トラヴィオ コルドリーブスは、バンテックが製作する、いすゞトラヴィオをベースにしたキャブコンキャンピングカー。
同社は埼玉県所沢市に本拠を置くキャブコンの老舗ビルダーで、全長5m超のジルシリーズ、5mを切るコルドシリーズは業界を代表するキャブコンのひとつ。
特にコルドシリーズは、コルドバンクスとコルドリーブスの2モデルをラインアップし、このカテゴリーのスタンダード的な存在でもある。これらはトヨタのカムロードがベース車として使用されてきた。
しかし、2017年(平成29年)の道路交通法改正により、これ以降に取得した普通免許で運転できる車両は「車両総重量3.5t未満・最大積載量2t未満」になり、それ以上の重量のトラックには「準中型免許」以上が必要となった。
これにより、従来のカムロードは、ガソリン車のみ普通免許で運転できるが、ディーゼル車は準中型免許が必要ということになった。これに対応して発売されたのが、いすゞエルフ ミオで、これはディーゼル車ながら3.5t以下のため、普通免許(AT限定免許を含む)で運転できる。
トラヴィオは、このエルフ ミオをベースに、キャンピングカーのベース車として専用に開発されたもので、もちろん普通免許(AT専用免許含む)で運転できるのが特徴。バンテックは2025年にトラヴィオをベースとしたモデルの開発を発表していたが、2026年のジャパンキャンピングカーショーでトラヴィオベースのコルドリーブスと、アストラーレ
トリアス480を発表した。
なお、トラヴィオをベースんのモデルも正式車名は「コルドリーブス」だが、カムロードベースのコルドリーブスも継続して販売されるため、当サイトでは「トラヴィオ
コルドリーブス」、「カムロード コルドリーブス」として区別する。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
いすゞトラヴィオをベースにした、全長5mを切るキャブコンキャンピングカー。同社オリジナルのFRP一体成型のCSボディを架装している。カムロードベースのコルドリーブスを踏襲したレイアウトで、リアエントランスを採用。
前部に広いダイネットと両側に大きなアクリル2重窓を持つのが特徴。後部にはギャレーと多目的ルームがあり、トイレルームにできるほか、温水シャワーも設置できる。
家庭用エアコンを標準装備するのは従来通りだが、新たに床暖房を標準装備。電装系は、EcoFlowをベースにしたIRiSに代わり、同社オリジナルのIRiS ME(イリス・ミー)を標準装備する。
アピールポイント
・普通免許で乗れるいすゞトラヴィオをベース車に採用
・リアエントランスで広いダイネット
・常設2口コンロを持つギャレー
・清水と生活水を別にした給水タンクとフォーセット
・温水シャワーも設置できる多目的ルーム
・家庭用セパレートエアコンを標準装備
・8KWhが標準装備のIRiS MEシステム(最大16KWh)
ベース車とエクステリア
トラヴィオ コルドリーブスのエクステリア
ベース車はいすゞトラヴィオ。4WDはラインアップされていないため、ディーゼル2WDのみ選択可能だ。総重量3.5t未満なので、普通免許(AT限定も含む)で運転できるのがメリット。ただし、同径タイヤながらトレッドは標準トレッドで、カムロードのようにワイドではない。
このベース車に同社独自のFRP一体成型のシェルを架装している。全長は4980ミリ、全幅は1990ミリで、一般的な5x2mの駐車枠に収まり、高ささえ気を付ければコインパーキングにも駐車できる。
全高は2870mmで、カムロード コルドリーブスに比べて80mm低くなっている。しかし低床なため、室内高は1920mmと十分な高さがある。
エントランスのステップはオプションで用意されているが、マニュアルとなっている。安全面からも、ドア連動の電動ステップが望まれる。
レイアウト
トラヴィオ コルドリーブスのレイアウト
リアエントランスを採用しており、定石通り前部に広いダイネットと両側に大きなアクリル2重窓を持つ。後部にはギャレーと多目的ルーム、それに収納ラックやクローゼットが配置されている。
リアエントランスの特徴は、前出のように広いダイネットだが、短所は常設ベッドが無いこと。バンクベッドとダイネットベッドは比較的簡単にセットできるが、それでもベッド展開の手間は必要だ。
また、ベッド下に大きな収納が取れないのも短所で、かさばるキャンプ用具などを収納する大きな外部収納が無い。特にトラヴィオ コルドリーブスではカムロード
コルドリーブスにあった左サイドの外部収納が無くなったのは残念なところだ。
インテリア
インテリア
インテリアカラーは、明るい木目とグリーン系のシート色の組合わせ。カムロード コルドリーブスでは2種類のインテリアを選択できたが、トラヴィオ コルドリーブスでは選択肢は用意されていない。
照明はカムロード コルドリーブスが比較的シンプルだったのに対し、トラヴィオ コルドリーブスでは間接光を多用した豪華な照明になっている。もちろん調光も可能で、シーンに合わせたムーディな夜の室内を演出できる。
ダイネット
広いダイネット
テーブルを挟んで4名対座のスぺ―スの横にベンチシートが配置されており、大勢で団欒できる。テーブルは大きく、4名での食事にも対応できる広さだ。上の写真にあるカップホルダーはオプション。
両側に大きなアクリル2重窓があるので、明るい車内になっているとともに、パノラミックな車窓が楽しめる。
ベッド
バンクベッド
公式のベッドサイズはまだ未定とのことでサイズの情報は無いが、バンクベッドには3名が就寝できるとしている。カムロード コルドリーブスでは2名だったので、この点が異なっている。
ベッド展開の仕方も変わりなく、左右のベッドボードを降ろし、中央のベッドボードを手前にスライドしてセットする。(動画はこちら)中央のボードをスライドする前にベッドに上がると上がりやすい。
ダイネットベッド
ダイネットベッドもベッドサイズの情報は無いが、家庭用のキングサイズベッドの大きさは十分あるだろう。ここでも3名が就寝できる。従って、全部で6名が就寝できることになる。(ベッド展開の動画はこちら)
ギャレー
ギャレーセクション
ギャレーはエントランスの横に設置されている。この位置のメリットは、調理しながらダイネットにいるファミリーと話せる、いわゆる対面キッチンであること。キャビネットの前は広く、また背後にはカウンターキャビネットがあるので配膳もしやすい。
コルドシリーズのギャレーには常設2口コンロが標準装備されているのがこのクラスでは希少なアドバンテージポイント。また、清水と生活水が別のタンクとフォーセットになっているのも他社モデルにない大きな特徴だ。
レンジフード
トラヴィオ コルドシリーズのレンジフードは、活性炭フィルターを備えた循環式を採用しており、外部排気は不要とされている。経年変化も含めどの程度効果があるのか興味深いが、排気が不要なので配管がいらず、車内の温かい空気を逃がすことが無いのは嬉しい。
シンクの下の清水タンク
シンクの下には20Lの清水タンクが収納されている。生活水用のタンクは55Lで固定式、排水タンクは44Lで床下に設置されている。
冷蔵庫/電子レンジ
83L両開き式冷蔵庫(OP)
冷蔵庫は83L両開き式がオプションで設置できる。両開き式なので、ギャレー側からもダイネット側からもアクセスできるので大変便利だ。ただ、冷蔵庫は従来のコルドシリーズもオプションとなっている。冷蔵庫はほぼ必需装備なので標準装備が望まれる。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジがギャレーキャビネットにセットできる。ただし電子レンジもオプションとなっている。クルマ旅ではこれもほぼ必需装備なので、標準装備が望まれる。
多目的ルーム
多目的ルーム
多目的ルームにはオプションのラップ式トイレやポータブルトイレを置いてトイレルームにできるほか、温水シャワーを設置することもできる。FFヒーターの吹き出し口も用意されているので、冬場に寒い思いをすることは無い。
収納
ダイネット上部のオーバーヘッド収納
オーバーヘッド収納は、ダイネットの左側上部と、冷蔵庫の上部に設置されている。また、冷蔵庫の隣にはクローゼットも用意されている。背が高いクローゼットなので、長いコートなども折り畳まずに収納できる。
リアバンパー部の外部収納
外部収納はカムロード コルドリーブスから大きく変更されている。残念ながら左サイドに合った大きな外部収納は無くなり、その代わり、リアバンパー部にFRP製の外部収納が設置された。容量的には多少小ぶりになったが、水洗いもできるので、汚れたものや濡れたものを収納しておくのに便利だ。
空調
家庭用エアコンが標準装備される
家庭用エアコンが標準装備される。設置位置はダイネットの右サイド上部。リアエントランスでは後部にベッドが無いので、この位置が適切だろう。室外機は車体右側後輪の上部に設置されている。泥水や塩害の影響から遠い位置だ。
床暖房を標準装備
暖房は電気ヒーターによる床暖房が標準装備される。これはカムロード コルドリーブスには無かった装備。トラヴィオ コルドリーブスから採用された新装備で、上位モデルでも装備しているモデルは少ない。
なお、FFヒーターはオプションとなっている。これは、大容量のリチウムイオンバッテリーが実現したことにより、家庭用エアコンの暖房を使うことを推奨することにしたため。床暖房を含め、電気による暖房にシフトしている。
テレビ/ナビ
テレビ自体はオプション設定されていないが、テレビアームはオプションで用意されている。設置位置はダイネットの右前方となっている。またナビもオプションで用意されていないが、好みのナビを取り付けることは可能だろう。
電装系
IRiS ME
電装系は、カムロード コルドリーブスで選択できたEcoFlowのポータブル電源をベースにして開発されたIRiS(6KWh)ではなく、新たにバンテックが独自開発したリチウムイオンバッテリーシステム「IRiS ME(イリス・ミー)」が標準装備される。容量は8KWhが標準で、オプションで最大16KWhまで増設できる。
車体には100Vの外部電源入力の他、200Vの急速充電用のコネクタも追加された。これにより、EV用の充電スポットで急速充電することも可能になった。リチウムイオンバッテリーが大容量になるに従い、急速充電は重要になってくるだろう。
最大1090Wのソーラーシステム(OP)
ソーラーシステムは最大1090Wまで搭載可能。この大容量もIRiS MEで受けることができる。単純計算すると8KWhのIRiS MEを8時間で充電することができることになるが、もちろんそれは天候などの条件で大きく変わる。そのため、走行充電とソーラーといった複数の電源ソースから同時に充電できる。
価格(2026年2月現在:千円台切り上げ:税込)
ディーゼル2WDのみ選択可能で、価格は1254万円~。カムロード コルドリーブスのガソリン2WD(IRiS仕様)は1013万円~、ディーゼル2WD(同)は1234万円~、4WD(同)は1252万円~なので、ディーゼル2WDで比べると多少高価だ。
付けておきたい必需オプションは、83L冷蔵庫(181,500円)、電子レンジ(49,500円)が挙げられる。できれば、ソーラーシステム(480W:512,600円)も付けておきたい。(価格表はこちら)
他モデル
全長が5mを切るトラヴィオベースのキャブコンは、各社から発売されたが、リアエントランスを採用しているのは、NTB(日本特殊ボディ)のハヤテリアエントランス(1077万円~)がある。
カムロードベースでは、ナッツRVのジープニーTypeRE(968万円~:ディーゼル2WD/リチウムイオンバッテリー別)、その姉妹車の東和モータース販売のモビーDC(963万円~:ディーゼル2WD/同)、キャンパー厚木のグランドパピィ(1045万円~:ガソリン2WD/Li416Ah)が挙げられる。
まとめ
トラヴィオ コルドリーブスは設計の新しいベース車を採用したコンパクトなキャブコンで、価格もカムロードベースと大きく変わらないことからも、今後このベース車を使用するキャブコンは増えていくだろう。
ただし、4WDが選択できないのは大きな欠落で、早期に追加されることが望まれる。また、標準トレッドというのも懸案点で、コーナリングや安定性でワイドトレッドと差があるかもしれない。
しかし、最新のベース車に最新の装備を乗せたトラヴィオ コルドリーブスが魅力的でないわけがない。特に悪路や雪道を走行することが無いなら、トラヴィオ
コルドリーブスは有力な選択肢だろう。
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