CKワイルダーはキャンパー鹿児島が製作する、ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車に使用したバンコンキャンピングカー。
同社は「レム 」シリーズに代表される、ハイエースベースのバンコンを多数ラインアップしている。また「レム class.S」といった軽バンコンも手掛けている。
同社は早くからリチウムイオンバッテリーを採用しており、「レム セカンドアクト（リチウム蓄電池V5000搭載Ver）」や「レム フォレスト」にはリチウムイオンバッテリーを標準搭載している。
2021年には、ポータブルバッテリーを固定サブバッテリーの補助としてプラグインする新しいサブバッテリーの考え方を採用した「新型インプラス」も発表している。
（記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。）
概要
CKワイルダーは、ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にしたバンコンキャンピングカー。DXグレード（GLパッケージも選択可）の他、スーパーGLも選択できる。いわゆるバンライフユーザーをターゲットにしており、ギャレーなどを持たないシンプルな構成となている。
2列目にマルチモードシートを持ち、前向きにして6名が乗車できるため、日常ではミニバンのように使うこともできる。
後部は広いフラットスペースになり、後ろ向きにした2列目シートと対座することができる他、広いフラットスペースで遊ぶ子供やペットを見守ることもできる。
車載用セパレートエアコンが標準装備され、リチウムイオンバッテリーを選択することも可能。快適なバンライフを楽しむことができる。また大きな収納家具もCKワイルダーの特徴で、車内が荷物で煩雑になることを防いでいる。
アピールポイント
・6名が前向き乗車でき、日常用途にも使用可能
・シンプルな装備
・大きな収納キャビネット
・後部には広いフラットスペース
・車載用セパレートエアコン標準装備
・リチウムイオンバッテリー（OP）搭載可能
ベース車とエクステリア
CKワイルダーのエクステリア
ベース車はハイエース標準ボディ標準ルーフ。標準仕様はDXだがオプションでGLパッケージを選択できる。またスーパーGL ダークプライムⅡも選択できる。いずれもTOYOTA SafetySense Pを標準装備する。
ボディ外側への架装は無く、見た目は通常のハイエースと変わらないので、買い物や通勤などの日常使用でも違和感なく使用できる。
インテリア
CKワイルダーのインテリア
展示車は濃い色の家具と若草色のシート地だったが、家具色の変更やシート地の選択肢については記述が無いが多少の変更は可能と思われる。
照明はダウンライトが採用されており、ライティングでのコーディネートも考慮されている。
レイアウト
2列目にマルチモードシートを配置し、前向きにするとフロントシート3名、2列目シート3名で、計6名が乗車できる。また、後ろ向きにすると、3列目のフラットシートとで対座ダイネットを形成する。
後部は広いフラットスペースなので、ペットや子供が遊ぶスペースになり、また、2列目シートで寛ぎながら、子供やペットを見守ることができる。ただし就寝定員は大人2名なので、一緒に就寝できる子供の大きさや人数は制限される。
ダイネット
横座りベンチシートのダイネット
先述のように、2列目シートを後ろ向きにして対座ダイネットを形成することができるが、3列目シート以降を横座りベンチシートにすることができる。2列目シートが後ろ向きならL字型のダイネットを形成できる。
また、ドライブ中の一時休憩などでは、2列目シートを前向きのまま、後部のベンチシートで寛ぐことができる。
ベッド
大人2名が就寝できるベッド
2列目シートをフラットにし、後部全体にベッドマットをはめ込むと、大人2名が就寝できるベッドになる。ベッドサイズは書かれていないが、2列目シートは1500mm程度の幅があると思われる。なお、後部は家具があるので幅は狭くなり、足元が多少窮屈かもしれない。
また、ハイエース標準ボディの荷室長は最大3000mmあるので、就寝定員の大人2名の他、小さな子供なら1～2名が一緒に就寝できる。
ギャレー
CKワイルダーは4ナンバー登録で、ギャレーは装備されていない。またオプションでも用意されていない。
冷蔵庫/電子レンジ
冷蔵庫は26Lのポータブル冷蔵庫がオプション設定されている。コンセントも用意されているので、電源も取ることができる。電子レンジはオプション設定されていない。
多目的ルーム
もちろん多目的ルームも設置されていないが、ポータブルトイレを積んでおくことは可能だ。シート下に置いておけば目に触れることは無い。子供の急なおしっこや夜間にトイレに行きたいといった場合などに便利だ。
収納
右側後部の大きな収納家具
オーバーヘッド収納もギャレー収納も無いが、右側後部に大きな収納家具が据え付けられている。3段になっており、前部上二段は下開き扉、最下段は扉なし収納になっている。
上二段が引き出し収納、最下段は横開き収納になっている
後部は上二段が引き出し収納、最下段は横開き収納になっており、それぞれ大きな収納力を持つ。シンプル装備と言ってもしっかり収納が用意されており、車内が荷物で煩雑になることは無い。
空調
車載用セパレートクーラーを標準装備
家具の上側には、車載用12Vセパレートクーラー、CoolStarが標準装備される。シンプル装備のモデルながら、夏場の車中泊では必需装備になりつつあるクーラーもしっかり標準装備されている。
なお、FFヒーターはオプションとなっている。
テレビ/ナビ
19型のテレビがオプション設定されている
19型のテレビと地デジチューナーがオプション設定されている。設置場所は最後部右側。また11.6型のフリップダウンモニターもオプション設定されている。
電装系
標準では110Ahのディープサイクルサブバッテリーが2個と走行充電が標準装備される。またサブバッテリーの増設（計3個になる）もオプションで可能で、この場合、走行充電はCTEK＋SmartPassが装備できる。
さらにリチウムイオンバッテリーもオプション設定されており、200Ahと300Ahが選択できる。200Ahのサブバッテリーでも、4時間程度は十分運転できるだろう。夜間ならもっと長く運転できる。
外部100V電源入力は標準装備されるが、これによる充電機能（チャージャー）はオプション。なお、インバーターは500Wのものが標準装備される。100V仕様で大電力を使う家電品が無いのでインバーターは500Wで十分だ。
またソーラーシステムは176Wのものがオプションで装備できる。
価格（2022年6月現在：千円台切り上げ：税込）
ガソリンDXグレード2WD/6ATで462万円～、4WDはディーゼルでのみ選択でき、557万円～。また、スーパーGLダークプライムⅡは2WD/6ATで535万円～、4WDは同じくディーゼルのみで626万円～となっている。
付けておきたい必需オプションは、FFヒーター（258,500円）、外部電源による充電機能（38,500円）が挙げられる。
また、必要に応じて200Ahリチウムバッテリー（290,000円）、176Wソーラーシステム（194,700円：リチウム対応 211,200円）などが挙げられる。詳しくは、DXグレードとスーパーGLグレードの価格表を参照いただきたい。
他モデル
ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にするモデルでバンライフをコンセプトにしているものは、ゴードンミラーのGMLVAN V-01（550万円～）、ダイレクトカーズのリトリート（373万円～）、レクビィのホビクルオーバーランダーIV（425万円～）、ワークヴォックスのSEDONA typeⅢ（515万円～）などがあるが、個性や機能が異なる。グレードは全てDX。
ただし、これらのモデルはいずれもクーラーを装備していないし、オプションでも設定されていない。この点はCKワイルダーの優位点だ。（オプションに設定されていなくても装備できる場合があるので、詳細はビルダーにご確認いただきたい。）
まとめ
CKワイルダーはシンプルな装備の車中泊車を求めるユーザーをターゲットにしており、ギャレー等の設備は省かれているが、収納とクーラーには手を抜いていない。即ち、いくらシンプルが良いといっても、車内が荷物で煩雑になるのは避けたいし、夏場の車中泊ではクーラーが必需品だからだ。
バンライフ用途を謳うモデルはいずれもこだわりがあり、単なる低価格モデルとは異なったカテゴリーに属している。そのため、できるだけコストを抑えるという考えで作られているわけでは無い。
CKワイルダーはそのコストを収納と快適さに投じたモデルだ。バンライフを謳うモデルはなぜかリアルウッドのインテリアが多いが、CKワイルダーはリアルウッドインテリアではない。しかし収納と快適さを求めるバンライファーに支持されるだろう。
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