Darwin D5(ダーウィンD5)はデルタリンクが製作する、フィアットデュカトをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
同社はアドリアモービルやサンリビングと言った輸入モデルを販売する他、同社のオリジナルモデルをD.V.Dブランドで製作・販売している。D.V.Dブランドでは、現在ハイエーススーパーロングベースのダーウィンQ3、ダーウィンQ5、デュカトベースのBREATH 54SLと、このダーウィンD5がラインアップされている。
BREATH 54SLはダーウィンQ3のレイアウトをデュカトに展開したもので、ダーウィンD5はダーウィンQ5のレイアウトをデュカトに展開したモデルの位置付けとなっている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
日本に正規輸入されているフィアットデュカトをベース車にしたモデルで、右ハンドル、左エントランスとなっており、日本の道路インフラに対応している。ベース車は最もコンパクトなL2H2サイズのボディを採用しているが、それでもハイエーススーパーロングより大きい。
レイアウトは、前部にダイネット、中央にギャレーと多目的ルーム、後部に横置きダブルベッドの構成で二人旅に適したレイアウトと言える。空調は家庭用エアコンとFFヒーター、5000WhのEcoFlowパワーシステムを標準装備する。
アピールポイント
・ハイエース スーパーロングより一回り大きくゆとりある室内
・回転するフロントシートで対座ダイネットを構築
・IHクッキングヒーターを常設したギャレー
・70L両開き式冷蔵庫と電子レンジを標準装備
・Ukidder コンフォート スマート 無水トイレを標準装備
・5000Wh EcoFlowパワーシステムを標準装備
ベース車とエクステリア

ダーウィンD5のエクステリア
ベース車は日本に正規輸入されているフィアット デュカトL2H2。デュカトの中では最もコンパクトなサイズながら、ハイエーススーパーロングより一回り大きい。室内高は1932mm。ハイエースの室内高はスーパーハイルーフでも1850mmなので余裕の高さだ。
全長は5,410mm、全幅は2,050mm。ハイエーススーパーロングが、全長5,380mm、 全幅1,880mmなので、これらも上回っている。国内では多少運転し難いかもしれないが、その室内の大きさは魅力だ。
ボディカラーは6色あるがホワイト以外は有償となる。また、デカールはシルバーとネイビーブルーは標準で選択できるが、その他のカラーはオプションとなっている。
窓はフロントを除き、全てアクリル2重窓で、スライドドア、右側のダイネット横、後部の観音開きドアに開けられている。
デュカトは4WDは無く、FFのみとなっている。
インテリア

ダーウィンD5のインテリア
シートやルーフに黒を使ったシックな印象だが、オーバーヘッド収納やトイレルームの扉に鮮やかな木目を使用し、高級感を出している。ダイネット後部の壁には多孔質セラミック素材「エコカラット」を採用。湿度に応じて空気中の水分を吸収・放出し、常に快適な湿度を確保する。
レイアウト

後部のレイアウト
前部に対座ダイネット、中央にギャレーと多目的ルーム、後部に横置きダブルベッドの構成。似たレイアウトを持つナッツRVのフォルトナ Type Mや、トイファクトリーのダヴィンチ5.4では、後部のベッドは2段ベッドになっているが、ダーウィンD5では上段ベッドを備えていない。
このあたりはターゲットユーザーの違いかもしれないが、2段ベッドでファミリーユーザー「も」取り込もうとしている両モデルに対し、ダーウィンD5は明確に二人旅ユーザーをターゲットにしている。
ダイネット

4名対座のダイネット
デュカトのお約束通り、運転席と助手席が回転して後ろ向きになり、2列目シートとで4名対座のダイネットになる。シートの回転は、周りのスペースが広いため着座したままでも簡単にできる。
ダイネット時にキャブ部のスペースが無駄にならないので大変効率的なアイデアなのだが、国産車でこの機能が普及しない理由は、狭くて回転しずらいことが大きいのかもしれない。
テーブルは縦に折り畳めるようになっており、2列目のシートへの出入りがしやすくなっている。
ベッド

後部のダブルベッド
後部には横置きダブルベッドが備えられている。ベッドサイズは、 1920x1300mm。ただし足元は幅が1140mmと狭くなっている。1300mmの幅は、家庭用ではセミダブルベッドの幅(1200mm)以上なので、2名が就寝するには十分な広さがある。
ベッドにはウッドスプリングが採用されており、快適な寝心地が期待できる。

ベッドルームのオーバーヘッド収納
ベッドルームの左右両側にはオーバーヘッド収納が設置されており、大容量の収納になっている。更に、最後部には家庭用エアコンの室内機を設置。オーバーヘッド収納と同じ木目の扉なので分かりにくいが、うまく隠されている。
ギャレー

ギャレーセクション
ギャレーは比較的広い天板に、シンクとフォーセット、それに常設のIHクッキングヒーターが標準装備されている。調理スペースは限られているが、常設のコンロがあるので大変便利だ。

2本の19L給水タンク
2本の19L給水タンクが、ベッド下の左側キャビネット最後部に収納されている。リアゲートを開けると、車外から直接出し入れできるので大変便利だ。50Lの排水タンクは床下に固定されており、レバーで排水することができる。
冷蔵庫/電子レンジ

70L両開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は70L両開き式が標準装備される。両開きなので、車内からも車外からもアクセスしやすい。

電子レンジとその下の引き出し収納
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。電子レンジの下には引き出し収納が用意されている。
多目的ルーム

多目的ルーム
上の写真には無いが、Ukidder(ユーキッダー)の無水トイレが標準装備され、トイレルームとして使用できる。FFヒーターの吹き出し口も用意されているので、寒い思いをすることはない。
トイレルーム内上部には観音開きの収納も用意されており、タオルやトイレットペーパーなどを収納しておくことができる。
収納
収納は先のベッドルームのオーバーヘッド収納やギャレーまわりの収納の他にも、様々なところに用意されている。

ダイネット上部のオーバーヘッド収納
まず、ダイネット上部のオーバーヘッド収納。ベッドルームのオーバーヘッド収納と同じデザインで統一されている。

フロントシート上の棚収納
フロントシートの上部には、大きな棚収納が用意されている。毛布などの寝具を収納しておくのに便利かもしれない。

ダイネットの段差を利用した収納
ダイネットの床はフロントシートとセカンドシートの高さを合わせるため高くなっているが、その段差を利用した収納が用意されている。シューズボックスとしても利用できる。

ベッド下左側の収納
後部ベッド下は大きな収納スペースになっているが、両側にキャビネットが設置されている。左側のキャビネットには、上下に大きな収納が用意されている。右側のキャビネットには車外からアクセスしやすい収納が用意されている。
空調

ベッドルームの家庭用エアコン
家庭用セパレートエアコンが標準装備される。室内機はベッドルームの最後部に設置され、室外機は後部床下に吊り下げて設置される。FFヒーターも標準装備。マックスファンベンチレーターはオプションとなっている。
テレビ/ナビ

21型テレビモニター(OP)
21型のテレビモニターがオプションで用意されている。またナビもデュカトのオプションで用意されている。好みのナビを取り付けることも可能だろう。
電装系

EcoFlowパワーシステム
5000WhのEcoFlowパワーシステムを標準搭載。オプションで更に5000Whを増設可能だ。走行充電、外部100V電源入力と充電機能、ワット数は不明だが正弦波インバーターが標準装備される。
ソーラーシステムは300Wと600Wがオプションで設置可能。
価格(2025年6月現在:千円台切り上げ:税込)
車輛本体価格は1527万円~。
標準装備が充実しているので付けておきたい必需オプションはほとんど無いが、調理をするユーザーはマックスファンは付けておきたい。また、ソーラーシステムは装備しておくと自然に充電されるので便利だ。(ナビ関連は除く)
他モデル
正規輸入のL2H2サイズのデュカトをベース車にした、ダーウィンD5に近いレイアウトを持つモデルは、ナッツRVのフォルトナ type M(1030万円~)、姉妹車の東和モータース販売のスペランッア 540M(1027万円~)、トイファクトリーのダヴィンチ5.4(1507万円~)がある。
フォルトナとスペランッア540Mは、オプションで後部ベッドに電動で昇降する上段ベッドが追加できる。これにより4名が就寝でき、ファミリーでの車中泊が可能になる。
ダヴィンチ5.4は、最初から2段ベッドになっており、各段に1名が就寝できるので就寝定員は2名だが、ポップアップルーフがオプションで架装でき、ここに2名が就寝できるため、こちらも計4名が就寝できる。
まとめ
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