9-11. シャワーと温水装置

 クリフアドベンチャーエディション540のサニタリールーム

輸入モーターホームには、ほとんどと言ってよいほど温水シャワールームが配置されています。フルコンやキャブコンタイプはもちろんですが、アドリアのツインやサンライトのクリフと言ったバンコンスタイルにも、立派なシャワールームが付いています。

しかし国産のキャンピングカーでは、シャワールームを持つものは全長が5m超のキャブコンの幾つかやセミフルコンにしか付いていません。ただし、レクビィのカントリークラブのようにバンコンに装備されている例も、非常に稀ですが、あります。

その理由でよく言われるのが、「日本にはいたるところに温泉や銭湯があるから」と言うものです。確かに温泉や銭湯はすぐに見つかるし、道の駅に併設されている温泉もあります。またシャワールームが用意されているキャンプ場も多くあります。

しかし長期旅をしていると、毎日温泉に立ち寄るのが面倒になってくることもあり、また金額的にもばかになりません。さらに、目的地に着いたらすぐにシャワーを使って冷たいビールを飲みたい場合もあります。温泉に入ってから、また運転して目的地まで行くのは面倒です

温水シャワーは、言うまでもありませんが、水を温める必要があります。輸入モデルの多くはガスをインフラに使っていますので、トルマコンビなどのガスボイラーで湯を沸かします。(軽油を使うバージョンもあります)

国産モデルでは、ラジエーターの熱交換(ヒートエクスチェンジャー)と電気を併用したボイラーが一般的です。これは走行する場合はエンジンの熱で、停泊時は外部100V電源で加熱します。

いずれも60℃くらいまで加熱し、混合栓で水と混合して適温にして使用します。ただし、ボイラーの容量は10~20L程度が一般的です。従って、水温にもよりますが、適温の湯は二人分程度しかできません。3人目は、また湯を沸かす必要があります。

 トリップの瞬間湯沸かしボイラー

しかし最近では一部の国産モデルで瞬間湯沸かしボイラーを搭載するモデルが出てきました。ダイレクトカーズのトリップシリーズ、アネックスのリバティ52シリーズ、マックレーのバレンシア520と言ったモデルです。

これらはカセットガスを使用して、瞬間的に温水にします。そのため水タンクにある量だけ連続して使うことができます。なお、リバティ52シリーズは床暖房に使うクーラントで加熱します。もちろん床暖房を使わない場合でも温水ができます。