CEEBUS Masters Lineはアルフレックス(ALFLEX)が製作する、ハイエース標準ボディ標準ルーフ、あるいはワイドミドルルーフを使用したバンコンキャンピングカー。
同社は京都市南区に本拠を置くバンコンビルダーで、高いデザイン性を持つインテリア、エクステリアを特徴とした、ハイエースバンコンをラインアップしている。
CEEBUS Masters Lineは従来から存在するCEEBUSを更に洗練されたステージにグレードアップした、同社の新しいフラグシップモデルだ。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ハイエース標準ボディ標準ルーフ、あるいはワイドミドルルーフをベース車にしたバンコンキャンピングカーで、内外装とも洗練されたデザインを特徴とする。従来からあるCEEBUSのインテリアをグレードアップし、最高級モデルとして進化した。
2列目にマルチモードシートを配置し、5名が前向き乗車できるほか、オプションで運転席、助手席が回転して後ろ向きになり、対座ダイネットが可能。
ダイネットを展開したベッドでは2名が就寝できる。2名でのラグジュアリーな使用を想定しており、普段使いのファーストカーとして、エクステリアのドレスアップにも力を入れている。
アピールポイント
・ハイエース標準ボディとワイドミドルルーフを選択可能
・デザイン性の高い内外装
・ギャレーに常設2口コンロを標準装備
・50L引き出し式冷凍冷蔵庫を標準装備
・後部にもシンクとフォーセットを設置
・ベッドマットを外すと、広い荷室になる
ベース車とエクステリア
CEEBUS Masters Lineのエクステリア(ワイドミドル)
ベース車はハイエース標準ボディ、あるいはワイドミドルルーフ。いずれも5ドアバン スーパーGLが使用されている。ルーフやウインドウに架装は無いが、スポイラーやオーバーフェンダーなどドレスアップパーツが用意されている。
インテリア
オリジナルレザーシートのインテリア
CEEBUSから最も変更があったのがインテリアで、シート地がスエード調から、贅沢な肌触りのオリジナルレザーシートにグレードアップされている。
アクセサリーライト
インテリア全般にわたって高いデザイン性を持っており、またワンポイントのアクセサリーライトなどの演出も効果的にされている。
レイアウト
2列目にマルチモードシート(FASPシート)を配置、オプションで運転席と助手席の回転機構を装備すると、後ろ向きにできるので、2列目シートと対座ダイネットを形成することができる。
後部はベッドマットを設置しておくと、小さなリラックススペースになり、ベッドマットを外すと広い荷室になる。
乗車人数は、3人掛けの2列目マルチモードシートと運転席、助手席を合わせて5名で、2列目シートの両側に3点式シートベルトが用意されている。
2名での使用がコンセプトで上段ベッドはなく、就寝は2名のみ。(ファミリーでの車中泊は上段ベッドを持つC's NEXが適している)
ダイネット
運転席と助手席が反転(OP)できるダイネット
2列目シートと、反転して後ろ向きにした運転席と助手席とで、5名でテーブルを囲むことができる。(フロントシートの回転機構はオプション)
フロントシートの回転は比較的簡単にできるが、雨の日など車内で行う場合は多少やり難いかもしれない。また着座位置は2列目シートより高いため、対座と言っても多少違和感があるかもしれない。
ベッド
2名が就寝できるダイネットベッド
2列目シートをフラットにすると、2400x1120mmのベッドになる。家庭用セミダブルベッドの幅は1200mmなので、これより多少狭いベッド幅だが2名が就寝できる。
子供なら2名が就寝できる後部ベッド
なお、後部のベッドマットだけの場合は、1520(車幅方向)x1160mmの広さのベッドになる。これはもちろん大人は就寝できないが、子供なら2名が就寝できるサイズだ。
ただ、2名での使用を想定したレイアウトなので、子供が同伴するケースは稀かもしれない。即ち、このスペースの意図が今一つ不明瞭だ。もちろん、単なる荷物を置くスペースとして使えることは間違いないが。
ギャレー
常設2口コンロがビルトインされるギャレー
ギャレーキャビネットはダイネットサイド右側にあり、シンクと、常設2口コンロがビルトインされている。多くのバンコンはポータブルカセットコンロを使用する度にセットする必要があるが、CEEBUS
Masters Lineではその必要が無く、すぐに使うことができる。
後部右側のセカンドギャレー
なお、セカンドギャレーが後部右側に用意されている。ギャレーというよりミニシンクで、シャワーフォーセットは使う都度ホースをコネクタにつなぐ必要がある。しかし、リアゲートを開けて車外でペットの足を洗ったりする場合便利だ。
冷蔵庫/電子レンジ
50Lの冷凍冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は50Lの冷凍冷蔵庫が標準装備される。一見横開き式に見えるが、実は引き出し式で、これにより車内からでも車外からでも冷蔵庫にアクセスできる。もちろん、冷凍室が独立しており、冷蔵と冷凍が同時にできる。
なお、電子レンジはオプション設定されていない。
多目的ルーム
ポータブルトイレは床下収納庫に収納できる
CEEBUS Masters Lineに多目的ルームは無いが、ポータブルトイレは床下収納庫に収納しておける。ポータブルトイレを収納することを想定しているので、ポータブルトイレの高さを心配することは無い。
収納
後部右側のオーバーヘッド収納
後部右側にオーバーヘッド収納が用意されている。標準ルーフボディなので十分な大きさ(高さ)は無いが、それでも多くの同ボディを採用している他モデルがオーバーヘッド収納を持たないことを考えると、特筆できる装備だ。
ギャレー上の棚
また、ギャレー上にも棚が新たに設置された。扉が無いので、走行中に落下しても良いものしか乗せられないが、やはり収納は多いほど良い。
後部ベッド下の収納スペース
後部ベッド下は収納スペースとして利用できる。ハイマウントベッドではないので、容量は限られるが、リアゲートを開けると車外から荷物を積み込むことができる。
ベッドボードを外すと、大きなラゲッジスペースになる
更に、ベッドボードを外すと、大きなラゲッジスペースになる。背の高い荷物も積載できる。
空調
暖房はFFヒーターがオプションで用意されているが、冷房のソリューションは用意されていない。モデル選択時に対象となるであろう他モデル、例えばケイワークスのオーロラエクスクルーシブ5star、あるいはホワイトハウスのコンパスビッツやコンパスではクーラーが設置できるので、ここは弱点になってしまう。
テレビ/ナビ
テレビのオプションは特に記載されていないが、サードパーティから発売されているフリップダウンモニターなどが装着できる。またナビも特にオプション設定は無いが、好みのものが装備できるだろう。
電装系
100Ahのディープサイクルバッテリー1個と走行充電、そしてCTEK昇圧システムが標準
装備される。また外部100V電源有力と充電機能(チャージャー)も標準装備される。
ソーラーパネルは同社オリジナルのルーフレール型ベースに設置される
インバーターはオプション設定が無いが、必要に応じて装備できるだろう。またソーラーシステムは200Wのものがオプションで装備できる。パネルは同社オリジナルのルーフレール型ベースにスマートに設置され、冷却効果も伴っている。
価格(2023年1月現在:千円台切り上げ:税込)
CEEBUS Masters Lineダークプライム ガソリン2WD 6ATで612万円~となっている。従来のCEEBUSが同542万円~なので、Masters Lineは70万円高ということになる。なお、ワイドミドルの価格は表示されていないので不明だが、CEEBUSのワイドミドルは571万円~なので、約29万円高となる。
付けておきたい必需オプションはFFヒーターが挙げられる。また、予算に余裕があれば200Wソーラーパネルも付けておきたい。なお、オプションの価格は掲載されていない。
他モデル
ハイエース標準ボディ標準ルーフ、あるいはワイドミドルルーフをベース車にし、2列目シートにマルチモードシートを持ち、比較的インテリアにこだわったモデルを探すと、ケイワークスのオーロラエクスクルーシブ5star(709万円:SGL)、ホワイトハウスのコンパスビッツ(479万円~:GLP)、コンパス(646万円~:GLP)がある。
また、同じアルフレックスのモデルだが、上段ベッドでファミリーにも対応するC's NEX(595万円~:標準ボディSGLダークプライム)がある。
オーロラエクスクルーシブ5starとコンパスビッツ/コンパスはいずれもクーラーが装備できる。また、上段ベッドがあり(オーロラエクスクルーシブ5starはオプション)ファミリーにも対応できる。
まとめ
CEEBUS Masters Lineは、洗練されたインテリアが魅力的なモデルで、またエクステリアのドレスアップでクルマとしての魅力も持ち合わせている。しかし、上記の他モデルと比較すると、クーラーが装備できないこと、ポップアップルーフが選択できないこと、ファミリーに対応していないことが相違点ではある。
ただし、CEEBUS Masters Lineはこれらのモデルと多少コンセプトの方向性が異なる。即ち、二人使用に割り切り、日常用途で使用するファーストカーとしてクルマとしてのグレード感があり、洗練されたインテリアを望むユーザーに向けたモデルだ。
そのようなユーザーが常設二口コンロがある立派なギャレーを望むかは多少疑問があるが、クーラーソリューションはやはり将来期待したいところだ。
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