Warmth(ウォームス)はルート6が製作する、スズキエブリイ、あるいはダイハツアトレーをベース車にした軽バンコンキャンピングカー。
同社はキャンピングカーの中古車を扱っているが、同社オリジナルの軽バンコン、「ウォームス」と「ウォームスライト」の2モデルもラインアップしている。
どちらもリアルウッドを使用した家具を架装しており、木の温もりを感じられるキャンピングカーとしてアピールしている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
「ウォームス」はスズキエブリイ、あるいはダイハツアトレーをベース車にした軽バンコン。リアルウッドの家具を後部両側に架装することにより、木の温もりを感じる軽キャンパーとしている。
ギャレーは無く軽8ナンバーではないが、後部両側に収納キャビネットを配置する。一方「ウォームスライト」は左サイドのみ家具を持ち、ギャレーを装備する。
アピールポイント
・スズキエブリイかダイハツアトレーを選択可能
・両側に収納キャビネットを装備
・リアルウッドを使用し、木の温もりのインテリア
・サブバッテリーを標準装備
・リチウムイオンバッテリー(OP)を搭載可能
・FFヒーターを装備可能
・電子レンジを標準装備
・「ジムリイ」カスタマイズ(OP)を用意
ベース車とエクステリア
ウォームス(ジムリイカスタマイズ)のエクステリア
ベース車はスズキ エブリイの他、最近モデルチェンジし人気のダイハツ アトレーも選択できる。
展示車はエブリイに「ジムリイ」オプションを架装しており、ビデオのようにエブリイとは全く異なったワイルドな外観になっている。それ以外には特にボディ外側への架装は無く、ジムリイルックでなければ通常のエブリイと同じで、目立つことは無い。
インテリア
木の温もりを感じるインテリア
木の温もりを感じるインテリアと謳っている通り、収納家具や天井周りの棚は全てリアルウッドが使用されている。照明ライトも飾り木で取り付けられており、高級感も醸し出している。
展示車のベッドマットはベージュ系を採用
ベッドマットは写真のようなベージュ系の色合いだったが、色や生地が選択できるかは不明。
レイアウト
軽バンコンでは一般的な、フラットベッド+後部両側の収納家具の組み合わせ。定番通り、両家具間に大きなテーブルを渡している。ベース車の2列目シートは折り畳まれてその上にベッドボードがあるため、ベッドボードを外して2列目シートを起こすと、4名が前向き乗車できる。
外したベッドボードは後部の荷室に収納できる
この時、外したベッドボードは後部の荷室に収納できる。この作業はベッドボードを移動するだけなので比較的簡単にでき、日常使用と車中泊使用を即座に変更することができる。
ダイネット
後部には大きなテーブルが用意されている
ダイネットはベッドと共用で、ちゃぶ台スタイルで寛ぐことができる。眠くなったらすぐに横になれるのもメリットではある。後部には大きなテーブルが用意されているので、食事や仕事などに便利に使える。
テーブルは取り外して車外で使うことができる
なお、このテーブルには折り畳み式の1本足が付いており、取り外して車外で使うことができる。
ベッド
ほぼセミダブル幅のベッド
ベッドサイズは1800x1170mm。1170mmは家庭用ベッドではセミダブルの幅(1200mm)に少し届かない程度で、大人2名が就寝できる。
ギャレー
ウォームスにギャレーは用意されていない。電子レンジが標準装備されており、車内でちょっとした調理をすることができるので、ミニギャレーがオプションで用意されていても良かったかもしれない。
冷蔵庫/電子レンジ
冷蔵庫はオプションリストにないが、ポータブル冷蔵庫を持ち込むことはもちろん可能だ。 100Vコンセントが用意されているので、電源も確保できる。ただし設置スペースは用意されていないので、就寝時は助手席に移したりする必要がある。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備され、収納スペースも用意されている。冷蔵庫やシンクが設定されていないこのモデルのコンセプトから考えると、電子レンジを必要とするユーザーはあまり多くないと思われ、電子レンジレスの選択も可能になっている。
収納
後部左側上部の扉付き収納
後部左側のキャビネットの上部には扉付きの収納が用意されている。
後部右側のキャビネット
また後部右側のキャビネットは棚式の収納になっている。一応落下防止バーが付いてはいるが、乗せておけるものは限られる。扉付き収納や冷蔵庫の設置スペース、あるいはミニギャレーなどの選択肢があれば良かったかもしれない。
後部右側キャビネットの下側の収納
後部右側キャビネットの下側も収納になっている。
後部左側ベッドボード下の収納
更に、後部左側ベッドボード下も収納になっており、ここにはテーブルを収納することができる。高さがあまり無いので収納できるものは限られるが、車外からもアクセスできる。
空調
暖房はFFヒーターがオプションで装備できるが、冷房装置は用意されていない。
テレビ/ナビ
大きさは不明だが、テレビセット(モニター+地デジチューナー)がオプション設定されている。
電装系
リチウムイオンバッテリーがオプション設定されている
標準では80Ahのディープサイクルバッテリーと走行充電が標準装備される。また外部100V電源入力も標準装備だが、これによるサブバッテリーの充電機能はオプション。また、インバーターもオプションとなっている。
なおオプションリストでは、1500Wインバーターは「電気安心パッケージ 」というパッケージにリチウムイオンバッテリー、外部電源による充電器、100Wソーラーシステムとともにオプションとして設定されている。
ところで、このクラスの軽キャンパーには、ポータブル電源を標準装備する方が適しているかもしれない。ポータブル電源はもちろんリチウムイオンバッテリーだしインバーターも内蔵されている。更に車外でも使用できるし、家庭に持ち込んで充電もできる。
これをキャンピングカーのシステム電源としてプラグインできるようにしておけば、接続するだけで照明や100Vコンセントが使えるようになる。価格も固定バッテリーよりはるかに安価だ。
価格(2022年12月現在:千円台切り上げ:税込)
エブリイ2WD/4AT JOINで260万円~、4WD/4ATで273万円~となっている。またアトレーべースでは、2WD/CVTターボXグレードで278万円~、4WD
CVTターボRSグレードで304万円~となっている。
付けておきたい必需機能は、車中泊をするならFFヒーター(242,000円:エブリイ用)が挙げられる。また、外部電源によるサブバッテリーの充電機能(チャージャー:38,500円)も付けておきたい。
外部電源が無いところでも車内で100V家電を使用したいなら、インバーターが必要となる。インバーター単体でのオプション設定がオプションリストにないが、これは可能だろう。また、電子レンジを多用するなら100Ahリチウムイオンバッテリーがあれば理想的だが、そうでなければリチウムイオンバッテリーの必要性はあまり高くない。
詳しくは同社のウェブサイトの価格表をご覧ください。
他モデル
ギャレーを持たない軽バンコンは非常に多くあるが、多くは200万円台なので、ウォームスは平均的な価格帯にあると言える。参考までに数モデル挙げておくと、岡モータースのミニチュアクルーズSV(342万円~)、タイムトラベルカンパニーのカブキ(280万円~)、東和モータース販売のクライン108 アーレ(287万円~)、ユーズネットのちょいCam豊(車両含まず材料費566,500円+標準取付工賃 41,800円)がある。
リアルウッドを使用したモデルなら、ホンダN-VANベースのダイレクトカーズのリトリートミニ(252万円~)や、ダイハツハイゼットトラックパネルバンを使用した三島ダイハツのクオッカ(272万円~:2WD/CVT)などもある。
まとめ
ウォームスはギャレーを持たないが電子レンジは標準装備で、あるいはまたジムリイルックで展示してみたりと、どのようなユーザーを対象にしているのかちょっと分かり難いところもあるが、リアルウッドのインテリアが気に入れば悪い選択肢ではない。
ライバルが多いので違いを出しにくい面はあるが、エブリイやアトレーベースでリアルウッドのインテリアを持つモデルは他にない。特にモデルチェンジしたアトレーベースでは注目度の高いモデルになるだろう。
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