンクの形状をスマートにした分、就寝人数が減った格好だが、子供なら2名就寝が可能だ。
走行中は収納スペースとして使用でき、ベッドの手前部を跳ね上げておくことにより、荷物の落下を防止することができる。

後部のダブルベッド
後部のダブルベッドは、1920x1350mmの大きさ。1350mmの幅は、家庭用ではレギュラーダブルベッドの幅(1400mm)に少し及ばないが、大人が2名ゆったり就寝できる。

リアベッドのウッドスプリング
後部のダブルベッドにはウッドスプリングが採用されており、快適な寝心地が期待できる。
ギャレー

ギャレーセクション
左サイド中央にあるギャレーキャビネットの天板には、シンクとフォーセットが設置されている。残念ながらコンロはカセットコンロを使用する度にセットする必要がある。
跳ね上げ式の調理台が用意されているので、調理面は広く取られている。上部にはレンジフード(換気扇)が標準装備されているので、調理で出た煙は車外に排出される。

ギャレーキャビネットの引き出し収納
ギャレーキャビネットには引き出し収納があり、食器や調理用具を収納しておくことができる。

ギャレー上部の収納
ギャレー上部にはオーバーヘッド収納が設置されている。中央にはレンジフードの排気管が通っているので多少狭くなっているが、食器や調理用具を収納しておける。
冷蔵庫/電子レンジ

70L横開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は70L横開き式が標準装備される。もちろん冷凍室もあるので、製氷や冷凍食品の保冷も可能だ。

電子レンジはオプション
家庭用の100V仕様の電子レンジがオプションで用意されている。1500W正弦波インバーターも標準装備なので、外部電源が無いところでも使用することができる。ギャレーキャビネットにすっきりと収納される。
サニタリールーム

温水シャワーが標準装備のサニタリールーム
右サイド中央に設置されるサニタリールームは防水処理がされ、温水シャワーと専用手洗いが標準装備される。10Lのトルマボイラー/ヒーターも標準装備なので、標準仕様で温水が使用できるのは特筆できる。
給水タンクは50L、排水タンクは60Lで、10Lの高温の湯と混合して適温にする。瞬間湯沸かしではないため、連続しての使用はできない。
トイレはカセットトイレやラップ式トイレが選択できるため、オプションとなっている。サニタリールーム内にオーバーヘッド収納が設置されているので、タオルなどを収納しておくのに便利だ。
収納

ダイネット両側にオーバーヘッド収納が設置される
江の島の収納はキャブコンだけあって充実している。まずダイネット両側にオーバーヘッド収納が設置されている。

ギャレー上の収納
後部のベッド下は大きな外部い収納になっている。扉は左サイドと後部の2箇所。右サイドはエアコンの室外機があるので塞がれている。後部の扉はもう少し大きい方が使いやすかったかもしれない。

水洗いできる外部収納
車体後部両側に、水洗いできる外部収納が用意されている。汚れ物や濡れたものを収納しておくのに便利だ。
空調

家庭用セパレートクーラーを標準装備
冷房は家庭用セパレートクーラーを標準装備。室内機はベッドルームの後部に設置されている。前に向かって冷気が吹き出すので、効率よく車内を冷やすことができる。室外機は右サイド後部に設置される。
暖房は、トルマボイラーがFFヒーターを兼ねており、標準装備されている。
テレビ/ナビ

19型のテレビ(OP)
19型のテレビがオプションで用意されており、エントランス横のキャビネット上部に設置できる。また、ベッドルームにも19型のテレビを設置することができる。ナビは特にオプション設置されていないが、好みのものを選択することができるだろう。
電装系

エントランス横のキャビネットの電装系
エントランス横のキャビネットに電装系の一部が収納されている。通常ここはシューズボックスなのだが、ヨセミテは多少違っているようだ。ここはやはりシューズボックスが欲しい。
電装系では、300Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備されるのが特筆される
。その他の電装系では、走行充電、外部100V電源入力とチャージャー、1500W正弦波インバーター、そして245Wソーラーシステムまでもが標準装備されている。即ち、電装系はフル装備だ。
価格(2025年1月現在:千円台切り上げ:税込)
2WDが1219万円~、4WDが1238万円~となっている。付けておきたい必需オプションは、電子レンジとトイレが挙げられる。(ナビ関連は除く)
他モデル
5m超のカムロードキャブコンで、同じレイアウトを持つモデルをピックアップすると、ナッツRVのクレア/スティング5.3X(1280万円~)、東和モータース販売のヴォーン エクスクルーシブ RWB(1183万円~)、バンテックのジル ノーブル(1312万円~)、アネックスのリバティ52SP(1328万円~)が挙げられる。(いずれもリチウムイオンバッテリー搭載車の価格)
クレアとボヴォーンは姉妹車で、インテリアカラーで選択することができる。スティングは、ヨセミテと同様に、スマートなバンクを持つ。ジルノーブルは最新の電装システムIRiSを搭載、リバティ52SPは近く大容量リチウムイオンバッテリー搭載車の52SPiが投入される。
価格的にはヴォーンを除き、全てヨセミテより高価だ。
まとめ
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