コンパスDOLQはホワイトハウスが製作する、ハイエーススーパーロングをベース車に使用したバンコンキャンピングカー。

同社はハイエースベースのバンコンやミニバンベースのキャンピングカーを多数ラインアップしているが、「コンパス」は同社のハイエースラインアップの総称。コンパスドルクは、唯一コンパスシリーズではないエスコートとともに、スーパーロングをベース車にした、同社のフラグシップモデルとなっている。

コンパスドルクには、黒色家具を採用したドルク、白色家具を採用したドルクダークライン、ウインドウクーラーを標準装備したドルクP-COOLが選択できる。


（記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。）


概要

ハイエーススーパーロングをベース車にした、バンコンキャンピングカー。ボディ右サイドに前方までカバーするエクステンションウインドウを標準で架装する。

2列目に3人掛け、3列目に2人掛けのマルチモードシートを配置し、前方に対座ダイネット、後部にハイマウントダブルベッド、ダイネットサイドにギャレーのレイアウトを採用している。

二人使用でもファミリー使用にも対応し、クーラー標準装備のP-COOL仕様もあるので、年間を通してクルマ旅にも使用できる。


アピールポイント

・エクステンションウインドウにより拡張された室内
・常設ハイマウントダブルベッド
・P-COOL仕様にはウインドウクーラーを標準装備
・リチウムイオンバッテリーを選択可能（OP）
・豊富な収納


ベース車とエクステリア

　コンパスドルクのエクステリア

ベース車はハイエーススーパーロングキャンパーのキャンパー特装車がベース車。この右サイドに、前部まで伸びるエクステンションウインドウを標準装備する。エクステンションウインドウの窓はダイネット部にガラス二重窓を装備。これはスライドして開閉できるため、走行時でも窓を開けることができる。

なお、オプションでアクリル2重窓に変更することができる（41,800円）。また、オプションでベッド部にアクリル2重窓を追加することもできる（50,600円）。

安全面ではTSS（トヨタセーフティセンス）を標準装備する。また、助手席エアバッグも標準装備される。


インテリア

　高級感のあるインテリア

展示車は標準仕様で、黒のシートと黒の家具の組み合わせ。シックで落ち着いた室内になっている。家具の仕上げは高級感がある。また、照明はルーフのメイン照明と、サイドの間接照明でムードのある室内を演出している。

　ダークラインのインテリア

インテリアバリエーションとして、ダークラインも選択できる。こちらは黒のシートと白の家具の組み合わせで明るいインテリアとなっている。価格は標準仕様に比べて11万円高になる。

なお、ダークラインでは、ダイネット部にアクリル二重窓、後部のベッド部にもアクリル二重窓が装備される。


レイアウト

2列目に1200mmの3人掛けマルチモードシート、3列目に900mmの2人掛けシートを配置。（P-COOL仕様の2列目シートは900mm2人掛け）後部は横置き常設ハイマウントベッドを配置する。ギャレーは右側のダイネットサイドに設置される。

このレイアウトの特徴は2列目に1200mmの広いシートを配置し、3名がゆったり乗車できるようにした点。またギャレーがダイネットのすぐ隣にあるので、冷蔵庫からすぐに飲み物を取り出すことができる。

乗車定員は運転席、助手席を含め計7名、就寝人数はハイマウント常設ベッドに2名とダイネットを展開したベッドで2名の計4名。7名全員が前向き乗車できるので、ファミリーでの長距離移動にも対応できる。


ダイネット

　5名がテーブルを囲めるダイネット

2列目のシートを後向きにして3列目シートと対座ダイネットを形成する。5名が無理なくテーブルを囲むことができる。テーブルはそれほど大きくないので、ファミリーで食事をするのは多少小さいかもしれない。

しかしダイネットで調理をして食事するというスタイルではないので、用途を間違えなければ、このサイズでも特に問題はないだろう。


ベッド

　車幅方向に就寝する後部ベッド

後部の常設ベッドは身長方向（車幅方向）が1870mm、幅（車長方向）が1220mmの大きさ。このレイアウトのベッドは車幅方向に就寝するため、車長方向の長さを短くすることができる。その分、ダイネットが広く取れるメリットがる。

しかし、ハイエースのワイドボディとは言え、車幅方向に1800mm以上確保するためにはエクステンションウインドウが必要になる。それでも長身のユーザーには窮屈感があるかもしれない。このレイアウトを選択する場合は、実際に横になってみることが重要だ。

なお、幅1220mmは、家庭用ではセミダブルベッドの幅に相当する。大人2名が無理なく就寝することができる、最低限のベッド幅が確保されている。

　2名が就寝できるダイネットベッド

もう一つのベッドは、2列目と3列目のシートをフラットにしてベッドメークする。ベッドサイズは表記されていないが、2列目のシート幅が1200mmなので、これも家庭用のセミダブルベッドの幅に相当する。

ただし、後部（足元）の3列目シートの幅は900mmなので、足元が窮屈な場合がある。これも実際に横になって確認することをお勧めする。なお、身長方向は最後部のベッドマットを加えると3000mm以上はあるので、長身のユーザーも足を伸ばして就寝できる。


ギャレー

　ダイネットサイドのギャレーセクション

ギャレーはダイネットの横にぴったり配置されている。即ち、立って本格的な調理するスタイルではなく、積極的に調理をしたいユーザー向きではない。

　シンクの下の給排水タンク

シンクの下には各10Lの給排水タンクが収納されている。エントランスには近いが、テーブルの下なのと、シートがあるため、出し入れがしやすいとは言えない。10Lなので比較的タンクが軽いのが救いではある。


冷蔵庫/電子レンジ

　40L上開き式冷蔵庫が標準装備される

冷蔵庫は40L上開き式が標準装備されている。冷蔵と冷凍は同時にできないが、上開き式なので取り出しやすく、冷気が逃げることがないため、効率的には優れている。

　電子レンジも標準装備される

家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備され、上の写真のようにすっきりと収納できる。


多目的ルーム

コンパスドルクには多目的ルームは設置されていない。その分広いベッドとダイネットが実現している。決められたスペースの中で何を優先するかはユーザーの用途によるが、夫婦の二人旅などで使用する場合は、奥様のためにトイレルームがあるレイアウトを選択する方が良いかもしれない。


収納

　ダイネット両側にオーバーヘッド収納が設置される

左右両側にオーバーヘッド収納が用意されており、左サイドはベッドの上、右サイドはダイネットからベッド上までオーバーヘッド収納が設置されている。これだけあれば食料品や食器の収納には困らないだろう。

　下段ベッドレベルの収納

また後部左右のキャビネットにも収納が多数用意されており、大きな収納力を持っている。下段ベッドレベルと最下段レベルにそれぞれ収納がある。

　ベッド下の大きなカーゴスペース

更に後部ベッド下は大きな収納スペースになっている。ハイマウントベッドを持つレイアウトの特徴は、ベッド下に大きな収納スペースを取れることで、車外からキャンプ用具などかさばるものを収納できる。


空調

　P-COOLにはクーラーを標準装備

暖房はFFヒーターが標準装備される。冷房は、コンパスドルクP-COOL仕様に、家庭用のウインドウクーラーが標準装備される。外部100V電源ではもちろん、100Ahディープサイクルサブバッテリー3個で駆動することもできる。更に210Ahのリチウムイオンバッテリーもオプションで用意されている。

なお、ベンチレーターはマックスファンが標準装備される。


テレビ/ナビ

テレビのオプションは設定されていないが、市販のものを取り付けることができるだろう。また、ナビはアルパイン製のものがオプション設定されているが、好みのものを取り付けることは可能と思われる。


電装系

標準では100Ahのディープサイクルサブバッテリーが2個とCTEK昇圧システム付きの走行充電が標準装備される。また、外部100V電源入力と、これによるサブバッテリーの充電機能（チャージャー）、そして1500Wインバーターが標準装備される。

さらに、ワット数は不明だがソーラーシステムもオプションで用意されている。また、サブバッテリーの追加も可能。リチウムイオンバッテリー（210W）も選択でき、電装系は充実している。

なお、ウインドウクーラーが標準装備されるP-COOL仕様には100Ahのディープサイクルサブバッテリーが3個とCTEK昇圧システムが標準装備される。ただし、P-COOL仕様には、できればリチウムイオンバッテリーの搭載をお勧めする。


価格（2021年4月現在：千円台切り上げ：税込）

ガソリン2WD/6ATの価格は、660万円～、4WDは693万円～、ディーゼル2WD/6ATは707万円～、4WDは740万円～となっている。ダークラインはそれぞれ11万円高。P-COOLは308,000円高となっている。

付けておきたい必需オプションは、特にない。FFヒーターや電装系は全て標準装備されている。予算に余裕があれば、ソーラーシステムを付けておくと、充電の助けになる。

しかし、できればクーラー付きのP-COOL仕様とリチウムイオンバッテリーを選択したい。リチウムイオンバッテリーオプションは770,000円なのでガソリン2WD/6ATの総額814万円～となるが、クーラーがあれば夏場も快適に過ごせる。


他モデル

コンパスドルクと似たレイアウトを持つスーパーロングバンコンは、キャンパー鹿児島のレムセカンドアクト（価格不明）をはじめとしたレムシリーズ、トイファクトリーのベルゲン（662万円～）が挙げられる。

レムセカンドアクトとベルゲンはいずれも前向き6名乗車なので、7名乗車はコンパスドルクのアドバンテージだ。

レムセカンドアクトとベルゲンはいずれも家庭用セパレートエアコンをオプションで装備できる。この点は、ウインドウクーラーのコンパスドルクに比べて優位点となる。


まとめ

コンパスドルクは、1200mmの3人掛けマルチモードシートを採用したため、7名が前向き乗車でき、5名がダイネットでテーブルを囲める。ダイネットサイドにギャレーを置きながら、1200mmのシートを配置しているのが特徴と言える。

従って、二人旅でも使用できるが、どちらかというと多人数で使用すると、このレイアウトの価値が生きるだろう。逆に、二人旅で使用し、ギャレー前に立って調理をしたいというユーザーには向かない。

しかし、大勢のファミリーで、多くのキャンプ用具を積み込んでキャンプしたいといった場合には、7名乗車は重宝する。

なお、後部にハイマウントダブルベッドを持つレイアウトで7名乗車、ギャレーが左側に配置され、立って調理できるレイアウトは、トイファクトリーのバーデンをはじめ多数存在する。こちらのレイアウトも合わせて検討すると良いだろう。


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