インディ108 東和モータース


インディ108東和モータースが販売する、ダイハツハイゼットをベース車にした、軽キャブ・コンバージョン キャンピングカー。インディアナRVが製作するインディ727のOEM(相手先ブランド生産)車だ。車体プリントは異なっているが、シェル形状は同じ。また、レイアウトはインディ727-Sタイプとほぼ同じになっている。

エクステリアはダイハツハイゼットトラックがベース車で、これにアルミベースのシェルを架装している。またシェルにはポップアップルーフが標準装備される。アルミ素材を使うことで軽量化を実現でき、特に動力性能で不利な軽キャンパーでは有利だ。またシェルの幅は車体と同じで、即ち軽8ナンバーでの登録となる。オートショップアズマラ・クーンのように軽自動車ベースでもシェルの幅を広くして余裕ある室内とし、普通車8ナンバー登録としているモデルもある。
なお、展示車は迷彩塗装を施した特別仕様車。迷彩カラーは4色から選択できる。迷彩デザインラッピングはオプションで、20万円(税別)追加。またラッピングのため耐用年数は3~5年とされている。

 落ち着いたトーンのインテリア

インテリアはオフホワイトの壁、ホワイトと濃いベージュのシート、そして淡い木目の家具の組み合わせで落ち着いた印象。インディ727の、オレンジ色を入れインパクトのあるメリハリのあるインテリアとは対照的だ。これは好みの問題だが、選択肢が増えたのはユーザーにとってはメリットだろう。

レイアウトは2列目にマルチモードシート(900mm二人掛けFASPシート)を配置した対座ダイネットと左側後部のギャレーコンソールで構成される。インディ727はこのレイアウト(Sタイプ)の他に、インディ727-Lタイプが選択できる。
なお、この2列目のFASPシートは後ろ向きかフラットのみで、前向きにはできない。4名乗車でドライブできるが、2列目シートは後ろ向き着座となる。

 後ろ向き着座の2列目シート

ダイネットは4名が対座できる。軽ベースでもさすがキャブコンだけあって、それなりに余裕がある。もちろん大人4名だとかなり窮屈だが、大人2名+子供2名なら問題は無い。テーブルはギャレーコンソール横に収納するスペースが用意されている。

 ルーフベッドボードを並べるとルーフベッドができる

ベッドはダイネットを展開してフラットにする。ここで2名、ポップアップルーフで2名が就寝できる。フロアベッドは1900×1130/1000mmの大きさ、ギャレーコンソールがあるので、足元が狭くなっている。大人2名が寝るのはかなり窮屈だ。
またポップアップルーフのルーフベッドは2100×1170mmで、こちらの方が大きい。それでも家庭用ベッドのシングルよりは広いがセミダブルよりは狭いので、やはり大人2名が就寝するのは窮屈かもしれない。もちろん、大人と子供が就寝するなら問題ないだろう。
なお、2人旅なら上下で分かれて使えばゆったり就寝できる。

 広い調理スペースを持つギャレー

ギャレーは比較的大きめのシンクがビルトインされたギャレーコンソールが、エントランス後部に配置されている。ギャレーコンソールは最後部まで続いており、上面の調理スペースも広いので、カセットコンロを置いて火を使うこともできる。シンクの下は各13リッターの給排水タンクが収納されているが、車外からアクセスできるので取り出しが楽だ。
冷蔵庫は、エンゲルの14Lのポータブル冷蔵庫がオプション設定されているが、特に置き場所が用意されているわけではない。また、電子レンジはオプション設定されていない。

 右側のオーバーヘッド収納

収納は、オーバーヘッド収納が左右と前面に用意されている。高さ、奥行きともに大きなものではないが、有ると無いとでは大違いで、車内が煩雑になるのを多少なりとも抑えることができる。ただ、立派なギャレーコンソールがあるので、ここにちょっとした引き出し収納などがあれば使いやすいだろう。大きなバッグなどは3列目シート下が収納スペースとして使える。なお、後部からアクセスできるバゲッジドアがオプションで用意されている。

 オプションのバゲッジドア

空調は、FFヒーターがオプション設定されている。冬場はもちろん、春先や秋口でも使えるので設置することをお勧めする。FFヒーターを設置する場合はバッテリーのアップグレードも一緒にすると良いだろう。なお、冷房系のソリューションは用意されていない。

電装系は80Ahのサブバッテリーが1個と走行充電が標準装備される。外部100V入力も標準装備されるが、外部入力でサブバッテリーを充電する機能はオプション。サブバッテリーは105Ahにアップグレードできるほか、105Ahのツイン仕様にすることも可能。更に300Wのインバーターもオプション設定されている。室内には100Vのコンセントが用意されているが、標準では外部電源入力がある場合のみ使用できる。バッテリーで100Vの家電品を使いたい場合は、インバーターオプションを設置する必要がある。

価格は、288万円~(2WD/4AT:税別)。ポップアップルーフ付き軽キャブコンは、200万円半ばから300万円程度まで(税別)なので、インディ108は平均的な価格帯と言える。軽キャブコンのレイアウトや装備は各社それほど大きく変わらないが、インディ108は同社の上位モデル譲りの高級感があり比較的落ち着いたインテリアが特徴だ。願わくば、冷蔵庫の設置場所(邪魔にならず簡単に内容物が取り出せる手段:例えば普段は3列目シートの下に設置されているが、必要に応じて軽い力でスライドして出てくるなど)や電子レンジのソリューションが欲しいところだ。

 

モデル インディ108
ビルダー 東和モータース
ベース車 ハイゼット
形態 軽キャブコンバージョン
ルーフ架装 ポップアップルーフ
ナンバー区分 軽8
乗車人数 4
就寝人数 4
ダイネット形態 対座
ベッド形態 ダイネット展開フロアベッド
ルーフベッド
コンロ ○(卓上型カセットタイプ)
シンク
給水タンク ○(13L)
排水タンク ○(13L)
冷蔵庫 OP(14L)
電子レンジ -
ユーティリティールーム -
ポータブルトイレ -
カセットトイレ -
温水シャワー設備 -
ルーフベンチレーター -
サンルーフ -
FFヒーター OP
ルームエアコン -
サブバッテリー ○(80Ah x1)
バッテリー増設 OP(105AH x2)
走行充電システム
外部100V入力/充電 OP
インバーター OP(300W)
発電機 -
ソーラーシステム OP(80W x1)
全長(mm) 3,390
全幅(mm) 1,470
全高(mm) 1,990
価格 288万円~(2WD/4AT)

2019年9月現在  (○は標準装備/OPはオプション)
価格は千円台切り上げ(税別)

動画はこちら

2019.9.17