ドルクP-Coolはホワイトハウスのバンコンキャンピングカー。
コンパスドルクはトヨタハイエーススーパーロングをベースにした同社の代表的モデルの一つ。
今回紹介するのは、このドルクにエアコンを組み込んだP-Coolバージョン。
ただし、家庭用セパレートエアコンではなく、ウインドウエアコン。
キャンピングカーにエアコンを組み込んだモデルの多くはセパレートエアコンを採用しているが、ドルクはあえてウインドウエアコンを選択している。
しかし、結果を見てみると、縦型ウインドウエアコンが従来あった小物収納スペースに実に自然に収まっており、その選択理由がよく分かる。
エクステリアも、エクステンションウインドウに連続したデザインで、うまく処理されている。
ウインドウエアコンもサブバッテリーで駆動することができ、P-Cool仕様には100Ahディープサイクルバッテリーが2個標準搭載される。
これで3~4時間の駆動が可能とのことだが、これはエアコンのみを駆動したときの話で、現実的には冷蔵庫やその他の電装品があるため、もっと短くなる。
このモデルに限らないが、エアコンの使用はバッテリーで駆動するなら就寝前の短い時間か、外部電源が確保できる状況での使用が現実的だろう。
あるいは、リチウムバッテリーを搭載すれば、バッテリーだけでの駆動もかなり現実的になる。
レイアウトは従来のドルクを踏襲しており、前部にダイネット、後部にハイマウントダブルベッドの構成。
ダイネットを展開すればフロアベッドになるので、後部ベッドと合わせて4名が就寝でき、ファミリーにも対応できる。
もちろん、二人で使用する場合はダイネット展開なしで就寝でき、就寝前のベッド展開は不要だ。
ただ、二人で使用するのがメインなら、対座ダイネットは前後の移動が大変なため、ソファタイプのダイネットが良いだろう。
ギャレーコンソールにはシンクと、40リッター上蓋式冷蔵庫がビルトインされる。
コンロは卓上型のカセットコンロを、必要に応じて置くタイプ。
コンロは冷蔵庫の上に置くことになるので、コンロ使用時は冷蔵庫は開けることができない。
積極的に調理をする想定ではないが、いずれにしても、ギャレーの前はダイネットなので、手の込んだ調理は難しい。
なお、電子レンジは標準装備されているので、簡単な温めものはでき、大変便利だ。
電子レンジを駆動するための1500Wのインバーターも標準装備される。
収納は、ベッド下が大きな収納スペースになっており、上下段に分けて、各所に収納が可能。
ベッド下の中央部も広い収納スペースとして使えるので、家族分の大きなバッグなども問題なく収納できるだろう。
また、ベッドボードを取り外すと、自転車等の大きなものも積載可能。
更に、オーバーヘッド収納がギャレー上部とベッドルーム両側上部に設置されており、食器やタオル、衣類などの収納も問題ない。
空調はエアコンの他、暖房用にFFヒーターが標準装備される。
FFヒーターの装着率は高いので、標準装備されているのはありがたい。
コンパスドルクは高級感のあるインテリアでファミリー使用もできることから、従来より人気の高い定番モデルだが、エアコンが装備されて完成の域に近づいたと言える。
やはりこのクラスの高級バンコンには、将来エアコンは必需品となるだろうが、エアコンをどのように設置するかが各ビルダーの腕の見せ所となる。
ドルクのこの縦型ソリューションは、一つのスマートな提案だろう。
オリジナルのドルクの価格は540万円(税別)、P-Cool仕様は568万円(同)なので、30万円弱でエアコンが体裁よく装備できることになる。
お得感が高いのではないだろうか。