リゾートデュオルクシオはstage21が製作する、トヨタタウンエースバンをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
同社は神奈川県相模原市に本拠を置くビルダーで、軽バンコン、軽キャブコン、タウンエースバンコンを中心にラインアップを形成しているが、最近ではハイエースベースのバンコンやカムロードベースのキャブコンもラインアップに加えてる。
リゾートデュオルクシオシリーズは同社のタウンエースベースのバンコンの総称で、様々なレイアウトをそろえている。現在では、ルクシオプロ、ルクシオプロⅡ、ルクシオプロⅢ、ルクシオⅣ、そして最新のルクシオプロαがラインアップされている。
なお、ルクシオⅤという名称があるが、これは車両本体の名称ではなく、ハイルーフ(パーツ)のみの名称となっている。 各ルクシオに架装することができ、例えばルクシオⅣに架装すると、リゾートデュオルクシオⅣ+リゾートデュオルクシオVということになる。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
リゾートデュオルクシオシリーズは、ルクシオプロ、ルクシオプロⅡ、ルクシオプロⅢ、ルクシオⅣ、ルクシオプロαがラインアップされている。ルクシオVもあるが、これはハイルーフのみの名称で、各ルクシオのベース車に架装する。
各ルクシオプロモデルには、冷蔵庫、電子レンジ、クーラー、100Ahリチウムイオンバッテリー、その他の電装系など主な装備が標準で搭載されている。ルクシオⅣのみ「プロ」が付かないが、これはシンプル装備で、上記のような装備が付かないため。
アピールポイント
・軽バンコンより広く、ハイエースよりコンパクトで、ちょうど良いサイズ
・ハイルーフが選択でき、圧迫感の少ない室内
・様々なレイアウトを選択可能
・ポータブル冷蔵庫、電子レンジを標準装備(ルクシオⅣを除く)
・クーラーとリチウムイオンバッテリーを標準装備(ルクシオⅣを除く)
ベース車とエクステリア

リゾートデュオルクシオプロα(手前)とハイルーフ架装時(奥)
ベース車はトヨタタウンエースバン。グレードはGLが標準となる。2WDと4WDが選択できる。各モデルは標準ルーフが標準となっており、FRPハイルーフ(リゾートデュオルクシオⅤ)を架装できる。
リゾートデュオルクシオⅤハイルーフ

リゾートデュオルクシオⅤ(ハイルーフ部)
車両モデルのような名称だが、FRPハイルーフ部のみの名称。ハイルーフはリゾートデュオルクシオシリーズの各車に架装できる。

高い天井高
ハイルーフを架装すると、室内高は1750mmとなり、大人が立って着替えができる。キャンピングカーの室内空間は面積よりもむしろ室内高が重要で、圧迫感の少ない室内は長期のクルマ旅の疲労を軽減するのに大きな効果がある。

ルーフベッドボードはオプション
ルーフベッドボードがオプションで用意されており、これを敷き詰めると1840x1000mmのベッドになる。1000mmの幅は家庭用ではシングルベッドの幅だが、キャンピングカー要件では2名が就寝できることになる。
即ち、例えばルクシオⅢ(後述)では5名が前向き乗車でき、4名が就寝できることになるので、ファミリーでのクルマ旅が可能になる。ボディサイズ的に大人4名では厳しいと思われるが、大人2名と小さな子供2名なら現実的だろう。
更にオプションで、ハイルーフの後部にアクリル2重窓が用意されている。網戸とシェードが組み込まれており、開けて通風したり、シェードでプライバシーを確保できる。
リゾートデュオルクシオプロ α

リゾートデュオルクシオプロαのインテリア
2025年に発表された最新モデル。ルクシオシリーズの最終形を謳っており、シリーズ最大の室内空間とベッドサイズを誇る。
レイアウトはベンチシートでテーブルを囲むスタイルのダイネットと、後部左側のギャレーキャビネットの組み合わせ。運転席、助手席以外に前向きのシートは無く、二人旅に適したレイアウトとなっている。

ルクシオプロαのベッド
ダイネットを展開すると、2100(最大)x1500mmのベッドになる。1500mmは家庭用ではレギュラーダブルベッド以上の幅で、大人が2名ゆったりと就寝できる。ただしギャレーキャビネットの部分は身長方向が短くなる。

ルクシオプロαのギャレー
ギャレーキャビネットには跳ね上げ式の調理台が用意されており、ポータブルガスコンロなどを置いて調理ができる。ポータブル冷蔵庫、電子レンジ、クーラー、100Ahリチウムイオンバッテリーは従来のルクシオプロ同様、標準装備される。
室内空間が最大にできた理由は、15Lポータブル冷蔵庫と電子レンジをシート下に収納し、クーラーをルーフに設置したことによる。ただし、冷蔵庫や電子レンジへのアクセス性は、ルクシオプロなどの方が良い。
また、クーラーをルーフに設置したことにより、ソーラーパネルを設置するスペースがなくなった。ソーラーパネルを設置したい場合は、従来のルクシオシリーズ同様、車載用セパレートクーラーのOne
Coolを選択することができる。
リゾートデュオルクシオプロ

ルクシオプロのレイアウト
ルクシオプロは2022年に発表されたモデルで、キャンピングカー要件の変更により、このモデルから8ナンバー登録が可能になった。それを機会にルクシオからルクシオプロとなっている。

ルクシオプロの後部
レイアウトはルクシオプロαと同様にテーブルの周囲をベンチシートで囲むダイネットスタイルだが、ルクシオプロαと異なる点は、ギャレー、ポータブル冷蔵庫、電子レンジ、クーラーをまとめて後部の壁に収納している点。

ルクシオプロのベッド
そのため、ダイネットを展開したベッドサイズは1800x1370mmと、身長方向がルクシオプロαに比べて短くなっている。しかし、後部の装備にはすぐに手が届くので、利便性は高い。更に、ベンチシート下に電装系以外装備が無いので、収納スペースも広く取れている。
広い室内と広いベッドが優先の場合はルクシオプロαが向いているが、長身ではなくベッドが窮屈でない場合は、ルクシオプロがお勧めだ。
リゾートデュオルクシオプロⅡ

ルクシオプロⅡのダイネット
リゾートデュオルクシオプロは、後部に装備が集中していたので使いやすかったが、後部から荷物が積めないのが難点だった。 そこで、ポータブル冷蔵庫とシンクを前部に移動したのが、リゾートデュオルクシオプロⅡだ。
ベンチシートは横座り対座スタイルに変更されているが、やはりフロントの2席以外前向きシートは無いので、二人旅仕様と言える。(乗車定員は4名)

ルクシオプロⅡの前部
シンクとフォーセットはエントランスの横にあるので、車外で手を洗ったり、シャワーフォーセットを引き伸ばして車外で使うこともできる。なお、運転席、助手席から後部への移動は、冷蔵庫があるので難しい。これが問題の場合は、冷蔵庫を床に下すと良いだろう。

ルクシオプロⅡのベッド
ダイネットを展開してベッドにすると、ルクシオプロと同じ1800x1370mmの大きさのベッドになる。大人が2名ゆったりと就寝できる。後部には電子レンジとクーラーが収納されている。
リゾートデュオルクシオプロⅢ

ルクシオプロⅢのレイアウト
2列目に3人掛けのマルチモードシートを採用したのがルクシオプロⅢだ。これにより、フロントシートを合わせて5名が前向き乗車できるようになった。ファミリーでの長距離の乗車も可能だし、チャイルドシートの装着も可能だ。

ルクシオプロⅢのベッド
ダイネットを展開すると、前2モデルと同様、1800x1370mmのベッドになる。ただし、ベッド展開はマルチモードシートがあるので多少複雑になる。またマルチモードシートの下は収納にできないので、ベンチシートの下の収納スペースは前2モデルに比べて少なくなる。
ルクシオⅢの優位点は、大人2名と小さな子供1名なら、全員が前向き乗車でき(チャイルドシートも可)、ダイネットベッドにも就寝できること。更にハイルーフ(ルクシオⅤ)を架装すると、大人2名と子供2~3名が前向き乗車でき就寝できる。
シンク、ポータブル冷蔵庫、電子レンジ、クーラーは標準装備され、収納はルクシオプロ同様、後部のウォールにまとめて収納される。
リゾートデュオルクシオⅣ

ルクシオⅣのレイアウト
ルクシオⅣは、装備がシンプルなため、充実した標準装備が条件の「プロ」の名称が付かない。しかし日常用途が中心で、たまに車中泊も可能というコンセプトは明確だ。そのため、ミニバンと同じように使えるマルチモードシートが必須となっており、5名が前向き乗車できる。

ルクシオⅣのベッド
ダイネットを展開すると、1860x1200mmのベッドになる。1200mmは家庭用ではセミダブルベッドの幅に相当する。

ルクシオⅣのシンク
ルクシオⅣはシンプル装備だが8ナンバー登録なので、シンク+シャワーフォーセットとIHコンロが標準装備されている。One Coolのクーラーはオプションだが、100Ahのリチウムイオンバッテリーは標準装備となっている。
ソーラーシステムを搭載すれば自家発電でき、災害時のシェルターとしても役に立つだろう。ペットがいて避難所に入所できない場合にも、日常用途のクルマがシェルターになれば安心だ。
共通装備:冷蔵庫/電子レンジ

ルクシオプロⅢのポータブル冷蔵庫
ルクシオプロシリーズには15Lのポータブル冷蔵庫が標準装備される。冷蔵と冷凍の切り替えが可能だが、横開き式冷蔵庫のように冷凍と冷蔵を同時に行うことはできない。しかし、冷凍も可能なので、冷凍食品を保冷しておくことができるのは有用だ。
電子レンジは、ルクシオⅣを除き、家庭用のものが標準装備される。1500W正弦波インバーターも標準装備されるので、外部電源が無い環境でも電子レンジを使うことができる。
共通装備:空調

ルクシオⅢのOne Cool 21
クーラーは「プロ」全車に車載用セパレートクーラーOne Cool 21が標準装備される(ルクシオⅣはオプション)。なお、ルクシオαにはじめて搭載されたルーフクーラーも選択できるだろう。ただし、ルーフクーラーとベンチレーターを付けてしまうとソーラーパネルを設置するスペースが無くなってしまう。
FFヒーターは、ガソリンタンクから燃料を引く通常のものと、灯油を使用する灯油式FFヒーターが選択できるため、全車でオプションとなっている。灯油式は多少火力が弱いが、燃料タンクを加工する必要が無く、価格もガソリン式に比べ安価だ。
ベンチレーターは全車に標準装備されている。
共通装備:収納

ルクシオプロⅢのベッド下収納
ベッド下の収納が中心になるが、マルチモードシートを採用するルクシオプロⅢとルクシオⅣでは、ベンチシートの数が少なくなる分収納も少なくなる。ハイルーフを架装してもオーバーヘッド収納が付かないのは残念なところだ。ルーフベッドを付けない場合はオーバーヘッド収納のオプションが選択できると良いのだが。
共通装備:電装系

ルクシオαのリチウムイオンバッテリー
サブバッテリーは全車に100Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される。オプションでもう1個追加することもできる。クーラーやIHコンロを日常的に使う場合は、増設しておくと安心だ。
その他の電装系では、走行充電、外部100V電源入力とチャージャー、1500W正弦波インバーター、180W薄型ソーラーパネルが標準装備される(ルクシオⅣとルクシオαを除く)。オプションで210Wへのアップグレードも可能だ。
共通装備:テレビ/ナビ
24型のテレビモニターが標準装備される(ルクシオⅣを除く)。設置位置は左側後部で、角度を変えられるステーで設置されている。ナビも標準装備されるのは大きな優位点だ(ルクシオαとルクシオⅣを除く)。
価格(2025年4月現在:千円台切り上げ:税込)
各モデルは2WDと4WDを選択できる。価格は以下の通り。
ルクシオプロ
ガソリン2WD:498万円~
ガソリン4WD:526万円~
ルクシオプロⅡ
ガソリン2WD:498万円~
ガソリン4WD:526万円~
ルクシオプロⅢ
ガソリン2WD:542万円~
ガソリン4WD:570万円~
ルクシオプロⅣ
ガソリン2WD:355万円~
ガソリン4WD:383万円~
ルクシオプロα
ガソリン2WD:397万円~
ガソリン4WD:425万円~
ルクシオプロⅤ(ハイルーフ)
本体:683,100円
ルーフベッド:88,000円
アクリル2重窓(500mm x 250mm):66,000円
付けておきたい必需オプションは、ルクシオⅣを除き、標準装備が充実しているのでほとんど無いが、FFヒーターはガソリン式(286,000円)か灯油式(154,000円)かを選択して忘れず付けておきたい。
他モデル
タウンエースをベース車として使用しているバンコンは多数あるので、当サイトの条件検索で見ていただきたいが、最近増えているハイルーフをピックアップすると、レクビィのコットCT(765万円~)、ホビクルタウンランダーCT(410万円~)、AtoZのアンナ ModelM(449万円~)、タコスのハナ(421万円~)、RVグランモービルのボーテ5(675万円~)、キャンピングカー広島のピコ ハイルーフ(価格不明)がある。(2WDの価格。太字のモデルはクーラーとリチウムイオンバッテリー付き)
ルクシオプロは、ハイルーフ(ルクシオⅤ)を架装すると、ルクシオαで481万円~、マルチモードシートを持つルクシオプロⅢで626万円~となる。
まとめ
ルクシオシリーズを含め、同社のモデルは標準装備が充実しているうえ、比較的安価な価格設定が魅力だ。家具などは必ずしも高級感があるとは言えないが、そこにこだわらないユーザーにとっては魅力的なモデルと言える。
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