ACSエテルノオクタービアMは、RVビックフットが製作する、トヨタコースターをベース車にするバスコンバージョンキャンピングカー。
同社はACSリトルノオクタービアやスウィングN4.7といったハイエースベースのバンコンから、ACSオアシスSHのようなセミフルコンまで製作する、総合ビルダー。直近では、NV200バネットベースのスウィングJr.を追加、ラインアップの幅を広げている。
ACSエテルノオクタービアMは、その中でも中核をなすバスコンモデルで、広い室内空間を持ちながらも、セミフルコンほどは高価ではない位置付けとなっている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
トヨタコースターをベース車にするバスコンキャンピングカー。ベース車の窓がそのままの窓ガラス仕様と、後部の窓を窓埋めしたパネル仕様を選択できる。
レイアウトは、前部にリビングスタイルのダイネットを採用しているのが特徴。後部に広い横置きダブルベッドを設置している。同社のACSシリーズに共通する、ホワイトを基調にしたインテリアも人気の一因となっている。
空調は家庭用エアコンを標準装備。300Ahのリチウムイオンバッテリーもオプションで搭載でき、年間を通じて快適な二人旅が実現できる。
アピールポイント
・窓ガラス仕様とパネル仕様を選択可能
・リビングスタイルのダイネット
・ホワイトで統一されたインテリア
・後部の常設ダブルベッド
・家庭用の大型2ドア冷蔵庫を標準装備
・豊富な収納
・家庭用エアコン(標準装備)とリチウムイオンバッテリー(OP)
・大容量ソーラーシステム
ベース車とエクステリア

ACSエテルノオクタービアMのエクステリア
ACSエテルノオクタービアMのベース車はトヨタコースター標準ボディ、もしくは日野リエッセII。コースターには全長6,255mmの標準ボディと、全長が6990mmと7mに迫るロングボディがあるが、ACSエテルノオクタービアMは標準ボディのみの選択となる。
同車にはバスの窓がそのままの窓ガラス仕様と、後部の窓をアルミパネルで窓埋めしたパネル仕様(上の写真)がある。バスコンの場合、窓の面積が大きいため断熱効果が劣る可能性があり、窓埋めすることにより断熱効果を高める効果がある。
インテリア

ホワイトで統一されたインテリア
ACSエテルノオクタービアMのインテリアは、同社のACSシリーズに共通する、ホワイトで統一されたもので、非日常の空間はこのモデルのアピールポイントのひとつでもある。
レイアウト
前部にダイネット、中央にギャレーと多目的ルーム、後部に横置きダブルベッドの構成。室内スペースが広いので各部に無理が無く、多目的ルームの隣には大きなクローゼットまで配置されている。
乗車定員は、運転席、助手席と、単座を含めたダイネットに4名で6名。就寝人数は後部のダブルベッドに3名とダイネットを展開したダイネットベッドに1名で計4名となっている。
ダイネット

リビングスタイルのダイネット
L型ロングソファを配置したダイネットで、ダイネット(食事をする場所)と言うより、リビングといった空間が特徴。横向きの単座シートも用意されているので、対座することも可能だ。ただしこの単座シートは固定されていて前向きにはならない。
ベッド

後部の横置きダブルベッド
後部の横置きダブルベッドは1800x1500mmの大きさ。1500mmは家庭用ではクィーンサイズベッドの幅に近く、キャンピングカー要件では大人が3名就寝できる。もちろん、2名で使用する場合はゆったり就寝できる。

ダイネットベッド
ダイネットを展開するダイネットベッドは、1800x900mmの大きさで、1名が就寝できる。テーブルを下げて背もたれを移動するだけなので比較的簡単にベッドメイクできる。
ギャレー

ギャレーセクション
左側中央に配置されたギャレーキャビネットの天板にはシンクとフォーセット、それにIHコンロが常設されている。IHコンロの設置もACSのコンセプトに沿ったもので、ガスを使わない安全性が考慮されている。

シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各20Lの給排水タンクが収納されている。車外から直接タンクを出し入れできないが、エントランスのすぐ横なのでタンクの移動には苦労しないだろう。ただし20Lなので、それなりに重量はある。車外での移動にはキャリーなどがあると便利だ。
冷蔵庫/電子レンジ

137Lの2ドア冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は137Lの2ドアが標準装備されているが、これもACSのコンセプト通り家庭用の100V仕様の冷蔵庫が採用されている。

電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。クルマ旅ではちょっとした温めものや冷凍食品の調理に重宝する。
多目的ルーム

多目的ルーム
多目的ルームは、ポータブルトイレやラップ式トイレを置いてトイレルームとして使用できる。特に防水機能などは無く、温水シャワーのオプションも設定されていない。またFFヒーターの吹き出し口も無いようだ。
収納
収納は、オーバーヘッド収納、クローゼット、小物収納、後部ベッド下の外部収納が用意されている。

ダイネット両側にオーバーヘッド収納が設置される
オーバーヘッド収納はダイネット両側と、ベッドルームの両側と後部の3方に設置されており、大きな収納容量が確保されている。

多目的ルームの向こうにあるのがクローゼット
次に、クローゼットが多目的ルームの隣に設置されている。高さがあるので長いコートなどもそのまま吊るすことができる。

エントランス横の小物収納
写真のような収納が電子レンジの下とエントランスの横に用意されている。エントランス横の小物収納はペットのリードや遊び用具などを入れておくと便利かもしれないが、シューズボックスが無いのが多少不便な点かもしれない。

後部ベッド下の外部収納
後部のベッド下は大きな外部収納になっている。かさばるキャンプ用具などは車外から直接積み込める。
空調

家庭用エアコンを標準装備
家庭用セパレートエアコンが標準装備される。室内機はギャレーの上部に設置される。暖房はFFヒーターが標準装備される。ベンチレーターはマックスファンベンチレーターが2箇所に標準装備される。
テレビ/ナビ

テレビがオプションで設置できる
画面サイズが表記されていないが、テレビモニターがオプションで設置できる。設置場所は上の写真の通りエントランス上部で、ダイネットのソファから観るように想定されている。
電装系
サブバッテリーは300Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される。これはオプションで300Ahを追加し、600Ahにまでアップグレードできる。なお、リチウムイオンバッテリーをヒーター付きのものに変更することも可能だ。
その他の電装系では、走行充電、外部100V電源入力、チャージャー、3000W正弦波インバーター、そして180Wのソーラーパネル4枚(=720W)が標準装備される。即ち、電装系は大変強力だ。
価格(2025年4月現在:千円台切り上げ:税込)
ベース車はディーゼル6ATのみで、車両本体価格は1781万円~。標準装備が充実しているため、付けておきたいオプションは特に無いが、大型冷蔵庫であることや、IHコンロを長時間利用したり、電子レンジを頻繁に利用したり、テレビを長時間見るといった場合は、リチウムイオンバッテリーを600Ahにアップグレードしておくと安心だ。(ナビ関連は除く)
他モデル
そもそもバスコンは非常に少なく、RVビックフットのACSエテルノオクタービアMの他、RVランドのランドホームコースター(1628万円~:LX)、RVグランモービルのトラッド699(1230万円~)くらいしかない。
ACSエテルノオクタービアMの他の選択肢としては、ランドホームコースターになるだろう。トラッド699は窓ガラスがそのままになっており、窓埋め仕様は無い。
ランドホームコースターはダイネットが対座スタイルで、4名が前向き乗車でき、5名が就寝できるため、ファミリーでの使用にも向いている。
まとめ
ACSエテルノオクタービアMは6名が乗車できるが、前向きに乗車できるのは2名(運転席、助手席)なので、長距離乗車のクルマ旅を考えると二人での使用が適している。ランドホームコースターは、その点汎用性に優れ、ファミリーでも使用できる。
しかし、二人で使用することが前提なら、ACSエテルノオクタービアMはより優雅な室内となる。家庭でもそうだが、ダイニングよりもリビングの方が寛ぐスペースとしては適しているからだ。単座シートも用意されているので、対座して食事することもできる。
関連記事