リゾートデュオバンビーノプラスプロはstage21が製作する、タウンエーストラックをベース車にしたライトキャブコン。
同社は軽バンコンからハイエース標準ボディをベース車に使用するコンパクトバンコンやライトキャブコンを中心に製作するビルダー。同社のキャンピングカーは全て「リゾートデュオ」という名称が与えられる。
リゾートデュオバンビーノプラスプロは、前身の「リゾートデュオバンビーノプラス」から進化したモデルで、新たに車載用セパレートクーラーとリチウムイオンバッテリーが標準装備された。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
タウンエーストラックをベース車に使用したライトキャブコン。3層構造のアルミコンポジットパネルのシェルを架装する。後部に前向きのシートを持たない二人旅向けのレイアウトを採用。
ポータブル冷蔵庫、電子レンジ、インバーター、外部電源入力と充電機能、ソーラーシステムなど、充実した標準装備が特徴だが、「プロ」では新たに車載用セパレートクーラーとリチウムイオンバッテリーが標準装備された。
アピールポイント
・全長4,660mm、全幅1,870mmのコンパクトボディ
・全高 2,080mmで地下駐車場なのにも侵入可能
・ポップアップルーフ標準装備
・断熱性と軽量化を図った3層アルミコンポジットシェル
・二人旅向けの広いレイアウト
・充実した電装系
・車載用セパレートクーラーとリチウムイオンバッテリーを標準装備
ベース車とエクステリア

リゾートデュオバンビーノプラスプロのエクステリア
ベース車はトヨタ タウンエーストラックDX”Xエディション”。これに3層構造のアルミコンポジットパネルを使用したシェルを架装する。またポップアップルーフも標準装備。
プロでは新たに大きなリアゲートが標準装備され、後部から大きな荷物を積み込めるようになった。リアゲートと左右の窓はアクリル2重窓になっており、断熱性に優れる。従来のモデルではアクリル2重窓は引き戸だったが、フルオープンできる跳ね上げ式に変更されている。
インテリア

インテリアカラーは選択できる
展示車は上の写真のようなインテリアカラーを採用していたが、シート地は多くのサンプルから選択できる。
レイアウト
前部にギャレー、後部はコの字型ダイネットの構成で、二人旅に適したレイアウトを採用。後部には2名が乗車できるので、乗車定員は4名となっている。
ベッドはダイネットを展開して形成し、3名が就寝できる。また、ポップアップルーフを開いてできるルーフベッドでは子供が1名就寝できる。
ダイネット

コの字型のダイネット
横座り対座と後部でコの字型のダイネットを形成し、2名なら余裕の広さ。テーブルは大きく2名でも食事なら十分な大きさとなっている。
リクライニング機構などはないが、両側のベンチシートで足を伸ばしてテレビ(標準装備)を観ることができる。
ベッド

厚いベッドマットを採用したベッド
ダイネットを展開すると1800x1740mmの大きさのベッドになる。これは家庭用キングサイズベッドの幅(1800mm)に近く、大人3名が就寝できる。ベッドマットは厚さが65mmと厚く、快適な寝心地が期待できる。
ベッド展開はシートマットをスライドして空いたスペースに背もたれをはめ込むだけ。マルチモードシートが無いので比較的楽に行える。(ベッド展開の動画はこちら)
ポップアップルーフを上げてできるルーフベッドは、1470x1200mmの大きさ。こちらは家庭用ではセミダブルベッドの幅に相当するが、長さが1800mmに達していないため、子供用とされている。なお、ベッドボードを追加して大人が就寝することも可能。
ギャレー

シャワーフォーセットになったギャレー
ギャレーキャビネットは前部右側に設置されており、丸形シンクとシャワーフォーセットが標準装備される。旧モデルではシンクに蓋があったが、プロでは蓋は無くなった。その代わり、シャワーフォーセットを引き出し、窓から出して車外で使えるようになった。
各10Lの給排水タンクは、車体の右側に設けられた扉で、車外から出し入れすることができるようになった。
冷蔵庫/電子レンジ

15Lのポータブル冷蔵庫が標準装備
冷蔵庫は15Lのポータブル冷蔵庫が標準装備される。固定した設置場所は無く、展示車では助手席の後部に置かれていた。もちろん使い勝手の面では問題なく、エントランスに近いので車外に持ち出すのも便利だ。
ただし、FFヒーターの吹き出し口が近くにあり、あまり理想的な場所ではない。

電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。ちょっとした温めものや冷凍食品の調理に便利で、クルマ旅には欠かせないアイテムだ。2000Wインバーターも標準装備されるので、外部電源のないところでも電子レンジを使うことができる。
多目的ルーム
多目的ルームは無いが、子供の緊急用にポータブルトイレを乗せておくことはできる。ただ二人旅に向けたレイアウトなので、子供が長距離を乗るケースは少ないかもしれない。
収納

前部に設置されたオーバーヘッド収納
前部にオーバーヘッド収納が設置されている。一部が扉付きの収納になっており、食器等を収納しておける。

後部のベッド下収納
また、後部ベッド下とシート下は大きな収納になっている。リアゲートを開けて車外からアクセスすることも可能だ。
空調

車載用セパレートクーラーを標準装備
冷房は車載用セパレートクーラー(One Cool 21)が新たに標準装備となった。リチウムイオンバッテリーも標準装備されたので、実用的にクーラーを使用できる。従来は「冷え蔵」が標準装備されていたが、「プロ」では本格的な冷房が可能になった。
暖房はFFヒーターが標準装備されるが、これは灯油式。同社は他車にも灯油式を導入しているが、ガソリン式に比べ、ガソリンタンクの加工をしなくてよいため、安心感がある。
もちろん灯油を補給しなければならないという面倒はあるが、車体右側からタンクを取り出して補給できるようになっている。
テレビ/ナビ

15型のテレビが標準装備される
15インチモニターが標準装備される。これはナビ連動になっており、ナビの画面を見ることができる。ナビでテレビが観られる場合は、大きな画面で観ることができる。また、ナビも標準装備される。
電装系
100Ahのリチウムイオンバッテリーが1個標準装備される。One Cool 21は最大消費電力が600Wなので、連続してフルパワーで運転すると1時間弱しか持たないが、車内が冷えてくると消費電力も下がるので、もう少し長時間運転できるだろう。もちろん夜間なら更に長く運転できるので、寝苦しい夏の夜も快適に過ごすことができる。
オプションで200Ahのリチウムイオンバッテリーに交換することができる。クーラーを積極的に使う場合は、このオプションをお勧めする。
充電は、走行充電、外部100V電源入力による充電、180W薄型ソーラーパネルによる充電が可能で、全て標準装備される。2000W疑似正弦波インバーターも標準装備される。疑似正弦波インバーターでもノートパソコンなどを含め多くの機器が使えるが、より安心を求めるなら正弦波インバーターをお勧めする。
価格(2023年5月現在:千円台切り上げ:税込)
2WD/4ATで500万円~、4WDで525万円~となっている。
全ての必需装備は標準で付いているので、追加で付けるべきオプションは無い。予算に余裕があれば、200Ahリチウムイオンバッテリーへ変更(132,000円)、バッテリーモニター
(39,600)、1500Wインバーターへ変更(67,100円)、運転席助手席リクライニングシート(132,000円)も装備しておきたい。
他モデル
タウンエースベースのポップアップルーフ付きキャブコンはこのリゾートデュオバンビーノプラスプロ以外に、オートショップアズマのM・ホルーヴァ(456万円~:5MT)とバンショップミカミのDテントむし(489万円~)の2モデルがある。
どちらもオプションでエアコンを装備できる。リチウムイオンバッテリーはDテントむしにオプション設定されている。
まとめ
リゾートデュオバンビーノプラスプロは、主要な必需オプションがほぼ全て標準装備されて500万円~と言う価格設定は、かなりお買い得だ。しかもクーラーとリチウムイオンバッテリーがこの価格に含まれており、他モデルで同じ程度の装備にすると150万円以上高価になるだろう。
気になる点も挙げておくと、冷蔵庫の設置場所が挙げられる。FFヒーターの吹き出し口のすぐ隣にあるので、冷蔵庫が温められてしまう。できれば、ベンチシートの下に収納して、上部からアクセスしやすい仕掛けがあると良いのだが。
関連記事