4-1-1. トヨタ ハイエース

現在のハイエースは2004年に発売された「200系」で、何度もマイナーチェンジを重ね現在に至っています。ATも当初の4速から6速に改良され、よりスムースな走行を実現しました。またディーゼルエンジンも当初の3000ccから2800ccになっています。また、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」も追加されています。(ただしキャンピングカーで多く使用されている特装車では装備されていません)

ハイエースは車長で2種類(ロングとスーパーロング)、車幅で2種類(標準とワイド)があり、それぞれにルーフの高さで更に違いがあります。
その組み合わせで、ボディサイズは以下の5車種がラインアップされています。

・ロング標準幅標準ルーフ
・ロング標準幅ハイルーフ
・ロングワイドミドルルーフ
・スーパーロングワイドハイルーフ
・スーパーロングワイドスーパーハイルーフ

上記のうちスーパーロングワイドスーパーハイルーフは救急車用に開発されたもので、一般には販売されていません。この車体に限らず、キャンピングカーとして架装されるベース車は、ビルダーが車両メーカーと契約してキャンパー特装車として用意されています。

●ボディタイプ

標準幅標準ルーフ (4695x1695x1980mm)
ハイエースの中で最も小さいサイズです。背が高いので大きく見えるますが、車長、車幅はノアやヴォクシー等のミニバンとほぼ同じ大きさで、高さ制限のある駐車場にも入ることができます。

こままの状態ではキャンピングカー登録ができませんので、キャンピングカーとして販売されるモデルは多くが4ナンバー登録としています。また8ナンバー登録とするために、後部の床を掘り下げて高さを確保するという手法がとられることがあります

このボディにはスーパーGLという上級仕様が用意されており、見た目の体裁の良さや、運転席周りのグレードアップが可能です。なお、キャンピングカー用には「キャンパー特設車」が用意されています。

 標準ボディ標準ルーフを使ったRVビックフットのスイングN4.7

標準幅ハイルーフ (4695x1695x2240mm)
車長、車幅は上記の標準幅標準ルーフと同じですが、ルーフをハイルーフとしたモデルです。これにより、室内高は1590mm(標準ルーフは1320mm)となり、多少窮屈感は緩和されています。

キャンピングカーとしてのメリットは、大きな構造変更なしにギャレー前の天井高1600mmの構造要件をクリアできること。多くの場合、ギャレー前の天井の内貼りをこの部分のみ高くして対応しています。このためキャンピングカーとして多くのモデルが存在します。

デメリットは、ハイルーフのため、地下駐車場などの高さ制限のある駐車場は基本的に入れないこと。通常の運転でも常に高さを意識したほうが良いでしょう。また標準幅標準ルーフぼでぃのようにスーパーGL仕様が設定されていないため、オートエアコンが選べないなど装備や体裁面の弱点があります。

なお、標準幅標準ルーフボディ同様、キャンピングカー用には「キャンパー特設車」が用意されています。

 標準ボディハイルーフを使ったOMCのナロー銀河

ワイドロングミドルルーフ (4840x1880x2105mm)
このボディの特徴は、一般的な5x2mの駐車枠に駐車できる最大のボディということ。ワイドボディで広い室内ながら、取り回しにも優れています。

ミドルルーフですが、車高制限のある一般的な駐車場(2100mm)でも入庫できる可能性は高くなります。ワイド幅モデルにはワゴン仕様が設定されており、リーフスプリングが多少柔らかく、乗り心地はバンに勝るため、一般のミニバンライクなキャンピングカーのボディとしても人気です。

このボディにはGLグレードが用意されており、ミニバンに勝るとも劣らない外観や運転席周りを選べます。

 ワイドミドルボディを使用したレクビィのプラスMR

スーパーロング (5380x1880x2285mm)
通常販売されているハイエースとしては最大のボディサイズ。室内高は1695mmのため、加工無しにキャンピングカー要件を満たすことができます。
広い室内はキャンピングカーとして魅力的で、現在ハイエースベースのバンコンとしては最も多く使われています。

そのため、「キャンパー特装」という、キャンピングカービルダー向けの設定も存在します。これは、基本グレードのDXベースなのですが、GLレベルの装備を車両メーカーで付けていたり、不要なシートや内装が施されていない特別なグレードで、もちろん、一般のカタログには表記されていません。

主な装備は、プッシュ式オートエアコン、フォグランプ、オプティトロンメーター、コンライト(自動点灯消灯)、イージークローザー、開閉式リアクオーターウインドウ、トリコットシート表皮、運転席、助手席スライドシート、分割ヘッドレスト、メッキドアハンドルとミラーなどで、充実したものです。
もちろんGLパッケージ(これはカタログにも載っています)の、カラードバンパーや電動格納式リモコンドアミラーなども装備されます。

一方で、長い車長と大きな回転半径のため、取り回しに苦労する場合もあります。一般の駐車場では、スペースからはみ出る場合がありますし、また、フェリー料金も1ランク高くなる場合があります。

 スーパーロングボディを使用したトイファクトリーのベルゲン

スーパーロングワイドスーパーハイルーフ (5380x1880x2480mm)
救急車のベース車両で、2013年よりキャンピングカー用にも供給され始めました。もちろん、一般には販売されていません。救急車の赤色灯の穴を防ぐため、キャンピングカービルダーが開発したカバーが付けられています。

2m近い室内高のため、長身の大人でも普通に立って歩けます。大きな架装をしなくても、スーパーハイルーフが実現できるのがメリットです。

 スーパーハイルーフを使用したキャンパーアシストのリチ

エンジン
2000ccと2700ccの2種のガソリンエンジンと、2800ccディーゼルエンジンの計3種があります。標準幅ロングボディ車には2000ccのガソリンエンジンとディーゼルエンジンから選択できます。また、ワイドボディは2700ccガソリンエンジンと2800ccディーゼルエンジンの選択ができます。

トランスミッション
2014年にATを4速から6速に変更。それまでNV350キャラバンが5速ATを採用していたことから、大きなディスアドバンテージとなっていましたが、これにより挽回しています。

グレード
市販のハイエースと異なり、キャンピングカーの場合は、「キャンパー特装」あるいは「特設」と書かれている場合があります。これはキャンピングカー用に設定されたもので、ベースグレードの「DX」を、カラードバンパーにしたり運転席周りをグレードアップしたり、シートを上級のものにしたりと、体裁よくしたものです。

またビルダーやモデルによっては「DX」グレードも選択できる場合があります。通常は体裁の良いキャンパー特装や特設を選択しますが、これらには「Toyota Safety Sense」が付かないという大きなデメリットがあります。「DX」にはこれが付きます。

駆動方式
2WDと4WDを選択可能で、2WDは後輪駆動、4WDはフルタイムです。NV350キャラバンはパートタイム4WDで、ここが異なる点です。

4WDでは一般的に燃費は2WDよりも悪化するので、NV350のほうが燃費効率が良いことになりますが、フルタイム4WDは通常の道路状態でも安定性は優ると言われています。

また、パートタイム4WDは、グリップのある通常の道路状態で使用することは推奨されていないことから、道路状態により、ドライバーが判断して切り替える必要があります。

 

前の記事  ⇧ 目次  次の記事