リゾートデュオバンビーノは、stage21が製作する、ダイハツハイゼットトラックをベース車にした軽キャブコンキャンピングカー。
同社は神奈川県相模原市に拠点を置くビルダーで、軽キャンパーとタウンエースやNV200バネットベースのコンパクトなバンコンやキャブコンをラインアップしている。
「リゾートデュオ」というネーミングは同社の最初のモデルに付けられたもので、マホガニーの無垢材を使ったアジアンテイストのモデルだった。「リゾートデュオバンビーノ」はこの流れを汲む後継モデルの位置付けとなる。(リゾートデュオの動画はこちら)
コンセプト
軽8ナンバーの軽キャブコンで、アルミパネルのシェルにより軽量化を図っている。また、ポップアップルーフを標準装備することにより、高い天井高を確保するとともに、4名就寝ができファミリーでも車中泊ができる。
エクステリア

リゾートデュオバンビーノのエクステリア
ベース車はダイハツハイゼットトラックで、これに断熱材がサンドイッチされた6層構造のアルミ複合パネルのシェルを架装している。アルミパネルのシェルは比較的軽量化を図ることができ、結果走行性能の向上に貢している。
シェルの窓は全てアクリル化されており、断熱対策も十分とられている。エントランスドアは2重構造で、内側のドアはバグネットになっており、夏場にドアを開放して涼むことができる。
ポップアップルーフも標準で架装されており、ダンパーにより軽い力で上げ下げできる。テント生地は防水構造で、バグネットにもなり、またバグネットも外してフルオープンにすることもできる。
なお、シェルの塗装色は選択できる。
インテリア

暖かい木の感覚を生かした家具
木材の暖かさを感じさせる家具をふんだんに使用している。なお、オプションでマホガニー材に変更することができ、以前の「リゾートデュオ」のようなアジアンテイストのインテリアにすることもできる。
また、シート生地や色も豊富なサンプルから選択でき、自分好みのインテリアにすることができる。
レイアウト
ダイネットシートはL字型に配置されており、横座りシートに2名着座して、計4名でドライブすることができる。ただし、前向き着座できるのは運転席と助手席の2名のみなので、4名での長距離ドライブには適さない。

リクライニングできるオリジナルシート(写真:stage21)
なお、リゾートデュオバンビーノの大きなアドバンテージは、運転席、助手席に同社のオリジナルリクライニングシートを標準装備していること。キャンピングカーはついつい後部の居室部に目が行くが、長時間運転することが多く、運転席にこそ機能的なシートが必要だ。
ダイネット

4名が対座できるダイネット(写真:stage21)
シートはL字型に配置されており、着座すると方向がバラバラのように見える。しかし横座りシートのみベッド展開すると、4名が対座できるようになる。また2名が足を伸ばして寛ぐこともできる。
疲れたらすぐに横になることもできるので、常時このモードにしておくと良いかもしれない。もちろん常時ベッドモードにしておいて折り畳みテーブルを用意すれば、ちゃぶ台スタイルで寛ぐことができる。
ベッド

大人が2名就寝できるダイネットベッド
同社のモデルは皆ベッド展開が簡単にできるよう工夫されており、リゾートデュオバンビーノも例外ではない。ベッド展開は2つのシートそれぞれで行うが、手前のシートは座面をスライドさせ、シートバックを前に倒す。
奥のシートは台座をシート下から引き出し、そこにシートバックを乗せるだけだ。慣れれば1~2分で展開できてしまう。ただし、ベッドマットが厚いので押し込む場合と引き出す場合が少し力がいる。もちろんベッドマットが厚いのは良いことではあるが。
ベッドサイズは1800x1000mmで、規定上は大人2名が就寝できる。ただし、ベッド幅は家庭用シングルベッドとほぼ同じなので、実際には大人2名では少し窮屈ではある。

ここでも大人2名が就寝できるルーフベッド
もう一つのベッドは、ポップアップルーフを上げてできるルーフベッド。サイズは1800x1200mmで、ここでも大人2名が就寝できる。寒さ対策としてオプションでキルティングテント地などの防寒具が欲しいところだ。
ギャレー

白い丸形シンクが埋め込まれたギャレー
ギャレーコンソールには「リゾートデュオ」から伝わる白い丸形シンクが埋め込まれ、上板はタイル貼りになっている。タイルは美しいだけでなく、熱い鍋などを置いても良いようになっている。
下には各10Lの給排水タンクが収納されており、扉を開けると車外から取り出せる。また、この扉は跳ね上げて大きな調理台にもなる。シャワーフォーセットは、窓から外に出して車外でも使えるようになっている。
冷蔵庫/電子レンジ
冷蔵庫は各種ポータブル冷蔵庫がオプション設定されており、これを持ち込んで使用する。もちろん手持ちの冷蔵庫があればそれでも良い。ただし、冷蔵庫の設置場所は特に設定されておらず、どこかに固定する必要がある。
電子レンジもオプション設定はされていないが、Wavebox程度のものならギャレーコンソールに収納できるだろう。
ユーティリティールーム
軽キャブコンでユーティリティールームを持つモデルは他車にもなく、リゾートデュオバンビーノも同じ。小さな子供がいる場合は、ポータブルトイレを乗せておくと安心だが、このスペースではそれは厳しい。
ユーティリティールームを必要とする場合は、少なくともライトキャブコンクラスまでアップグレードする必要がある。ただし、同社ではタウンエースを使った「リゾートデュオバンビーノプラス」もユーティリティールームは持たない。
収納

ダイネット上のオーバーヘッド収納
リゾートデュオバンビーノは両サイドの扉付きのオーバーヘッド収納を持ち、食器やタオルなどを収納しておける。軽キャンパーでは収納が十分でないモデルが多いが、収納が少ないと車内が荷物で煩雑になってしまう。
ただし、大きなバッグなどは収納するスペースはなく、走行中はダイネットのフロア、停泊時は助手席や運転席に移動するといった使い方になるだろう。
空調

簡易クーラー「冷え蔵Ⅱ EX」を標準装備
暖房はFFヒーターがオプション設定されている。また、冷房は同社オリジナルの「冷え蔵Ⅱ EX」が標準装備される。これは内部に氷を入れたアイスボックスで、電動ファンで内部に空気を遠し、冷却された空気を排出するもの。
簡易クーラーなので、協力に冷房できるわけではないが、夜間に多少温度を下げることはできるようだ。ただ、これを常設設置しておける場所がないので、荷物同様、走行時はダイネット、停泊時は助手席へと移動する必要がある。

オプションのベンチレーター
また、オプションでサイドベンチレーターが設置できる。ギャレーコンソールの真ん中に大きな円形状のものがあるが、これが吸気口で、排気口は車外に取り付けられている。
テレビ/ナビ

標準装備の15インチフリップダウンモニター(写真:stage21)
国産カーナビと15インチフリップダウンモニターが標準装備される。
電装系

複合チャージャー
105Ahのディープサイクルバッテリーが1個標準装備される。また特筆できるのは、180Wソーラーシステムを標準装備し、走行発電とソーラー発電を合算して最大50
Aで充電できるシステムを標準で搭載している。
なお外部100V電源入力とこれによるサブバッテリー充電機能、500W疑似正弦波インバーターも標準装備される。疑似正弦波はパソコンなどの電源には使えないので、正弦波インバーターに交換しておいた方が良いだろう。
価格(2020年12月現在:千円台切り上げ:税別)
2WD/5MTで298万円~。スマートアシストが付いたエクストラ"SAⅢt"グレードでは、5MTで322万円~、4ATで331万円~となっている。シェルが軽量なのでATでも走りは悪くないため、2WD/AT
エクストラ"SAⅢt"グレード(331万円~)がお勧めだ。
必要なオプションはFFヒーター(21万円)と正弦波インバーターが挙げられる。ドライヤーなど特に大きな消費電力の家電品を使わないなら500W程度でも問題ない。
他モデル
軽8ナンバーのキャブコンは、インディアナRVのインディ727-L(287/317万円~:最低グレード5MT価格/エクストラSAⅢt価格)、オートショップアズマのK-ai TypeD(298万円~:5MT)、東和モータースのインディ108(287/312万円~)、バンショップミカミのテントむし(278/305万円~)フィールドライフのバロッコ(322/340万円~)がある。
このうちリゾートデュオバンビーノと同じレイアウトを持つのは、インディ727-Lとバロッコの2モデル。インディ727はアルミシェル、バロッコはFRPシェルを架装する。更に詳しい比較は「軽キャブコン特集 ~10モデルを徹底比較」を参考いただきたい。
まとめ
リゾートデュオバンビーノは2名で使うには最適なレイアウトで、横向きシートのおかげで前後の動線も確保されており、窮屈感は少ない。また、運転席、助手席がリクライニング可能なオリジナルシートになっているのは大きな利点だ。
またシート素材や色を自分好みに選択できることや、ベッドマットの厚さも利点に挙げられる。
ソーラーシステムが標準装備され電装系が充実しているのも優位点だが、ソーラーでの発電と走行充電が足されて同時に充電できるのは特筆できる機能と言える。
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