4-1-2. 日産キャラバン


2012年にフルモデルチェンジし、現在は5代目です。
2001年に発売された旧キャラバンは、200系ハイエースの出現によりキャンピングカーのベース車として次第に使われなくなり、このクラスのキャンピングカーのベース車はハイエース一色といっても良い状態になっていました。

リニューアルされたNV350キャラバンは、ハイエースを強く意識したスタイル、ラインアップで、新開発のディーゼルエンジンや洗練された乗り心地など、最新モデルにふさわしい出来栄えとなり、現在ではスタンダードバンコンのベース車としてその数を増やしつつあります。
ただ、やはりまだまだハイエースの方が車種が多いことは否めないでしょう。
キャブコンとして使われている例は、バンテックのアストラーレCC1のみです。(2020年4月現在)

2020年10月にはガソリン車をモデルチェンジし、車名もNV350を省いた「キャラバン」に変更されました。ディーゼル車は後日モデルチェンジの予定で、現在はディーゼル車は旧型、ガソリン車は新型が販売されています。

なお、マイナーチェンジでATが7速になりました。ハイエースは6速ですので、キャラバンのアドバンテージとなっています。

●ボディタイプ
ハイエース同様、ボディ形状は箱型、キャブオーバーで、ボディの種類は3種類の全長と2種類の車幅、2種類の車高の組み合わせで、以下の3種類があります。

・ロング標準幅標準ルーフ(4,695mmx1,695mmx1,990mm)
・スーパーロング標準幅ハイルーフ(5,080mmx1,695mmx2,285mm)
・スーパーロングワイド幅ハイルーフ(5,230mmx1,880mmx2,285mm)

ハイエースと異なるのは標準幅スーパーロングの存在。その代わりハイエースには標準ボディハイルーフとワイドロング、そしてスーパーハイルーフが存在しますが、キャラバンにはありません。

ロング標準幅標準ルーフ


ハイエースと同様、4700x1700x2000mmの4ナンバー枠をいっぱいに使ったボディサイズ。
基本的に商用車なので当然ですが、箱形のボディで特徴は出し難く、どうしてもハイエースに似てしまっています。しかし、そんな中でも、新しさを出したデザインで、どこか流麗な外観となっています。

マイナーチェンジでは最上級グレードの「GRANDプレミアムGX」が設置されました。これはハイエースの「DARK PRIME II」に相当するもので、運転席周りは乗用車と同等以上のグレード感を持っています。

スーパーロング標準幅ハイルーフ


ハイエースには無いボディサイズで、標準幅ながら車長を385mm長くしています。
スーパーロングと名付けられていますが、ワイドスーパーロングより全長が短くなっています。
あえてハイエース標準ボディハイルーフと比較すると、車長方向と高さ方向に余裕が生まれます。これを特徴とするモデルが増えてきましたが、やはりハイエースの方が多くのモデルが存在している状況です。

スーパーロングワイド幅ハイルーフ



ハイエーススーパーロングと車幅は同じですが、ハイエーススーパーロングよりも150mm短い全長です。取り回しで評判の良くないハイエーススーパーロングに比べ、最小回転半径が6m(ハイエースは6.3m)と多少小さくなっていますが、やはり狭い場所での取り回しは簡単ではないでしょう。キャンピングカーとしては、依然ハイエースが圧倒的に優位に立っています。

エンジン

2L、2.5Lの2種のガソリンエンジンと2.5Lのディーゼルエンジンの計3種のエンジンから構成されます。
標準ボディバン2WDは2Lガソリンか2.5Lディーゼルから選択可能。
標準幅スーパーロング2WDは2.5Lガソリンか2.5Lディーゼルから選択可能です。
また、ワゴンはガソリン2.5Lのみ、マイクロバスは2.5Lガソリンか2.5Lディーゼルから選択できます。

ミッション

当初、キャラバンのアドバンテージは5速ATでした。4速ATしかなかったハイエースに対して大きな優位点だったのですが、2014年にハイエースは6速ATになりましたので、この優位性が弱点になりました。しかし、2020年10月のマイナーチェンジで7速となり、再びハイエースに対する優位点となりました。

パーキングブレーキ
キャラバンはマニュアルミッション車を除いて、足踏み式のパーキングブレーキを採用。ハイエースは未だにステッキ式のパーキングブレーキを採用しており、時代遅れ感があります。

グレード
NV350キャラバンにもキャンパー特装車の設定があります。また、ワイドスーパーロングには「標準」と「上級」の2グレードの特装車があり、標準では見た目が体裁よくなるだけですが、上級ではオートエアコンやプッシュエンジンスターター&インテリジェントキー、ファインビジョンメーター、オートスライドドア、フロントシートが3人掛けではなく2人掛けのGXグレード用シートなどが装備されます。標準に比べワイドスーパーロングで42万円程度高価になります。

また、標準幅スーパーロングには上級は設定されていませんが、特装車の標準グレードが用意されています。標準ボディ標準幅では、ハイエースのGLパッケージに相当する「EXパック」が選択できます。いずれも、カラードバンパーやメッキグリルなど見た目が良くなります。

下記、NS:標準ボディ標準ルーフ、SL:標準スーパーロング、WSL:ワイドスーパーロング
○:標準装備、OP:オプション、-:設定なし

  DX EXパッケージ 特装標準 特装上級 プレミアムGX
対象 NS,SL,WSL NS SL,WSL WSL NS
インテリジェントエマージェンシーブレーキ
助手席SRSエアバッグ OP   OP
寒冷地仕様     OP OP
カラードバンパー OP
カラードアハンドル     -
インテリジェントキー      
プッシュエンジンスターター      
プライバシーガラス OP   OP OP
メッキグリル OP
メッキバックドアフィニッシャー OP
インサイドフロントドアハンドル -  
センタークラスター加飾 -  
メッキ加飾付インストシフトノブ -  
スライドドアステップトリム -  
フォグランプ OP   OP OP
電動格納式リモコンドアミラー - ○メッキ ○メッキ ○メッキ
間欠式フロントワイパー
時間設定
○時間設定
メーター内車両情報表示ディスプレイ   ○(カラー) ○(カラー)
ファインビジョンメーター      
シルバー加飾付ステアリング -  
スライドドアオートクロージャー OP  
バックドアオートクロージャー OP  
オートスライドドア -   - OP
シート表皮 トリコット   織物 織物 織物
助手席シートスライド -  
ヘッドレスト 固定式   分割式 分割式 分割式
シートバックポケット -  
インストルメントパネルアッパー部シルバーメタリック加飾 - -  
センターコンソール -  
マップランプ     -
スライドドアボトルホルダー - -   OP
ドアトリム(フロント) 成型 成型 成型+表皮巻き 成型+表皮巻き 成型+表皮巻き
リアホイールトリム -
フロアカーペット材質 カーペット   カーペット カーペット カーペット
フロントエアコン マニュアル   マニュアル オート オート
リアクーラー      
リアヒーター -  
ブリリアントホワイトパール OP(EXP)   OP OP
インペリアルアンバー OP(EXP)   OP OP
ファントムブラック OP(EXP)   OP OP
ボルドーマイカメタリック - - - -




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