キャビンⅡミニ BaseクーラーモデルはマリナRVが製作する、ダイハツ アトレーをベース車にした軽バンコンキャンピングカー。
同社は滋賀県野洲市に本拠を置くビルダーで、バスコンやハイエースバンコンから軽キャンパーまでラインアップするバンコンビルダー。
「キャビンⅡミニ」シリーズは同社の軽バンコンのシリーズ名で、エブリイベースの「キャビンⅡミニ」に加え、モデルチェンジしたダイハツのアトレーをベース車にした「キャビンⅡミニ Base」をラインアップに加えた。今回は、これにクーラーを標準装備した「キャビンⅡミニ Baseクーラーモデル」を追加した。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
「キャビンⅡミニ Base」はダイハツアトレーをベース車にする軽バンコン。軽バンコンには珍しい、コの字型シートとテーブルのダイネットを持ち、2名で対座できる。
もちろんダイネットをフラットにすると、ちゃぶ台スタイルのダイネットも可能で、そのまま2名が就寝できるベッドとして使用できる。
今回はこの「キャビンⅡミニ Base」に12Vの車載用セパレートクーラーを設置した「「キャビンⅡミニ Baseクーラーモデル」が追加された。暑い夏場の車中泊も快適に過ごせるようになった。
アピールポイント
・ダイハツアトレーをベース車に使用
・右側にアクリルウインドウユニットを架装(OP)
・シートとテーブルスタイルのダイネット
・車載用セパレートクーラーを標準装備
ベース車とエクステリア
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キャビンⅡミニ Baseクーラーモデルのエクステリア
ベース車はダイハツ アトレー。昨年(2021年)にフルモデルチェンジされ、4ナンバー(商用車)専用となった。そのため、室内は広くなり、キャンピングカーのベース車としても注目されるに至っている。
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右側のウインドウにエクステンションウインドウを架装(OP)
このベース車で特筆できるのは、右側のウインドウにアクリルウインドウを架装できること。オリジナルの窓を取り外して、オプション(173,800円)のFRP製のウインドウユニットを架装している。ウインドウユニットには網戸とシェードが内蔵されており、上下にスライドしてセットできる。
インテリア
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キャビンⅡミニ Baseクーラーモデルのインテリア
展示車は上のようなインテリアカラーだったが、家具やシートのカラーの選択ができるかは不明。なお、ベース車は商用車で室内で鉄板がむき出しになっているところもあるため、ベース車のボディカラーがインテリアに影響する。
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リアゲートの調光式スポットライト
照明は前部に間接光、ルーフにはメインライトとスポットライトがある。また、リアゲートにも調光式のスポットライトが埋め込まれているが、これは車外にテーブルをセットした場合の照明として使える。
レイアウト
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シートとテーブルスタイルのダイネット
キャビンⅡミニ Baseのレイアウトの特徴は、シートとテーブルスタイルのダイネットを持つこと。ハイエースなどの大きいバンコンには一般的に採用されているが、軽バンコンではあまりない。
もちろんベッドボードを敷いてフラットなベッドモードにすると、多くの軽バンコンと同じちゃぶ台スタイルのダイネットとして使える。
ベース車のオリジナルの2列目シートは畳んで収納されているが、これを起こすと運転席、助手席を合わせて4名が前向き乗車できる。また、就寝人数は2名となっている。
ダイネット
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ダイネットテーブルは後部のテーブルとして活用できる
前述のように、シートとテーブルスタイルのダイネットが特徴で、テーブルも標準装備されるが、ちゃぶ台スタイルにすると、このテーブルは後部の大きなテーブルとして活用できる。
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足を伸ばしてリラックスできる
また、背もたれも用意されているので、足を伸ばしてリラックスした姿勢で寛げる。テレビを観るのにも適している。車内で長時間過ごすキャンピングカーでは、いかにリラックスした姿勢で寛げるかは大きなポイントだ。
ベッド
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セミダブルベッドの幅以上のベッド幅
ベッドサイズは1900x1250mmで、長身のユーザーでも足がつかえることは無い。また、後部の収納キャビネットも下部は空いているので、足元が狭くなることもない。
1250mmのベッド幅は、家庭用ではセミダブルベッドの幅(1200mm)以上あり、大人2名でも無理なく就寝できる。
ギャレー
キャビンⅡミニ Baseにギャレーは用意されていない。もちろんこれは欠点ではなく、ギャレーは不要とするユーザーに向けたもの。その分車内は広く使える。ただし、クルマ旅などでギャレーが欲しいユーザーの選択肢ではない。
冷蔵庫/電子レンジ
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12Lポータブル冷蔵庫(OP)
冷蔵庫はオプションで12Lポータブル冷蔵庫が用意されている。後部のベッドボード下にすっきりと収納されており、車内が狭くなることは無い。このような配慮もユーザーにとっては大きなメリットになる。
なお、電子レンジはオプションで用意されている。
多目的ルーム
もちろん多目的ルームは無いが、緊急用にポータブルトイレを積んでおくのも難しい。もっとも、2名しか就寝できないのでファミリー向けではなく、子供が同伴するケースは少ないだろう。
収納
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後部左側の折れ扉付き収納キャビネット
後部左側には折れ扉付きの収納キャビネットが用意されている。扉付きなので、走行中に収納物が落下する心配はなく、また埃の面からも食器などを清潔に収納しておくことができる。
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前部のベッドマット下の収納
前部のベッドマット下は細長い収納になっている。収納できるものは限られるが、収納は多い方が良い。
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後部右側のベッドマット下収納
後部右側のベッドマット下も収納になっている。車内からはベッドマットを上げるとアクセスできるが、リアゲートを開けると車外からアクセスできる扉が付いている。ペットのリードなどを収納しておくのに便利だ。
空調
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車載用セパレートクーラーを標準装備
キャビンⅡミニ Baseクーラーモデルで最も大きな進化が、クーラーが装備されたこと。後部右側に設置される。このクーラーは「One Cool21」という機種で、12Vで動作する。
コンパクトだが、最大消費電力は500W程度あり、家庭用エアコンとそれほど変わらない。即ち、十分な冷却効果がある。
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助手席のウインドウに設置できるベンチレーター(OP)
また、助手席のウインドウに設置できるベンチレーターもオプションで選択できる。なお、FFヒーターはオプションリストに記載されていない。
テレビ/ナビ
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16型のテレビが標準装備される
16型のテレビモニターが標準装備される。先述のように、リラックスした姿勢で観やすい位置に設置されている。
電装系
1000Wのポータブル電源、1000W正弦波インバーター、外部100V電源入力が標準装備される。ポータブル電源へは走行充電やソーラーシステムからの充電が可能。外部電源がある場合は、ここから充電できる。
また200Wのソーラーシステムがオプションで用意されている。
価格(2023年1月現在:千円台切り上げ:税込)
キャビンⅡミニ Base クーラーモデルの価格は、RS 2WD CVTで448万円~(2022年9月の展示会)とされていた。なお、クーラー非搭載のキャビンⅡミニ
Baseの価格は365万円~(同時期)。即ち、クーラーモデは83万円高ということになる。また、エクステンションウインドウを架装した展示車は502万円となっていた。
付けておきたい必需オプションは特にないが、予算に余裕があれば、ソーラーシステムを挙げておきたい。ソーラーシステムからポータブル電源に充電できる。
他モデル
クーラーが設置できる軽バンコンはまだまだ少ないが、stage21のリゾートデュオ バスキング アトレー(295万円~:RS 2WD:クーラー 217,800円)、ミシマダイハツのクオッカ(272万円~:ハイゼットパネルバン 2WD:クーラー 297,000円)、リンエイプロダクトのマイクロバカンチェスひとり旅(260万円~:スクラムバンPAスペシャル 2WD 4AT:ポータブルクーラー価格不明)が挙げられる。
まとめ
高性能な小型クーラーが商品化され、いよいよ軽バンコンにもクーラーが搭載できるようになってきた。今後、ハイエースクラスのバンコンはもちろん、軽キャンパーへのクーラー搭載も加速すると思われる。
ただし、クーラーはまだまだ高価な装備ではある。サブバッテリーの強化も考えると、数十万円の追加支出になる。しかし、クーラーがあることで夏場も快適にキャンピングカーを使え、長い目で見れば、「付けておいてよかった」装備となるだろう。
キャビンⅡミニ Base クーラーモデルはクーラーこそ装備されているが、ギャレーや電子レンジは想定されていない。即ち、車内で調理するようなクルマ旅というよりは、短期間の車中泊に向いている。
なお、ギャレー、冷蔵庫、電子レンジが搭載できる軽バンコンは多数存在するが、更にクーラーが搭載できるモデルは、まだ無い。このような充実装備のモデルを望む場合は、stage21の軽キャブコン、リゾートデュオバンビーノや、やはりstage21のリゾート・デュオ ルクシオプロのような、ワンランク上のベース車を選択する必要がある。
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