Dテントむしは、バンショップミカミが製作する、トヨタライトエーストラックをベース車にしたキャブコンキャンピングカー。同社は軽キャンピングカーの「テントむし」で有名だが、「Dテントむし」は軽ベースでは狭いがハイエースでは大きすぎるというユーザーに向けた”ちょうどよい”サイズのキャブコン。
コンセプト:コンパクトながらエレベーションルーフで広い室内を持ち、コインパーキングに駐車でき、高さ制限のある駐車場にも入っていける。3種類のレイアウトが選択でき、ファミリーにも二人旅にも対応できる。

2列目にFASPシートを配置しL字型のダイネットを持つレイアウト(オプション)
エクステリア:シェルはアルミ素材で軽量化を図っている。エレベーションルーフを下ろすと、車高は2,090mmになり、高さ制限のある駐車場(多くは2,100mm)に入っていける。また、大きなリアハッチをオプションで装着でき、自転車などを積むことができる。
ベース車はDXと、Xエディションのグレードから選べるが、Xエディションはカラードバンパー、パワーウインドウ、パワードアロック、リモコンドアミラー、ワイヤレスキー、ドアトリムなどが付き、10万円しか変わらないのでXエディションがお勧め。
インテリア:ビデオの展示車はブルー基調のシートだが、他の配色も選択できる。インテリアの自由度は高い。

標準仕様の、L字型ダイネットを持つ二人旅仕様レイアウト
レイアウト:L字型シートのレイアウトが標準。オプションで2列目のみにFASPシートを採用したレイアウトと、2列目と3列目にFASPシートを配置したレイアウトが選択できる。標準レイアウトは前向き着座は運転席と助手席のみなので二人旅に適している。2列目のみにFASPシートを採用したレイアウトは4名が前向き乗車でき、かつ後ろ向きにするとL字型のダイネットになる。

対座ダイネットのレイアウト(オプション)
2列目と3列目にFASPシートを配置したレイアウトは6名が前向き乗車できるので、ミニバンのような使い方が可能。ファミリーで長距離を走る場合に向いている。また後ろ向きにすると、対座ダイネットが形成される。
ダイネット:上記3種類のレイアウトによってダイネット形態は変わり、好みに応じて選択できる。対座ダイネットのレイアウトを選んでも、前後の移動をシートによって妨げられることはない。
ベッド:いずれのレイアウトタイプもダイネットを展開してベッドにするが、ベッドへの展開はL字型シートのレイアウトが比較的楽。ルーフベッドも含めると4名が就寝できる。ルーフベッドのベッドボードはキャブ上部に収納できる。
なお、どのレイアウトもセミフラットモードとフルフラットモードに展開でき、セミフラットモードが1,990x880mm、フルフラットモードが1,990x1,330mmの大きさ。一人で就寝する場合はセミフラットモードでも十分広い。
またルーフベッドは1,820x1,300×620mmの大きさ。ダイネットベッド、ルーフベッドとも、家庭用ベッドならセミダブルとダブルベッドの中間に相当する。

エレベーションルーフ部に設置するルーフベッド
ギャレー:ギャレーコンソールには大きめのシンクがビルトインされており、中皿も洗える。また18L上蓋式の冷蔵庫もビルトインされている。更にはね上げ式の調理台も用意されているので、料理する場合は便利。シンクの下には各10Lの給排水タンクが収納されている。

シンクと冷蔵庫がビルトインされたギャレーコンソール
冷蔵庫/電子レンジ:冷蔵庫は18Lの上蓋式が標準装備される。冷却能力は-18℃まで冷やせるので製氷もできるが、冷凍と冷蔵同時はできない。シンクと位置を入れ替えて、横開き式の冷蔵庫のオプション設定も欲しいところ。
電子レンジはオプションで設定されており、冷蔵庫の上か最後部に設置できる。なお、電子レンジをバッテリーで使用する場合は、オプションの2000Wインバーターも装備する必要がある。

シート下の収納
収納:横座りシートのレイアウト、特にL字型レイアウトでは、シート下が全て収納スペースになっており、大きなバッグも余裕で収納できる。ただ、オーバーヘッド収納やギャレーコンソールの収納が無いので、小物の収納や食器の収納スペースが欲しい。なお、リアスカート部に外部収納があり、汚れたものなどを収納しておける。
空調:暖房はFFヒーターがオプション設定されている。また、冷房は「ACクーラー」(28万円)がオプション設定された。室内機はコンパクトで場所を取らず、室外機もリアタイヤ後ろに設置。
温度調節やタイマー設定もできる。
テレビ/ナビ:10.2インチか15インチのモニターをオプションで設置できる。また、ナビもオプションで取り付け可能。
電装系:105Ahのサブバッテリー1個と走行充電が標準装備される。なお、バッテリーの増設はリチウムイオンバッテリーを含めオプション設置されていない。「ACクーラー」オプションを実用的に使用するには、大容量バッテリーが望まれる。
外部100V入力とこれによるサブバッテリーの充電機能が標準装備される。また1500Wインバーターも標準装備。なお、120Wのソーラーシステムがオプション設置されている。

オプションで大きなリアゲート(超大型鍵付扉)を装備できる
価格:2WD/4ATのDXバージョンは380万円~、同じくXエディションは390万円~。追加すべき必須高額オプションはFFヒーター(18万円)とナビ。自転車などを積みたい場合は、後部超大型鍵付扉(17万円)が必要。
他車:タウンエース/ライトエースベースでポップアップルーフを持つキャブコンは、
エム・ホルーヴァ:オートショップアズマ(371万円~/5MT)
エム・ホルーヴァ ミア:オートショップアズマ(371万円~/5MT)
リゾートデュオバンビーノプラス:stage2(358万円~)
があげられる。
エム・ホルーヴァは車高が2220mmで高さ制限のある駐車場に入れないが、背が高い分オーバーヘッド収納が装備されている。エム・ホルーヴァ ミアはこれを低くしたバージョンで、オーバーヘッド収納が省かれている。
リゾートデュオバンビーノプラスは電装系や冷蔵庫など多くの高額装備が標準装備されているのが特徴。「ライトキャブコン9選」の記事も参考いただきたい。
まとめ:Dテントむしは手頃なサイズのキャブコンとして機動性に富み、都市部での駐車場にも困らない。キャンピングカーと分かる外観さえ気にしなければ、ファーストカーとしても使用できる。Dテントむしのアドバンテージはルーフ全体がアップするエレベーションルーフと、大きなリアゲート。また新たにクーラーのオプションが設定されたことはアドバンテージだ。一方、食器など小物の収納スペースが望まれる。
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