オーロラエクスクルーシブ 5 Starはケイワークスが製作する、ハイエースをベース車にしたバンコンキャンピングカー。ルーフが水平に持ち上がるエレベーションルーフをオプション(110万円)で架装できる。
同社はハイエースバンコンキャンピングカーを中心にラインアップしているが、軽キャンパーの「NEDOKO」やデリカD:5にポップアップルーフを架装した「D:5クルーズ」、あるいはトラベルトレーラーも扱っている。
ハイエースのラインアップは「オーロラスタークルーズ」シリーズと名付けられており、その中には「クラッシックバン」など多くのモデルがある。
「オーロラエクスクルーシブ」はその中でもフラグシップに位置するモデルで、ワイドミドルと標準ボディのナローが選択できる他、5名乗車の「5 Star」と7名乗車の「7 star」が選択できる。
更に2列目シートをREVO1400mm(TypeⅠ)かREVO1200mm(TypeⅡ)かの選択もできる。TypeⅠではワゴンGLかバンスーパーGL、TypeⅡではバンスーパーGLが選択できる。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
コンセプト
ハイエースワイドミドル、あるいは標準ボディ(ナロー)をベース車にし、エレベーションルーフをオプションで架装できる。ハイグレードのインテリアと、リチウムイオンバッテリー+一体型クーラーを標準装備し、快適で豪華な室内を実現している。
2列目にマルチモードシート(REVO)を配置し、5名が前向きに乗車できる。また、3列目に簡易前向きシートを持ち5名乗車の5 Star、と3列目シートに追加で2名が横向き着座できる7名乗車の7
Starがある。
また常設コンロや横開き式冷蔵庫、電子レンジを標準装備し、ハイエース標準ボディながら長期旅にも対応できる装備を持つ。
アピールポイント
・ワイドミドルと標準ボディ(ナロー)を選択できる
・スーパーGLが標準グレード
・エレベーションルーフを架装できる(OP)
・高品質で高級感のあるインテリア
・5名乗車と7名乗車を選択できる
・エアコンとリチウムイオンバッテリー標準装備
・常設コンロ、横開き式冷蔵庫、電子レンジを標準装備
・外部電源による充電機能、2000Wインバーターも標準装備
エクステリア
オーロラエクスクルーシブのエクステリア
ベース車はハイエースワイドミドルルーフか標準ボディ標準ルーフを選択できる。どちらもエレベーションルーフ(OP)を架装できるようだが展示車は標準ボディのみとなっていた。また、ワイドボディのグレードはワゴンGLかバンスーパーGLを選択できる。
エレベーションルーフは標準ボディで1,100,000円とされている。通常のポップアップルーフが935,000円なのでエレベーションルーフは多少高価になる。エレベーションルーフの利点は、車内が全体的に高くなることはもちろんだが、就寝方向を変えられること、ソーラーパネルの向く方向を気にして駐車する必要が無い点。
車中泊の場合は必ずしも地面が水平とは限らず、寝る方向が限られると頭が下になることがある。(頭に血が上る)しかし、寝る方向を選べると、状況に合わせて頭が上になるように就寝できる。
またソーラーパネルの方向については説明の必要が無いだろう。ポップアップルーフでは駐車する向きを常に太陽の方向にしないと発電効率が落ちる。
インテリア
高級感のあるインテリア
オーロラシリーズのみならず、同社のモデルのインテリアは高級感がある。家具のエッジは金属でガードされていると同時に美観の向上に貢献している。照明はスポットライトが中心で、お洒落な室内にしている。
なお、最後部右側にある白い機器は一体型クーラー(ヒーター機能もある)だ。クーラーも標準装備されるのは素晴らしいが、インテリア的には少し浮いている。
レイアウト
2列目にマルチモードシートを配置するが、REVO1400mmのTypeⅠと、REVO1400mmのTypeⅡを選択できる。(ただしワゴンベースではTypeⅠのみ)
また、3列目シートが前向き簡易シートの5 Starと、2名が横座りできるベンチシートの7 Starが選択できる。どちらも前向き乗車は5名だが、7
Starは横座りで2名が追加乗車できる。
ただし、いずれにしてもエレベーションルーフが無ければ2名就寝に留まるので、クルマ旅なら2名しか乗車できない。もちろんエレベーションルーフを架装した場合は4名就寝になるのでファミリーでもクルマ旅ができる。
ダイネット
5名が対座できる5 Starのダイネット
ダイネット形態は、5 Starと7 Starで異なる。5 Starでは3列目が前向き簡易シートになっており、テーブルを挟んで対座ダイネットが形成される。
7 StarのL字型のダイネット
一方、7 Starでは後ろ向きにした2列目シートと3列目にの横座りシートとでL字型のダイネットとなる。対座ではないが後部への動線ができ、車内の移動が楽になる。
ベッド
シートを全てフラットにしたダイネットベッド
シートを全てフラットにすると、ダイネットベッドになる。ベッドサイズは表示されていないが、シート幅が1400mmあるいは1200mmであることから、大人が2名就寝できることが分かる。
エレベーションルーフベッド
また、オプションのエレベーションルーフを架装している場合は、ここでも大人2名が就寝できる。なお、ポップアップルーフでは防寒インナーが用意されていたが、エレベーションルーフではその記述はない。
ギャレー
5 Starのギャレー
5 Starのギャレーには常設1口コンロが一体になったシンクがビルトインされている。ハイエースクラスのバンコンではコンロが常設されているモデルは少なく、いちいちポータブルカセットコンロをセットする必要があった。
5 Starではそのような煩わしさなく調理できる。また調理面も大きくとってあり、調理する場合に広く使える。
7 Starのギャレー
一方、7 Starではやはり広いギャレーコンソールを配置しており、前後に二つのシンクをビルトインしている。しかしコンロは常設されず、調理する場合はポータブルカセットコンロをその度にセットする必要がある。
もっとも、後部のシンクは8ナンバー取得のためのもので、床には高さをクリアするための床下収納も用意されている。従って、7 Starでもエレベーションルーフを架装する場合は、シンクの位置を自由にでき、常設コンロも可能と思われる。
なお、どちらもギャレーコンソール下に各10Lの給排水タンクを収納しており、エントランスで車外から直接アクセスできる。
冷蔵庫/電子レンジ
横開き式49L冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は49L横開き式が標準装備される。最後部にビルトインされているので、車外からも冷たい飲み物を取り出すことができる。また買ってきたものを車外から直接冷蔵庫に入れることができる。
家庭用100V仕様の電子レンジが標準装備される
電子レンジも家庭用100V仕様のものが標準装備される。リチウムイオンバッテリーとインバーターも標準装備なので、電気を気にすることなく電子レンジを使うことができる。
多目的ルーム
オーロラエクスクルーシブに多目的ルームは無いが、ポータブルトイレを積んでおくことはできる。ただし、隠すところが無いので常に見える状態だし、邪魔にもなる。現実的には難しいだろう。
収納
ギャレーコンソールの引き出し収納
ギャレーコンソールに引き出し収納が設けられており、カトラリーや小型の食器などを収納できる。
ワイドロングベースの床下収納
また、後部の床には床下収納が用意されている。これはエレベーションルーフが架装されていない場合、8ナンバー取得のためにギャレー前の高さを1600mm確保するためのもので、もちろん収納として使える。
ただし収納はこれだけで、クルマ旅の場合は荷物の置き場に困るかもしれない。ドライブ中はダイネットや後部に置いておき、停泊時や就寝時は運転席や助手席に移動するといったことが必要になる。
空調
一体型エアコンが標準装備される
暖房はFFヒーターがオプション設定されている。エクスクルーシブは必需機能がほぼ全て標準装備されているのだが、最も必需品と考えられているFFヒーターも是非標準装備して欲しい。
一方、エアコンはトヨトミのスポットクーラー/ヒーターが標準装備される。ヒーター機能もあるのでFFヒーターがオプションになってるのかもしれないが、サブバッテリーの運転時間を考えると、FFヒーターの方が効率的と思われる。
テレビ/ナビ
テレビのオプションについては記述が無いが、設置は可能と思われる。またナビについても記述は無いが、希望のものが取りつけられるだろう。
電装系
リチウムイオンバッテリーが標準装備される
同社は「Mevius」と名付けられたリチウムイオンバッテリーを独自に扱っており、同社のキャンピングカーに標準装備されている。5 Starでは100Ahが3個、7
Starでは160Ahが2個となっていたが、この辺りは多少変更があるのかもしれない。
いずれにしても300Ah以上のリチウムイオンバッテリーが標準装備され、また300W(7 Starは310Wとなっていた)のソーラーシステムも標準装備されるので、電気の面に関しては何の不安もない。
また走行充電と外部100V電源入力および充電機能も標準装備される。7 starでは走行充電Max60A、外部充電Max50Aとなっていた。単純計算だと空のサブバッテリーに5~6時間程度で満充電できる計算になる。
価格(2021年4月現在:千円台切り上げ:税込)
同社のサイトでは、標準ボディS-GLの5 Star TypeⅠガソリン2WD/6ATは640万円~、ワイドミドルワゴンの5 Star TypeⅠガソリン2WD/6ATは643万円~、ワイドミドルバンS-GL
TypeⅠ/Ⅱガソリン2WD/6ATは664万円~となっている。
この他、4WDやディーゼルも選択できる。
付けておきたいオプションはFFヒーター(225,500円)が挙げられる。またエレベーションルーフははオプションで935,000円。
他モデル
ハイエース標準ボディとワイドミドルのバンコンは多く存在するが、エアコンが装備できるモデルはまだまだ少ない。標準ボディではポップアップルーフを持つホワイトハウスのコンパスビッツ(499万円:ポップアップルーフ)と、キャンピングカー長野のスペースキャンパーCOOLs(価格不明:2021年4月時点で618万円~)が挙げられる。
またワイドミドルでは、ホワイトハウスのコンパス(676万円~:ポップアップルーフ)、OMCの北斗対座モデル(549万円~)、キャンピングカー長野のスペースキャンパーCOOL(価格不明:2019年4月時点で616万円~)、キャンパーアシストのホロウ(価格不明:2021年7月時点で567万円~)が挙げられる。
北斗対座モデルはノーマルルーフ、スペースキャンパーCOOLは小ポップアップルーフ、ホロウはハイルーフ架装、コンパスはポップアップルーフを架装する。
また、コンパスとコンパスビッツではクーラー(CoolStar: 429,000円)とリチウムイオンバッテリーシステム210Ah(748,000円)、北斗対座モデルではクーラー(CoolStar:715,000円)とリチウムイオンバッテリー200Ah(1,155,000円)、ホロウでは家庭用エアコンと100Ahリチウムイオンバッテリー(価格不明)はそれぞれオプションとなっている。スペースキャンパーCOOLとCOOLsは一体型クーラーとリチウムイオンバッテリー(100Ah
x2)が標準装備される。
まとめ
オーロラエクスクルーシブはギャレー、常設コンロ、横開き式冷蔵庫、電子レンジ、クーラー、リチウムイオンバッテリーがすべて揃っており、長期旅にも十分対応できる。これだけの装備ができるのは、他に標準ボディでは存在せず、ワイドミドルボディでは北斗対座モデルとホロウがあるのみ。ただし、これらはポップアップルーフは無い。
価格は、標準ボディのオーロラエクスクルーシブにエレベーションルーフを架装すると730万円を超えるが、例えばコンパスビッツポップアップルーフのクーラー+リチウムイオンバッテリー装着した場合(628万円~:GLパッケージ)に比べ、かなり高価に見えるがベース車がスーパーGLであることを考えるとそれほど大きな違いはない。
このように、オーロラエクスクルーシブはファミリーで快適なクルマ旅ができるという面では他に比較できるモデルは無い。ハイエース標準ボディで、フル装備でファミリーでクルマ旅ができるモデルを希望するなら、オーロラエクスクルーシブはほぼ一択となる。
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