チップトップは、カトーモーターが製作する、ハイエースワイドロングミドルルーフにハイルーフを架装したバンコンキャンピングカー。パブロはチップトップをベースに、同社の70周年を記念してピカソの絵画をモチーフにして製作された記念モデル。
同社は、新潟県燕市に本拠を置くビルダーで、主にハイエースをベース車にしたバンコンの製作を専門とする専門ビルダー。場所柄「雪国断熱」と言われる断熱施工には定評がある。
また、木の温かさを取り入れたインテリアは同社のシンボルマークともなっており、一目で同社のモデルと分かる。最近のニューモデルでは、伝統的なコンセプトを保ちながらも、現代のモダンリビングのように洗練されたインテリアにバージョンアップしている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
チップトップは、ハイエースワイドロングミドルルーフをベース車に、FRPハイルーフを架装したバンコンキャンピングカー。右サイドにはエクステンションウインドウも架装している。
パブロは、このチップトップをベースに、同社の70周年を記念して、ピカソの絵画のモチーフを社内外にあしらったモデル。
2名対座ダイネットと縦置き2段ベッドは、二人旅に最適だが、2列目の単座シートは前向きにすることにより、もう1名が前向き乗車できる。ベッドも下段ベッドを展開することにより、計3名が就寝できるため、3名でのクルマ旅にも対応できる。
横開き式冷蔵庫、電子レンジ、家庭用エアコン(OP)、リチウムイオンバッテリー(OP)を設置でき、長期のクルマ旅にも適している。
アピールポイント
・5x2mの一般的な駐車枠に収まる最大のベース車
・高い天井高で、長時間を車内で過ごしても圧迫感が少ない
・3名が前向き乗車、就寝できるレイアウト
・トイレルームにもなる多目的ルーム
・横開き式冷蔵庫と電子レンジを標準装備
・家庭用エアコンとリチウムイオンバッテリーをオプションで設置可能
ベース車とエクステリア
パブロのエクステリア
ベース車はトヨタハイエースワイドロングミドルルーフワゴンGL。GLグレードなので、同色バンパーやメッキグリル、スライドドアイージークローザー、フォグランプ、センターコンソールなど、ハイグレードの装備が標準となっている。TSS(トヨタセーフティ-センス)も標準だ。
このベース車にFRP製のハイルーフを架装している。ハイルーフはボディと一体化した美しいデザインで、純正のモデルのように見える。ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャインがオプションとなっている。ガソリン2WDと4WDが選択できる。
パブロのエクステリアには、上の写真のようなピカソのイメージデカールが標準で追加される。
インテリア
パブロのインテリア
カトーモーターの伝統である木の温かさを取り入れたインテリアだが、従来の重厚で気品があるが重い感じから、軽快で明るくモダンリビングのように洗練された感じに進化している。ルーフの曲面も美しく処理されており、高級感も感じられる。
照明はLEDスポットライトと間接光で構成され、柔らかく華やかさもあり、夜の車内をムーディーに演出する。
レイアウト
チップトップのレイアウト
レイアウトは前部にギャレーと2名対座ダイネット、後部に縦置き2段ベッドと多目的ルームを配置。二人旅に最適な他、2列目に単座のマルチモードシートを採用することにより、もう1名が前向き乗車できる。
後部の縦置き2段ベッドは下段ベッドをスライドして拡張することにより、計3名が就寝できる。即ち、通常は2名で使用するが、たまにもう1名増えた場合でも3名が前向き乗車でき、無理なく就寝できる。
ダイネット
ダイネット
他モデルでは、2列目の単座シートを後ろ向きにして、3列目の固定シートとで2名の対座ダイネットを形成する方法が多いが、チップトップでは、3列目の単座シートと、ベンチシートとで2名が対座できるように想定されている。
テーブルも上の写真のように大きいものではなく、食事をするというよりはコーヒータイム用のテーブルといった感じだ。2段ベッドを展開したベンチシートは数名が座れるが、上段ベッドを背もたれにすると、座面の奥行きは300mm程度で少し浅いように感じる。
ベッド
ベッド
縦置き2段ベッドは、上段が1800x590mm、下段はスライドして展開すると、1800x1080mmの大きさになる。家庭用シングルベッドの幅(1000mm)より少し広く、大人2名が就寝できる。
上段ベッドの幅は広くは無いが、小柄な大人なら問題なく就寝できるだろう。転落防止用のガードが無いのは少し心配ではある。上下段とも身長方向は1800mmなので、長身のユーザーは、横になって確認することをお勧めする。
ギャレー
ギャレーセクション
ギャレーは前部右側に配置されており、手前はエントランスなので立ち位置は広いスペースが確保されている。天板にはシンクとフォーセットがあり、シンクに蓋をするとフラットなカウンターとして使用できる。
コンロは常設されていないが、標準装備のカセットコンロを置くスペースはあるので、火を使う料理もできる。
シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各20Lの給排水タンクが収納されている。車外から直接タンクを出し入れするのは難しいが、エントランスに近いので、出し入れはそれほど苦労しないだろう。
タンクの手前には多少の収納スペースがあるので、ペットボトルなどを収納しておくのに便利だ。
冷蔵庫/電子レンジ
40L横開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は49L横開き式が標準装備される。冷凍室もあるので、製氷や冷凍食品の保冷と、飲み物や食品の保冷が同時にできる。エントランスの向かいにあるので、スーパーで買った食品を冷蔵庫に入れる場合などは楽にできる。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。インバーターはオプションなので、外部電源が無いところで電子レンジを使いたい場合は、オプションの1500W正弦波インバーターを設置する必要がある。
多目的ルーム
ラップ式トイレも設置できる多目的ルーム
最後部の多目的ルームはドアで仕切られており、完全な個室として使える。上の写真のように、ラップ式トイレを設置することもできる。このクラスでトイレルームを持つモデルは少なく、貴重な存在だ。
収納
縦置き2段ベッドのレイアウトはスペース効率が良い点が長所だが、収納スペースが設置し難い点が短所だ。チップトップもオーバーヘッド収納は無く、収納はシート下くらいしかない。
ただ、オーバーヘッド収納が設置できるスペースが全くないわけではないので、例えば左サイドの上部などに設置して欲しいところだ。
空調
後部に設置された家庭用エアコン(OP)
家庭用薄型エアコンがオプションで用意されており、選択すると最後部に室内機が設置される。
なお、家庭用エアコンを選択した場合は、やはりオプションのリチウムイオンバッテリーと1500W正弦波インバーターも選択する必要がある。標準装備のAGMバッテリーを追加する方法もあるが、実用的にエアコンを使うならリチウムイオンバッテリーをお勧めする。
暖房はFFヒーターがオプションで用意されている。また、マックスファンベンチレーターもオプションとなっている。
テレビ/ナビ
テレビモニターはフリップダウンモニターがオプションで用意されている。ナビはオプションでパナソニック製のものが用意されているが、好みのものを取り付けることは可能だろう。
電装系
サブバッテリーは、100AhのAGMバッテリーが1個標準装備される。オプションでもう1個追加することも可能だ。リチウムイオンバッテリーは200、300、400Ahがオプションで選択できる。
その他の電装系では、走行充電、外部電源入力と充電機能(チャージャー)が標準装備、1500W正弦波インバーターはオプションとなっている。また、180Wソーラーシステムもオプションで搭載可能だ。
価格(2025年8月現在:千円台切り上げ:税込)
チップトップは、ガソリンのみ選択可能で、2WDは799万円~、4WDは827万円~となっている。パブロは2WDのみで978万円~となっている。即ちチップトップから179万円高い。
付けておきたい必需オプションは、1500W正弦波インバーター(176,000円)、FFヒーター(275,000円)、マックスファンベンチレーター(93,500円)が挙げられる。(ナビ関連は除く)
また、高額だが、家庭等エアコン(638,000円)と最低限の200Ahリチウムイオンバッテリー(440,000円)は付けておきたい。180Wソーラーシステム(203,500円)は、クルマ旅での充電回数を減らすことができ、家庭で外部充電ができない場合などにもお勧めだ。
他モデル
ハイエースワイドロングをベース車に、ハイルーフを架装したモデルは、キャンパーアシストのホロウ(669万円~)、キャンピングカー広島のプレシャスベータハイルーフLiプレミアム(835万円~)がある。どちらもチップトップとレイアウトは異なり、どちらも多目的ルームは持たない。
同じくハイエースワイドロングをベース車にしているがハイルーフを架装していない(ミドルルーフ)モデルで、レイアウトが似たものには、OMCの北斗対座モデル(692万円~)がある。
その他の選択肢として、ベース車が異なるが、ハイルーフで似たレイアウトをもつモデルは、OMCのキャラバン銀河(674万円~)もある。
まとめ
チップトップは5x2mの駐車枠に駐車できる最大のボディサイズで、かつハイルーフを架装することにより高い天井高を実現している。そして、横開き式冷蔵庫、電子レンジ、家庭用エアコン、リチウムイオンバッテリー、多目的ルームなど、クルマ旅に必要な要素を全て備えている。
主に2名で使用していても、もう1名が同行するとなった時は、3名分の前向き乗車と就寝スペースが確保されている。従って、チップトップは、2~3名でのクルマ旅に最適な1台と言える。
短所も挙げておくと、収納スペースが少ないことが挙げられる。シート下に収納が多少あるが、シートを持ち上げなければならず、使い勝手は良くない。オーバーヘッド収納の設置が望まれる。
また、上段ベッドは600mmを切っており、窮屈感を感じるかもしれない。ベンチシートの座面の奥行きが狭いのも気になる点だ。このあたりは、実際にベッドに横になったり、ダイネットに座ってみて確認すると良いだろう。
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