レム シリーズはキャンパー鹿児島が製作するハイエーススーパーロングベースのバンコンで、現在ではいろいろバリエーションが存在する。
オリジナルのレムは、後部ハイマウントダブルベッドを、前部のダイネットと壁で仕切り、扉を付けて完全な個室とした斬新なコンセプトで話題になった。
レムというモデル名も、睡眠にこだわったところから名付けられている。
その後レムは「レム セカンドアクト」となり、多少レイアウトが変更されたが、後部の完全個室のコンセプトは受け継がれている。
一方、「レム プラス」も追加され、こちらはレムとほぼ同じ、対座ダイネットと後部ハイマウントダブルベッドの組み合わせながら、壁を無くし、広々感を演出したレイアウトとなっている。
さて、今回取り上げたレム フォレストは、レム プラスとほぼ同じレイアウトだが、大きく異なるのはリチウムバッテリー”KULOS”を標準装備しているところ。
KULOSについての詳細はこちらも参照いただきたいが、5000Whもの大容量リチウムイオンバッテリーで、キャンピングカーのバッテリー容量に関する問題をほぼ解決している理想的なものだ。
大電力を使えるメリットを活かして、家庭用エアコンを標準装備しているのもレム プラスと異なる点だ。
家庭用エアコンだけなら約13時間運転可能で、現実的な使用を可能としている。
なお、完全個室のレム セカンドアクトにも、KULOSバージョンが用意されている。
レム フォレストのダイネットは2列目にマルチモードシートを持つ対座式で前向き乗車も可能。
全部で5名が前向き乗車できる。
後部ベッドは常設のハイマウントダブルベッドで、2名が就寝可能。
なお、ダイネット展開すればフロアベッドになり、ここでも2名が就寝できるので、トータルでは4名が就寝できる。
即ち、5名が前向きに着座してドライブでき、4名が就寝できるので、ファミリーでも使用できるレイアウトといえる。
ギャレーは、レムセカンドアクトがダイネットサイドにあるのに対し、レム フォレストでは左側最後部に移動している。
このギャレーはベッドをセットしてしまうとベッドマットの下になってしまうので、使えなくなる。
レム プラスも同じだが、これらのモデルでは、ギャレーはサブ的な扱いになっており、調理はほとんど考慮されていない。
ただ、冷蔵庫はダイネットサイドに残されており、飲み物などはすぐに取り出せる。
収納は、後部のハイマウントベッド下が大きな収納庫となっており、折りたたみの自転車など比較的大きな荷物も積むことができる。
更に、両側のラックも収納スペースになっているが、ここには取り外したベッドボードを収納することができる。
ベッドボードを取り外すと、背の高い積載物も積むことができる。
電装系は、先のKULOSがあるので、数日程度のクルマ旅なら走行充電だけで乗り切れるだろう。
しかし、長期旅で比較的電力を多く使う状態が続くと、RVパークなど外部電源が使える施設を探して充電が必要だ。
やはり電気が底をついてしまう前に、計画的に外部充電を利用しながら旅を続けるのが良いだろう。
発電機を積んでおき、走行中に充電するという事ができれば、完全な自立型になるのだが。
レム フォレストは、レム セカンドアクトKULOSバージョンと並んで、大容量リチウムバッテリーを積んだ新しいコンセプトのキャンピングカーといえる。
家庭用エアコンは積んでいるが、思うように使えないといった不満はこれで解消されるだろう。
大容量リチウムバッテリー”KULOS”
しかし、一点だけ問題があるとすれば、それは価格だ。
やはりリチウムバッテリーの価格はまだ高価だ。
寿命が長いので、鉛バッテリーのように交換する必要はないが、イニシャルコストは高くなる。
ただ、2WD/ATで658万円(税込)という価格は確かに高価ではあるが、大容量リチウムバッテリーとエアコンが標準装備されていることを考えると、決して高すぎる価格ではないだろう。
この価格帯のハイエーススーパーロングベースのモデルは多く存在するので、大容量リチウムバッテリーを搭載しながらこの価格で収まっているのは、逆にお買い得とも言える。
これで電気に関する問題から開放されるなら、十分納得できる価格と言ってもよいのではないだろうか。