CKキャンパーは、キャンパー鹿児島が製作する、ハイエース標準ボディハイルーフをベース車にした、バン・コンバージョンキャンピングカー。
同社はハイエースベースのバンコンを中心に製作するバンコン専門ビルダー。車名通り鹿児島県鹿児島市を本拠としているが、東京お台場に「グランキャンパー東京」と言う直営店を持つ。
レム セカンドアクトやインプラスなどのハイエーススーパーロングベースから、レム ClassSの軽バンコンまで、多数ラインアップしている。
CKシリーズは、ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にした、CKワイルダーがあるが、ハイルーフをベース車にするCKキャンパーが追加された。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ハイエース標準ボディハイルーフをベース車にしたバンコンキャンピングカー。2列目にマルチモードシートを配置し、5名(フロントの補助シートを入れると6名)が前向き乗車でき、2名が就寝できる。
後部に大きなギャレーキャビネットを設置しており、オプションで冷蔵庫を設置できるほか、電子レンジが標準装備されている。
また、車載用セパレートクーラーと200Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備されるのも大きな特徴となっている。
アピールポイント
・コンパクトなボディながらハイルーフで圧迫感を軽減した室内
・2列目に3名掛けのマルチモードシートを配置。5名が前向き乗車できる
・冷蔵庫(OP)を設置可能
・電子レンジを標準装備
・車載用セパレートクーラーを標準装備
・200Ahリチウムイオンバッテリーを標準装備
ベース車とエクステリア

CKキャンパーのエクステリア
ベース車はハイエース標準ボディハイルーフDX。標準ルーフでも製作できるようだ。同社のウェブサイトではガソリン2WDとディーゼル4WDが選択できるが、カタログではディーゼル2WDも選択できるとなっている。
ボディ外側への架装は無く、見た目は通常のハイエースと変わらないため、日常用途でも目立つことは無い。ただし、ハイルーフなので高さには注意して運転する必要がある。
インテリア

CKキャンパーのインテリア
インテリアカラーは、明るい木目色の家具と、薄いグリーンのさわやか感のあるコーディネーションになっている。インテリアカラーの変更については記載が無いが、特注でできないことは無いだろう。
ベース車がDXグレードなので、車内でも部分的に鉄板がむき出しのところがある。従って車体色がインテリアに影響を与える可能性があるので、ボディカラーの選択は注意する必要がある。
レイアウト
2列目に3人掛けのマルチモードシートを設置。前向きにすると、3名が着座できるので、運転席、助手席、そのあいだの補助席と合わせて6名が前向き乗車できる。2列目シートの両側と運転席、助手席の4名が3点式シートベルトを着用できる。3列目の横座りベンチシートにも2名が乗車できるので、乗車人数は8名となっている。
後部には右側の大きなギャレーキャビネットを置き、後部左側にも冷蔵庫(OP)が収納できるキャビネットを設置している。
このレイアウトの特徴は、3列目シートを横置きにしたことで、後部へのアクセスがスムースにできること。ダイネットから冷蔵庫へのアクセスも容易だ。ギャレーの前は通路になるので、立って調理ができる。
ダイネット

CKキャンパーのL字型ダイネット
2列目シートを後ろ向きにすると、3列目の横座りベンチシートとでL字型のダイネットになる。カップホルダー付きのテーブルも設置できる。2列目シートが前向きの場合でも、テーブルを前部に設置できる。
寛ぐ場合は、後部をベッドモードにし、2列目シートをスライドしてドッキングさせると足を伸ばしてリクライニングできる。後部にテレビを設置すると、リラックスした姿勢でテレビを観ることができる。
ベッド

ベッドモード
2列目シートをフラットにし、3列目シートの背もたれを通路に移動すると、ベッドモードになる。ベッドサイズは、2200x1300mm。ただし、足元(後部)はギャレーキャビネットがあるので1050mmの幅となっている。
1050mmは家庭用のシングルベッドの幅(970mm)より80mm広い程度で、セミダブルベッドの幅(1200mm)より狭い。キャンピングカー要件では1名の幅が500mm以上となっているので一応2名就寝できるが、2名だと少し窮屈だろう。
ギャレー

ギャレーセクション
右側に大きなキャビネットが設置されており、最後部に丸形のシンクとフォーセットが用意されている。比較的大き目のシンクなので中皿程度は洗うことができる。フォーセットは写真のように取り付けられているのがユニーク。

引き伸ばせるシャワーフォーセット
シャワーフォーセットは引き伸ばして車外で使用できる。外遊びの後に手足を洗ったり、ペットの足を洗ったりする場合に便利だ。

給排水タンクはここに収納
給排水タンクはシンク下に収納されており、リアゲートを開けて車外から直接出し入れできる。
冷蔵庫/電子レンジ

40L上開き式冷蔵庫がオプションで用意されている
冷蔵庫は40L上開き式冷蔵庫がオプションで用意されており、後部左側のキャビネットに収納できる。横向きに設置すれば車外からもアクセスしやすかったのだが、ベッド長などへの影響があったと思われる。

電子レンジは標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。ちょっとした温めものや冷凍食品の調理に重宝する。インバーターについては情報が無いが、電装系の写真を見ると設置されているのが分かる。
電子レンジがあるので1500W以上のものと思われるが、標準装備かオプションかは不明。オプションリストに記載されていないので標準装備であることを期待したい。
多目的ルーム
CKキャンパーに多目的ルームは無いが、緊急用にポータブルトイレを乗せておくことはできる。後部をベッドモードにしてベッドの下に入れておけば目に触れることは無い。
収納

右側キャビネットの扉付き収納
収納は右側のキャビネットに用意されている。一つはキャビネット前方にある扉付きの収納で、ベッドモード時でも開けることができる。CKキャンパーで最も使いやすい収納だ。埃やゴミが入らないので食器や食品の収納に適している。

右側キャビネット下部の収納
次に、右側キャビネットの下部に2か所、扉なしの収納がある。ベッドモードにしてしまうと使いにくいが、ダイネットモードではすぐにアクセスできる。ただし扉が無いので、走行中に飛び出してもよいものしか収納できない。もちろん特注やDIYでや扉を付けることは可能だろう。

右側上部のマガジンラック
右側上部にはマガジンラックが用意されている。この他に、冷蔵庫が不要なら左側のキャビネットを収納として使える。収納はこれだけだが、折角ハイルーフなのでオーバーヘッド収納が欲しいところだ。特注で付けられるかは不明だが、スペースは十分ある。
空調

車載用セパレートクーラーを標準装備
CKキャンパーの最も大きなアピールポイントは、車載用セパレートクーラー(CoolStar)が標準装備されることだろう。さらに200Ahのリチウムイオンバッテリーも標準装備される。
CKワイルダーではリチウムイオンバッテリーはオプションだったので、嬉しい進化だ。なお、FFヒーターはオプションとなっている。ベンチレーターはオプションリストにはないが設置は可能だろう。
テレビ/ナビ

19型のテレビがオプションで設置できる
19型のテレビがオプションで設置できる。設置位置は後部右側で、角度を変えられるアームも付属する。前述の通り、ダイネットをリラックスモードにすると寛いだ姿勢でテレビが観られる。
電装系

200Ahリチウムイオンバッテリーを標準装備
電装系は3列目のベンチシート下に収納されている。写真右の青い箱が標準装備の200Ahのリチウムイオンバッテリー。白い箱がインバーターだ。インバーターは標準装備かオプションかは不明。
その他CTEK走行充電、外部電源入力とチャージャーが標準装備となっている。176Wソーラーシステムはオプションで設置可能だ。
価格(2023年12月現在:千円台切り上げ:税込)
同社のウェブサイトでは、ガソリン2WD/6ATで582万円~となっている。ディーゼル4WDは675万円~。(ナビ関連は除く)
付けておきたいオプションは、FFヒーター(268,500円)、1500Wインバーター(標準装備でなければ)、40L上開き式冷蔵庫(120,000円)が挙げられる。
予算に余裕があれば、176Wソーラーシステム(211,200円)を付けておきたい。価格表とオプションリストはこちら。
他モデル
ハイエース標準ボディハイルーフをベース車にし、2列目にマルチモードシートを持つモデルは多数存在する。例を挙げると、
・アメリア ライト:AtoZ
・オレオ:キャンパー鹿児島
・ハイエース2B:タコス
・Y200NH:ティピーアウトドアデザイン
・ウォークIIタイプA:ドリーム・エーティー
・VR470h:バンレボ
・クッチェッタカナート/ファミーユ:ビークル
・コンパスビッツ ハイルーフ:ホワイトハウス
・バカンチェスリッツ:リンエイプロダクト
・ラティーナ:ロータスRV販売
ただし、これらの中でCKキャンパーと同様のレイアウトを持つモデルは存在しない。多くは対座ダイネット、あるいは3列目に横座り対座のダイネットを採用している。
まとめ
上記の中でもエアコンやクーラーが装備できるのがコンパスビッツ ハイルーフだけであることを考えると、CKキャンパーが先進的であることが分かる。もちろん他のモデルでも特注によって取り付けることができるかもしれないが、リチウムイオンバッテリーを含めて標準装備としているCKキャンパーは、やはり夏場のキャンピングカーの在り方について真剣に考えているモデルだ。
CKキャンパーは乗車人数8名、就寝人数2名(ただしベッド幅が1050mmのため2名では窮屈)となっている。就寝人数を重要視していないところを見ると、あまり車中泊をするユーザーを対象にしていないように見える。
即ち、ファミリーや仲間でドライブするが、車中泊はせず、車内で談笑したりお茶を飲むスペースがあれば良いというユーザーだ。そのため、クルマ旅なら必須の冷蔵庫がオプションになっている。電子レンジは8ナンバー取得のためでもあり、またちょっとした温めものには便利なので標準装備となっている。
オーバーヘッド収納が設置されていないのも、上記のようなユーザーなら荷物はそれほど多くないことを想定しているからかもしれない。オーバーヘッド収納を設置するよりも、広々とした室内を優先した結果だ。
なお、ファミリーでの車中泊を重視するなら、同社にはオレオがある。こちらは5名が前向き乗車でき、大人2名+子供2名が就寝できる。横開き冷蔵庫(OP)も設置可能だ。ただしクーラーのオプション設定は無い。
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