リバティ50DBは、アネックスが製作する、カムロードをベース車にしたキャブ・コンバージョンキャンピングカー。
同社は人気のリバティ52シリーズをラインアップしているが、これらは全長5m超、全幅2m超の車体サイズだった。ニューモデルのリバティ50DBはそのモデルネームからも推測されるように、5m未満の全長と2m未満の車幅で、一般的な5x2mの駐車枠にも駐車できるサイズとしている。
大阪キャンピングカーフェア2023で初出展されたが、今回はまだプロトタイプで、最終的な仕様や価格は来年になる。ただしオーダーテイクは開始される。
今回掲載した画像や動画、あるいは文面はプロトタイプのものですので、最終の製品と異なる可能性があります。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
トヨタカムロードをベース車にした、5m未満の全長を持つキャブコンキャンピングカー。全幅も1900mmと2m以下となり、一般的な5x2mの駐車枠にも収まる。
レイアウトはリバティ52DBと同じで、前部に対座ダイネット、中央にギャレーと多目的ルーム、後部に横置き2段ベッドを持つ。
アピールポイント
・全長5m以下、全幅2m以下で、一般的な駐車枠に収まる
・スリムなバンクでスマートな印象のボディ形状
・シンプルながらお洒落なインテリア
・家庭用エアコンとリチウムイオンバッテリーを搭載可能
ベース車とエクステリア

リバティ50DBのエクステリア
ベース車はトヨタカムロード。展示車はディーゼル仕様で標準トレッドを採用していた。ディーゼル車には標準トレッドも存在し、この場合は同径タイヤとなる。
これにFRPパネルのシェルを架装している。全長は4990mm、全幅は1900mmで、一般的な5x2mの駐車枠に収まる車体サイズとなっている
なお、ドアとステップが連動する機構も新採用。ドアを開けると自動的にステップが出、ドアを閉めるとステップが収納される。
インテリア

スポットライトと間接光のインテリア
展示車は明るい木目の家具とグレー系ツートーンのシートカラーの組み合わせ。多目的ルームのドアなど一部に濃い色を配置する、リバティ52DBと似たインテリアを採用。華やかさや豪華さはリバティ52DBに及ばないが、スポットライトや間接光を使用した照明はお洒落な室内に貢献している。
レイアウト
レイアウトは「DB」のモデルネームが示す通り、リバティ52DBと同様。前部に対座ダイネット、中央にギャレーと多目的ルーム、後部に横置き2段ベッドの、カムロードキャブコンでは最も一般的なレイアウトだ。
バンク形状がスマートながら、バンクベッドもしっかり設置されており、大人2名が就寝できそうだ。
ダイネット

大きなテーブルのあるダイネット
後ろ向きの2列目シートと、前向きの3列目シートとで対座ダイネットを形成。大きなテーブルはファミリーでの食事にも余裕で対応できる。
ダイネットサイドには大きなアクリル2重窓があり、美しい景色を見ながらの食事が楽しめそうだ。もちろん網戸とシェードが組み込まれているので、風を通しながら虫をシャットアウトしたり、プライバシーを確保したりできる。
ベッド
ベッドは後部の常設横置き2段ベッドとバンクベッド、それにダイネット展開ベッドの3か所がある。

後部2段ベッド
まず、後部の常設横置き2段ベッド。ベッドサイズの情報は無いが、車幅が1900mmなので、1800mmを満たすもそれ以上はあまり期待できないだろう。
各段にはアクリル2重窓と読書灯、それにFFヒーターの吹き出し口が用意されている。FFヒーターの吹き出し口が用意されているモデルはこのクラスでは多くなく、大きなアドバンテージだ。

バンクベッド
バンクベッドのサイズも未定だが、大人2名が就寝するスペースは十分ありそうだ。ただし、スリムなバンク形状のこともあり、52DBほどの高さは無い。
ダイネット展開ベッドは写真もないが、おそらく大人1名が就寝できると思われる。
ギャレー

ギャレーセクション
ギャレーは比較的シンプルで、天板にシンクが埋め込まれている。フォーセットはシンク内に設置されるタイプで、シンクの蓋を閉めるとフォーセットもシンク内に収納される。
コンロはカセットコンロをセットして使う。このあたりは他の同クラスのギャレーと似た作りだ。

シンクの下の給排水タンク
ギャレーキャビネットのエントランス側には給排水タンクを収納。これはスライドして引き出せるので、重いタンクを扱うには大変便利だ。車外から直接タンクを出し入れすることができる。

ギャレー上部のオーバーヘッド収納
ギャレー上部にはオーバーヘッド収納が設置されており、食器や調理用具を収納しておくことができる。
冷蔵庫/電子レンジ

大容量の横開き式冷蔵庫がビルトインされる
容量は不明だが、大きな容量の横開き式冷蔵庫がビルトインされている。もちろん冷蔵と冷凍が同時にできる。

ギャレーキャビネットに収納された電子レンジ
ギャレーキャビネットには、家庭用の100V仕様の電子レンジがすっきり収納され、位置的にも使いやすい。
多目的ルーム

多目的ルーム
右サイド中央には多目的ルームが配置されている。リバティ52DBのように、いわゆるサニタリールームではないが、大きな収納庫としても使える「多目的」ルームだ。もちろんトイレを設置してトイレルームとして使用することも可能。
車外へのドアも設置されており、車外から荷物を出し入れすることもできる。防水処理については不明だが、スキーウエアなど濡れたものを収納したい場合には何らかの対策が必要かもしれない。少なくとも排水口は用意されていない。
収納

ダイネット上部のオーバーヘッド収納
オーバーヘッド収納は先述のギャレー上部の他に、ダイネット上部にも設置されている。隣にエアコンの室内機が設置されているので、ここのオーバーヘッド収納は1個のみとなっている。

後部下段ベッドの下の外部収納
後部下段ベッドの下は外部収納になっており、左サイドと後部に扉が付いている。右側はエアコンの室外機が設置されているため、ドアは設置されていない。
左側の開口部は縦長になっており、下段ベッドボードを取り外すと背の高い荷物も積める。

シューズボックス
エントランスの横にはシューズボックスが設置されている。大型のもので、ファミリー分のシューズも収納しておける。
空調

家庭用セパレート薄型エアコン
展示車にはダイキンの最新型の家庭用セパレート薄型エアコンが設置されていた。リチウムイオンバッテリーを含め標準装備になるかどうかは不明だが、今やこのクラスにエアコンは必需装備だろう。
FFヒーターも設置できると思われるが、これも標準装備かオプションかは不明。FFヒーターも必需装備なので、これも標準装備が望まれる。
テレビ/ナビ
展示車にテレビは設置されていなかったが、これも設置は可能だろう。ナビも他モデル同様、好みのナビが取り付けられる。
電装系
標準ではディープサイクルバッテリーが装備されるのかもしれないが、家庭用エアコンの使用を考えると、やはり現実的にはリチウムイオンバッテリーが理想的だ。見た目の価格が高価になるが、長い目で見ればユーザーメリットは大きい。
価格
価格も未定だ。5m未満のカムロードキャブコンは激戦区なので、魅力ある価格を期待したい。
他モデル
5m未満のカムロードキャブコンは、多数存在するし、また最近でもナッツRVや東和モータース販売からニューモデルが発表されている。
先日発表されたナッツRVのジープニーTypeWと東和モータース販売のはモビィ(動画はこちら)はいずれも799万円~。これはガソリン仕様で標準トレッドのベース車の価格。ディーゼルワイドトレッド仕様は2WDで877万円~だ。
バンテックのコルドバンクスも同様のレイアウトで915万円~だがディーゼルワイドトレッドのみ。一方AtoZのアンソニーは同様のレイアウトで、価格は735万円~。これはガソリン標準トレッドのみ選択できる。
まとめ
カムロードの5m未満キャブコンには、望む要素が異なるユーザー層がある。一つはコンパクトながらも多機能を望むユーザー層、もう一つは、低価格な本格的キャブコンを望むユーザー層だ。更に、車幅を優先するユーザー層もいる。
最初のモデルではジープニーやモビィ、あるいはコルドバンクスが相当し、温水シャワーまで装備できるが、フル装備になると価格も高価になる。低価格を望むユーザー層にはアンソニーがある。ガソリン標準トレッドのみだが価格は安価だ。
3つ目に相当するモデルには、キャンパー厚木のパピィシリーズが相当する。車幅は1,740mmでミニバンと同程度で、家庭のカーポートに入るのが特徴だ。
リバティ50DBがどのユーザー層をターゲットにするのかはまだ見る時間はあるが、現在のところ、ディーゼル+標準トレッド+同径タイヤで比較的リーズナブルな価格というモデルは無い。標準トレッドを採用しながら、(見た目が心もとない)小径タイヤではないというのはアドバンテージになるかもしれない。
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