ダイレクトカーズは2022年2月のジャパンキャンピングカーショーで以下の4モデルを新に発表した。
・江の島
・トリップ Log Base
・ウィニー
・リトリートスーパーロングⅡ
また、今後同社のモデルに採用される、新しい断熱素材を紹介している。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
江の島
「江の島」の外観
同社が神奈川県厚木市に直営店をオープンしたのを記念する、地元に因んだネーミングの第2段。昨年は、同社の本社がある三重県に因み、「伊勢志摩」を発表している。
同社のカムロードベースのキャブコンには「トリップ」シリーズがあるが、これらは5m超のボディサイズ。これに対し、「伊勢志摩」と「江の島」は5m未満のボディサイズとなる。
「江の島」の室内
「江の島」は、同社初のリアエントランスを採用。リアエントランスの定石通り、前部に広いダイネットを配置する。このダイネットは優雅なラウンジスタイルになっており、大勢でテーブルを囲むことができる。
更に新しい試みが、後部の電動昇降ベッド(ビデオで見る)。通常は上に収納されており、下は広い収納スペースになる。後部の大きなラゲッジドアから、サーフィンボードや自転車などの大きな積載物を積み込むことができる。
「江の島」は前向きシートがフロントの2名だけなので、長距離のクルマ旅では二人旅仕様だが、近場でなら大勢で遊び、寛ぎ、就寝できるベースステーションとなる。
車両サイズ:4990x2130x2150(L/W/H)
乗車9名/就寝7名
車両本体価格:978万円~
トリップ Log Base
「トリップ Log Base」の外観
「トリップ」は2020年のジャパンキャンピングカーショーで発表された、同社初のカムロードキャブコンで、同社がバンコンビルダーから総合ビルダーに飛躍するトリガーとなった記念すべきモデル。
その「トリップ」のインテリアを、同社の「リトリート」シリーズでおなじみのリアルウッド仕上げにしたのがこの「トリップ Log Base」だ。世の中には多くのカムロードキャブコンが存在するが、これだけ徹底したログ仕様は他にない。
「トリップ Log Base」の室内
レイアウトは従来のトリップと変わらないが、インテリアを変えるだけで全く違うモデルへと変貌している。リトリートシリーズはハイエースバンコンだが、更に広い室内を持つキャブコンでも選択できるようになった。
車両サイズ:5150x2160x3000(L/W/H)
乗車7名/就寝6名
車両本体価格:1395万円
ウィニー
「ウィニー」の外観
「ウィニー」はハイエースワイドロングミドルルーフをベース車に使用したバンコンキャンピングカー。「ウィニー」の車名は「With」と「Journey」から取った造語で、車名の通り、二人旅仕様のコンセプト。
「ウィニー」の室内
やはり同社得意のリアルウッドを使用した家具を採用しているが、白ベースの木目が明るい室内を作り出している。また間接照明は、柔らかな光の演出に貢献してる。
後部にギャレーがあり、8ナンバー登録。横開き式冷蔵庫や電子レンジも標準装備し、車名通りクルマ旅にも対応できるモデルとなっている。
車両サイズ:4840x1880x2105(L/W/H)
乗車6名/就寝3名
車両本体価格:515万円
リトリートスーパーロングⅡ
リトリートスーパーロングⅡの外観
「リトリートスーパーロングⅡ」はハイエーススーパーロングをベース車にしたバンコンモデル。既存の「リトリートスーパーロング」同様、リアルウッドを多用したログハウスのイメージがコンセプトになっている。
この「リトリートスーパーロングⅡ」もその延長線上にあるが、従来のリトリートシリーズとは異なり、かなりシックで落ち着いたインテリアになっている。特に家具の板厚やその質感は重厚感がある。
「リトリートスーパーロングⅡ」の室内
レイアウトは2列目と3列目にマルチモードシートを配置し、対座ダイネットを形成する他、2列目シートを前向きにすると6名が前向き乗車でき、ファミリーにも対応している。
レイアウトで特徴的なのが、最後部に横置き2段ベッドを配置していること。スーパーロングで縦置き2段ベッドレイアウトは多数あるが、横置き2段ベッドスタイルを持つのは、トイファクトリーの「GT」とMYSミスティックの「ウインピュアシェルラ」くらいだ。
横置きで1800mmを確保するため、右側に前部まで続くエクステンションウインドウを標準装備する。横置き2段ベッドなのでスペース効率が良いが、長身のユーザーは多少窮屈な場合がある。
車両サイズ:5380x1950x2285(L/W/H)
乗車6名/就寝2名
車両本体価格:698万円
新しい断熱施工
「エアロゲル」上では氷が溶けない
同社のブースでは新しい断熱施工についての説明コーナーが設けられており、実験もされていた。クルマ本体の展示ではないので、通り過ぎる来場者も多いが、これは一見する価値があるだろう。(断熱施工のビデオをご覧いただきたい)
要約すると、ダイレクトカーズの採用する断熱施工は車外用と車内用があり、車外用は塗装、車内用は宇宙服にも使われている「エアロゲル」という素材ボードになっている。床には10mm、ルーフには2mmのパネルを施工する。
マフラー周辺の断熱を想定した実験では、赤外線を当てて加熱した場合、車外用の塗料は施工なしの部分で84℃、施工した部分は40℃という結果になった。
また、車内用では、133℃に熱したフライパンの上にエアロゲルを敷き、氷を乗せても溶けないことを実証している。実際、エアロゲルの上から指で触れても、熱さを感じない。
断熱施工と言うものには今一つ懐疑的だったが、この実験を見ればその実用性を認めざるをれない。ただし、実際のクルマには大きな窓があり、これが断熱を大きく低下させている。しかし、透明のエアロゲルもまもなく開発されるようで、キャンピングカーの断熱も大きく向上するだろう。
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