DPプレミアムN1は、セカンドハウスが製作する、ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にするバンコンキャンピングカー。ワイドミドルルーフも選択できる。
同社は福岡県太宰府市に本拠を置くビルダーで、ラスタープレミアムのようなラグジュアリーなインテリアを持つハイエースベースのバンコンを主に製作している。
DPプレミアムはハイエース標準ボディ標準ルーフとワイドボディミドルルーフを選択でき、横座り対座ダイネットのN1と、キャプテンシートを配置するN2の2種類のレイアウトがある。
（記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。）
概要
DPプレミアムN1はハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にするバンコンで、横座り対座ダイネットのラグジュアリーなインテリアが特長。前部には大型のギャレーがあり、冷蔵庫（OP）やシンクが装備されている。
車載用セパレートクーラーはオプションで設置でき、最大300Ah相当のリチウムイオンバッテリーも搭載できる。冷蔵庫もオプションで、クルマ旅用と言うよりは、インテリアやエクステリアを楽しむシティユースに適している。
アピールポイント
・ダークプライムⅡがベース車
・コンパクトなボディで取り回しが楽
・ラグジュアリーなインテリア
・大勢でテーブルを囲める横座り対座ダイネット
・車載用クーラー設置可能
・最大300Ah相当のリチウムイオンバッテリーを搭載可能
ベース車とエクステリア
DPプレミアムN1のエクステリア
ベース車はハイエース標準ボディ標準ルーフ。ダークプライムⅡグレードが標準となっており、運転席周りのグレード感が高い。ボディ外側への架装はなく、見た目は通常のハイエースと変わらない。
断熱防音処理はオプションとなっており、ルーフ、サイドパネルに施工される。ガソリン2WD/6AT、ディーゼル2WD/4WD/6ATの3種類が選択できる。
インテリア
DPプレミアムN1のインテリア
同社のモデルは非日常でゴージャスなインテリアを特徴としているが、このDPプレミアムN1も白を基調としたインテリアが特筆できる。照明も凝っていて、間接光をふんだんに使い、スポットライトとの組み合わせで、ムーディーな室内になっている。
なお、インテリカラーは、指定色から選択できるようだ。
レイアウト
前部にギャレー、後部に横座りベンチシートの対座ダイネットを配置している。二人使用を想定したレイアウトでよくあるスタイルだが、DPプレミアムN1の場合は、ギャレーキャビネットが大きいのが特徴。そのため、左右のベンチシートの長さが異なっている。
乗車定員は、運転席、助手席と、後部に5名で、計7名。ダイネットを展開したベッドでの就寝定員大人2名＋子供1名となっている。
ダイネット
DPプレミアムN1のダイネット
横座り対座のベンチシートタイプのダイネットで、二人ならゆったりと使用できるが、大勢でも歓談できる広さだ。
ベッド
DPプレミアムN1のベッド
ダイネットを展開したベッドは、左側と右側に分かれており、左側が1900x1000mm、右側はギャレーキャビネットがあるため多少短く、1500x500mmとなっている。
少し異形なので、人数によってどのように寝るか難しいところだが、2名なら後部を頭にすると上半身は1500mmの幅が取れる。1500mmは家庭用ではレギュラーダブルベッドとクィーンサイズベッドの中間なので、ゆったり就寝できる。ただ足元は1000mmなので多少窮屈かもしれない。
ギャレーキャビネットが大きいことによるメリットもあるが、ベッドが狭くなるというデメリットもある。ギャレーキャビネットを大きくしなければ1900x1500mmの大きなベッドが取れていたわけで、ここは賛否両論があるだろう。
最後部のベッドマットはリクライニングできる
最後部のベッドマットは多段階にリクライニングすることができる。ベッドモードにしてリクライニングすると、足を伸ばしてリラックスすることができる。どのようにリラックスできるかは重要で、これは大きな特長だ。
ギャレー
ギャレーセクション
DPプレミアムN1のギャレーキャブネットは、同じレイアウトの他モデルより大きい。その分天板が広く、カセットコンロを置いても広い調理スペースが残される。天板には丸形のシンクとフォーセットが埋め込まれている。
ギャレーキャビネットの引き出し収納
ギャレーキャビネットが大きい分、収納も豊富に撮られており、引き出し収納が2箇所用意されている。カトラリーや食器を収納しておくのに便利だ。
右側のスライドドアを開いて給排水タンクを出し入れできる
各10Lの給排水タンクは、右側のスライドドアを開いて出し入れすることができる。車外から直接出し入れできるので、大変便利だ。
冷蔵庫/電子レンジ
40L上開き式冷蔵庫（OP）
冷蔵庫は40L上開き式がオプションで装備できる。冷凍か冷蔵かどちらかしかできないが、飲み物を冷やしておけるので便利だ。なお、電子レンジはオプション設定されていない。車内で調理することはあまり想定されていないようだ。
多目的ルーム
DPプレミアムN1には多目的ルームは無いが、緊急用にポータブルトイレを乗せておくことはできる。ベッドボードの下に収納できる大きさのポータブルトイレであれば目に触れることはない。
収納
ギャレー上のオーバーヘッド収納
標準ボディ標準ルーフなので、収納はあまり期待できないが、DPプレミアムN1は充実している方だ。まず、ギャレー上部にオーバーヘッド収納が設置されている。容量的には大きくはないが、やはりあると便利だ。
ベンチシート下の収納
次に、ベンチシート下が大きな収納になっている。ベッドボードを持ち上げる必要があるので、モノの出し入れは楽ではないが、大きな収納力がある。
エントランス横のシューズボックス
エントランス横にはシューズボックスが設置されている。大容量ではないが二人で使用するなら必要十分だろう。
ベッド下の収納スペース
後部ベッド下は大きな収納スペースとして使用できる。最後部のリクライニングシートを立てると、背の高い荷物も積み込むことができる。
左右のキャビネットの収納
後部ベッド下収納の両側には、扉付きの独立した収納も用意されている。リアゲートを開けてアクセスできるので、洗車用品やペットのリードなどを収納しておくのに便利だ。
空調
車載用セパレートクーラー（CoolStar）をオプションで設置することができる。取り付け位置は、後部右側のウインドウ部に設置することになる。また、暖房はFFヒーターを、これもオプションで設置することができる。
クーラーを設置する場合は、後述の電装系オプションで、200Ah以上のリチウムイオンバッテリーを選択すると、実用的に使用できる。
テレビ/ナビ
アルパインの12.8インチのフリップダウンモニターがオプションで用意されている。ハイエース用のフリップダウンモニターはサードパーティーからも発売されているので、好みの画面サイズを選択できる。
ナビは好みのものを設置できるだろう。
電装系
標準では、電装系は装備されない。照明は標準装備されるが、標準のままではサブバッテリーが無いのでメインバッテリーで点灯することになる。もちろんこれは適切ではないので、オプションで電装系を装備することをお勧めする。
電装系のオプションはセットになっており、100Ahのリチウムイオンバッテリーが1個、走行充電、外部電源入力とチャージャー、2000W正弦波インバーターが含まれる。リチウムイオンバッテリーは更にオプションで、最大計300Ahまで増設できる。
ソーラーシステムはオプションリストにないが別オプションになっており、100～200Wのシステムが搭載できる。
価格（2024年11月現在：千円台切り上げ：税込）
ガソリン2WD/6ATは499万円～、ディーゼル2WDが558万円～、ディーゼル4WDが588万円～となっている。ベース車はダークプライムⅡ。
付けておきたいオプションは、リチウムイオンサブバッテリーシステムセット （385,000円）、冷蔵庫（エンゲル12V40L：143,000円）、FFヒーター
（220,000円）が挙げられる。（ナビ関連は除く）
できれば、クーラー（660,000円）と増設用リチウムイオンバッテリー（100Ahx1個 89,000円：2個まで追加可能）も装備しておきたい。オプションリストはこちら。
他モデル
ハイエース標準ボディ標準ルーフで、似たレイアウトのモデルは、ビークルのハウベルローバージョン（479万円～）、RVビックフットのスウィングC（643万円～）、キャンピングカー長野のスペースキャンパーCOOLs（価格不明）、レクビィのソラン（764万円～）などがある。
DPプレミアムN1は、クーラー、リチウムイオンバッテリーセット、FFヒーター、冷蔵庫を付けると640万円程度になるので、価格的にはスウィングCとほぼ同じになる。
まとめ
DPプレミアムN1はベース車のグレードとインテリアが特徴で、これらを選択理由にする場合、直接競合するモデルを探すのは難しい。ただし装備としてはシンプルで、電装系までオプションとしているモデルは珍しい。
大きなギャレーキャビネットがあるが、冷蔵庫は上開き、電子レンジは設定なしということを考えると、クルマ旅で調理するユーザーには物足りないかもしれない。クルマ旅よりも、飲み物だけを冷蔵庫に入れて近場でのキャンプやシティユースが似合うモデルと言える。
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